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2022年7月31日 (日)

部分処理で対応可能

古いシロアリ被害 昨日はシロアリ調査のため、京都府内の物件にお伺いしました。住宅医セミナーを聴講いただいた建築士の先生の案件で、以前別の建築士の先生からの紹介でシロアリ対策も実施させていただいた建築士の先生です。

今年の春に勝手口の屋外側でヤマトシロアリの羽アリが確認されているとのこと。数年前にリフォームを実施した際には、シロアリ被害が報告されているそうです。床下側から点検調査した結果、報告のあった箇所でシロアリ被害が確認されました。それが右の写真ですが、古い被害で現時点で生息は確認されていません。

新しく使用された木材には大工さんによって処理されたと思われる薬剤処理の跡があり、結果的に再侵入は抑制されているものと考えられました。他にもリフォーム未実施箇所の基礎面に蟻道の構築や玄関周辺の隙間にも蟻道は確認されましたが、生息は確認されていません。

シロアリ被害自体は建物の東側に集中しており、その他の箇所では侵入の兆候すらありません。シロアリ対策としては、敷地内にはシロアリのコロニーがあるのは確実ですので何らかの対策は必須と考えます。調査結果から判断すると建物全体での薬剤処理は不要、建物東側の要所のみ薬剤処理すれば問題ないものと考え提案させていただきました。全面処理すれば高額な費用ですが、部分処理では少額で対応可能です。定期点検調査も数年ごとに実施すれば、トータルの費用は大きく抑制することが可能です。

 

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2022年7月30日 (土)

発生源

発生種はタバコシバンムシ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。新築後1年半が経過する物件で、室内に甲虫らしき虫の発生が報告されているとのことから調査のためお伺いした次第です。

このハウスビルダーさんの物件では、過去にアフリカヒラタキクイムシ発生事例を経験されていることから過敏になっておられるようです。お施主さまが事前に虫を捕獲されていたことから、簡易型顕微鏡で同定を行いました。その結果、確認された甲虫はタバコシバンムシでした。

タバコシバンムシは乾燥食品や加工穀類を餌とする甲虫で、大発生して問題となる家屋害虫です。ハウスビルダーさんはヒラタキクイムシ類でなかったことに安堵されたようですが、家具や新建材などから発生するために注意が必要です。

目撃事例が玄関であることから玄関を中心に調査した結果、発生源はドライフラワーでした。乾燥植物遺体が発生源となるので、ドライフラワーが発生源は当然と言える結果です。注意しなければならないのは、タバコシバンムシは畳を食害することです。畳に侵入すると餌が無限にある状態ですので、絶対に避けなければなりません。幸いにも和室は玄関から最も遠い場所にあり、調査結果からも現時点で問題ありませんでした。対策はドライフラワーの廃棄で完了です。

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2022年7月29日 (金)

対策が必須

駐車場入口シロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、床面及び壁面を解体した際にシロアリ被害が確認されたとのことです。シロアリ調査及び対策立案のためお伺いした次第です。

早速現場で調査を実施すると、シロアリ被害はそれぞれ離れた箇所で3箇所、浴室ではかなり進行した腐朽も確認されました。距離的に見てもコロニーは3つ以上あり、建物全体について対策が必須と判断しました。

写真は駐車スペースの入口付近の様子ですが、侵入は厄介です。基礎面に蟻道はなく、基礎の継ぎ目部分から侵入しているものと判断しました。また基本的に元々の構造も厄介で、布基礎に露出土壌で人通口(床下通気口)のない状態です。

今後の管理を考えると、各部屋ごとに点検口が必要となり少し厄介です。しかも元々床下の高さが低く、場所によっては大引の下を通ることができません。侵入リスクを下げるためには土間コンクリートを打設ですが、コストの問題から打設予定はないとのことです。

今回の薬剤処理で、初期侵入の抑制がどこまでできるかがポイントとなります。そのため、薬剤の選定と処理箇所の絞り込みが重要となります。

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2022年7月28日 (木)

対策の必要はありません

対策の必要がないシロアリ被害 昨日は住宅医セミナーを聴講いただいた建築士の先生からの依頼で、奈良県内の物件にお伺いしました。7年前にリフォーム業者がシロアリ予防処理を実施しており、今回点検調査したところ屋外の数箇所にシロアリ被害があるので処理が必要ですと言われたとのことです。その結果を建築士の先生に相談したところ、当社でシロアリ調査を受けたらという流れでシロアリ調査を行うことになりました。

最初に業者が指摘した屋外の被害ですが、1箇所は右のとおりで被害跡が確認されています。しかし地面からの侵入ポイントは既に被害と腐朽により分断されています。この状態では今後シロアリが侵入することはありません。

業者が指摘した他の場所での被害ですが、これは腐朽箇所にトビイロケアリの蟻道があるだけでシロアリ被害ではありませんでした。どうやら協会加盟のシロアリ防除業者がリフォーム業者の下請けとしてシロアリ調査をしたそうですが、いい加減な調査結果としか言いようがありません。

問題の床下ですが、7年前に薬剤処理をしていることもありシロアリ被害及び侵入はありません。侵入の兆候もありませんので、小員の見立てとしては薬剤処理は必要はないと判断、定期的な点検調査をお薦めさせていただきました。高額な薬剤処理をしても、5年間しか保証はありません。定期的な点検調査の目安として3年を提示させていただきましたが、少額の費用でシロアリ対策が可能です。安心は薬剤処理だけではないのです。

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2022年7月27日 (水)

構造的欠陥

高さのない床下の蟻道 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。この物件は3階建ての賃貸物件で、1階の床はブカブカした状態が広範囲に確認されています。毎年2階で羽アリの発生が確認されるなど、かなりの被害が考えられます。

この物件では事前の下見調査は終わっていましたが、案件が詰まっている関係で先送りをしていました。しかし入居予定とリフォーム予定が決まったことから、急遽日程調整を行い対策実施となりました。

この物件には構造的欠陥があり、それは1階の床下に高さが殆どなく侵入することはできない構造です。本来は床を撤去したのち薬剤処理を行うのが一般的ですが、日程的な問題から小員が大工仕事をしながらの処理となりました。床の壁面側を部分撤去し、シロアリの侵入経路を確認しました。基礎面に侵入経路となっている蟻道の構築が、広範囲に確認されました。代表的に侵入事例が右の写真のとおりです。

これら侵入経路を中心に、薬剤注入処理を施しました。コロニー(巣系集団)の駆除を意識した処理を行っていますので、きちんと駆除は完了できるものと考えます。

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2022年7月26日 (火)

被害部薬剤処理

被害部薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中にシロアリ被害の確認された物件で、先日シロアリ調査を実施しています。

この物件では通し柱にシロアリ被害が確認されましたが、基礎面に蟻道の構築はありません。屋外側を調査した結果、外壁に這ったつる状植物に沿って蟻道が構築され、侵入経路が特定できました。

薬剤処理の最大のポイントは屋外側の土壌灌注処理で、シロアリの生息箇所に処理するのが大前提です。ここを押さえれば、この周辺でシロアリの発生はありません。ちなみに写真は被害部で、薬剤処理を行っています。一般的に実施する処理ですが、一応しているだけで意味のある処理ではありません。

薬剤処理には重要度がありますが、残念ながら協会仕様書には一辺倒のことしか記載はありません。本来はその物件毎に処理すべき場所があるのですが、マニュアル化すること一辺倒の記載となるのです。シロアリ技術者はマニュアル化せず、現場と対峙した上で処理を行うことをご承知いただけましたら幸いです。

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2022年7月25日 (月)

構造変更

必要な箇所のみ処理を行います 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、先日シロアリ対策を実施した案件です。

この物件では既存床組を撤去中にシロアリ被害及び羽アリの発生が確認されたことから、駆除処理と侵入防止処理を実施しています。既存部分と増築部分について実施しましたが、今回増築部分の床組を変更することになったとのことから、再処理依頼をいただきました。

構造変更以前の増築部分は床下の高さが確保されていましたが、お施主さまと建築士の先生の要望から床の高さを下げたとのことです。将来的な不安が考えられましたが、石場建てに近い構造で屋外側から点検調査が容易であることから新設された床組を中心に処理を行いました。

前回土壌処理については灌注処理を実施していますので、地中のコロニーはかなり高い確率で駆除できるものと考えます。協会には仕様書がありますが、本来建物の構造を加味してシロアリ対策を考えるべきと小員は考えます。必要なことはすべきであり、不必要なものは省いてよいのではないでしょうか。過剰な薬剤処理は業者が施工金額を吊り上げるための理由であり、薬剤曝露リスクを無視した勝手な都合でしかないと小員は考えます。

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2022年7月24日 (日)

増加傾向

排水ピットへの薬剤処理 昨日は継続的に実施している蚊対策のため、兵庫県内のマンションにお伺いしました。幼虫対策を中心に、ボウフラの生息場所である水系に対して対策を実施しています。

先月末にも処理を実施していますが、梅雨明け後でしたので今月はどうなるかと思っていました。しかし実際には戻り梅雨のような天候であったことから、水系の薬剤は消失しているものと考えられました。水系薬剤処理には他の生物に害が少ないと言われる昆虫成長阻害剤(IGR剤)を、排水ピット等水系に処理実施しました。

蚊の発生状況は敷地の外側に近い排水ピットで成虫の発生が見られ、増加傾向にありました。フェンスで仕切られた緑地部分で、外部からの飛来が考えられます。この緑地部分には野良猫の徘徊が確認されており、メスの蚊の吸血元と考えられます。野良猫対策も相談されたことがありますが、こちらは対策の立てようがありません。

ちなみに今回刺された蚊はヒトスジシマカで、一般的にはヤブカと呼ばれ刺されると強い痒みを感じる種類です。小員はアレルギー体質であるため、蚊に刺されると痒みとともに刺された部分がしこりとなります。そのため忌避剤は必須ですが、それでも蚊は刺しにくるため注意が必要です。

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2022年7月23日 (土)

窓際で確認された羽アリ

トビイロケアリの羽アリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。窓際で羽アリが発生したとのことからお伺いした次第です。

ここはマンションの集会施設で、鉄骨造平屋の窓枠周辺から先月末に発生したとのことです。調査すると窓枠サッシ部分で羽アリの死骸が確認され、同定した結果トビイロケアリの羽アリでした。

屋外側からの調査では、トビイロケアリの活動は確認されていません。管理人さんが屋外でクロアリを確認していますが、これはクロヤマアリでトビイロケアリよりも若干大きなアリです。トビイロケアリもそうですが、このクロヤマアリもよく見かける種類のアリです。

今回の事例では窓枠の内側に羽アリ死骸を多く確認しており、管理人さんからの聞き取り調査では普段は閉め切っているとのことです。これらの結果を踏まえ、トビイロケアリは壁内に営巣している可能性が高いものと考えられます。

それらを踏まえて、具体的な対策の提案を行う予定です。それと並行してトビイロケアリの生態から考えられる、建物への影響についても並行して調査を続けたいと思います。

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2022年7月22日 (金)

監視ステーション定期点検

監視ステーション定期点検 昨日は兵庫県内にある基礎外断熱構造の物件に、定期点検調査のためお伺いしました。継続的に点検調査を実施している案件で、14年前に屋外基礎面からヤマトシロアリ羽アリが発生した物件です。

対策として部分的な駆除処理を実施し、予防処理についてはお施主さまの希望もあり実施していません。その代替対策として、シロアリ監視ステーションを設置して建物に近づくシロアリの早期発見に努めています。今回は実施していませんが、基礎外断熱面に対して非破壊シロアリ探知機を用いた点検調査も実施しています。

今回のシロアリ監視ステーション点検調査では、新たなシロアリの侵入は確認されませんでした。これまでに数度シロアリの侵入は確認されていますが、基礎外断熱面や建物への侵入はありません。ケースによって毒餌剤の投入を行っていますが、コロニーが駆除できるほどの喫食はありません。これがヤマトシロアリの生態を如実に表しており、ヤマトシロアリに対して過度の対策の必要がないことを表しています。

ヤマトシロアリは分散と融合を繰り返すシロアリであり、ベイトステーションに侵入したシロアリは点検時のストレスでステーションを放棄することがあります。その際、巣が分かれることもしばしばで、かえって活動範囲を広げる可能性もあります。それよりも屋外で生息するヤマトシロアリが家屋内に被害を与えるケースは限定的で、殆どが大人しく屋外で活動しています。それを無理矢理駆除するのはいかがなものかと思いますが、高額な設置及び管理費用を取るのはもっとどうかと私は思います。

 

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2022年7月21日 (木)

一挙両得

大量のゴキブリ死骸" 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。春先に相談をいただいていた物件で、前回床下点検調査を実施しています。

この物件で問題になったのはゴキブリで、床下には大量の死骸が確認されました。地理的に商業施設が密集する場所にあるため、ゴキブリが元々多いものと考えられました。お施主さまからの聞き取り調査でも、ゴキブリの目撃事例は年に数回はあるとのことでした。

床下の基礎構造ですが、床下はコンクリートで覆われていますがベタ基礎ではありません。布基礎の内側にコンクリートを流し込んだいこ、土間コンクリートです。一見、シロアリが侵入し難くそうですが、意外とシロアリ侵入事例の多い構造です。

これは布基礎と土間コンクリートの接点部分に隙間が発生し、この隙間からシロアリが侵入します。布基礎と土間コンクリートは一体化していないため、クラックが発生するのは当然です。床下がコンクリートだからといって過信していると、知らない間にシロアリ侵入して被害を与えるケースがありますので注意が必要です。

今回はシロアリ侵入防止処理を行い、ゴキブリの潜伏場所などにも処理を行いました。薬事法の関係でゴキブリに対する効果を全面的に出すことはできませんが、副次的な効果は期待できるものと考えます。シロアリ予防処理を行うとゴキブリにも効果があり一挙両得ですと言われる業者もあるようですが、実際には使用する薬剤や処理する箇所で効果は全く違いますので業者の技術が問われることをご理解いただけますと幸いです。

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2022年7月20日 (水)

徘徊するルリアリ

薬剤注入処理 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。調査済みのマンションで、発生種はルリアリ、発生階は2階となっています。

調査結果から、ルリアリが壁内に営巣しているものと判断しました。薬剤処理はこの壁内に対して実施しました。賃貸物件ということもあり、可能な限り非破壊で処理を行いました。写真のようにフローリングと巾木の隙間からも薬剤処理を行なっています。

壁内に対しての処理ですので、処理量には注意が必要です。使用量が多くなると部材に影響を与えますので、影響を与えない量の薬剤で処理しなければなりません。効率的に殺虫成分をルリアリに取り込ませるため、幾つかの工夫を行なっています。これにより少なく薬量でも、効率的な駆除が可能となります。

結果は数日から週間で得られ、効率よく駆除ができれば徘徊は抑制できます。徘徊が続くようであれば、再び工夫をして処理することとなります。

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2022年7月19日 (火)

リフォーム中に確認されたシロアリ被害

通し柱と土台の交差部のシロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、床を解体したところ通し柱と土台の交差部にシロアリ被害が確認されたとのことからシロアリ調査でお伺いした次第です。

早速現場で調査を行った結果、写真の箇所でシロアリ被害が確認されました。但し、基礎の内側には蟻道は確認されていません。屋外側から調査した結果、外壁にはつる性植物は壁を這っており、そのつるに沿って蟻道が構築されていました。蟻道は外壁の隙間から室内側へと侵入しており、これが侵入経路と考えられました。

地中に生息するシロアリは、床下側から侵入するのが一般的です。しかし外壁に這ったつる性植物があれば、それに沿って蟻道を構築する可能性があります。葉によって空気の流れが緩やかとなり、外敵から身を守ることができる等の要因と考えられました。

シロアリは、床下側から侵入するという先入観を持ってはいけない典型的なケースです。土台付近に薬剤処理をしただけでは、駆除できないケースがあります。それだけにシロアリ調査は重要で、侵入経路と生息範囲を特定することが必須なのです。

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2022年7月18日 (月)

切株に生息するシロアリ

切株に生息するシロアリ 昨日はシロアリ調査の依頼をいただいていた、兵庫県内の物件にお伺いしました。築16年超えの物件で、新築時に処理されてからシロアリ対策を実施していないため気になっていたとのこと。有料調査によりシロアリ対策を提案いただきたいと、ご相談をいただいた次第です。

床下点検調査実施前に図面を確認、一般的なベタ基礎であることを確認しました。床下側からの点検調査を実施した結果、現時点でシロアリ被害や侵入等は確認されませんでした。床下側から点検調査できない箇所については、非破壊シロアリ探知機を用いて実施しシロアリが侵入していないことを確認しました。

ベタ基礎はシロアリが侵入し難い構造ではありますが、侵入できない訳ではありません。但し、侵入経路は限定的ですので、点検調査もこの部分が重要となります。シロアリが侵入するには構造が重要なポイントで、ここに欠陥があればシロアリは侵入します。今回の点検調査では、この部分にも特に問題はありませんでした。ですのでシロアリ対策としては、薬剤処理は不要で定期的な点検調査で十分である旨の説明をさせていただきました。

ちなみにこの物件では、庭に切株がありシロアリの活動が確認されています。シロアリ防除業者の中には、このシロアリが家屋内に侵入するので薬剤処理を勧めることがあります。家屋に侵入リスクが極めて低いケースですので、薬剤処理は意味がありません。薬剤処理が必要なのは、シロアリ防除業者の利益確保のための勝手な都合でしかないのでご注意ください。

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2022年7月17日 (日)

痒みの原因

小動物の侵入が想定される小屋裏 昨日はいつもお世話になっている設計士の先生からの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。昨年もお伺いした物件で、小屋裏で小動物の足音のような音がするとともに、室内では刺咬事例が確認されました。小屋裏及び室内側の刺咬性昆虫又は節足動物対策を実施しました。

今年も同様な事例が発生したとのことから、空間を意識した薬剤処理でお伺いした次第です。小屋裏の状況ですが、昨年と同様に獣臭が確認されました。昨年は薬剤処理後、刺咬事例が収まったとのことから、昨年と同様の処理を行いました。

この付近は山間部に近いためでイタチやタヌキが目撃されているほか、アライグマやハクビシンなども確認されています。これら小動物にはノミやダニなどの刺咬性昆虫や節足動物が生息しているケースがありますので、適切な対策を施すことが重要です。

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2022年7月16日 (土)

流出するシロアリ

流出するシロアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。春先にシロアリ調査を実施している物件で、シロアリ駆除処理でお伺いさせていただきました。

シロアリ被害は複数の箇所で確認されており、最も被害の大きな箇所は広縁です。ここは構造的な問題があり、コンクリートブロック基礎となっています。コンクリートブロックの隙間に蟻道が構築されており、これが侵入経路となっています。

駆除処理は被害部からゆっくりと薬剤注入処理を行い、被害内部から蟻道へ広がるよう処理を行いました。かなり薬剤の入った段階で、蟻道の一部が壊れ内部からシロアリの流出が確認されました。そこで併せて当該箇所の土壌に対して灌注処理を行いました。

シロアリ駆除は被害部に薬剤を注入すればよいというものではなく、薬剤の特性を考慮し処理濃度とと処理量を最適化する必要があります。これはコロニーの大きさと被害部の状況から判断すべきものであり、マニュアル化するものではありません。シロアリ駆除をマニュアル化するというのは、生物学面から見ても化学面から見てもナンセンスです。シロアリ駆除マニュアルをウリにする業者には、注意されることをお薦めします。

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2022年7月15日 (金)

昨年に引き続き

室内隙間部処理昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。昨年もお伺いしたマンションの1室で、昨年は同時期にトビイロシワアリの侵入が確認された物件です。

あらかじめトビイロシワアリ駆除処理の準備を行った上で、現地にお伺いしました。発生しているクロアリは、昨年同様トビイロシワアリでした。トビ イロシワアリはコンクリートの隙間や石の下などに営巣し、室内に侵入します。多雌性かつ多巣性で比較的大きなコロニーを形成するため、室内に侵入すると厄介な種です。

屋外側から建物隙間を通って侵入するため、薬剤処理はこの隙間に対して実施しました。一般的な種のアリですので、毎年侵入するのはこの室内に何か誘引する理由があるのかもしれません。1週間後に駆除状況の確認を実施する予定です。

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2022年7月14日 (木)

未発生

ライトトラップに羽アリの捕獲はありません 昨日は昨年から継続してイエシロアリ対策を実施している、大阪府内の物件にお伺いしました。この物件は、いつもお世話になっている住宅管理会社さんの案件の店舗です。

昨年、建物3階部分で羽アリが発生しましたが、職蟻に姿が数匹しか見えませんでした。その理由は、店長さんが市販の殺虫スプレーを大量噴霧されたことにより忌避が強く出てしまったようです。被害部にブリングボックスを設置しましたが、シロアリの侵入はありませんでした。結果的に、昨年は建物内での活動は確認されませんでした。

今年もボックスの設置を継続していますが、相変わらず建物内への侵入もありません。ライトトラップを設置し、羽アリ発生状況の確認を行いましたが捕獲は一切ありませんでした。

住宅管理会社と相談し、駆除処理は断念し侵入防止のための薬剤処理を実施しました。店長さんに周囲の状況について聞き取り調査を行った結果、昨年は街灯に大量に羽アリが確認されたとのことですが、今年は僅かに確認されただけとのことでした。羽アリ発生は継続されているようですので、他社で駆除処理が行われていないようです。侵入防止は工夫をしていますの、侵入抑制はできるものと考えています。

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2022年7月13日 (水)

壁内薬剤注入処理

壁内薬剤注入処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。玄関周辺で、ルリアリの活動が確認されている物件での駆除処理案件です。

前回調査でお伺いしていますが、調査以降ルリアリの活動範囲が広がってきたとのことから早めの処理依頼がありました。たまたま延期依頼案件があり、上手く時間が一致したため急遽お伺いした次第です。

調査段階でルリアリの巣は壁内と推定、薬剤処理は壁内を中心に行いました。当該壁内は、上部の雨漏れによって壁紙が剥がれた状態にあります。この状態は、適度に湿度があるためルリアリが活動するのに適した状態です。但し、巣はこの湿度に高い部分ではありません。ルリアリの生態を考慮して処理ポイントを選択する必要があります。

先日雨漏れの補修を先行して実施されたとのことですが、恐らく雨漏れ補修されたことによってルリアリの活動範囲が広がったものと考えれました。ルリアリは頻繁に巣の位置を変えますので、補修によって変わった可能性もあります。そのため、当日のルリアリの動きを見ながらの対応となりました。

ルリアリは、とりあえず薬剤処理で駆除できるクロアリではありません。ルリアリに適した薬剤を用いるのは当然ですが、ルリアリの動きに合わせた処理が必須です。

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2022年7月12日 (火)

新たな糞の堆積

広範囲に散乱するアメリカカンザイシロアリの糞 昨日は、継続的にアメリカカンザイシロアリ対策を実施している物件にお伺いしました。新たな糞の堆積が確認されたとお施主さまから連絡をいただき、駆除処理が今回の案件です。

糞は比較的同じ場所に堆積が確認される箇所ですが、今回は少し事情が違います。前回までは糞の堆積が比較的集まった状態ですが、今回はアメリカカンザイシロアリの糞が、広範囲に散乱しています。

糞が集まった状態というのは、脱糞孔が比較的低いところにあるケースです。今回のように糞が広範囲に散乱する状態というのは、脱糞孔が比較的高い箇所にあるケースです。実際に脱糞孔はこれまでに確認されていない高さでした。

非破壊シロアリ探知機を用いて活動箇所を精査し、薬剤注入処理を行いました。この場所は中庭にでるための扉があり、その構造に問題があります。扉枠の屋外側では全体的に隙間がある状態であるため羽アリが飛来した場合、容易に侵入が可能です。こちらも何とか対策を考えたいと思います。

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2022年7月11日 (月)

床の軋み

合板劣化に伴う床板のたわみ 昨日はシロアリ調査で兵庫県内の物件にお伺いしました。この物件は13年前に玄関周辺で羽アリの発生が確認されているとともに、和室掘り炬燵周辺でシロアリ被害が確認されました。12年前には掘り炬燵が撤去され、この周辺と玄関周辺についてシロアリ駆除処理を実施しています。ちなみにその他の箇所には一切薬剤処理を実施せず、定期的な点検調査で対応しています。

今回、お施主さまから洋室の床下がブカブカし軋んでいることからシロアリ点検調査の依頼をいただきました。ちなみに、コロナ禍ということもあり前回の点検調査から5年が経過しています。

床下側から点検調査を実施した結果、問題となった洋室は右の写真にもあるとおり床板のたわみが確認されました。シロアリの侵入及び被害等は確認されておらず、床の軋みの原因は床板合板の劣化でした。合板は接着剤の劣化によりたわむことはよくある現象で、シロアリ被害と間違えられがちです。しかし今回の事例では、合板の劣化ですので薬剤処理の必要はありません。

ちなみにこの物件では、駆除処理を実施した翌年の点検調査で別の和室で蟻道の構築が確認されました。しかしこの蟻道は仮に構築した蟻道で、活動が確認されていなかったことから継続監視としています。ちなみに今回の点検調査でも、新たな侵入は確認されませんでした。

きちんとコロニーを意識したシロアリ駆除処理を実施すれば、予防処理が不要である典型的な事例です。これは建物構造も考慮して点検調査を組み合わせれば、薬剤大量散布に頼らずシロアリ対策を行うことが可能です。

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2022年7月10日 (日)

周囲の環境

窓枠に溜まる昆虫死骸 昨日は建築士の先生からの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。山間部にあるログハウスの別荘で、昆虫がとにかく多く入ってくるので対策を相談させていただきたいと懇願されたことからお伺いした次第です。

掃き出し窓際では、多種多数の昆虫死骸が確認されています。多くは正の走光性(光に集まる性質)を有する昆虫で、建物の隙間から侵入しているものと考えれました。ログハウス自体も年数がある程度経過していますので、隙間が多く発生しており侵入は容易であると考えられます。

基本的にはこれら隙間を防ぐことが最も必要な対策なので、建築士の先生にお願いしてログハウスの隙間を塞ぐ方法を検討いただいています。次にできる対策として、灯火対策です。蛍光灯や白熱灯では紫外線を発生させるため、正の走光性を有する昆虫する原因となります。これらも灯火そのものの対策を実施するとともに、窓に対する対策も実施する必要があります。

その他の昆虫類で最も問題となるのはムカデとのこと。ムカデは節足動物であり昆虫ではありませんが、対策をご希望されています。こちらに対しては非常に有効な対策がありますので提案したいと思います。それにしても周囲が山間部ですので、昆虫を侵入させないこと自体がそもそもの間違いです。費用をかければ何とかなるかもしれませんが、いずれにしても費用対効果が悪いのは目に見えているだけにどこまでが許容範囲になるか難しいところですね。

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2022年7月 9日 (土)

駆除が困難なルリアリ

徘徊種はルリアリ 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。マンションの1室でクロアリが徘徊するので、見積依頼がありお伺いした次第です。

早速室内で調査を行った結果、ベランダ側掃き出し窓付近で徘徊するクロアリを確認しました。クロアリを捕獲し同定した結果、室内侵入種として当該ブログでもよく紹介するルリアリでした。腹柄節に特徴を持っているため、ルリアリの同定は比較的容易です。

入居者さまからの聞き取り調査では、クロアリ徘徊時に住宅管理会社へ相談したところ市販されているクロアリ用毒餌剤の設置を勧められたとのこと。残念ながら市販のアリ用毒餌剤に使用されている餌は、ルリアリの餌と一致しません。入居者さまの聞き取り調査でも毒餌剤の周囲は徘徊するものの、毒餌は食餌しなかったとのことです。ルリアリは駆除が困難な種類と知られており、アリ用毒餌剤では駆除はほぼ困難と言っても過言ではありません。

当該住戸はマンションの2階部分で、恐らく巣は壁内にあると考えられます。徘徊している箇所のみ対策を実施しても、巣系の駆除を実施しなければ徘徊は続きます。ですので巣系の駆除ができるような対策立案を行いたいと思います。

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2022年7月 8日 (金)

群飛孔

床下土壌表面に確認された群飛孔 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。4月後半にヤマトシロアリの羽アリが発生した物件で、一度シロアリ調査にお伺いしています。

店舗兼住宅で建物の殆どが床下のない土間床(逆ベタ基礎)構造で、羽アリが発生したのは床下のある僅かなスペースからでした。この箇所については数年前にハウスビルダーさんがリフォームされているとのことで、その際浴室解体時にシロアリ被害と生息が確認されたとのことです。ハウスビルダーさんによって浴室解体後に、木部に対してネオニコチノイド系薬剤の吹付及び塗布処理を実施したとのことでした。

問題はリフォームされた4.5畳程のスペースですが、構造用合板にクッションフロアが貼られているのですが床下点検口がありませんでした。今回、床下点検口が新設されたことから、床下調査を再度実施しました。その結果、床組にはシロアリ被害が確認されなかったものの、床下土壌表面には空中蟻道が複数確認されました。これは羽アリの出口である群飛孔で、この群飛孔から発生した羽アリが室内側へ這い出てきたものと考えられました。巣系は地中にあるため、巣系の駆除ができる処理を行えば対策は完了です。

ここで注意点が一つあります。隣接する浴室についてはネオニコチノイド系薬剤が処理されており、天井点検口から点検調査した結果、シロアリの生息は確認されていません。薬剤処理によって、ある程度駆除できたものと判断できます。今回確認された群飛孔に伴う巣系が、浴室に侵入していた巣系と同一であるかどうかはわかりません。もし同一巣系であれば、薬剤メーカーが主張するネオニコチノイド系薬剤の伝播性で駆除できるはずです。しかし駆除できていないことから、同一巣系でないか伝播されていないということになります。ここでもう一つ考える必要があるので、ネオニコチノイド系薬剤が処理された部分にシロアリが戻ってきていないことです。非忌避性であれば再侵入して薬剤曝露し、伝播効果が発揮されるはずです。しかし群飛孔から考察すると、別の巣系である可能性が高いと判断できます。しかし浴室とこの群飛孔は、1メートルも離れていません。メーカーさんがネオニコチノイド系薬剤の伝播性を謳いますが、小員の個人的な研究及び現場での結果ではメーカーさんが主張する伝播性は期待し過ぎであると考えます。但し伝播性は、薬剤の使い方と処理方法にポイントがありますので実験室のデータだけで論議するのは危険と小員は考えます。

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2022年7月 7日 (木)

飛来のみ

未侵入の床下 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、和歌山県内の物件にお伺いしました。室内で羽アリを確認したとのことから、シロアリ調査でお伺いした次第です。

早速現場で羽アリ死骸を確認した結果、イエシロアリの有翅虫でした。和歌山県内ですので、イエシロアリ生息地域ですので羽アリが確認されるのは当然です。床下側から点検調査した結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。基礎構造は布基礎+土間コンクリートなので、ベタ基礎よりもシロアリ侵入リスクは高くなっていますので注意は必要です。

イエシロアリ羽アリの飛来がありますので、侵入防止のための薬剤処理は有効です。勿論、定期的な点検調査も有効ですが、交通費がかかる分薬剤処理の方が費用対効果に優れる場合があります。最終的にはお施主さまのお考えを尊重し、対応したいと思います。

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2022年7月 6日 (水)

腐朽

解体時に玄関で確認された腐朽 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内にあるリフォーム中の物件にお伺いしました。シロアリ被害が確認されたことから、依頼をいただいた次第です。

早速現場で現状調査を実施したところ、浴室で蟻道跡が確認されました。床下はコンクリートですが、基礎が一体化されたベタ基礎ではなく、布基礎の内側にコンクリートを流し込んだ土間コンクリートです。土間コンクリートは布基礎との接合部に隙間ができるため、シロアリは侵入可能です。あるテレビのリフォーム番組で土間コンクリートをシロアリに強いベタ基礎と紹介していましたが、これは大きな間違いです。床下がコンクリートだからと言って過信し定期的な点検調査を怠った結果、被害が甚大になる事例は以外と多いので注意が必要です。

今回、ハウスビルダーさんから解体された玄関の点検調査の依頼があり実施しました。それが右の写真となりますが、この被害は腐朽です。湿気は地中側からコンクリートの隙間から侵入、湿気を帯びた木材はコンクリートで囲まれているため湿気の逃げ場を失い腐朽が進行します。湿気の入る隙間があるということから、シロアリは十分侵入可能な状態ですので注意が必要です。侵入防止薬剤処理では、こうした構造的に侵入しやすい箇所について処理を実施しました。

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2022年7月 5日 (火)

徘徊する羽アリ

トビイロケアリの羽アリ昨日はシロアリ対策でお世話になっている、兵庫県内の物件にお伺いしました。室内で羽アリが発生したとご連絡をいただき、お伺いした次第です。ちなみにこの物件は、いつもお世話になっているハウスビルダーさんの物件で、パッシブソーラーシステム構造の一つであるOMソーラー構造システム住宅です。

羽アリはトイレ内で発生し徘徊しており、発生種は7月によく見られるトビイロケアリの羽アリです。今回は1階のトイレで発生しましたが、7年前には2階のキッチンで発生しました。OMソーラー構造システムですので、薬剤処理は慎重を期します。前回は業務用アリ用毒餌剤加え、当社オリジナルの毒餌システムを用いて対応しています。お施主さまからの報告では、当社オリジナルの毒餌システムによく寄っていたとのことです。当時よりもモディファイされた毒餌システムと業務用毒餌剤などを設置して対応したいと思います。

先日もOMソーラー構造システム住宅でトビイロケアリが発生していますが、不思議の思うことがあります。トビイロケアリは木材腐朽部に営巣する種類のアリですが、OMソーラー構造システムは腐朽と縁遠いのに侵入し活動するのは何故でしょうか。

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2022年7月 4日 (月)

クロアリの羽アリが発生しましたが

クロアリの羽アリのおかげで見つかったシロアリ被害昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。洗面で羽アリが発生したとのことから、点検調査でお伺いした次第です。

羽アリ死骸を捕獲していただいていたのでその羽アリを確認した結果、トビイロケアリの羽アリでした。洗面から発生したことから、浴室土台等腐朽が進行した箇所で営巣している可能性が示唆されました。

そこで状況確認のため床下側から点検調査を行いました。その結果が右の写真で、床組に蟻道が確認されました。トビイロケアリも蟻道を構築する種類のアリですが、この蟻道はトビイロケアリのものではなく、シロアリが構築した蟻道です。

よくクロアリが生息していると、クロアリはシロアリの天敵でシロアリを駆逐すると考えておられる方が多いようですが実際は違います。積極的に狩りをするのはオオハリアリなど特定のアリ、多くのアリは活動中のシロアリに対して狩りをしません。シロアリと共存するトビイロケアリを見たことがありますので、今回のような事例は当然ながらあり得るのです。

いずれにしても、適切なシロアリ駆除が必須です。今回の事例のようにクロアリの羽アリが発生し床下調査を実施した結果、シロアリ被害が見つかった事例は多々あります。クロアリの羽アリであっても何かしら理由があって発生したものですので、クロアリだからと放置しないことが重要です。

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2022年7月 3日 (日)

マンションの2階でも

ルリアリの徘徊が確認された窓枠 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。室内でクロアリが徘徊するとのことから、現地調査のためお伺いした次第です。

この物件はマンションの1室で、クロアリの徘徊が確認されたのは2階部分です。クロアリを捕獲して同定を行った結果、ルリアリでした。写真にもあるとおりアリ用毒餌剤(スーパーアリの巣コロリ)を設置されたようですが、ルリアリは見向きもしなかったとのことです。これはアリ用毒餌剤の誘因成分が糖類主体であり、肉食性のルリアリとは合いません。スーパーアリの巣コロリにはタンパク質系の誘引成分が使用されているとのことですが、他に餌があれば毒餌剤を食餌することはありません。

ルリアリは当該ブログで何度も紹介しているとおり、壁内に営巣します。写真に写っていますが、アリ用殺虫スプレーは巣系駆除できません。かえって活動範囲を広げてしまいますので、お薦めできない処理です。ましてやアリ用毒餌剤とは厳禁です。アリ用殺虫スプレーは忌避性の合成ピレスロイドが使用されていますので、噴霧した場所にアリ用毒餌剤を設置しても周囲を徘徊することすらないのです。ルリアリ駆除は、薬剤撒けば駆除できるという簡単なものではありません。生息範囲をきちんと調査した上で、対応することが重要なのです。

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2022年7月 2日 (土)

パッシブソーラーシステム構造の床下で

パッシブソーラーシステム構造の床下で徘徊するトビイロケアリ 昨日は室内でクロアリが徘徊するとご相談をいただいた、兵庫県内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件です。

この物件はパッシブソーラーシステム構造の一つであるOMソーラー構造システムとなっています。クロアリは室内で徘徊しており、床との隙間から出入りしています。床下側を確認調査すると、断熱材周辺で活動するクロアリが確認されました。

クロアリを採取し同定した結果、トビイロケアリでした。ここ数日の間には羽アリの発生したとのことです。トビイロケアリは腐朽した木材に営巣する種類のクロアリとして知られていますが、この床下はOMソーラー構造システムのため、湿気のある場所はありません。何故この床下に侵入したのかはわかりませんが、侵入していることは事実です。

問題は駆除処理方法で、この物件はOMソーラー構造システムのため薬剤処理には最新の注意が必要です。床下で薬剤散布を行えば、気化した殺虫成分が室内に流入するシステムのため、お住いの方は常に曝露される条件となります。工夫をした対策を検討し、ご提案したいと思います。

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2022年7月 1日 (金)

2022年7月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボウェブサイト2207トップページ画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、アフリカヒラタキクイムシ被害の様子で、壁面に虫孔と木粉(フラス)の堆積が確認されています。

アフリカ原産のアフリカヒラタキクイムシは、近年東南アジアから輸入された木材でよく確認されています。ヒラタキクイムシ類は広葉樹系木質材料に含まれるでんぷんを餌としているため、壁面材料の広葉樹系合板、床材のフローリングなどで被害が報告されています。また、でんぷんを多く含む竹質材料(竹製フローリングや竹製のかごなど)にも注意が必要です。虫に強いとされている桐製品(タンスやすのこなど)もヒラタキクイムシ類が好む材料ですので、注意が必要です。

アフリカヒラタキクイムシが生息する材料では、大量の木粉の堆積が確認されます。これは内部に生息する幼虫が排出した糞(フラス)であり、成虫が外部に脱出する際に邪魔となるため排出するのです。内部には多くの幼虫が活動し成虫に羽化するタイミングが僅かに異なるため、木粉の堆積する量のが日によって異なります。

問題は駆除方法で、インターネットではいい加減な素人療法が蔓延しています。成虫脱出孔から殺虫スプレーを注入すると駆除できるいう内容が殆どですが、残念ながら駆除できない事例が殆どです。成虫脱出孔から殺虫スプレーを注入しても、内部にまで薬剤が入りません。成虫脱出孔殆どが周辺に飛散するだけですので駆除できないのは当然と言えます。成虫の寿命は数週間で成虫が脱出してしまえば木粉の排出がなくなり、駆除できたと勘違いします。内部では依然として幼虫が活動していますので、被害範囲を広げてしまうためお薦めできない方法です。

アフリカヒラタキクイムシ駆除にマニュアルはなく、合板などに薬剤塗布する業者もいるようですが生態から考慮すると全く意味がありません。当社では、現地調査を実施、種類の特定、被害状況の把握をした上で対策立案及び見積を行います。そのため、未調査の時点では駆除等費用が不明です。アフリカヒラタキクイムシ駆除及び対策は阪神ターマイトラボのホームページをご参照いただきますようお願いいたします。

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