強制接触させてどうする
先日、お世話になっている同じシロアリ業者さんへ用事がありお伺いしたところ、『日本しろあり対策協会からアメリカカンザイシロアリの規定ができましたね』とお聞きしました。私は日本家屋害虫学会の講演会である程度の話しを聞いていたので知っていました。
協会から出されている『乾材シロアリの防除法』については、総合管理システムで対応していくので、良い方法だと思います。しかし、問題点は効力試験方法です。
この方法は木に穴を開けて薬剤を処理し、そこにシロアリを入れて金網をすることでシロアリの挙動を見ようというものです。これは強制的に薬剤に摂食させるもので、よほどの薬剤でない限り効果があって当たり前です。
アメリカカンザイシロアリが薬剤の処理してあるところを通る或いは食べるという前提なのでしょう。しかし、通らない或いは食べない場合はどうするのでしょうか?
最近、忌避性がないというのを売りにしている薬剤が増えてきましたが、薬剤の濃度や処理量によって変わります。特定の濃度、処理量で評価した場合に忌避性がないということであって、濃度や処理量が変われば忌避性は変わるのです。
アメリカカンザイシロアリなどの乾材シロアリの駆除は、室内で行われるケースが多いのです。それだけに薬剤濃度と処理量が重要で、濃い濃度や多い処理量はお住まいの方の薬剤曝露リスクを向上させます。薬剤の安全性は勿論ですが、濃度や処理量に気を配って欲しいものです。
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