飼育と現場で教えられる生態
昨日ご紹介したアメリカカンザイシロアリは、一般的に記載されている生態と異なることが多くあります。
昨日も記載しましたが、アメリカカンザイシロアリの羽アリは特定の時期に発生するものではなく年中発生します。有翅虫(羽アリ)は落翅後、高い確率で新たなコロニーを創出します。
アメリカカンザイシロアリは水を必要とせず、木材中の水分だけで生息するとされています。しかし飼育するとよくわかりますが、水を与えるとアメリカカンザイシロアリは積極的に飲みに来ます。実際の現場を見ると、屋外部分に露出した垂木などよく被害を受けています。これら箇所は雨が掛かる部分であり、木材の含水率は高い状態となります。アメリカカンザイシロアリも生きて行くためには水分は必須なので、これら箇所から水分を取るのです。
あと現場で何度か経験がありますが、擬職蟻は被害木材の外に出て徘徊しています。理由はわかりませんが、被害を与えている木材が小さい野縁や野縁受けで見かけます。飼育中のアメリカカンザイシロアリも、大きな木材よりも小さな木材ほど表面を徘徊します。外敵が少ないことも、徘徊する要因かもしれません。
飼育して観察すると、新しい発見があります。薬剤試験を行うと、効果をアピールされている薬剤に効果が期待できないことがわかります。真剣にシロアリ対峙している業者は、シロアリを飼っています。あなたがシロアリ対策をお願いした業者に、シロアリは飼っていますかと聞いてみて下さい。
| 固定リンク
コメント