シロアリ調査隊

右の写真は、飼育中のアメリカカンザイシロアリです。アメリカカンザイシロアリの有翅虫（羽アリ）の状態ですが、撮影したのは先月末です。

インターネットでアメリカカンザイシロアリの羽アリについて調べてみると、６から９月の日中に発生するという記述が多く見られます。確かにこの時期に見られることもありますが、実際の現場では一致しません。

兵庫県内のある地域では、５月中旬に羽アリが群飛します。ヤマトシロアリの羽アリ発生時期と重複するため、知識のないシロアリ防除業者はアメリカカンザイシロアリの羽アリではなく、ヤマトシロアリの羽アリと判断した実例もあります。また、この地区の保健所に持ち込んだところ、やはりアメリカカンザイシロアリではなく、ヤマトシロアリと判定されたようです。

広島県内の物件では、羽アリを２月に見たことがあります。小屋裏作業のため、冬季にお伺いし駆除作業を行っている最中に、羽アリが発生しました。６～９月に発生するというのは、統計的に多い時期であって、アメリカカンザイシロアリの羽アリは年中発生することが可能なのです。飼育中のアメリカカンザイシロアリも、季節に関係なく年中発生しています。

アメリカカンザイシロアリの羽アリ発生時期とされている６～９月とされているのは、お偉い先生が言ったことが理由とされています。実際に現場に携わっていないシロアリ防除業者のホームページを見ると、この６～９月という記述になっているのです。

シロアリは飼育し、観察すると色々なことが見えてきます。そのシロアリを使って実験すると、薬剤の長所や短所がわかります。書籍やインターネットの情報は、必ずしも正しいとは限りません。現場で起きていることが真実であり、その真実を理解した上でシロアリ駆除を行わないと正しいシロアリ駆除はできません。

当社ではシロアリ飼育と観察、各種試験を通じてシロアリ駆除技術の向上に努めています。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参照下さい。