2012年5月26日 (土)

床下だけにしか住みつかない訳ではありません

Extermination306昨日ご紹介した物件のシロアリ駆除についてご紹介したいと思います。

この物件では小屋裏(天井裏)の梁にヤマトシロアリが生息しています。床下と介さず、小屋裏だけで生息していますので、雨水などから水分を採取しているのでしょう。

このようなケースで、被害部へ液状の薬剤を注入すると被害部から液垂れして天井が汚れ、シミになったりします。これまでは最新の注意をしながら注入する液量を減らしたり、天井に養生したりして処理を行っていました。処理薬量が不足となるケースはヤマトシロアリでは少ないようですが、イエシロアリなどでは実際に薬量不足となり駆除しきれなかったケースもあると聞いています。

このようなケースでは薬剤を泡状(ムース状)にして注入する方法が効果的です。泡の硬度を上手くコントロールすることで、薬剤の注入量と液垂れ量をコントロールすることができます。ただし、泡の硬度を固くしすぎると、木材への付着量にムラができて効果が十分の発揮されないこともあるので注意が必要です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月25日 (金)

湿気とシロアリ

Inspection396昨日は大阪府内でのシロアリ駆除でした。先日、廻り縁から羽アリが発生し、シロアリ調査でお伺いして小屋裏で被害が確認された物件です。

この物件では床下点検口がなかったことから大工さんに設置して貰い、床下からの点検調査を行いました。

調査の結果から、床下側からの侵入はありません。小屋裏単独での生息ということになります。駆除の様子については明日ご紹介するとして、この物件の特徴についてご紹介したいと思います。

この物件は築古年で、増築されています。そのため、建物中央に古い家屋の基礎があり、通気の導線が悪くなっています。住宅密集地で隣家と近く、塀などもあるため、通気性そのものが悪いようです。床下は湿気が高く、写真にもある通り、床下土壌表面はカビで覆いつくされています。しかし、この物件の床下ではシロアリが生息していないのです。

床下の湿気が高いとシロアリが湧くなどと言われる方がおられますが、これは間違いです。床下から侵入したシロアリは湿気が高いかどうかわかって侵入している訳ではありません。床下に侵入してから、シロアリたちが住み易い湿気のある場所で生息することとなるのです。湿気の有無だけでシロアリを議論するのは間違いです。ですので、床下を乾燥させることはシロアリ対策ではないのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月24日 (木)

マニュアルで駆除できませんでした

Alate31右の写真は先日お伺いした物件で撮影した1枚です。ヤマトシロアリの羽アリが天井付近で発生しています。

このお施主さまはあるサイトで薬剤と施工マニュアルが一緒に販売されているものを購入し、そのマニュアルに沿って処理されたそうです。処理すると羽アリが出なくなったので安心されていたそうですが、1年後に再発しました。

付属のマニュアルの内容がどのようなものかわかりませんが、マニュアルで駆除することは困難でしょう。建物の構造も違えば、シロアリの侵入経路や生息範囲は千差万別です。マニュアルで統一的な処理で駆除できるほど甘くはありません。

このホームページを確認させて頂きましたが、運営者の方は私も知らない方ではありません。しかし、大袈裟な表現があり、特にシロアリ業者の何分の一かで処理できますと記載されています。よく読むと一般的なシロアリ防除業者の施工金額に床下換気扇の金額を足して、比較したものでした。薬剤とマニュアルを売るのに、比較対照で床下換気扇の金額を加えているのはお門違いではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月23日 (水)

何故全面処理を勧めるのか

Inspection395昨日は大阪府内の物件にシロアリ調査でお伺いしました。5月上旬に羽アリが発生が確認された物件です。

既に別のシロアリ防除業者がシロアリ調査を行っています。シロアリの羽アリは建物全体で発生した訳ではなく、浴室や洗面周辺のみです。このケースでは当然のように一般的なシロアリ防除業者は全面処理を勧めてきます。

ちなみにこの建物は高齢者の方が使用される施設です。特に安全性に対して配慮する必要があります。しかし、一般的なシロアリ防除では、殺虫成分は高濃度で処理されます。同じ殺虫成分を使用農薬で比較すると単位面積当たりの成分投下量は、農薬を1とした場合、シロアリ防除剤は数百倍にもなります。

協会の安全管理で指摘している通り、居住者への安全に配慮すべきとあるのに残念でなりません。大きな組織から委託を受けている、老舗のシロアリ防除業者さんだけに余計残念です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月22日 (火)

リフォーム中に

Inspection394右の写真はいつもお世話になっているハウスビルダーさんの依頼で大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中にシロアリの被害が見つかったそうです。

現場を確認するとシロアリの姿はありません。しかし被害部などをよく観察すると、最近までシロアリの生息していた形跡が確認されました。

ハウスビルダーさんは既に放棄された古い被害跡と考えられていたようですが、今回のケースでは、必要最小限のシロアリ予防は必要と考えられました。

一般的に行われている協会指定の予防処理方法では、薬剤の撒き過ぎです。そこまで撒かなくてもシロアリ予防は可能です。建物の構造とシロアリの生態をよく理解すれば、最小限のシロアリ予防も可能なのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月21日 (月)

構造を理解すること

Ttd133昨日はハウスビルダーさんからの依頼で滋賀県内でのシロアリ調査でした。

この物件は木造枠組壁構法(ツーバイフォー工法)で、床下の構造はベタ基礎です。羽アリが発生したのはリビングの窓枠からでした。

床下側から点検調査を行った結果、羽アリの発生した窓枠の下にあたる土台部分の僅かな隙間に極微量の蟻道の吹き出しがありました。その他の場所では、シロアリの侵入した形跡はありません。

室内側から非破壊シロアリ探知機を用いて調査した結果、窓枠の下部にあたる壁内へシロアリの活動を探知しました。屋外側から調査した結果、基礎と化粧モルタルの隙間を通って壁内へ侵入、窓枠を食害していたようです。

羽アリが発生した場所だけがシロアリの生息場所ではありません。構造を理解した上でシロアリの侵入経路と生息範囲を特定しなければなりません。薬剤を撒くだけがシロアリ駆除ではありませんので、普段から建物の構造を勉強しておく必要があるのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月20日 (日)

薬剤注入処理

Extermination305昨日は大阪府内でのシロアリ駆除でした。玄関から羽アリが発生し、先日シロアリ調査を行った物件です。

この物件はベタ基礎、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物で、一般の方からすると『シロアリの被害を受ける訳のない物件』と考えがちな物件です。しかしRC造とは言え、内装には木材が使用されているので、シロアリが侵入すればシロアリの被害を受けても当然です。

実際には玄関のコンクリートの重なった部分の隙間からシロアリが侵入しています。非破壊シロアリ探知機を用いて調査した結果、壁面でシロアリの活動を探知しています。同じようなケースである建築士の先生から『湿気がないので何故シロアリが居るのですか』と聞かれたことがありますが、シロアリは水分を運んできますし、蟻道や蟻土といった乾燥から身を守る術がありますので、乾燥は意味がありません。

今回のケースでは玄関を中心に処理を行っています。これは構造を考えればわかることで、闇雲に薬剤を撒き散らしても意味がないのです。但し、金儲けを考えているシロアリ防除業者は少しでも多くの薬剤を撒いて、沢山施工費を貰うと思いますのでご注意を。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月19日 (土)

空間投入量

Extermination304昨日は兵庫県内でのシロアリ駆除でした。この物件は先日シロアリ調査でお伺いした鉄筋コンクリート造の家屋で、浴室入口枠から羽アリが発生しています。

このようなケースでは侵入経路はコンクリートのクラックです。このクラックに上手く薬剤を送り込むことが重要です。

当初、液状薬剤を用いて処理を行いましたが、上手く送り込める場所と送り込めない場所がありました。上手く送り込めない場所には泡状薬剤を用いて処理を行いました。

泡状薬剤は立体的な処理が可能なので、とても便利な薬剤ですが、処理薬量の観点から見ると広い空間では十分な薬量が処理できますが、狭小空間では処理薬剤が不足します。

そのため、泡状薬剤を入れてその狭小空間がどの程度か判断した上で、有効成分濃度をコントロールする必要があります。これを十分に理解しておかないときちんと駆除できなくなるケースがあるので注意が必要です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月18日 (金)

排水ピットの隙間から

Alate30昨日は兵庫県内のマンションにお伺いしました。駐車場付近で羽アリが大量に発生したとのことから、シロアリ調査にお伺いしました。

羽アリの発生源は排水会所からで、壁面や底面にあるクラックから発生している様子が確認されました。

右の写真がその様子ですが、職蟻や兵蟻なども活動しています。通常はこのように表に出てきて活動することはありません。しかし羽アリの群飛シーズンだけは、羽アリとともに表に出てきて活動します。

今回のように羽アリが発生した場合、建物に影響を与えることはまずありません。しかし、羽アリが洗濯物について、不快に感じられる方が多いようです。ヤマトシロアリの羽アリは正の走光性(光に集まる性質)があるので、特に白いシャツに集まるのでしょう。

今回は不快害虫対策としてシロアリ対策を考えたいと思います。少し難しいですが、工夫して対応したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月17日 (木)

設計上の問題

Prevention132昨日はリフォームに伴う防腐防蟻処理で兵庫県内の物件にお伺いしました。このハウスビルダーさんとは今年からのお付き合いで、知り合いのハウスビルダーさんのご紹介です。

一般的な防腐防蟻処理を行っているため、特記すべき事項はありません。しかしこの物件は将来的に問題です。

古民家を改造している物件ですが、これまであった床下にコンクリートを流し込んだため、床下の高さは殆どありません。

建築士の先生はコンクリートを流し込み、防腐防蟻処理を施しておけば大丈夫だろうという考えでしょう。しかし、薬剤の残効性には限界があり、いずれ効果はなくなります。するとコンクリートの隙間からシロアリが侵入します。そうなった際、侵入して確認できない高さとなった床下は、何も役に立ちません。

リフォーム番組でもよく見られるケースですが、床下空間は日本の風土に合わせて進化してきた空間です。湿気やシロアリと上手くやりとりする空間です。それをなくしてしまっては、いけないのです。今回は仕方なく処理を行いましたが、少しでも残効性が延びるよう、工夫して処理を行いました。建築士の先生方には、もう少しシロアリについて勉強して頂くと有難いのですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«木材は使われていませんが