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2022年11月30日 (水)

押入で確認された砂粒

押入で確認された砂粒 昨日は継続的にアメリカカンザイシロアリ対策を実施している、兵庫県内の物件にお伺いしました。押入内にアメリカカンザイシロアリの糞が確認されているとのことから、駆除処理でお伺いした次第です。

アメリカカンザイシロアリの糞は、砂粒のように見えますが、ルーペなどで確認すると俵状で筋が入っているのが特徴です。概ね薄茶色っぽい糞と濃褐色の糞が混じるのが一般的ですが、単独の糞の場合もあります。

アメリカカンザイシロアリの糞が堆積している場合、糞の堆積状況を観察する必要があります。その堆積散乱状況から、高い場所から排出されたのか低い場合から排出されたのかを判断します。脱糞孔が確認されれば、脱糞孔から薬剤注入処理を行います。

薬剤の注入状況から木材内部に形成された坑道が、広がっているかを判断します。坑道が広がっている場合、非破壊シロアリ探知機を用いて生息範囲を特定し、最適な箇所に穿孔を行い薬剤注入処理を行います。

坑道内を薬剤で充満させるのは、限界があります。それだけにできるだけ坑道内に薬剤を入れるのには、どう工夫すべきかを考えることが重要です。

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2022年11月29日 (火)

徘徊するサクラアリ

捕獲したサクラアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。室内で小さなクロアリが徘徊しているとのことから、現地調査に同行しました。

早速現場で徘徊しているクロアリを採取、簡易顕微鏡で同定した結果、この時期によく見られるサクラアリでした。ハウスビルダーさんに床下構造を確認すると、元々土壌の露出した床下だったそうですが、土間コンクリートを打設したとのこと。

床下側から点検調査した結果、布基礎と土間コンクリートの接点部分で確認されたクラック(隙間)から出入りしている様子が確認されました。石の下に営巣するサクラアリにとっては、土間コンクリートは石の下と同じ構造です。外敵や自然災害から身や巣を守るため、石の下に営巣します。同じ構造を有する土間コンクリートは、侵入経路さえあればサクラアリにとっては好都合な場所なのです。

今回はサクラアリでしたので心理的被害はあるものの、実害はありません。同じ経路で侵入するシロアリの場合、家屋が被害を受けます。床下がコンクリートだからといって、過信するのは危険ですのでご注意ください。

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2022年11月28日 (月)

判断の分かれるところ

シロアリが確認されない蟻道 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。比較的築年数の経過した物件で、すでに建てた工務店はなく建物管理を建築士の先生に依頼、その関係でシロアリ調査を実施することとなりました。

床下側から点検調査した結果、基礎側で蟻道が確認されました。蟻道は基礎と土壌面の接点部分で、水平方向に伸びていました。慎重に地中部分を削り蟻道内を確認した結果、シロアリの活動は確認されませんでした。

このケースでは判断が非常に難しく、蟻道内の様子を確認すると決して古いものではなさそうです。まだ土台等床組に到達していないので、薬剤処理は行わず定期的に点検調査することをお薦めしました。

蟻道が確認されたからといって、薬剤を撒くのは正しい判断ではないと当社では考えています。本当に必要なところに薬剤処理を行い、不必要なところには薬剤を撒かないのが当社の方針です。

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2022年11月27日 (日)

毎年発生する羽アリ

被害部薬剤注入処理 昨日はシロアリ駆除処理のため、京都府内の物件にお伺いしました。住宅医セミナーを聴講いただいた設計事務所さんからの依頼で、前回シロアリ調査実施済の案件です。

前回のシロアリ調査では玄関や廊下など、比較的広範囲にシロアリ被害が確認されました。現時点でシロアリの生息は確認されませんでしたが、お施主さまからの聞き取り調査では毎年羽アリが発生しているとのことです。

シロアリ対策としてシロアリ駆除処理を提案し、シロアリ予防処理は提案していません。シロアリ被害は広範囲に確認されていますが、被害は方角に集中しています。そのため、シロアリ駆除処理はこの方角のみで対応可能と判断しました。

シロアリ駆除処理はシロアリ被害の確認された箇所を中心に実施しましたが、同時に想定活動範囲である土壌灌注処理も併せて実施しました。シロアリ駆除の結果は、来年の春に羽アリ発生の有無で判断となります。

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2022年11月26日 (土)

リビングで確認された羽アリ

サクラアリの羽アリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、奈良県内の物件にお伺いしました。リビング掃き出し窓付近のフローリング隙間から、羽アリが発生したとのことです。

お施主さまが羽アリ死骸を捕獲していただいていたので簡易型顕微鏡で同定した結果、サクラアリの羽アリでした。当該物件は元々大手ハウスメーカーの軽量鉄骨造で、床下はコンクリートではなく土壌が露出しています。

床下側から点検調査した結果、広範囲にサクラアリの巣穴が確認されました。サクラアリは一般的に石下、落葉層や倒木内などに営巣するとされています。この物件では何故基礎際に巣穴があるかというと、この物件の構造にあります。床下は土壌が露出していますが、その下には防湿シートが敷き込まれています。サクラアリにとっては、この防湿シートが石のかわりになると考えられます。防湿シートは全面に敷き込まれていますので、広範囲に巣穴が確認されるのは当然と言えます。但し、巣穴全てが活動中ではなく、既に死滅した巣であると考えます。薬剤処理を中心に対策を立案し、提案したいと思います。

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2022年11月25日 (金)

嗜好性

複数の毒餌井を設置しています 昨日は初夏にトビイロケアリ対策でお伺いした、兵庫県内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、便所にトビイロケアリの羽アリが発生するとともに働きアリの徘徊も多数確認されました。

この物件はOMソーラー構造システムで、トビイロケアリは床下側で多数確認されました。OMソーラー構造システムでは、安全性と薬剤曝露リスクを考慮して液剤等の薬剤散布は少量でもお薦めしていません。薬剤を散布すると空気循環型住宅のOMソーラー構造では、室内で半強制的に拡散されること、お施主さまの健康問題から毒餌剤による駆除を選択しました。

トビイロケアリだからこの毒餌剤という考え方は推奨しません。色々な毒餌剤を設置し、そこに生息するトビイロケアリの嗜好性に合わせることが必要と考えています。ちなみに今回の事例ではお施主さまの観察報告を確認すると、小員が独自に配合し設置した毒餌剤に群がる様子が確認されたとのことです。

設置から数週間で、トビイロケアリの徘徊は確認されなくなったとのこと。無事に駆除が完了したようですが、忙し過ぎて訪問が遅くなりましたので今後の反省にしたいと思います。

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2022年11月24日 (木)

ペストコントロール1級技術者更新時講習案内

ペストコントロール1級技術者更新時講習案内 先日、公益社団法人日本ペストコントロール協会からペストコントロール1級技術者の更新時講習の案内をいただきました。これまでは集合研修方式で実施されていましたが、コロナ禍ということもありe-ラーニング方式に令和2年度から導入されたとのことです。

申請を行うとURL、個別の受講用ユーザーID及びパスワードの連絡がいただけるとのことです。e-ラーニングでは指定の期間中に視聴しますが、一度に全部でも可能ですし、講義毎の分割も可能とのことです。動画を視聴し問題に解答することで受講修了となります。

移動なく講習を受講できるのは、時間と費用面でメリットがあります。ただし気をつけないといけないのは、好きな時間に受講できるということは上手く時間を確保しないと受講できなくなるので注意が必要です。

これまでリモートの講習は講師しかしておらず、受講するのは今回が初めてです。上手く時間を調整して受講したいと思います。

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2022年11月23日 (水)

駆除完了後点検調査

非破壊シロアリ探知機による点検調査 右の写真は先日、シロアリ点検調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっているハウスビルダーさんから依頼いただいた物件で、前回駆除処理を実施した案件です。駆除処理後、駆除完了の確認のためお伺いした次第です。

この物件は店舗で、柱にシロアリ被害が確認されるとともに羽アリが発生しました。被害部から薬剤注入処理を行うとともに、土間コンクリート下に対して泡状薬剤注入処理を実施しています。

今回、非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を実施しました。初回調査時にシロアリの活動を探知した箇所で、今回の非破壊点検調査ではシロアリの活動は確認されませんでした。併せてシロアリの想定侵入箇所について非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を実施した結果、いずれもシロアリの活動は確認されませんでした。

店舗のような床下のない構造では、シロアリ駆除処理は難駆除案件に該当します。建物構造からシロアリの侵入経路を想定した処理が必須となります。このような構造では、シロアリ予防処理は更に難しくなります。土間コンクリートのあらゆる箇所に穿孔し、薬剤注入処理を勧めるシロアリ防除業者がいるようですが、これは費用が高額になります。この方法は費用対効果のコストパフォーマンスとして非常に悪いので、当社では非破壊シロアリ探知機を用いた点検調査をお薦めしています。早期発見がシロアリ対策として、最も効果的であると当社では考えています。

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2022年11月22日 (火)

床下に入れない構造

転ばし床構造の薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件でのシロアリ対策が、今回の案件です。

この物件自体は比較的築年数の経過した物件で、施設の事務所として使用されています。今回のリフォームでは、土間コンクリートが打設されています。その理由は元々床下の低い物件で、床下に侵入できる高さがなかったことから土間コンクリートを打設したとのことです。

床下の高さが低く土壌が露出していたこともあり、床組は腐朽が随分進行しているとともにシロアリ被害も確認されていたとのことです。それらを踏まえシロアリ対策が必須とハウスビルダーさんが判断されたことが経緯です。

薬剤処理は、シロアリの想定侵入経路に対して実施しました。土間コンクリートであることを考慮し、薬剤の種類を選定、濃度と処理量を最適化しました。

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2022年11月21日 (月)

クロスに確認された小孔

クロスに確認された小孔 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。中古マンションを購入されたお施主さま、壁際できな粉のようなものを確認したとのことです。

現地調査を実施した結果、右の写真のとおり壁面クロスに小孔を確認しました。この小孔は数箇所で確認されています。この内部から昆虫死骸を採取し同定した結果、外来種のアフリカヒラタキクイムシでした。

被害部は全体的に確認される訳ではなく、部分的に確認されています。これは使用されている材料の問題で、発生箇所には合板が使用されています。壁面の多くはプラスターボードと呼ばれる石膏ボードが使用されており、アフリカヒラタキクイムシは石膏を餌としていませんので食害はありません。

合板は壁を形成する際、造作の必要な部分で使用されます。そうなると被害材のみ撤去交換で対応できるのではと考えるのは、短絡的思考です。合板がどこで使用されているかを考えて、対処する必要があります。

問題はこれだけではなく、売主さんとの交渉もあります。ただし、このこの壁が入居前にリフォームされたのであれば、その業者さんとの折衝になります。いずれにしてもこれまでの経験上、難航することが多いですので弁護士さんに相談されることをお薦めします。

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2022年11月20日 (日)

定期点検調査

定期点検調査 昨日は床下点検シロアリ調査のため、愛知県内の物件にお伺いしました。アフリカヒラタキクイムシ対策でお世話なっていたお施主さまの物件で、シロアリ対策についてご相談いただいた折、定期的な点検調査を推奨、前回点検調査から4年が経過したことから実施依頼をいただいた次第です。

この物件の基礎構造はベタ基礎、換気はねこ土台となっています。床下側から点検調査した結果、シロアリ被害は元より侵入の気配すらありません。注意すべきポイントは、ねこ土台がコンクリートで覆われている箇所で、玄関や勝手口などが挙げられます。点検調査は漠然と床下を見るのではなく、基礎と土台の隙間からコンクリート面の様子などをチェックする必要があります。

床下側から確認できない箇所については、非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を実施しました。現時点でシロアリの侵入はなく、問題ありませんでした。

大引には新築時薬剤処理を実施したシロアリ防除業者名の入った施工済シールが、貼り付けてあります。新築時に極めて安価で防腐防蟻処理を請け負い、 5年目以降の再施工で利益回収する予定だったと考えられます。高額なシロアリ予防が本当に必要かどうかをよく考えていただければ、定期点検調査が如何にコストパフォーマンスに優れているかが理解していただけると思います。

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2022年11月19日 (土)

新築防腐防蟻処理

ホウ酸製剤処理 右の写真は、先日大阪府内で処理した新築防腐防蟻の様子です。いつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼です。

この物件では土壌処理は実施せず、木部処理しか実施していません。ハウスビルダーさんからの指定で、ホウ酸製剤での処理を行っています。ホウ酸処理はシロアリ駆除には不適ですが、シロアリ予防については効果的です。薬剤には得手不得手があり、ホウ酸製剤はその典型的な薬剤です。

ホウ酸製剤処理された木材にシロアリが喫食した場合、ある程度シロアリ体内にホウ酸が蓄積された段階で致死します。遅効性のためホウ酸製剤処理された木材であれば連続して喫食すると考えがちですが、実際にはそうではありません。ホウ酸製剤処理された木材は毒であると認識し、喫食しなくなります。荷重を支える構造材を守るという意味では、価値のある処理です。

ですのでシロアリ駆除には不適です。ホウ酸製剤でシロアリ駆除の依頼でいただくことがありますが、基本的にはお断りしています。ホウ酸製剤でもシロアリを駆除することは可能ですが、手間と費用がかかります。それよりも安全で確実な方法は複数あり、当社ではお施主さまの要望をお聞きしながら安全なシロアリ駆除を提供します。

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2022年11月18日 (金)

監視ステーション内餌木に侵入したシロアリ

監視ステーション内餌木に侵入したシロアリ 昨日好意にしている害虫防除業者さんからの依頼で、京都府内にある物件にお伺いしました。定期的にシロアリ定期管理を実施している飲食宿泊施設です。

この物件では建物内部を非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を行い、屋外側についてはシロアリ監視ステーションを設置し管理しています。建物内部での非破壊シロアリ探知機を用いた点検調査では、シロアリの侵入及び被害は確認されていません。屋外に設置したシロアリ監視ステーションではシロアリの侵入及び餌木への喫食が確認されました。それが右の写真で、活動中のヤマトシロアリが確認されています。

餌木は昨年も確認していますが、随分を腐朽が進行した状態でした。それを考慮するとシロアリの木材喫食量は僅かです。よく甚大なシロアリ被害の写真を目にする機会がありますが、あれは何年~何十年もかけてできた被害です。ヤマトシロアリであれば、急に被害が進行することはありません。

今回、駆除できれば幸いと考え毒餌剤を投入しています。建物に近い場所ですのでここで駆除できれば幸いですが、ヤマトシロアリの生態を考慮すると過剰な期待は禁物です。建物の構造を考慮し、当該箇所に近い箇所の非破壊調査をきちんと行うことが重要です。

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2022年11月17日 (木)

ライトトラップ設置

ライトトラップ設置 昨日はアフリカヒラタキクイムシ対策のため、大阪府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっている建築士の先生の案件です。

被害は押入壁面で確認され、押入内合板の全撤去を指示しています。全撤去終了後必要な箇所について薬剤処理を実施しました。今回は壁面修復とともに天井点検口の新設が完了したことから、ライトトラップの設置を行いました。

ライトトラップの目的は、被害の確認された押入壁面以外の箇所で繁殖しているか否かを確認するためです。生息していれば、正の走光性(光に集まる性質)を有するアフリカヒラタキクイムシが捕獲されます。捕獲されなけれ繁殖していないという判断材料になり、捕獲されれば必要な対策を実施することとなります。

アフリカヒラタキクイムシ対策は複合的な対策が必要で、安易な対策は厳禁です。例えば被害部の撤去も、確認されている箇所のみ撤去では不十分です。広範囲の撤去が必須で、撤去も完全に撤去できないことを理解した上で薬剤処理する必要があります。全く効果がないのは、被害材に薬剤を塗布することです。知識も経験も全く欠落している防除業者が行う愚かな方法です。被害材に薬剤塗布を勧める防除業者ですと、対策を断るべきと考えます。

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2022年11月16日 (水)

インフルエンザワクチン予防接種

インフルエンザワクチン予防接種 昨日はインフルエンザの予防接種のため、かかりつけのクリニックで接種しました。以前から毎年このクリニックで、インフルエンザワクチンの予防接種しています。

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時感染、フルロナが問題となっています。重症化するリスクが4倍という報道があるよう注意が必要です。ワクチンを接種したからといって罹患しない訳ではなく、あくまで重症化リスクが軽減されるだけですので依然として注意は必要です。

毎年インフルエンザワクチンの予防接種を行うと接種箇所が大きく腫れ上がりますが、今年は全く腫れがありませんでした。看護師さんから接種後、冷やすとよいというアドバイスがありそれを実行したのがよかったのかもしれません。

現場へ行く際やお施主さまと対面する際、今回の接種で少しでもリスクが下げることができればとよいかと考えています。ちなみにインフルエンザ予防接種に関する費用は、複数の機関で補助してもらますので空き時間に申請する予定です。

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2022年11月15日 (火)

新たな堆積

新たな糞の堆積 昨日はアメリカカンザイシロアリ対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。数年前から対応している物件で、押入れ内にアメリカカンザイシロアリの糞が新たに堆積されたとのことからお伺いしました。

アメリカカンザイシロアリの糞が溜まるということは、必ず周辺に糞の排出孔があります。まずはその糞の排出孔を見つけることが重要となりますが、糞の散乱状況から判断する必要があります。糞が水平面で円錐状に堆積している場合は、水平面の底側に糞の排出孔があるケースが多いようです。壁面で円錐状に堆積している場合は、壁面の比較的低いところに糞の排出孔があるケースが多いようです。

難しいのは今回の事例のように、広範囲に糞が散らばっている場合です。このようなケースでは、糞の排出孔が高い場所にあるケースが多いようです。問題はその糞の排出孔を見つける経験とセンスです。これまでに同業者と同行したり指導したことがありますが、センスのないオペレーターでは的外れな場所を調査します。最悪なのは何も被害のないところに、薬剤を注入しようとします。そもそも木材内部に坑道の形成されていない木材では、薬剤を注入しても入りません。これを知らないシロアリ防除業者が多いことが、この業界の知識の浅さが最大の問題です。

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2022年11月14日 (月)

隙間から

侵入経路である隙間から薬剤を注入 昨日はいつもお世話になっている設計事務所さんからの依頼で、奈良県内の物件にお伺いしました。浴室で羽アリの発生した物件で、先日調査を実施し発生種がサクラアリであることを確認しています。

サクラアリなどクロアリの多くは、活動が確認された段階で薬剤処理するのが得策です。クロアリの多くは発生箇所と巣が離れているため、巣を駆除するためには活動中のクロアリを活用するのが得策です。市販の殺虫スプレーなどを使われると、活動域が変わるため施工が困難となり薬剤処理範囲も広範囲なる傾向があります。

現在まだサクラアリは活動中でしたので、複数の侵入経路から薬剤処理を施しています。右の写真は、その侵入経路の一つから薬剤注入処理を行っている様子です。最適な薬剤を用いて、サクラアリの生態に合わせた処理を行うことで巣の駆除は可能です。

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2022年11月13日 (日)

生息箇所の精査

非破壊探知機による生息箇所の精査 昨日は継続的に対策を実施している、兵庫県内の物件にお伺いしました。アメリカカンザイシロアリ被害の確認されている物件で、新たな糞の堆積が確認されたとのことからお伺いした次第です。

糞の堆積が確認された箇所はこれまでに何度か確認された箇所で、窓枠付近で糞の排出が確認されています。これまでに何度か糞の堆積が確認されていることから、脱糞孔が複数確認されています。

脱糞孔から薬剤注入処理を行うのは簡単ですが、木材内に形成された坑道の隅々にまで薬剤注入を行うのは困難です。色を付けた薬剤で被害材に注処理後、被害材を解体し薬剤の広がり具合を確認したところ、想像以上に薬剤が広がっていませんでした。結構、糞を集めて保管している空間から薬剤が進んでいないのです。

この状況ではアメリカカンザイシロアリの活動している箇所に対してダイレクトに薬剤注入処理を行うことが重要です。そのため非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を行い、生息箇所を精査した上で薬剤処理を行うのが有効です。

木材内に形成された坑道は必ずしも繋がっている訳ではなく、それぞれ独立していると考え丁寧な処理が必要です。アメリカカンザイシロアリの生息していない箇所に穿孔し、薬剤処理を行う防除業者がいるようですが意味のない処理で、かつ薬剤曝露リスクを向上させる処理ですので当社としてお薦めしていません。

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2022年11月12日 (土)

侵入経路処理

侵入経路処理 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。先日調査をしたマンションで、洗面壁面からサクラアリの羽アリが発生した案件での駆除処理です。

マンションですので床下のない逆ベタ基礎構造ですので、サクラアリの巣までダイレクトに薬剤を届けることが困難です。そのため、サクラアリの侵入経路や想定活動範囲に薬剤処理を施しました。

処理には工夫をしており、サクラアリの生態を考慮して薬剤の選定、処理量と処理濃度を最適化し、添加剤を加えて処理を行いました。サクラアリは処理を間違わなければ、きちんと駆除はできます。ただし、市販の殺虫スプレーではコロニーの駆除はできませんので、いつまでも発生が続きますので注意が必要です。

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2022年11月11日 (金)

浴室から発生した羽アリ

浴室から発生したサクラアリ羽アリ 昨日はいつもお世話になっている設計事務所さんからの依頼で、奈良県内の物件にお伺いしました。浴室から羽アリが発生しているとのことから、現地調査のためお伺いしました。

早速現場で調査したところ、発生種は右の写真にもあるとおりサクラアリの羽アリでした。10月後半から12月にかけて発生する、小型のクロアリの羽アリです。秋の深まる時期に発生する羽アリは他にありませんので、同定は容易です。

この浴室は在来工法のため、タイルの隙間や蛇口の隙間などから発生する様子が確認されました。地中に生息し、出口としてこの浴室が選択されたものと考えられました。直接サクラアリの巣内に薬剤を注入するのは困難であることから、これら侵入経路や想定活動範囲に対して薬剤処理するのが得策です。特に室内に近い部分で薬剤処理を実施することになることから、安全性に配慮するとともに処理濃度や処理量を最小限に努める必要がありますので、工夫して対応したいと思います。

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2022年11月10日 (木)

泡状薬剤注入処理

泡状薬剤注入処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。今年の4月に羽アリの発生した物件での、シロアリ駆除処理です。

この物件は店舗兼住宅で、店舗内の柱からヤマトシロアリの羽アリが発生しました。点検調査した結果、柱部分に被害が確認されました。構造は逆ベタ基礎(土間床)構造で、床下はありません。土間コンクリートの隙間から柱部分に、シロアリが侵入したものと考えられました。

シロアリ駆除処理としては、柱被害部から薬剤注入処理を実施しました。初回調査の際、非破壊シロアリ探知機を用いて調査をしたものの、市販の殺虫スプレーを噴霧されたことで被害部から逃亡状態にあり、当該被害部でのシロアリの活動は探知されていません。

今回も施工前に非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を実施しており、僅かに活動が探知されたものの高い活性状態ではありません。この状態では、被害部から薬剤注入処理をしたとしても地中のコロニーまで駆除できる可能性は低いと判断しました。

そこで地中に対して処理を行うため土間コンクリートに穿孔を行い、薬剤注入処理を実施しました。処理としては、薬剤を泡状にして注入する方法を採用しています。この方法であれば、土間コンクリートと地面の隙間で活動するシロアリに対して効率的に薬剤を届けることが可能となります。隙間の大きさを想定し、必要な薬剤濃度を調整して処理を行いました。この泡状薬剤処理は研究員時代の大きなテーマであり、処理は手慣れたものとなっています。

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2022年11月 9日 (水)

柱から群飛した羽アリ

羽アリの発生した柱 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、シロアリ調査のため兵庫県内の物件にお伺いしました。押入の柱部分から、今年の春に羽アリが発生したとのことです

早速現場で調査を実施したところ、シロアリ被害は2メートル高さにまで確認されました。この地域ではイエシロアリの生息も確認されていますので、再度発生時期をお施主さまから聞き取り調査を行いました。その結果、4月下旬とのことからヤマトシロアリの羽アリで間違いないと判断されました。

問題はこの物件の構造で、床下の高さが建築基準法に不適合で非常に低く、侵入することができません。おそらくリフォームされた際、バリアフリー化するため床下の高さを低くしてしまったのではないかと考えられました。

シロアリ駆除について少し工夫の必要な案件ですが、きちんと対応していきたいと思います。

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2022年11月 8日 (火)

マンションの壁の隙間から

サクラアリ発生箇所 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。この物件はマンションの1階部分で、洗面の壁の隙間から羽アリが発生しているとのことから現地調査のためお伺いした次第です。

現地で死骸を採取し同定した結果、サクラアリでした。連日お問い合わせをいただいている種類のクロアリで、秋から初冬にかけて発生する小型のクロアリです。先述のとおりこの物件はマンションの1階部分で、床下構造は不明です。床などの状況から、おそらく土間コンクリート打設に転ばし床構造ではないかと考えられました。

サクラアリは石の下や地中に営巣しますので、土間コンクリート下の隙間に営巣しコンクリートのクラックから侵入しているものと考えられました。このケースでは巣系に薬剤を届けるのが少し難しいため、少し工夫が必要です。

写真にも写っていますが、市販のクロアリ用毒餌剤は効果がなかったとのことです。毒餌である顆粒が大きいというのが一番の理由ですが、結構クロアリは好き嫌いがあります。クロアリの好みと一致しない場合には、見向きもしないので効果が得られないということになります。

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2022年11月 7日 (月)

羽アリ同定

サクラアリ羽アリ 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。数年前にリフォームの設計を行った物件で、羽アリが発生したとのことから現地調査のため同行しました。

羽アリの発生箇所は和室掃き出し窓周辺で、サッシの溝から羽アリ死骸が採取できました。死骸を同定した結果、サクラアリであることが判明しました。サクラアリは10月後半から12月前半にかけて羽アリを発生させる種類で、アリの中では群飛時期が最も遅い種類となっています。

サクラアリの働きアリは体長1.5㎜程度で、小型のアリです、しかし羽アリは少しサイズが大きく、写真のとおり雌の羽アリでは働きアリの倍以上の大きさとなっています。

サクラアリは発生源と生息範囲を特定した上で、適切な薬剤処理が必須です。市販の殺虫剤を用いて処理すると、かえって生息範囲を広げてしまいますので注意が必要です。サクラアリ駆除は左の注目リンク先にあります、阪神ターマイトラボのHPをご参照ください。

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2022年11月 6日 (日)

土壌灌注処理

土壌灌注処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、浴室の解体が終わったとご連絡をいただきお伺いした次第です。

この物件では浴室を解体中にシロアリ被害が確認されたことから、シロアリ調査を実施しました。被害は決して古いものではなく、シロアリ対策は必須であると判断しました。浴室はリフォーム終了後に土間コンクリートを打設されることから、土壌中に対して薬剤処理を行いました。

土壌表面に薬剤を撒く方法もありますが、使用する薬剤の特性を生かすのであれば灌注処理の方が効果的です。土間コンクリートを打設することでアルカリの影響も受けますので、薬剤とコンクリートが直に触れない方がよいということになります。

土壌表面に薬剤を撒く方が、作業的には楽なのは事実です。しかし処理ポイントを絞り込んで土壌灌注処理を行うほうが、薬剤使用量を削減することも可能です。多少手間であっても、本当に効果的な処理を提供するのは当社の方針です。

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2022年11月 5日 (土)

隙間部処理

隙間部処理 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、クロアリ駆除にお伺いしました。飲食店窓際屋外側で数箇月、羽アリが大発生したとのことです。事前に羽アリ死骸を送付いただいており、発生種はトビイロケアリであることを確認しています。なかなか現場での日程調整ができなかったため、やっとこの日程となった次第です。

発生箇所についても事前に写真を送付いただいていたことから、手間のかかる処理ではありませんでした。羽アリは木製窓枠とコンクリートの隙間から発生したとのことで、処理はこの隙間部となります。処理を実施したこの日も、トビイロケアリの徘徊が確認されました。

ポイントになるのは使用する薬剤の種類、処理濃度及び処理量です。これは薬剤処理の原則であり、対象となる害虫に対して効果が劣るものを使用すると、十分な効果が得られないのは当然です。殺虫剤だから全ての害虫に効くというわけではないのです。効果がある薬剤であっても、使用濃度と使用量を最適化しないと十分な効果が得られません。薬剤を撒けば効果が得られるという訳ではないので、素人による安易な薬剤処理は危険なのです。

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2022年11月 4日 (金)

消長

捕虫紙検定 連日の現場作業の合間を縫って実施している作業があります。先日もご紹介したと思いますが、ライトトラップ捕虫紙検定です。春に回収したアフリカヒラタキクイムシ対策で実施している案件で、業務過多のため合間を見つけては実施しています。

この物件では、対策を開始して12年が経過しています。その3年前からアフリカヒラタキクイムシが発生しているので、既に15年が経過していることとなります。

ここ数年の状況ですが、少ない捕獲数で経過しています。しかし天敵であるシロオビカッコウムシの捕獲数が多く、木材中でアフリカヒラタキクイムシ幼虫が捕食されていることを考慮するとまだまだ生息数が多いものと考えられるため注意が必要です。

ライトトラップに捕獲されるアフリカヒラタキクイムシの消長を、継続的に捉えることで見えてくることがあります。害虫対策を行う上で、調査することや把握することは絶対原則です。安易に薬剤を撒きましょうでは、害虫対策になりません。本質を捉えてどのような方法で効率的かつ安全に対処できるかを考えるのが、プロとしての自覚だと考えています。

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2022年11月 3日 (木)

重ねられた土台隙間に形成された蟻道

重ねられた土台隙間に形成された蟻道 右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、10年以上前に床板及びフローリングのみリフォームを実施した物件とのことです。

シロアリ調査をいただいた経緯は、先日洗面で羽アリを見かけたことが理由です。床下側から点検調査した結果、洗面で確認された羽アリの原因はサクラアリでした。洗面床下の表面には、柵あアリの巣穴も確認されました。

それよりも問題なのは、元々あった大引の上にもう一段重ねられた木材との隙間で蟻道が確認されたことでした。床束には蟻道が確認されなかったのは、築古年ながらクレオソートが塗布されていたものと考えられました。侵入経路は案の定新しく設置された床束で、リフォーム時にきちんと対策を実施していればこのような事態にならなかったものと考えられました。

リフォーム時にはシロアリ技術者にシロアリ調査を依頼し、具体的なシロアリ対策を立案してもらうことが必要です。だからといって薬剤の大量散布はお薦めできません。薬剤大量散布しかしないのにシロアリ技術者を名乗る似非シロアリ技術者も多いのでご注意ください。

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2022年11月 2日 (水)

壁内注入処理

壁内注入処理 右の写真は、先日シロアリ駆除処理でお伺いした際に撮影した1枚です。京都府内にある飲食店のトイレから、今年の春に羽アリの発生が確認された案件です。

このトイレは建物から離れた離れの建物内にあり、勿論床下はありません。外見上シロアリ被害の確認されている箇所はありませんが、羽アリは壁や床の隙間から這い出てきたそうです。このような条件では、壁内の木部を食害している可能性が高いものと考えられます。そこで壁面及び床面に対して薬剤注入処理を行いました。壁面は可能な限り穿孔は実施せず、螺子穴など使える孔を活用して処理を行いました。

床面については穿孔が必須であることから、配管の位置などを想定しながら安全性の高い箇所から穿孔処理を行いました。穿孔箇所を最小限に抑えるため1箇所のみとし、確実に土間下の土壌に薬剤を届けるため、薬剤をフォーム状にして注入を行いました。本当にそれで土間下の土壌へ薬剤を届けることができるのかとお考えの方がおられると思いますが、自社でに試験では良好な結果が得られていますので、大丈夫だと思います。

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2022年11月 1日 (火)

2022年11月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボウェブサイト2211トップページ画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、大阪府内の物件でシロアリ駆除処理を実施した様子です。蟻道内部から、ヤマトシロアリの流出する様子が確認されています。

シロアリ駆除処理として、シロアリ生息想定部から低圧で注入処理を行っています。薬剤が生息想定部内に充満し、やがて蟻道内を伝わって蟻道の崩壊とともにシロアリが流出しました。

シロアリ駆除の本質はコロニーを壊滅させることであり、そのために薬剤を多く使用する必要はありません。当該事例であればシロアリのコロニーは地中にありますので、地中への処理が必須です。そのために適した薬剤の選択、処理濃度と処理量を最適化することで、コロニーを壊滅させることが可能となります。

薬剤の大量散布で、コロニーの壊滅が困難な理由を述べたいと思います。高濃度で大量の薬剤が三保されると、直接薬剤と触れたシロアリは致死しますが、直接触れさせることができるシロアリはコロニーの一部にしか過ぎません。コロニーの大多数は逃亡して生き残り、活動を続けます。伝播性薬剤といっても、本当にコロニーが壊滅できる薬剤は僅かです。しかも伝播性には濃度傾向があり、高濃度ほど致死時間が早くなり伝播性は発揮できなくなります。伝播性の弱い薬剤を大量散布すると、伝播性が発揮されるどころか致死時間は更に短くなるため伝播性は発揮できなくなるのは当然です。

シロアリ駆除の原則であるコロニーの駆除は、徹底的な調査を行い最適な方法で薬剤処理することが必須なのです。シロアリ駆除及び対策については、阪神ターマイトラボのホームページをご参照の上お問い合わせいただきますようお願いいたします。

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