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2019年12月31日 (火)

2019年度総括

6月下旬に発生したヤマトシロアリ羽アリ2019年もいよいよ今日1日を残すこととなりました。元号が平成から令和に変わった今年1年を振り返ってみたいと思います。

今年の現場を振り返ると、昨年同様イエシロアリの現場にお伺いさせていただく機会がありました。大阪府内の現場では、泉北地域沿岸部の複数の物件で対応させていただきました。これまでに何度もお伺いさせていただいた地区で、確実に定着しているものと考えられました。兵庫県の物件では、神戸市内で山陽電鉄の北側、海岸線から4kmほど入った標高50m近い場所でも発生でした。あらためて、イエシロアリの環境適応能力を再認識しました。

ヤマトシロアリに関する案件ですが、今年最も驚いたのが大阪府吹田市の戸建住宅で発生した羽アリです。ヤマトシロアリの羽アリは通常阪神間では4月下旬から5月上旬にかけて発生します。しかし、この物件では2階の浴室から6月下旬に発生しました。イエシロアリの可能性もあると考え点検調査にお伺いさせていただき、虫体死骸を採取しました。その死骸から大顎を取り出し確認した結果、ヤマトシロアリでした。これまでに、西宮市内の一般家屋で4月第1週目に羽アリが発生したことがあります。浴室土台からの発生で、熱源があったことから早い群飛であったものと考えられます。しかし今回のケースでは遅いシーズンの群飛であり、あらためてシロアリの生態を決めつけてはいけないことを認識しました。

外来種であるアフリカヒラタキクイムシの被害も、以前として増加傾向にあります。輸入された合板の中での繁殖が主ですが、近年では国内流通段階で2次被害が発生している事例らしきものが確認されました。製造段階では加熱処理が実施されているため生息していないものと考えられますが、海外及び屋内段階で産卵されると考えられますのでメーカーさんが対策を実施されるのに期待したいと思います。

新築家屋では長期優良住宅の増加に伴い、防腐防蟻処理に関する問い合わせや依頼が増えました。安全性に配慮するということからホウ酸製剤に関するお問い合わせも多くいただきましたが、ホウ酸製剤の偏った見方をされる方への対応に苦慮しました。安全性は感覚的なものでなく、データーで正しく判断することが必須です。安全性の高いものはあっても、安全なものはないのでご注意ください。

シロアリや家屋害虫は生息場所や侵入経路を事前調査で特定し、建物構造や安全への配慮を考慮した上で、薬剤の選定や処理方法など最適化する必要があります。今後も事前のシロアリ調査で精査しオリジナルの施工技術とスキルで、安全性の高いシロアリ駆除が提供できるよう精進したいと思います。

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2019年12月30日 (月)

ライトトラップ捕虫紙検定

ライトトラップ捕虫紙検定 右の写真は、先日アフリカヒラタキクイムシ対策を実施しているお施主さまから送付いただきましたライトトラップ捕虫紙です。管理物件が遠方であることから、お施主さまに捕虫紙の脱着をお願いしています。

この物件ではアフリカヒラタキクイムシのモニタリングとして、ライトトラップを使用しています。これはアフリカヒラタキクイムシ成虫の特徴である、正の走光性(光に集まる性質)を利用しています。紫外線ランプを有するライトトラップには捕虫紙があるため、紫外線に誘引されたアフリカヒラタキクイムシ成虫は捕虫紙にトラップされます。これにより物件内でアフリカヒラタキクイムシが繁殖しているか否かの判断材料となります。

この物件ではアフリカヒラタキクイムシの発生が築浅時に発生が確認され、ハウスビルダーさんによって被害の確認されたフローリング等が撤去、交換されました。しかしその後も発生は収まらないという状態になったことから、当社にご相談いただいた次第です。

現場で状況を確認、かなりの部分が撤去交換されていたことから、生息状況把握と成虫捕獲による交尾産卵数抑制を目的とし、ライトトラップの設置を実施しました。2015年からライトトラップを設置、紫外線ランプ点灯及び捕虫期間を8箇月としてモニタリングを行いました。初年度は1箇所のライトトラップで、2桁の捕獲が確認されました。その後、捕獲による効果もあり順調に減少傾向となり、昨年度は2箇所設置で1匹の捕獲となりました。本年度の結果ですが、昨年と同様に2箇所設置で1匹の捕獲となりました。但し、今回天敵であるシロオビカッコウムシの捕獲も確認されたことから、今後大発生することはないと考えられます。捕獲数が0でない以上、ライトトラップの継続は必須です。薬剤による処理を実施せずここまで減らせたことは大きな成果ですが、捕獲数0になるまで安心してはいけません。

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2019年12月29日 (日)

サクラアリ駆除処理

壁内薬剤注入処理 昨日は以前シロアリ調査でお世話になったお施主さまからの紹介で、兵庫県内の物件にお伺いしました。この物件では11月下旬に羽アリの発生が確認されており、事前に羽アリ死骸を送付いただいています。羽アリは同定した結果、サクラアリの羽アリで秋後半から初冬にかけて発生する小さなクロアリの羽アリです。

羽アリは玄関の壁から発生していることから、玄関の壁内へ薬剤注入処理を行っています。サクラアリは市販のクロアリ用毒餌剤では駆除が難しいようであり、当社にもよくお問い合わせをいただきます。クロアリ用毒餌剤が効きにくい理由としては、毒餌に含まれる誘引成分が一致していないことと、毒餌の大きさが大きく運ぶことが困難であることが考えられます。前者の場合、サクラアリの生活環境により、毒餌の誘引成分を好む場合もあれば、見向きもしない場合があります。これはどのクロアリにも言えることですが誘引成分はアリの種類によって特定できる訳ではなく、クロアリが生息する環境の要因が大きいため、現場で調査観察が重要です。

今回の事例では発生箇所から概ねの生活環境が予測できたため、薬剤処理が効果的と判断しました。環境によっては毒餌処理が有効な場合もありますので基本的には事前の調査が必須であり、今回の処理はイレギュラー処理となりました。ちなみに費用は現場毎に処理方法や内容が異なりますので、調査を踏まえてからの見積になりますことをご了承ください。

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2019年12月28日 (土)

タンスの下で確認されたアメリカカンザイシロアリ

タンスの下で確認されたアメリカカンザイシロアリ 右の写真は先日アメリカカンザイシロアリ対策でお伺いした現場で撮影した1枚です。この物件では、タンスにアメリカカンザイシロアリ被害が確認されました。ちなみの写真の部位は確認するためタンスを移動させたところ、被害部のタンスから糞と一緒にでてきたアメリカカンザイシロアリ擬職蟻です。

タンスと接する畳の一部にも被害は確認されていますが、畳にもシロアリの餌であるセルロースが含まれていますので食害を受けます。この物件では10年以上前にリフォームを実施した際、薬剤処理を施しています。室内側では安全性に配慮し、ホウ酸製剤による処理を行っています。ちなみにこのタンスと畳に隣接する畳寄せにもホウ酸製剤を処理していますが、今回の調査では被害は確認されていません。しかし拡大鏡で畳寄せ表面を確認すると、シロアリが僅かに舐めた跡が確認されます。

シロアリが一定量のホウ酸を体内に取り込むと致死しますが、周辺に生息するシロアリは駆除されていません。これはアメリカカンザイシロアリが処理木材を舐めた段階で毒だと気付き、やがて舐めることをやめます。これは、当社の社内試験結果でも見られる現象です。残念ながら世間で実施されている試験系では、これは再現されないのです。現場を知らない方が考えた試験系では良好な試験結果しか出ませんので、試験結果が絶対ではないことをご承知おきくださいますと幸いです。

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2019年12月27日 (金)

蟻害ではなく腐朽

蟻害ではなく腐朽 昨日は以前シロアリ調査でおせわになったお施主さまのご紹介で、兵庫県内のシロアリ調査にお伺いしました。和室の床がフワフワするということから、シロアリ調査でお世話になったお施主さまに相談され、ご紹介いただいた次第です。

床下側から目視、触診及び打診等による調査を行った結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。問題となった和室ですが当該箇所は蟻害ではなく、腐朽でした。この物件は山間部にあり、かなり湿気の高い条件であることから腐朽が進行しているものと判断されました。被害は現在進行形ですので薬剤処理が必須ですが、薬剤処理には注意が必要です。木材防腐剤の効果は防腐が中心であり、殺菌効果は決して高くありません。腐朽の進行を如何に止めるかを考慮した上で処理を考える必要があるのです。

この腐朽の原因は通気性不良というよりも、寒冷地特有の昼夜の温度差による結露が大きな要因であると考えられました。そうなるとなかなか抜本的な対応は困難ですが、蟻害に比べ腐朽で大きな被害を及ぼすことはないため継続的に点検調査を行い、薬剤処理で対応するのが現実的な対策と考えます。ちなみ全ての床組で薬剤処理が必要という訳ではなく、必要な箇所のみ対応すればよいのです。現場蟻害はありませんので薬剤処理の必要はなく、定期的な床下点検調査を実施し早期発見に努めることが重要と考えます。

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2019年12月26日 (木)

床のブカブカ原因

根太の割れが確認された床下 昨日はいつもお世話になっている設計事務所の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。和室の床がブカブカするとのことから、シロアリ調査で同行させていただきました。

この物件は建築士の先生の友人のご実家とのことで、築40年を超える物件です。床下側から目視、触診及び打診等による点検調査を行いました。問題の床のブカブカする箇所ですが、右の写真が当該箇所に該当します。根太が割れており、これがブカブカの原因となっています。ちなみに根太の割れですが、シロアリ被害によるものではありません。床上から無理な力がかかり、根太が割れたものと考えられましたが、元々根太自体が弱かったのかもしれません。

ちなみにその他の箇所のシロアリ調査の結果ですが、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。シロアリ被害等がなかった理由として、有機塩素系薬剤の処理が行われたのではないかと考えられました。床下へ侵入した際、僅かな臭いから有機塩素系薬剤の可能性が考えられた次第です。有機塩素系薬剤は分解し難いため、いつまででも残効性があるためシロアリは侵入できない状態です。有機塩素系薬剤は毒性の問題から、現在は使用禁止となっています。

このような物件で、シロアリが侵入する可能性があるといって薬剤処理を行うのは効果的ではありません。薬剤処理をしなくてもシロアリが侵入し難い環境にあるのですから、定期的な点検調査で十分対応可能です。建物が古いからや床下が土だから薬剤処理が必須という訳ではなく、正しいシロアリ調査結果を元にシロアリ対策を立案するのがシロアリ技術者の仕事です。薬剤処理を前提で話をするのは、シロアリ技術者の仕事ではありません。

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2019年12月25日 (水)

市販ベイト剤の現状

市販ベイト剤に期待はお薦めできません 右の写真は、今年シロアリ調査でお伺いした現場で撮影した1枚です。ウッドデッキにシロアリ被害が確認された物件で、お施主さまは市販のベイト剤であるシロアリハンターを複数の被害部へ貼り付けられていました。

ベイト剤の有効成分はキチン合成阻害剤で、脱皮阻害効果と不妊効果により食餌したシロアリは確実に致死します。遅効性のため、ベイト剤を巣に持ち帰り、若齢幼虫に分け与えることで伝播効果を示すため巣ごと駆除できるというのが謳い文句です。これらは紛れもない事実ですが、ポイントはベイト剤を食べるか否かです。ちなみにこの物件では、取扱説明書に従い被害部の数箇所へ貼り付けられています。貼り付けてから半年以上経過していますが、脱皮阻害成分入り毒餌が齧られた気配さえありません。ここに、この商品の問題点があります。

食欲旺盛なイエシロアリでは躊躇なく食餌するケースが多いのですが、コロニーの規模を考えるとこの量では全然足りません。頻繁に交換する必要があり、非常に手間がかかります。また交換する際に、忌避する要因を与えると食餌しなくなるため注意が必要です。問題はヤマトシロアリで、臆病な性格なため食餌しないという問題点があります。これまで実際の現場で、数十事例を見てきましたが齧った形跡のある事例は1例もありません。それだけヤマトシロアリは臆病で、積極的に毒餌を食べるケースは極めて稀と考えてもよいのです。安価なシロアリ対策ですが、効果がなければ問題外ではないでしょうか。

地中埋設型ベイトステーションで、餌木への喫食が確認された段階で毒餌に交換する方法があります。これはイエシロアリには効果的ですが、ヤマトシロアリは臆病なため、点検で蓋を開けたストレスで逃亡する事例が多いのです。逃亡してしまうと毒餌を喫食することはありませんので、効かないのです。そのため当社ではヤマトシロアリに対して、ベイト工法はお薦めしていません。これは研究員時代の研究結果と現場作業から得られた知見によるものです。わざわざ高額な対策を行い、駆除していないヤマトシロアリ対策は勿体なくありませんか。ヤマトシロアリであれば少量の薬剤で駆除は可能で、毎年高額な管理費用を取られることはありません。

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2019年12月24日 (火)

壁の隅にたまる砂粒

タンスからの発生が確認されました昨日は継続的にアメリカンザイシロアリ対策でお伺いしている、兵庫県内の物件にお伺いしました。2階の和室の隅で、砂粒状のアメリカンザイシロアリの糞が散らばっていると先々月ご連絡をいただきました。

この物件では継続的にアメリカンザイシロアリ調査及び駆除、羽アリ対策を実施しています。ここ数年は3年おきに点検調査を実施していたため、年明けにお伺いする予定でしたが、室内側で糞の堆積が確認されたことからお伺いした次第です。

早速現場を確認すると、タンスと壁の間で糞に堆積が確認されました。お施主さまからの聞き取り調査では、ここまで堆積はしていなかったことから、この数週間で堆積したものと考えられました。問題はどこから発生したかで、更に調査を進めると発生源はこのタンスでした。これまで10年以上経過観察していますが、糞の堆積が室内側で確認されたのは今回が初めてとなります。

タンスの裏側では数枚の落翅が確認されたことから、網戸の隙間などから侵入した羽アリがこのタンスに営巣したものと考えられました。この地域では既にアメリカカンザイシロアリが定着していますので、外部から羽アリが侵入するのは一般的です。天井裏や小屋裏では羽アリ対策としての薬剤処理は可能ですが、室内では薬剤曝露リスクを考慮すると室内での薬剤処理はすべきではありません。以前ある現場でホウ酸製剤であれば室内側での処理が可能かと考えて処理を行いましたが、残念ながらホウ酸処理した木材でも侵入、繁殖されました。ホウ酸製剤による処理については、もう少し工夫することが必要と考えます。

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2019年12月23日 (月)

メモリ増設とアップグレード

メモリ増設と会計ソフトなどのアップグレード これまで使用していたWindows7は来年1月14日でサポートが終了するため、先日Windows10にアップグレードしました。すると現在使用中のアプリの中で正常に動かなくなるものがあるため、アップグレードせざるを得ません。経理で使用しており、弥生から販売されているやよいの青色申告は、これまで使用していた14はWindows10で対応していないとのこと。アップグレードはなく、新たに購入する必要があるとのことからやよいの青色申告20を購入しアップグレードしました。メーカーの中には、安価でアップグレードを対応してくれるところもあるのですが、この会社では対応していないようです。

今回このような幾つかアプリのアップグレードを行うのに伴い、メモリの増設を行いました。本来はパソコンを購入した際、メモリの増設を行いたかったのですが、その時には在庫がなかったため諦めました。その後、少々不便ながらもなんとか使えていたのですが、Windows10にアップグレードして以降、動きに不安定感が見られたので今回増設しました。そのお陰で快適に動くようになり、早めに増設すべきであったと反省しました。

今回会計ソフトのアップグレードを行いましたが、本来この時期確定申告に向けて準備する時期なのですが、今年は現場が多くまだ手付かず状態です。この流れのままにならないよう業務内容を工夫し、確定申告に向けて準備したいと思います。

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2019年12月22日 (日)

アメリカカンザイシロアリ駆除処理

泡状薬剤による生息範囲の把握 昨日ご紹介したアメリカカンザイシロアリ調査に引き続き、同日に処理した駆除についてご紹介したいと思います。

アメリカカンザイシロアリの糞の堆積は、壁のベニヤ板から排出されていることが確認されています。非破壊シロアリ探知機を用いた調査で、アメリカカンザイシロアリの生息範囲は限定的であることが確認されました。被害材内部の坑道が単一坑道なのか、複数あるのかを調査するために泡状薬剤による注入処理を行いました。右の写真の一番右側の生息箇所に極小径の穿孔を実施し、泡状薬剤を注入処理した結果、左側の3箇所で泡の流出が確認されました。非破壊シロアリ探知機による調査結果とほぼ一致しており、当該事例では単一の坑道であると判断されました。

泡状薬剤にも殺虫成分が含まれていますが、若干殺虫力が弱いため追加で処理させていただきました。以前、講演会で建築士の先生から、ホウ酸製剤での注入処理について質問をいただいたことがあります。残念ながらホウ酸製剤では駆除効果は期待できません。その理由については、殺虫効力試験を実施すれば簡単なことであり、ホウ酸は蓄積が必要な食毒である点がその理由です。そのため、予防処理として木材に塗布するのではあればある程度効果は期待できます。但し、ここでも注意しなければならない点が多くありますが、メーカーさんがその点をきちんと説明していただいていることに期待したいですね。

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2019年12月21日 (土)

複数の箇所で

堆積するアメリカカンザイシロアリの糞昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからのい依頼で、シロアリ調査と駆除処理のため兵庫県内の物件にお伺いしました。先日お問い合わせで写真を送付いただいた案件で、アメリカンザイシロアリの糞の堆積が確認されています。

現場で糞の堆積状況を調査すると、写真の箇所以外にも堆積箇所が確認されました。それが右の写真で、事前に送付いただきた写真の堆積量よりも多い状態が確認されました。幸いなのがこの物件の構造で、町工場のため鉄骨構造となっています。鉄骨構造だとシロアリ被害はないとお考えの方が多いようですが、室内では木材が使用されていますので被害は発生します。

その他の箇所の点検調査を実施した結果、前回の写真の箇所と今回の箇所でした。非破壊シロアリ探知機を用いて生息調査した結果、糞の堆積量の割には生息範囲は狭い状態でした。しかもこの部位は合板ですので、厚みは薄いので非常に狭い範囲で生息しているものと考えられました。あらためてアメリカカンザイシロアリは狭い範囲で生息が可能であること、狭い箇所だからと取捨してはいけないことを確認させていただきました。

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2019年12月20日 (金)

室内で確認された甲虫

室内で確認されたジンサンシバンムシ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんと、リフォームを予定している物件に同行しました。リフォーム時に実施するシロアリ対策の打ち合わせでお伺いしました。またハウスビルダーさんからの報告では、室内で大量の甲虫が確認されているとのことから、併せて調査を実施しました。

リフォーム予定の母屋では古いシロアリ被害も確認されましたが、比較的新しいシロアリ被害も確認されました。現時点でシロアリの姿は見えませんでしたが、季節的に地中の巣系へ戻っている可能性が高く、適切なシロアリ対策が必要と判断しました。

ハウスビルダーさんから報告のあった大量の甲虫ですが、お施主さまからの聞き取り調査から発生は隣接する蔵でした。お施主さまから捕獲いただいた甲虫を確認した結果、ジンサンシバンムシでした。家屋内でよく見つかるシバンムシ類として今回のジンサンシバンムシ以外に、タバコシバンムシもよく見つかります。この2種の同定のポイントは触覚でタバコシバンムシは鋸歯状、ジンサンシバンムシは先端3節が大きくなっています。いずれも貯蔵食品害虫としてよく知られる種類の甲虫です。

発生場所が蔵であるため、ジンサンシバンムシの餌となる乾燥植物体は多く存在するため、薬剤による防除はお薦めできません。そのため、お施主さまにはご足労いただきますが、廃棄いただくことが一番の対策でしょう。

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2019年12月19日 (木)

シロアリ被害は上部まで

シロアリ被害は上部まで昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんにお勤めの建築士の先生からの依頼で、大阪府内の物件にシロアリ調査でお伺いしました。玄関枠にシロアリ被害が確認されているとのことから、シロアリ調査でお伺いさせていただきました。

玄関枠の被害ですが、上部にまで被害が確認され写真のとおり群飛孔も確認されています。ちなみにこの物件では、20年程前に便所や廊下で羽アリが発生したそうです。今回の被害との関連性は、経過年数から考えると関係はなさそうです。床下側から点検調査した結果、前回の発生箇所である便所や廊下などで古い被害跡が確認されました。問題はその他の箇所の点検調査結果で、前回箇所から離れた広縁や浴室土台でシロアリ被害が確認されました。また台所では、床下土壌表面に空中蟻道の構築が確認されました。これは地中の巣系から羽アリが発生するための出口であり、群飛孔となっています。

これらの結果を踏まえると、ある程度建物全体へのシロアリ対策が必須となります。お施主さまは前回のシロアリ防除処理の際、薬剤処理後の臭気で室内に居れなかったそうです。近年の薬剤では水性製剤となっており、臭気はかなり低減されています。いまだに有機溶剤を含む乳剤を使用されるシロアリ防除業者や、自分でできるシロアリ駆除で乳剤を販売するサイトなどもありますのでご注意ください。

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2019年12月18日 (水)

何のための人通口か

人通口の真ん中にある床束右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした床下で撮影した1枚です。いつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼でシロアリ調査を実施した物件で、活動中のヤマトシロアリが確認された案件です。

この物件では、広範囲にシロアリ被害、侵入及び生息が確認されています。その上構造的な問題として、侵入できない床下があることでした。右の写真を見ていただくとわかると思いますが、人通口の真ん中に大引を支える床束があるため、向こう側の床下に侵入することはできません。別の方向にも人通口があるのですが、こちらも床束が人通口の中央に陣取っており侵入することができません。

シロアリ防除業者の中にはこの床束の切断を判断される方もおられるかもしれませんが、この床束がなくなると大引の支えが不均等になるため問題です。人通口を斫って人が通れるだけの大きさを確保する方法を採用される方がおられるかもしれませんが、建築士の先生は皆さん斫りには反対で明らかに基礎の強度が低下し、耐震性が問題となります。そのため当社でも、基礎の斫り作業は一切行っていません。

そうなると、床上に床下点検口を新設するのが得策です。お施主さまの立場に立てば、床下点検口の新設は不要な出費です。設計段階で注意をしておけば問題ないことであり、施工監理でも注意が払える事項です。床下の動線はシロアリ対策以外にも配管類の点検調査やメンテナンスでも必要ですので、室内と同様に設計時点で配慮いただきたいところです。絶対に四方を基礎で囲んだ箇所は、作ってはいけないのです。

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2019年12月17日 (火)

リフォーム前シロアリ調査

浴室土台のシロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、リフォーム予定の物件にお伺いしました。浴室リフォームを予定している大阪府内の物件で、シロアリの生息及び被害の可能性があることから、リフォームとシロアリ対策をどのタイミングで実行するか立案するためシロアリ調査を実施した次第です。

床下側からの点検調査を実施した結果、玄関周辺などでシロアリ被害や蟻道の構築が確認されました。問題の浴室については点検調査結果は右の写真のとおりで、浴室側からの水漏れ跡が多数確認されるとともにシロアリ被害が確認されました。但し問題はこれだけではなく、この洗面スペースは人通口の前に配管が張り巡らされており、侵入することはできません。人通口から辛うじて写真が撮れ、確認ができた次第です。

リフォームで在来工法の浴室はユニットバスへと変更されますが、その際配管等も見直していただき床下動線の確保をお願いする予定です。シロアリ被害が広範囲であったことから建物全体についてシロアリ対策を考える必要があります。お施主さまやハウスビルダーさんと相談の上、最善の対策を模索していきたいと思います。

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2019年12月16日 (月)

これは何の被害ですか

アメリカカンザイシロアリの糞の堆積 右の写真はいつもお世話になっているハウスビルダーさんから送付いただいたもので、これは何の被害ですかとお問合せをいただきました。ハウスビルダーさんは、ヒラタキクイムシ類による被害ではないかと思われていたようです。

ちなみにこの被害はレイビシロアリ科によるものと考えられ、発生地域からするとアメリカカンザイシロアリでほぼ間違いないと考えられました。ちなみにこの物件は住宅ではなく工場で、鉄筋コンクリート造の建物です。被害は内装などに使用されている木材で発生しているため、耐震性に影響を与えることはありません。だからと言って被害を放置するのは厳禁です。

アメリカカンザイシロアリは羽アリが新たなコロニーを創生できる確率が、イエシロアリやヤマトシロアリよりも遥かに高くなっています。そのため被害を放置すると羽アリが発生し、近隣で繁殖する可能性が極めて高いため適切な駆除処理が必須となります。

アメリカカンザイシロアリの生息場所は糞の発生ポイントの周辺が中心ですが、そこだけとは限りません。糞が発生していないのに生息している箇所もあれば、壁内側方向に糞が堆積しているケースもあります。目視調査には限界があるため、非破壊シロアリ探知機による調査が有効ですが時間と手間、費用を要します。そのため、駆除処理を何度も繰り返す対応が現実的となります。

アメリカカンザイシロアリは生態を考慮した上で、適切な処理が必要です。無暗に薬剤注入処理を行うのは、アメリカカンザイシロアリの生態を考慮していない処理ですのでご注意ください。

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2019年12月15日 (日)

放置してはいけない屋外の被害

処理が必要な屋外のシロアリ被害 右の写真は、昨日ご紹介したシロアリ調査の現場で撮影した1枚です。玄関屋外部分にあたる庇の柱根本部分にシロアリ被害が確認されています。

屋外で確認されるシロアリ被害のうち、建物から離れた部分で確認されるシロアリ被害については薬剤処理などの対策を取る必要はありません。ヤマトシロアリの場合、行動範囲はそう広くありませんので被害部を中心に狭い範囲で活動しています。そのためシロアリ調査で床下にシロアリ被害や侵入がなければ、薬剤を撒く必要はないのです。多くのシロアリ防除業者は、庭にシロアリが生息していると何時シロアリが侵入するかわからないため床下に薬剤を撒くことを推奨します。これはシロアリ防除業者の都合であり、儲け主義にしか見えません。

但しシロアリ被害が今回のように、建物に隣接した箇所で確認された場合は適切なシロアリ駆除処理が必須です。床下についてはシロアリ調査結果を踏まえて判断すべきであり、被害や侵入があれば適切なシロアリ駆除を、被害などがなければ何もしなくてよいのです。

問題は建物とシロアリ被害が比較的近い場合で、この場合は調査結果を踏えて侵入する可能性がある場合のみ必要な措置を講じることが重要ではないかと考えます。適切なシロアリ対策はシロアリ調査結果から導かれるものであるべきであり、シロアリ調査を薬剤を撒くための理由を探すものではないのです。

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2019年12月14日 (土)

地下室の絡むシロアリ被害

窓枠付近で確認されたヤマトシロアリ羽アリの翅 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、兵庫県内の物件にシロアリ調査でお伺いしました。この物件では本年5月にキッチン窓枠付近で羽アリが発生したとのことから、点検調査のためお伺いした次第です。

現場で羽アリの発生が確認された窓枠付近の点検調査した結果、ヤマトシロアリ有翅虫(羽アリ)の落翅が確認されました。周辺に被害が確認されなかったため、発生ポイントは他にあるものと判断されました。ちなみにこの窓枠の床下部分にあたる箇所ですが、地下室となっています。地下室について点検調査した結果、土台付近に比較的大きなシロアリ被害が確認されました。これは上部の雨漏れに伴うものであり、この雨漏れがシロアリの侵入を促進させたものと考えられました。

シロアリ被害は当該箇所だけでなく、浴室側土台や浴室入口枠、便所入口枠など広範囲に確認されました。これらはシロアリ被害は北側から西側にかけて広がっていましたが、南側の玄関付近や東側屋外でも確認されました。問題は地下室以外の部屋に床下があるのですが、床下点検口がないことです。これだけシロアリ被害が広範囲に確認されていることから、床下側でもシロアリの侵入や被害は高い確率であるものと考えられました。改めて床下点検口を新設した上で再度シロアリ調査を行い、より具体的なシロアリ対策を立案する予定です。

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2019年12月13日 (金)

駆除は完了しています

3階にある梁のイエシロアリ被害跡 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、シロアリ調査に同行しました。大阪府内にある木造3階建ての築古年の建物で、ハウスビルダーさんがリフォームの下見段階でシロアリ被害があるとのことから点検調査にお伺いした次第です。

この建物は隣接するビルのオーナーさまが購入された木造物件で、リフォームを予定されているとのことですが、旗竿地のためリフォームするにしても問題が山積されています。ビルの責任者の方に話しを聞くと、被害は3階とのこと。3階を点検調査すると、梁に大きな被害が確認されました。イエシロアリによる被害であることは明白でした。しかしよく見ると、穿孔処理跡もあり駆除は完了していました。

責任者の方に話しを聞くと、3年前にシロアリ防除業者に駆除処理を実施して貰ったとのこと。処理の方法は結構乱暴に穿孔注入されており、これでもかというくらい処理されていました。結果的には駆除できたかもしれませんが、よい方法とは言えません。

ちなみにここは大阪市内でも本当の中心部で、周りはオフィス街です。リフォームするにしても、解体するにしても困難を極める物件です。リフォームの見通しが立つようであれば、具体的なシロアリ対策を立案したいと思います。

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2019年12月12日 (木)

ムカデの越冬場所

雨水が侵入し腐朽した壁内 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。昨年の初夏、壁にクロアリが沢山徘徊しているとご相談をいただいた物件で、今回は壁を剥がしたところ大量のムカデが確認されたとのことから害虫調査にお伺いした次第です。

ちなみに昨年ご相談いただいた際、写真で確認する限りトビイロケアリでした。壁内に営巣している可能性を指摘するとともに、雨漏れ等が考えられる旨を報告しています。すると案の定、壁内では雨漏れが確認されたとのことです。今回はその壁の修復を実施しようと、外壁側の腐朽部分を剥がしたとこと、大量のクロアリとムカデが確認されたとのことです。

すでに被害部の多くは撤去されていましたが、その被害材を確認するとシロアリの被害も確認されました。外壁側の防水処理が甘く、新築時から雨が侵入していたものと考えられました。そのためシロアリが侵入したのですが、ある程度被害が進行した段階でトビイロケアリが侵入することで、シロアリは被害部を放棄したものと考えられました。

腐朽した箇所にトビイロケアリは営巣しますが、当該箇所は外壁の一部で他よりも暖かいためムカデは越冬のため侵入したものと考えられました。防水工事を予定していることに先駆けて、ムカデとトビイロケアリ対策のため薬剤処理を施しました。ちなみにここを建てたハウスビルダーさんは既に倒産しているとのことですが、このような甘い工事をしているので仕方ないところですね。

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2019年12月11日 (水)

まだまだ活動中

まだまだ活動中のヤマトシロアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件に同行しました。リフォームを計画中の物件で、事前のシロアリ調査依頼をいただきました。

お施主さまからの聞き取り調査では、特に指摘される事項はありませんでした。床上調査では、洗面で少し床の緩みが気になりました。床下側からの点検調査では、床上調査で気になったとおり基礎面に蟻道の構築が確認されました。蟻道の一部を壊して確認した結果、ヤマトシロアリの生息が確認されました。

リフォームに合わせてシロアリ対策を実施するか、シロアリ駆除処理を先行して実施するか難しいところです。コストも絡むところですので、お施主さまやハウスビルダーさんと相談しながら対策立案したいと思います。

お施主さまから『シロアリは冬眠しないのですか』とご質問をいただきました。シロアリは冬季でも活動しますが、活性は大きく低下します。活性が低下すると、木材食害スピードも大きく落ちます。シロアリの食害は短時間で大きな被害になると思われている方が多いのですが、ヤマトシロアリでは短期間で大きな被害になることはありません。そのためシロアリ駆除処理は焦る必要はありませんので、急がせる工事にはご注意ください。

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2019年12月10日 (火)

侵入したのは

イタチが侵入したとみられる天井裏昨日はいつもお世話になっている建築士事務所さんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。先日調査でお伺いした物件で、天井裏で物音がすると相談いただいた案件です。

設計士の先生に天井点検口を新設いただいたことから確認調査を行った結果、天井裏にはバラバラになった断熱材、落ち葉などが確認できました。天井裏に鳥類の骨が散乱していたことから、侵入種はイタチであると考えられました。前回の調査で想定出入口を示しておいたことから、お施主さまがステンレスメッシュで塞がれたそうです。かなり引き出した跡が確認されたことからも、イタチであることは明白です。

現時点で天井裏に侵入していないかどうかを調査するために、餌を設置しました。餌が食べられないようであれば想定出入口を防鼠ブラシで閉塞、その後は殺虫殺菌処理を予定しています。

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2019年12月 9日 (月)

見えない箇所でのしつこい発生

ライトトラップ捕虫紙検定 右の写真は、先日アフリカヒラタキクイムシ対策を実施している物件から持ち帰ったライトトラップの捕虫紙です。室内側で多くのアフリカヒラタキクイムシ成虫脱出口が確認された案件ですが、薬剤処理及び物理的対策を講じたことにより、処理翌年からの成虫脱出口の確認及びフラス(木粉)の堆積は確認されなくなりました。

室内側での発生がなくなったからといって、安心してはいけません。アフリカヒラタキクイムシが生息可能な木材は室内側の見える範囲だけにしか生息する訳ではないのです。そのため、ライトトラップを設置し、モニタリングを行っています。アフリカヒラタキクイムシは正の走光性(光に集まる性質)がありますので、モニタリングすることで家屋内の生息状況を把握することができます。

今回のモニタリング結果ですが、僅かに1匹だけですがアフリカヒラタキクイムシを捕獲しました。ライトトラップは天井裏に設置していますので、壁内空間等にまだ生息していることを示しています。ちなみにこの物件では、8年前からアフリカヒラタキクイムシの発生が確認されており、小員が対策を始めたのが3年間です。初年度は多くのアフリカヒラタキクイムシの捕獲が確認されましたが、次年度からの捕獲数は一桁となっています。対策を講じていますので、低いレベルでの発生に抑制していますが、適切な対策を講じないと再発するリスクが高くなります。

アフリカヒラタキクイムシ対策は、その生態を考慮して対策を講じることが重要です。インターネットでの情報の中には適切でないものも多く、それらを信じて処理したためかえって被害を拡大させた事例もあります。アフリカヒラタキクイムシ対策は、慎重かつ適切に実施することが重要です。

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2019年12月 8日 (日)

広範囲に確認されたシロアリ被害

蟻道内で活動中のヤマトシロアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、リフォーム予定の物件に事前シロアリ調査でお伺いしました。担当者による事前の調査で蟻道が確認されたとのことから、シロアリ対策立案のためシロアリ調査を行いました。

建物自体がやや古く換気口の数が不足してることから、湿気が滞留しておりカビ臭が蔓延していました。蟻道はほぼ全ての床下で確認されており、その殆どで活動中のヤマトシロアリが確認されました。リフォームは建物のおよそ1/3を予定しており、水廻りを中心に撤去される予定です。

これだけシロアリの生息密度が高いと、シロアリ駆除を先行して行う必要があります。ハウスビルダーさんと撤去のスケジュール調整を行う必要があり、お施主さまのコンセンサスも必要です。幸いなのが、時代的によい木材が使用されているため、構造材への被害は軽微です。最小限のコストで最大限の効果が得られるよう、最大限の努力をしたいと思います。

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2019年12月 7日 (土)

処理跡が確認されましたが

適切な処理が行われていないため甚大な被害となった事例 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、リフォーム中の物件にシロアリ調査でお伺いしました。中古住宅を購入されたお施主さまが、ハウスビルダーさんにリフォームを依頼された際、事前の下見段階でシロアリ被害が確認されたとのことから、シロアリ対策実施前に被害状況調査と対策立案の依頼をいただきました。

点検調査した結果、広範囲にシロアリ被害が確認されましたが、シロアリ防除処理跡も確認されました。しかしそれ以上に問題だったのが、薬剤注入処理された床組の上に新たな蟻道が構築され、ヤマトシロアリの活動が確認されていたことです。初回の薬剤処理から年数が経過し、薬剤の効果が消失した後、シロアリが侵入したものと考えられました。しかしこれは初回の薬剤処理で、地中にあったコロニーが駆除できていないため予防効果を持つ薬剤が残効性を失うことで再侵入したものと考えられます。きちんとコロニーの駆除ができていれば、予防処理をしなくても地中にコロニーがないのですから、シロアリが侵入することはないのです。これは当社での施工事例から得られた知見であり、シロアリ駆除処理とシロアリ予防処理は似て非なるものです。それを一緒にしてシロアリ防除(駆除予防)処理というのは、シロアリの生態も薬剤の特性も理解していないからできる処理です。シロアリの生態と薬剤の特性を理解していれば、駆除処理と予防処理は一緒にできるものではないのです。

この物件ではお施主さまやハウスビルダーさんの意向もあり、シロアリ駆除処理と予防処理を希望されています。シロアリ駆除処理に最適な時期ではありませんが、駆除処理を先行して実施し、時期をずらして予防(侵入防止)処理を実施する予定です。

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2019年12月 6日 (金)

アップデート

Windows10への移行 事務所や自宅を含めて仕事用にパソコンは複数台使用していますが、1台を除きOSはWindows10となっています。1台だけデスクトップのOSはWindows7となっていましたが、年明けにはサポートが切れることからWindows10にアップデートしました。

以前、無料アップデート期間にプログラムだけは先にUSBメモリに落としていましたので、今回そのUSBからアップデートを行った次第です。無事にWindows10への移行は完了しましたが、問題はWindows7では動いていたアプリケーションが、Windows10では動かない事例が幾つかあります。経理ソフトとして使用しているやよいの青色申告はその代表的なもので、アップデートソフトはありませんので買い替える必要があります。

アプリケーションの中には対応モジュールを出しているケースがあるので、この辺りは助かります。できるだけ無駄な出費はしたくないところですが、仕方ないところですね。

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2019年12月 5日 (木)

可視範囲の調査結果は

基礎面で確認された蟻道跡

右の写真は、昨日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した、基礎面で確認された蟻道です。この蟻道は途中で壊れた状態で、古い蟻道であり現時点で生息は確認されていません。ちなみに蟻道の上部にある土台には、シロアリによる被害は確認されていません。

この物件は築30年が経過していますが、その当時は既に新築防腐防蟻処理が行われているものと考えられます。土台に被害がなかったことを考慮すると、薬剤処理の効果が発揮されたものと考えられました。ちなみに床下自体、これまでにシロアリ点検調査が実施された形跡はありませんでした。築浅時に床下へ侵入したシロアリは、薬剤処理の効果で駆除又は忌避したものと判断してよいでしょう。施工時期からすると、忌避した可能性の方が高いものと考えられました。

昨日ご紹介した四方を基礎で囲まれた洗面以外の箇所では、計2箇所の蟻道跡が確認されました。新築から30年間薬剤処理をしていないにもかかわらず、2箇所の蟻道跡しか確認されていないのが現実です。保証期間が切れたからといって、薬剤処理が必須かというとそうではないのです。薬剤処理を行わなくても、シロアリが侵入しない事例の方が圧倒的多いのです。

高額な薬剤処理にコストをかけるよりも、家のことを考えると屋根や壁などの漏水に対応すべきと小員は考えます。シロアリ対策にかける費用については、定期的な点検調査でコストを抑えて必要な漏水対策に費用をかけることが、大切な家屋を守る対策ではないでしょうか。

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2019年12月 4日 (水)

侵入経路が確認できない空間

土台の奥で確認されたシロアリ被害 昨日は以前シロアリ調査でお世話になったお施主さまから、中古住宅を購入したことからシロアリ調査をお願いしたいとご連絡をいただきました。築30年近い兵庫県内の物件に、シロアリ調査で お伺いしました。

床下側から点検調査を行った結果、換気は十分でしたが湿気が高く、全般的にカビ臭が確認されました。これは地域的な要因が考えられましたが、室内側で特に問題ありませんので特に対策を取る必要はないものと判断しました。

床下側からの点検調査で、シロアリの蟻道跡は複数確認されたものの、古いものであり現時点で生息は確認されませんでした。しかし、勝手口スペースで洗面側土台上部の隙間部分にシロアリ被害が確認されました。それが右の写真で、どうやら洗面土台にシロアリ被害があるものと考えられました。

問題はこのスペースで、四方を基礎で囲まれており人通口もありません。床上部分にも床下点検口はありませんので、床下側からのシロアリ調査が不可となっています。洗面は浴室に隣接していますので、シロアリ侵入のリスクが高い場所です。当該箇所については、大工さんに床下点検口を新設していただいた上で、再度シロアリ調査を実施したいと思います。

シロアリ防除業者の中には、布基礎部分に穴をあけ人が入れるようにする『ハツリ作業』を勧める方がおられます。人が入ることのできる穴を基礎にあけること自体、耐震性を著しく落とすものであり当社ではお薦めしていませんし、知り合いの建築士の先生は皆さん反対されています。

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2019年12月 3日 (火)

対効果費用

対費用効果がない床下調湿材

右の写真は、昨日ご紹介したシロアリ調査物件で撮影した1枚で、床下にゼオライト系の床下調湿材が撒かれています。この床下調湿材はJAでシロアリ駆除予防処理を依頼した際、下請業者が勧め施工されたものです。

床下調湿材についてはその効果について、非常に曖昧です。床下の湿気の主たる原因は床下土壌表面からの水分の蒸発です。近年の家屋では、ベタ基礎にすることで、土壌表面からの水分の蒸発を抑制しているため低湿度状態が維持されています。床下の土壌表面が露出している家屋で湿気対策を行う場合、床下土壌表面に防湿シートを敷き込むことで対応可能です。防湿シートの上に床下調湿材を敷き込んだ場合、防湿シートの押さえとしては有効ですが、調湿機能としては大きく期待できるものではなく、床下の湿度を抑えるのはあくまで防湿シートです。

ちなみにこの物件では、防湿シートを敷き込まずに床下調湿材を土壌表面に撒いています。床下全面ではなく、あくまで部分的にしか撒いていません。床下土壌表面に直接撒くと、調湿材が土壌から水分を直接吸い込み、吸放湿機能を失います。これでは床下調湿材の効果が期待できず、対費用効果は全くないと言っても過言ではありません。それが証拠に、床下へ入るとカビ臭が相当感じられます。床下空間が調湿できていればカビの発生を抑制できているはずなのですが、臭気を感じる時点で効果がないというレベルなのです。

床下調湿材については、薬剤メーカーの研究員時代に相当研究しました。実際の現場で防湿シートの有無など条件を変えながら、湿度のモニタリングを行いました。その結果、無機鉱物系床下調湿材以外にも備長炭や竹炭なども同じ結果で、敷き込みの有無で有意差はありませんでした。それらの結果から、当社では床下調湿材は、効果が期待できない商材として認識しています。

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2019年12月 2日 (月)

保証期間が過ぎて

保証切れ1年後に確認されたシロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にシロアリ調査で同行しました。数年前にキッチンをリフォームした物件で、お施主さまが窓枠のコーナー部分についていた土を払い除けたところ、シロアリが確認されたとのことから、シロアリ調査でお伺いした次第です。

お施主さまから状況を確認すると、6年前にJAでシロアリ駆除予防処理を実施したとのこと。その際、キッチンの窓枠付近から羽アリが発生したそうです。JAからきたシロアリ防除業者は協会の仕様書に基づき薬剤処理を行ったようです。その後羽アリの発生はなく、先日そのシロアリ防除業者が無料点検調査に来訪しシロアリ調査を実施、特に問題はないもののシロアリ予防処理を勧めてきたとのこと。前回のシロアリ駆除予防処理の際、高額な床下調湿材を勧められ施工したものの、後でご家族から不要と咎められ、このシロアリ防除業者に対策をお願いするのではなくいつもお世話になっているハウスビルダーさんに相談され、小員がシロアリ調査にお伺いした経緯です。

床下側からの点検調査を実施したところ、古い被害跡とともに薬剤注入処理跡も確認されました。基礎面に新しい蟻道の構築等、確認されませんでした。しかし、この物件には構造的な問題点がありました。この物件の構造は鉄筋コンクリートと木造のハイブリッドで、基礎が布基礎ではなくコンクリートブロック基礎でした。コンクリートブロック基礎は接合部に隙間が多く、シロアリの侵入経路が多く存在する問題点の多い構造です。今回のシロアリ調査では、コンクリートブロック基礎の接合部の奥に蟻道の構築が確認されました。どうやら先日無料点検調査にきたシロアリ防除業者は、この蟻道を見逃したようです。

シロアリ駆除予防処理以降羽アリが発生していませんので、この羽アリを発生させたコロニーはたまたま駆除できたのでしょう。しかし、地中には以前侵入していなかったコロニーがあり、今回このコロニーから被害の確認された窓枠へ侵入したものと考えられました。そこで問題となるのは、前回実施されたシロアリ駆除予防処理の時期です。今回確認された被害は、保証期間が過ぎてから家屋内へ侵入したことでないのは、シロアリの生態を理解していれば、数年前に侵入したのは明白です。5年過ぎてから侵入し、短期間でこのような被害にはヤマトシロアリではあり得ないのです。

シロアリ駆除予防処理の保証期間は施工から5年間ですが、薬剤の特性を理解していればわかることですが、残効性は施工から5年ではなくなりません。コンクリートブロックの隙間に薬剤処理されていれば、シロアリは侵入することができないのです。すなわち今回蟻道の確認されたコンクリートブロックの隙間には、薬剤処理が不十分であったのは言うまでもありません。高濃度の薬剤を大量散布しているにもかかわらず、これら隙間まできちんと処理できていないのは、大量散布の慢心と言っても過言ではありません。シロアリの想定侵入経路に薬剤を撒いても全く意味がなく、侵入しそうなところに処理することが原則であることを忘れた事例で、シロアリ防除マニュアルに頼った結果なのです。ちなみこの物件ではこれからシロアリの活性が低下し効率的な処理がしにくくなるため、来春の早い時期で実施することとしました。

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2019年12月 1日 (日)

2019年12月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボウェブサイト1912トップページ画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、シロアリ駆除処理でお伺いした物件で撮影した1枚です。土台周辺の被害部から薬剤注入処理を行い、蟻道内からシロアリが押し出された様子です。

布基礎コーナー部分に蟻道を構築していますが、一般的には地中にまで蟻道が伸びていると考えがちですが、必ずしもそうではありません。この事例では地表面で90度に曲がり、地表面に沿って移動しています。その後ゆるやかに地中へと沈み込み、地中の巣系へと繋がっています。

地中の巣系を駆除するためには、この経路から効率的に薬剤を送り込むことが重要です。薬剤を選択すれば、経路へ置くことでも十分効果が得られる場合があります。薬剤の特性を理解した上で、処理濃度や処理量を調節することが必要となります。いずれにしても侵入経路は重要な鍵であり、その前段階としてシロアリ調査の精度が必要となるのです。

薬剤を大量散布すると偶発的に侵入経路へ入る場合もありますが、必ず入るという訳ではありません。シロアリ調査により侵入経路と生息範囲を特定し、一つ一つ丁寧な処理を行うのが当社のシロアリ駆除のスタイルです。薬剤の大量散布に頼らず、必要最小限の薬剤量でシロアリ駆除を行い、安全と環境に配慮します。詳細は阪神ターマイトラボのホームページをご参考いただけましたら幸いです。

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