蟻害ではなく腐朽
右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。リフォーム中の現場で、被害らしきものが確認されたとのことから、シロアリ調査依頼をいただきました。
現場で調査を実施したところ、ハウスビルダーさんが気にされていた被害は腐朽でした。現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されていません。ちなみに、この物件は築40年以上が経過しています。当時の状況を考えると、有機塩素系薬剤のクロルデンが使用されていたものと考えられました。
有機塩素系クロルデンは難分解性で、投下薬量は恐ろしいほど多いことから今も残留しています。そのため、シロアリの侵入を阻止しているものと考えられました。このクロルデンは1986年に第一種特定化学物質に指定されています。第一種特定化学物質とは、難分解性、高蓄積性及び長期毒性又は高次捕食動物への慢性毒性を有する化学物質で、製造又は輸入の許可(原則禁止)、使用の制限、政令指定製品の輸入制限や第一種取扱事業者に対する基準適合義務及び表示義務等が規定されています。
小員も研究員時代、普通にクロルデンを扱っていました。安全性に問題がないとされていた薬剤でした。しかし安全性の評価基準が変わったりすると、ある日突然薬剤の安全性も変わります。安全だった薬剤も危険になるのです。現在安全とされている薬剤であっても、大量散布はリスクがあることをご承知おきください。
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