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2009年1月 5日 (月)

アメリカカンザイシロアリ-41

Kanzai042 前回ご紹介したアメリカカンザイシロアリの記事を見て、シロアリフォーラムメンバーのオヤシロアリ技研の尾屋さんから写真を頂きました。それが右の写真です。

尾屋さんが飼育されているアメリカカンザイシロアリですが、木柱中央に置かれている吸水スポンジに向かってアメリカカンザイシロアリが蟻道を構築しています。

殆どの文献やWebで紹介されている内容では、『アメリカカンザイシロアリは蟻道をつくらない』とされています。しかし、実際には糞は木粉を加工して蟻道を構築します。

文献というのは、文献が書かれた時点での知見にしか過ぎず、最新の知見は得られません。最新の知見は自分で飼育したり、自分で実験したり、自分で見ることで得られることが多いのです。『アメリカカンザイシロアリが蟻道をつくらない』とされているWebは文献に頼り、自分で見ることを怠っています。これでは技術者としての自覚は無いに等しいのです。

長年に渡りシロアリ防除業に従事していても、シロアリの生態を全く知らない方がおられるのもこの業界の実態です。この写真を提供頂いた尾屋さんはシロアリ防除業としてはまだ経験は浅い部類ですが、自分で飼育、実験、見ることができる方です。シロアリフォーラムのメンバーである東海白蟻研究所の星野さんや岡崎シロアリ技研の神谷さんについて技術を習得され、短期間で駆除技術を高められた方です。シロアリ防除は経験の時間ではなく、どれだけ目的意識を持ってシロアリと対峙したをいつも尾屋さんから教えて頂きます。これからも切磋琢磨しながら技術の向上に努めたいと思います。

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コメント

 今、家を建てようと思っているんですが、今日、NHKでアメリカカンザイシロアリの特集を組んでおり、それを見た奥様から「木の家はイヤ!」という話になり困っています。
 このアリの出現で木造住宅メーカーは全滅になるのでしょうか?

投稿: h2net | 2009年1月19日 (月) 21時23分

京都大学の吉村准教授がお話しされていた通り、輸入木材や家具などからも侵入します。

鉄骨で建てたとしても、内装に木を使えばそこに生息する可能性はありますし、家具があれば家具にも生息します。私が管理している物件に鉄筋コンクリート造もありますので、木造だからダメということはありません。

但し、このシロアリは生息する集団の絶対数が少ない上、食害速度も遅いので、早期発見・早期対処すれば問題ありません。

アメリカでは、木造住宅メーカーは潰れていません。木造の良さは修繕が簡単であることがメリットです。悪い部分だけ切り取って修復することが可能なのです。修繕しにくい構造(例えば2×4住宅など)では大変でしょう

あと、檜(ヒノキ)を使っていれば大丈夫などという方もおられますが、私の飼育しているアメリカカンザイシロアリはヒノキの心材でも食べます。重要なのは、アメリカカンザイシロアリの糞を早期に発見し、信頼できる業者へ対応して貰うことだと思います。

業者についてのご相談を受け付けていますので、お気軽にどうぞ。

投稿: シロアリ調査隊 | 2009年1月19日 (月) 22時00分

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