資料作成中
日々の業務の合間を縫って、住宅医セミナーの資料作成に勤しんでいます。多くは建築士の先生が聴講されるため、シロアリ対策について考え方が大きく2つに分かれます。一つは薬剤処理で予防する考え方と、もう一つはベタ基礎だから侵入しないという考え方です。
薬剤処理をすればシロアリは侵入できないという考え方は、個人的には乱暴な考え方だと思います。薬剤の特性により、シロアリを寄せ付けない性質もあれば、シロアリが木を齧ることで殺蟻効果を示す場合もあります。それぞれにメリットとデメリットがあり、構造などの条件に応じて使い分けることが必要です。
ベタ基礎であれば侵入しないと思われている方については、実際に侵入している実例を挙げます。代表的なのが右の写真で、ベタ基礎にねこ土台、土台には加圧注入木材が使用されています。しかし、床板の裏にシロアリが侵入し被害を与えるとともに、断熱材には蟻土が着いた状態です。ベタ基礎でもシロアリは侵入するし、ねこ土台によって換気が十分で乾燥によりシロアリが嫌がるのも関係ないのがこの写真の事実です。挙句の果てに薬剤を含む加圧注入土台では、シロアリの侵入を防げないという事実も見えてきます。
シロアリは環境に応じて臨機応変に対応します。それを理解せず、人間の勝手な思い込みでシロアリの生態を考えるとこのような事態を生むのです。セミナーではどうすればよいかというヒントを示すことができればよいかなと思っています。
| 固定リンク
コメント