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2017年12月31日 (日)

2017年度総括

2017年もいよいよ今日1日を残すこととなりました。今年1年を振り返ってみたいと思います。

ここ数年の同じ傾向が続いていますが、外来種であるアフリカヒラタキクイムシの被害が増加しています。フローリングや壁での被害事例が多く、合板の中で繁殖していると考えられます。国内で一般的に生息していない種ですので、外部から飛来し繁殖することは皆無と考えて差し支えありません。しかし、昨年から経験している事例では、国産の無垢広葉樹フローリングで発生が確認されました。これは、物流倉庫や運搬中に海外製合板で繁殖したアフリカヒラタキクイムシの成虫が、国産の無垢広葉樹に産卵、繁殖したものと考えれます。

アフリカヒラタキクイムシが国内で初めて見つかった頃、日本では冬季の寒さの影響から越冬できないのではないかと意見された研究者の方がおられましたが、昆虫の対応力は予想以上で、瞬く間に被害が広がり高い繁殖能力を見せつけられました。この結果を考慮すると、製造後の保管倉庫や流通倉庫、運搬中のコンテナなどでの繁殖には何の問題もありません。製造段階では高温処理を施すため、合板の中に生息する幼虫等は死滅するでしょうが問題はその後にあり、流通段階での対策をメーカーさんがどうされるのか今後注目したいと思います。

発生初期であれば、薬剤処理や物理的対策、モニタリング等複数の対策を組み合わせることで対応は可能です。しかし、素人処理による薬剤処理(無知な防除業者による処理を含む)や不適切な被害部撤去及び部材交換では、殆どのケースで再発します。アフリカヒラタキクイムシの被害と繁殖は、目視可能な範囲以外にも広がっているということを理解した上で対処する必要があります。特に再発後の対策には、時間と費用を要しますことをご理解頂いた上で阪神ターマイトラボのウェブサイトからお問い合わせ下さい。

また、温暖な地域に生息するイエシロアリの対策を多く行いました。近畿地区では和歌山県南部の沿岸では一般的に生息するイエシロアリですが、今年は大阪市街中心部での発生が確認され、対応を行いました。

仕様書に基づいた薬剤処理は、建物の構造を考慮せず、シロアリの侵入経路や生息場所も加味せず、規定通り薬剤を撒けばよいというものです。言わばシロアリに対して空爆的に薬剤を撒き散らすものですが、これではシロアリの巣系駆除はできていません。シロアリの侵入経路や生息場所を調査し、それに最適なシロアリ対策を構築することが重要です。

技術のない作業者でもその通りに処理すればよいというマニュアル主義が、シロアリ調査や駆除に必要なスキルを欠如させる大きな要因です。依然として薬剤大量散布主義に頼る限り、本当のシロアリ駆除には辿り着けません。

シロアリ駆除は、マニュアルで対処できるものではありません。シロアリの侵入パターンに法則はなく建物の構造も多種多様ですので、徹底的な調査を行い、薬剤の 選定や処理方法など現場に応じた処理をすることが重要です。今後も精度の高いシロアリ調査をベースに、独自の施工技術で必要最小限の薬剤量でシロアリ駆除ができるよう精進したいと思います。

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