継代飼育
右の写真は、先日羽アリの発生が確認されたアメリカカンザイシロアリ飼育ケース内の様子です。
この飼育ケースは、12年前に地元西宮市内の被害物件から採取した羽アリのペアから継代飼育しています。今月には、羽アリの発生も確認されました。
写真をよく見て頂くとわかるのですが、右下に若齢幼虫が見えます。順調に、交尾産卵が行われている証拠です。
アメリカカンザイシロアリは、飼育するとよくわかるのですが飼育は非常に簡単で、定期的に水を与えるだけでよいのです。アメリカカンザイシロアリは水が不要と考える方が多いようですが、昆虫が生息していくのには、水は必要不可欠です。通常は木材中の水分を利用していますが、少しでも含水率の高い木材を上手く活用します。雨のよくかかる垂木などはその代表的な食害箇所で、被害の比較的多い場所です。
アメリカカンザイシロアリ駆除の経験が浅いシロアリ防除業者は、室内の被害部ばかりに見がいきがちですが、アメリカカンザイシロアリの生態を考慮すれば調査ポイントは広範囲となるのです。しかも糞(フラス)の堆積ばかり気にしていると、本当のシロアリ被害部を見逃すことが多くなります。
シロアリ調査は、シロアリ被害を見つけるだけではありません。シロアリの生態を考慮し、シロアリがどのように動くのかを想定して、生息範囲を特定することが重要です。生息範囲を特定することで、コロニーの駆除が可能となるのです。当社では、シロアリの飼育観察を通じて生態研究を行い、シロアリを用いた弊社独自の試験方法により薬剤の特性を調べ、シロアリ駆除に活用しています。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参考ください。
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