ニンフの活動
右の写真は、京都市内の物件から採取したヤマトシロアリの様子です。冬季になっても、活動が確認されています。
写真をよく見るとわかるのですが、圧倒的にニンフの数が優勢です。ニンフは羽アリになるため早めに行動しているのかと勘ぐってしまいますが、実際のところわかりません。人はついつい生物に法則を求めがちです。しかし生物には傾向や法則性はあっても、法則はありません。別の飼育ケースでは、このようなニンフの集まる現象は確認されていません。
法則があると思い込むことは危険で、ヤマトシロアリは光を嫌うや水を運ぶというのもその実例の一つです。法則に捉われていると、シロアリ動きを勝手な判断をしてしまいがちです。シロアリがどのように動いているかは、シロアリ調査によって判断されるものであり、シロアリだからこのように侵入すると思い込むことほど危険なものはありません。
シロアリの生態は教科書で勉強するものでなく、飼育観察や現場での現象から学ぶものです。これからも飼育観察、現場での精度の高い調査をしたいと思います。
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