給水
今日はまだまだ現場が本格的に動いていないため、アメリカカンザイシロアリ飼育ケースから紹介したいと思います。前回ご紹介した飼育ケースと同様に、シロアリフォーラムメンバーである尾屋シロアリ技研の尾屋さんからいただいた個体です。薬剤評価試験用として13年前にいただいた丸太で、虫体採取後そのまま飼育ケース内に放置していました。
試験のため虫体を採取した後の丸太は、その後10年以上殆ど糞の堆積は確認されませんでした。もしかしたら虫体を使い切ってしまい、絶滅したかと思われましたが、昨年から再び糞の堆積が確認され始めました。どうやら復活したようで、非破壊シロアリ探知機ターマトラックを使い確認すると、結構な動きも確認されました。
こうしたアメリカカンザイシロアリの生息する丸太に対して、定期的に給水しています。アメリカカンザイシロアリは木材中の水分で生息するとされていますが、実際に飼育するといろいろなことが見えてきます。
今回、給水の間隔が少し空いたことから、給水したところ内部からアメリカカンザイシロアリ擬職蟻が這い出てきました。給水した箇所に集まり、水を飲んでいます。木材が乾燥すると、木材中の水分だけでは厳しいようです。実際の現場でも雨水の当たる垂木屋外側などでよく被害が確認され、水の取り易さを考えると頷ける内容です。教科書に書かれていることを信じると、痛い目に合うので注意が必要です。
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