2022年12月度ウェブサイト更新
今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、アメリカカンザイシロアリ駆除でお伺いした物件で撮影した1枚です。兵庫県内の物件で、駆除処理を行なった際、被害部から流出した擬職蟻です。
アメリカカンザイシロアリは、擬職蟻が木材に侵入する事例はほとんどありません。近隣で発生した羽アリが飛来、脱翅後木材に穿孔して内部に侵入します。その中で雌雄がペアリングすると、営巣繁殖します。木材中では食害しながら、坑道を形成します。坑道の中には、糞を溜めるスペースが作られます。このスペースが駆除処理の際、ポイントとなります。
駆除処理の多くは脱糞孔から薬剤注入処理を行いますが、工夫が必要です。フォーム剤は泡で泡を押すため、狭い場所に充満させるのには効率的です。このフォーム剤で注入した場合、逆流した泡とともに擬職蟻が流出するのです。一見、薬剤入って効果があると考えがちですが、そうではありません。坑道モデルを作成し糞を溜めた後模擬脱糞孔からフォーム剤を注入したところ、細くなった坑道に糞が詰まりフォーム剤が奥まで侵入しませんでした。
フォーム剤単独では駆除が難しいことは実際の現場からフィードバックしており、現在では工夫した薬剤注入処理を併用しています。如何に少ない薬剤量で効率的に駆除を行うかが命題ですので、鋭意創意工夫を凝らして対応したいと考えています。
アメリカカンザイシロアリの駆除方法は、まだまだ確立されていません。現場で対峙し得られた知見、飼育観察で得られた生態などから、効率的な駆除ができるよう精進して行きたいと思います。当社のアメリカカンザイシロアリ駆除及び対策については、阪神ターマイトラボのホームページをご参考ください。
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