« 壁の隅にたまる砂粒 | トップページ | 床のブカブカ原因 »

2019年12月25日 (水)

市販ベイト剤の現状

市販ベイト剤に期待はお薦めできません 右の写真は、今年シロアリ調査でお伺いした現場で撮影した1枚です。ウッドデッキにシロアリ被害が確認された物件で、お施主さまは市販のベイト剤であるシロアリハンターを複数の被害部へ貼り付けられていました。

ベイト剤の有効成分はキチン合成阻害剤で、脱皮阻害効果と不妊効果により食餌したシロアリは確実に致死します。遅効性のため、ベイト剤を巣に持ち帰り、若齢幼虫に分け与えることで伝播効果を示すため巣ごと駆除できるというのが謳い文句です。これらは紛れもない事実ですが、ポイントはベイト剤を食べるか否かです。ちなみにこの物件では、取扱説明書に従い被害部の数箇所へ貼り付けられています。貼り付けてから半年以上経過していますが、脱皮阻害成分入り毒餌が齧られた気配さえありません。ここに、この商品の問題点があります。

食欲旺盛なイエシロアリでは躊躇なく食餌するケースが多いのですが、コロニーの規模を考えるとこの量では全然足りません。頻繁に交換する必要があり、非常に手間がかかります。また交換する際に、忌避する要因を与えると食餌しなくなるため注意が必要です。問題はヤマトシロアリで、臆病な性格なため食餌しないという問題点があります。これまで実際の現場で、数十事例を見てきましたが齧った形跡のある事例は1例もありません。それだけヤマトシロアリは臆病で、積極的に毒餌を食べるケースは極めて稀と考えてもよいのです。安価なシロアリ対策ですが、効果がなければ問題外ではないでしょうか。

地中埋設型ベイトステーションで、餌木への喫食が確認された段階で毒餌に交換する方法があります。これはイエシロアリには効果的ですが、ヤマトシロアリは臆病なため、点検で蓋を開けたストレスで逃亡する事例が多いのです。逃亡してしまうと毒餌を喫食することはありませんので、効かないのです。そのため当社ではヤマトシロアリに対して、ベイト工法はお薦めしていません。これは研究員時代の研究結果と現場作業から得られた知見によるものです。わざわざ高額な対策を行い、駆除していないヤマトシロアリ対策は勿体なくありませんか。ヤマトシロアリであれば少量の薬剤で駆除は可能で、毎年高額な管理費用を取られることはありません。

|

« 壁の隅にたまる砂粒 | トップページ | 床のブカブカ原因 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 壁の隅にたまる砂粒 | トップページ | 床のブカブカ原因 »