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2023年2月28日 (火)

労災保険更新

阪神土建労働組合本部 現場作業に加え、確定申告関係や研修会資料作成など案件が山積み状態ですが、今年も労災保険の更新に行ってきました。加盟している阪神土建労働組合では一人親方労災保険を取り扱いがあり、組合に加盟した目的の一つです。

労災保険とは被雇用者を保護するための保険で、一般的には雇用者が保険料を支払って加入します。しかし私たちのような個人事業主は、労災保険に加入することができないのが一般的です。厚生労働大臣の認可を受けた労働保険事務組合である阪神土建労働組合は、労災保険の加入や補償・給付などの手続きを行うことが可能です。ちなみに労働保険事務組合とは. 事業主の委託を受け事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主等の団体です。

建築現場で働く私たちのような業種の場合、労働保険事務組合に加盟することで労災保険に加入することが可能です。建築現場では、電工工具などによる事故や高所からの転落リスクなどがあります。私のような雇用形態を持たない被雇用者が事故に合うケースも多いため、労働者を守るための特別加入という制度が今回更新した一人親方の労災保険特別加入です。今年もきちんと更新しましたので、今後も安心して現場に向かいたいと思います。

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2023年2月27日 (月)

隣家

隣家で確認されたアメリカカンザイシロアリ糞の堆積 先日からご紹介しているアメリカカンザイシロアリの物件ですが、ある季節になると、アメリカカンザイシロアリの有翅虫(羽アリ)が大量に飛来するとのことです。お施主さまには羽アリが飛来する方向を確認するよう指導を行い、その結果隣家から飛来することがわかったとのことです。

ちなみに隣家は現在居住者がいない状態とのことで、庭を確認させていただくと大量のアメリカカンザイシロアリの糞の堆積が確認されました。間違いなくこの隣家で繁殖し、羽アリを発生させているものと考えられました。

お施主さまからの聞き取り調査では、隣家のオーナーさまはわかっているとのこと。アメリカカンザイシロアリの生息が確認されている旨を説明し、対応してもらうことをお薦めしました。この機状況が急転する可能性が低いことから、羽アリ定着防止処理は必須と考えられます。

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2023年2月26日 (日)

頸動脈エコー検査

頸動脈エコー検査 昨日はかかりつけの医院であるふなもとクリニック(西宮市甲子園浦風町)に、頸動脈エコー検査に行ってきました。年齢的に脂質異常症とは切っても切れない関係にあり、動脈硬化のリスクはあることから主治医の先生から定期的に頸動脈エコー検査を実施しています。今回3年振りの頸動脈エコー検査です。

首の動脈(頚動脈)の中内膜肥厚度(血管壁の厚さ)やプラーク(壁の一部が盛り上がった部分)の状態を調べることにより、動脈硬化症の進展度を判定します。頚動脈は動脈硬化の好発部位であるため、頚動脈における動脈硬化を評価することで全身の動脈硬化の指標となります。検査いただいた先生のコメントでは、前回(3年前)と同程度で動脈硬化は進行していないとのことです。

脂質異常症は様々な病気の原因となるため、適切な治療が必要です。そしてその重大な病気になる前の検査も重要で、早期発見が最も効果的な手段です。家屋も同様で早期発見のための検査(点検調査)が重要で、当社では薬剤処理ではなく点検調査で対応するのをお薦めしています。

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2023年2月25日 (土)

定着防止処理

小屋裏で確認された羽アリ死骸 今日も昨日に引き続き、アメリカカンザイシロアリの現場からのご紹介です。この物件も昨日同様賃貸物件ですが、昨日ご紹介した物件とは異なる建物で、室内側では窓枠を中心に糞の排出が確認されています。

これまでに数回の駆除処理を実施し、室内側での発生はおさまっています。今回、小屋裏の点検調査を実施しました。小屋裏では糞の堆積は確認されませんでしたが、羽アリの死骸は確認されました。

この物件ではこれまでに羽アリ定着防止処理実施しており、一定の効果が得られたものと考えられます。羽アリを定着させないためには、どの薬剤をどのように処理するかが重要です。羽アリが翅を落として落翅虫となることで繁殖しますが、それを抑制することが重要です。羽アリは屋外から侵入しますが、僅かな隙間から侵入します。窓枠や屋根には隙間は必ずありますので、きちんと対策取ることが重要です。

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2023年2月24日 (金)

小屋裏点検調査

小屋裏点検調査 昨日は前日に引き続き、広島県内でのアメリカカンザイシロアリ対策でした。昨日の物件ではなく、近隣にある貸家物件でオーナーさまからの依頼です。

この物件も数年前から対策を実施しており、これまでは室内側での駆除処理が中心でした。過去に別のシロアリ防除業者が薬剤処理した形跡がありますが、的を射ていない処理となっています。数回の処理を実施し、室内側での糞の堆積が確認されなくなったことから、今回やっと小屋裏の点検調査を実施しました。

小屋裏では大量の糞の堆積が確認され、その様子の一つが右の写真です。一見すると梁から糞が排出していると考えがちですが、これは垂木からの排出です。この物件では動線的に梁のある場所だけで、今後処理するためには小屋裏の動線を工夫する必要があります。来シーズンについては、このあたりを工夫して対応したいと思います。

ちなみに小屋裏では、薬剤の吹付処理跡が確認されました。おそらく以前処理したシロアリ防除業者が、処理したものと考えられました。この発想が単純で、シロアリだから薬剤を撒いておけば良いだろうという安易な発想で処理したのでしょう。もう少しアメリカカンザイシロアリの生態と薬剤の特性を、勉強して欲しいものですね。

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2023年2月23日 (木)

軒下空間

軒下空間で確認された糞 昨日はアメリカカンザイシロアリのため、広島県内の物件にお伺いしました。継続的に対策を実施している案件です。

軒下空間にあった通気口が羽アリの侵入経路になる可能性があることから、侵入できない目の大きさの金網を設置いただきました。設置から数年が経過した際、金網の内側に羽アリが挟まっているのを確認しました。そこで軒下部分に点検口を新設いただき調査を実施した結果、多数の箇所で糞の堆積が確認されました。

この軒下空間は人が入れる高さはありません。糞の堆積箇所が点検口から離れた箇所にあるため、今回は駆除処理は実施せず、羽アリの定着防止処理のみ実施となりました。次年度以降は工夫して処理を実施したいと思います。

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2023年2月22日 (水)

復活

糞の排出は復活した丸太 昨日ご紹介した経理作業や研修会資料づくりなど机にかじりついた状態となっています。そこで今日は、飼育中のアメリカカンザイシロアリ飼育ケースからご紹介したいと思います。

右の写真はオヤシロアリ技研の尾屋さんからいただいた、アメリカカンザイシロアリの生息が確認された丸太です。この丸太からアメリカカンザイシロアリを採取し、薬剤試験に供試しました。かなりの数を採取したので、この丸太から糞の排出は15年以上確認されませんでした。しかし15年が経過したころから、再び糞の排出が確認されました。最近では有翅虫(羽アリ)の羽化も確認されています。

アメリカカンザイシロアリの有翅虫が木材中に侵入し繁殖し始めてから、糞の排出まで早いと1年以内で排出されるケースもありますが、この飼育事例のように何年も経過してから排出されるケースもあります。

室内で糞の排出が確認された場合、数年前に木材中へ侵入したと考えるのが一般的です。ですので近くの場所は他の場所にも侵入していると考える必要があります。アメリカカンザイシロアリの完全駆除は外部侵入もあるため事実上困難であり、糞の排出が確認された段階で丁寧に一つづつコロニーを駆除する必要があるのです。

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2023年2月21日 (火)

2022年度決算経理

2022年度決算経理準備 例年1月上旬には決算経理作業を始めていますが、今年は案件が重なったことからやっと始めました。既に確定申告の受付が始まっていますので、かなり焦らないといけないようです。

日常的な経理は銀行管理と現金管理とし、伝票は枚数も少ないことから期末を迎えてから会計ソフトを用いて入力で対応しています。

今年の確定申告は既に2月16日から始まっており3月15日までに申告しなければなりません。、それまでに決算経理を行い確定申告の資料を作成するため、会計ソフトを用いて伝票入力しています。入力が完了すれば全ての帳簿を作成してくれますので、入力さえ終わればなんとかなります。

今年は現場作業に加え研修会資料づくりがあるため、経理作業が遅れがちとなります。少しでも効率的に時間を使い、確定申告に向けて対応したいと思います。

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2023年2月20日 (月)

中間点検調査

ライトトラップ中間点検調査 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生と、大阪府内の物件に同行しました。アフリカヒラタキクイムシの被害が確認された物件です。

およそ8カ月前にご相談をいただき、現場調査を実施しています。死骸を採取し同定した結果、外来種のアフリカヒラタキクイムシであることを確認しました。発生箇所が押入の合板であったことから、全面撤去及び補完のための薬剤処理を実施しました。その際、他材料への繁殖の有無を調べるためライトトラップを設置しています。

正の走光性(光に集まる生態)を有するアフリカヒラタキクイムシは、小屋裏などで繁殖していた場合ライトトラップの捕虫紙に捕獲されます。そのため、小屋裏や壁内で繁殖しているか否かをモニタリングするのに最適です。ちなみに設置後6ヶ月が経過しましたが、現時点ではアフリカヒラタキクイムシの捕獲は確認されていません。

アフリカヒラタキクイムシは、在来種と異なり成虫に羽化するまでの期間が短いのが特徴です。そのため成虫の羽化は初夏だけでなく、秋にも発生します。今回の結果から秋の発生はなかったようですが、設置を継続し初夏の発生期に捕獲されるかモニタリングを継続したいと思います。

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2023年2月19日 (日)

古い被害跡

古い被害跡 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、シロアリ対策を検討したいとのことからお伺いしました。

現地で点検調査した結果、現時点でシロアリの侵入や生息は確認されませんでしたが、古い被害跡は確認されました。建物自体古いものですので、被害があっても当然と言えます。ちなみに被害跡付近には穿孔跡も確認されていますので、過去にシロアリ防除処理が行われたものと考えられました。ちなみに当該物件では有機リン剤の残臭が確認されましたので、シロアリが侵入したのは相当古いものと考えられました。

シロアリ対策ですが、定期的な点検調査及び処理箇所を絞り込んだ侵入防止対策を提案したいと思います。前者では薬剤を使用しませんので、安全性に不安がある方に最適です。また費用も極めて少額ですので、お施主さまへの負担も軽減されます。後者では一般的なシロアリ防除業者が実施する薬剤大量散布ではなく、必要と判断する箇所のみ処理しますので費用は抑制できます。床がない状態での処理ですので、工賃も少額で済みます。最終的にはお施主さまとハウスビルダーさんで相談の上、決めていただく予定です。

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2023年2月18日 (土)

ワモンゴキブリ

床下で確認されたワモンゴキブリ死骸 右の写真は昨日ご紹介した物件の床下で撮影した1枚です。この物件では床下でゴキブリの死骸を大量に確認しています。10年前の薬剤処理以前には室内側で頻繁にゴキブリの姿が確認されていたとのことですが、薬剤処理後室内で確認することがなくなったとのことです。

これは薬剤の副次的効果であり、ある種類の薬剤を使用すれば効果が得られます。ちなみに当該物件の床下で確認されたゴキブリは、一般的によく見られるクロゴキブリではなくワモンゴキブリでした。ワモンゴキブリは、胸部の周辺に黄褐色のリング状の斑紋があるのが特徴です。寒さに弱いため、20℃以下では活動できないため暖かい室内や床下でよく見られます。

いずれにしてもゴキブリは病原菌を媒介する衛生害虫なので、駆除するに越したことはありません。副次的効果であっても十分に効果が得られるのであれば、薬剤処理するもの一択です。

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2023年2月17日 (金)

侵入防止処理

掃き出し窓枠の薬剤処理 昨日はシロアリ対策のため、大阪府内の物件にお伺いしました。約10年前にシロアリ駆除及び侵入防止処理を実施した物件で、いつもお世話になっているハウスビルダーさんがリフォームを手掛けた案件です。

特にシロアリが発生したという訳ではありませんが、前回施工から10年が経過したこと及びゴキブリの目撃事例が確認し始めたとのことからシロアリ対策についてご相談をいただきました。前回打ち合わせと事前点検を実施し、床下ではゴキブリの死骸を大量に確認しています。

お施主さまからゴキブリの副次的効果を期待しての、シロアリ侵入防止対策の依頼をいただき処理にお伺いした次第です。この物件の問題は建物の約半分が傾斜地の車庫となっており、車庫の天井部分に部屋があり床下のない状態です。しかし10年前にはこの部分にある掃き出し窓枠に蟻道の構築が確認されました。

コンクリートしかないのに、どうやってシロアリは侵入したのと考える方が多いと思います。コンクリートは一体化されたものではないため、コンクリートとコンクリートの接合部から侵入します。コンクリートとコンクリートは物理的にくっついているだけで、化学的に結合している訳ではないため隙間があっても当然なのです。隙間さえあればシロアリは侵入可能ですので、注意が必要です。ですのでその隙間を想定して、薬剤を置いておくイメージで薬剤処理を行いました。

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2023年2月16日 (木)

社内研修会打ち合わせ

資料集め 昨日は社内研修会を実施したいと依頼をいただいたハウスビルダーさんにお伺いしました。9年前と4年前に研修会は実施しています。

前回及び前々回は、シロアリとヒラタキクイムシの内容が主でした。その背景として、実際の被害が出たことが要因です。特にアフリカヒラタキクイムシは数件の物件で対応し、完全駆除まで完了しています。その関係から研修会を実施しました。

今回は家屋でトラブルになる昆虫類をメインにということから、具体的な内容についてすり合わせを行いました。それとアメリカカンザイシロアリらしき案件もあるとのことから、アメリカカンザイシロアリの話しも織り込むこととなりました。

案件が多く重なる中、上手く時間調整を行い対応したいと思います。

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2023年2月15日 (水)

2023冬支度

スタッドレスタイヤ交換 年明け以降寒い日も続きましたが、これまで降雪地域での案件はありませんでした。他の案件も多く抱えている中、業務車のタイヤはノーマルタイヤのままでしたが、いい加減スタッドレスタイヤに交換しなければと昨日交換しました。

暖冬と言われて数年が経過していますが、降雪や積雪がない訳ではありません。当社のある西宮は大阪湾から瀬戸内海に続くため、積雪することは極めて稀となっています。近畿地方は積雪とは無縁と思われがちですが、兵庫や京都の北部は勿論、中部でも積雪することがあります。滋賀北部では、降雪が当然と思っておかないと大変なことになります。高速道路も標高の高い場所では、降雪する可能性があるため特に注意が必要です。

スタッドレスタイヤ未着用で積雪場所を走り、事故を起こしているニュースをよく見ます。小員も兵庫県中北部へ仕事に行った際、積雪に伴いスリップ事故をその当日だけで10件以上見たことがあります。ノーマルタイヤだけでなく、スタッドレスタイヤを履いていてもスリップすることがあるため注意が必要です。

業務車はスタッドレスタイヤは着用していますが、念のため金属製チェーンも業務車には載せています。凍結路ではスタッドレスタイヤを履いていても、スリップはするのです。事故は未然に防ぐことが重要で、万が一に備えることが大切です。皆さんも降雪を甘く見ず、無理はされないようご注意ください。

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2023年2月14日 (火)

講師依頼

住宅医スクール2023講師依頼 先日、一般社団法人住宅医協会さんから住宅医スクール2023の正式な講師依頼の書面をいただきました。例年、講師をさせていただいている住宅医スクール1講義の講師依頼です。

『防蟻対策の実務~蟻害の事例から学ぶ、診断・対策のポイント』という題目ですが、ここ数年同じ題目となっています。同じ題目なので、同じスライドでもよいのかと思いますが、毎年モディファイしています。現場で見る蟻害は、全く同じものはありません。それよりもこんな風にシロアリは侵入し、こんなように被害を与えるのかと新しい発見は毎年あります。これらをご紹介し、設計する段階でどのように工夫すればよいのか或いは建築する段階でどんなところに注意すべきかのヒントになればよいかと思います。

資料づくりのため、これまで撮影した写真の確認作業を行っています。1物件で最低でも20枚、多い物件では200枚近く写真撮影することがあります。それらのチェック作業だけでも大変ですが、聴講される皆さんの参考になればと資料づくりをしたいと思います。

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2023年2月13日 (月)

床下点検調査

薬剤処理不要な床下 昨日は、シロアリ調査のため大阪府内の物件にお伺いしました。以前、シロアリ駆除でお世話になったお施主さまからのご紹介いただいた案件です。

お施主さまからの聞き取り調査では、新築以降シロアリ対策を実施したことがないとのこと。シロアリ対策を考えるにあたった経緯ですが、近隣で羽アリの発生が確認されたとのこと。ちなみに当該物件も近隣物件も同じ工務店が建てたとのことですが、既にその工務店は潰れてしまい存在しないとのことです。

床下側から点検調査した結果、現時点でシロアリの侵入、生息及び被害は確認されませんでした。布基礎の内側に土間コンクリートを打設した構造なので、近隣で羽アリが発生した事例は基礎と土間コンクリートの接合部から発生したものと考えられました。

お施主さまは薬剤処理が必要とお考えだったようですが、小員の見解として定期的な点検調査をお薦めしました。お施主さまは薬剤を撒かないという考え方は頭になかったようで、薬剤の安全性などを気にされていたようで安堵されていました。

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2023年2月12日 (日)

アメリカカンザイシロアリ侵入孔

アメリカカンザイシロアリ侵入孔 右の写真は、先日アメリカカンザイシロアリ駆除の現場で撮影した1枚です。垂木に小径の穴が確認されるとともに、穴の周りには木粉が確認されています。

これはアメリカカンザイシロアリの羽アリが翅を落とし落翅虫となった段階で、木材中に入るためあけた穴です。アメリカカンザイシロアリが木材中へ最初に侵入するサインです。中に空洞をつくるため木材を齧り、不要な木片を排出するため穴の周りでは木粉が確認されます。

木材中に侵入したアメリカカンザイシロアリ落翅虫は木材内部を食害しながら生息しますが、雌雄がペアリングすると繁殖します。アメリカカンザイシロアリは木材空隙部分で糞をしますが、すぐに排出する訳ではありません。1箇所に糞を溜める性質がありある程度溜まれば、外に排出します。そのため、アメリカカンザイシロアリが木材に侵入してから糞が排出されるまで、早い場合もあれば遅い場合もあります。

飼育中のアメリカカンザイシロアリでは、5年以上してから糞の排出が確認されたケースがあります。実際の現場でも同じケースがあると考えられ、先日ご紹介した事例でも糞の排出量が少ない割に生息数が多い傾向にあるのも納得できます。飼育と現場観察がどれほど重要であるか、その経験をアメリカカンザイシロアリ駆除に生かしていきたいと思います。

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2023年2月11日 (土)

土間コンクリートの床下

問題の多い土間コンクリートの床下 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォームを計画中の物件で、事前のシロアリ調査を依頼いただいた次第です。

床下は布基礎に土間コンクリートを打設した構造ですが、床下の高さは低く床下に侵入しての点検調査として限界の低さです。土間コンクリートを打設している割に、床下の湿気が高く床組の一部ではカビの発生が確認されました。恐らく土間コンクリートの下に、防湿シートが敷き込まれていないものと考えられました。

ちなみにシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。お施主さまはカビについて気にされていたようですが、無理に対処する必要はないと考えます。仮に床組へ防腐剤を処理すると、一時的にカビは抑制できるでしょう。しかし有効成分が分解消失後にはカビは再発しますので、きちんと抑制したいのであれば継続的な処理の必要があります。

ただし当該構造が布基礎+土間コンクリートであることから、シロアリの侵入リスクはベタ基礎よりも遥に高くなっています。しかも部分的には厄介な部分もあり、薬剤処理しないのであれば定期的な点検調査されることをお薦めしました。最終的には、お施主さまとハウスビルダーさんに決定を委ねたいと思います。

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2023年2月10日 (金)

新築構造

薬剤処理すべき新築構造の箇所 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。新築中の物件で防蟻処理の依頼をいただき、お伺いした次第です。

一般的には土壌面或いはベタ基礎面に土壌処理として防蟻剤を、土台や大引などの床組に木部処理として防腐防蟻剤の処理を行います。しかしこのハウスビルダーさんでは、土壌処理のみの依頼となっています。

その背景はゴキブリに対する副次的効果が期待されることが理由です。これはシロアリ駆除処理の現場で薬剤処理後定期点検の際、お施主さまからゴキブリが見なくなったとの感想をいただいたようです。実際の現場から得られる結果は、最も信頼のあるデータです。

今回は基礎面のうち、シロアリの想定侵入経路とゴキブリの潜伏場所に薬剤処理を施しました。非常に安価な処理ですが、費用対効果は高い処理なので自信を持ってお薦めできる処理となっています。

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2023年2月 9日 (木)

有翅虫死骸

アメリカカンザイシロアリ有翅虫死骸 右の写真は、先日アメリカカンザイシロアリ対策でお伺いした物件で撮影した1枚です。小屋梁の上に、アメリカカンザイシロアリの有翅虫(羽アリ)の死骸が確認されています。

これは外部から侵入した羽アリ及び家屋内で発生した羽アリを、駆除するために薬剤処理した結果です。羽アリは翅を切り落とすことで落翅虫という名に変え、木材を穿孔し侵入します。その木材の中で繁殖するので、ここで必要な処理は、羽アリが翅を落とす前に駆除することです。落翅前に羽アリを駆除することができれば、木材中に侵入しての繁殖率は大きく低下します。繁殖を抑えることで生息数を抑えることが、薬剤処理の目的です。

もちろん木材中で活動中のアメリカカンザイシロアリは駆除できませんが、繁殖を抑えることは重要です。ですのでピンポイントで活動箇所に薬剤処理し駆除することと併せて、繁殖抑制処理も必要です。

ある建築士の先生からアメリカカンザイシロアリの繁殖が確認されている物件で、ホウ酸製剤の処理は有効かどうかお問い合わせをいただいたことがあります。実際の現場で処理した木材に、アメリカカンザイシロアリが侵入した事例を幾つも見ています。効果の弱さは証明されていますので、あまりお薦めすることはできません。

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2023年2月 8日 (水)

侵入防止処理

Prevention525 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、先日打ち合わせ及び調査を実施した案件です。

この物件ではシロアリ被害、侵入及び生息は確認されていなかったものの、腐朽は複数の箇所で確認されました。お施主さまとハウスビルダーさんの意向から、防腐防蟻処理を実施することとなった次第です。木部に対して防腐防蟻剤を処理し、シロアリの侵入想定箇所について防蟻剤の処理を行いました。

防腐防蟻剤は、種類によって腐朽(木材腐朽菌)には効果があるものの、カビ(真菌)に対して効果が劣るものがあります。当社ではカビも重要な対策項目であると捉え、床下でよく見られるアスペルギルスやクラドスポリウムなどに効果が確認されている防腐剤が配合されているものを使用しています。

防蟻剤にはコンクリート上でも効果の発揮される薬剤を使用しています。防蟻剤もアルカリに強いとされている薬剤がありますが、中には効果が発揮されにくい薬剤もあるので注意が必要です。有効成分がアルカリに強いのとコンクリートの上できちんと効果が発揮されるのは、同じではありませんので注意が必要です。

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2023年2月 7日 (火)

狭い範囲ですが

狭い範囲から流出したアメリカカンザイシロアリ擬職蟻 昨日ご紹介した現場では、1階掃き出し窓付近でアメリカカンザイシロアリの糞の堆積が確認されました。点検調査を実施した結果、木製窓枠の上側で鴨居部分で脱糞孔が確認されました。非破壊シロアリ探知機を用いて調査した結果、狭い範囲での活動を探知しました。

鴨居部分に小径の穿孔を行い薬剤注入処理を実施、駆除処理を行いました。その際、脱糞孔からアメリカカンザイシロアリの擬職蟻の流出が確認されました。その一部が右の写真で、当該箇所から約30匹の擬職蟻の流出しました。

非破壊シロアリ探知機調査では鴨居の10㎝と狭い範囲での活動範囲結果でしたが、結構な生息数でした。ちなみに落翅虫(初期生殖虫)は確認されませんでしたので、落翅虫が木材内部に侵入及び繁殖してから結構年月が経過しているものと考えられました。

ちなみにお施主さまからの聞き取り調査では、糞の堆積が確認されたのはつい最近とのこと。狭い範囲での生息であっても生息数は少なくないという実例ですが、このまま放置すれば、結構な被害になることは明白でしょう。お施主さまには、糞の堆積が確認されればすぐにご連絡をいただくようお願いしています。ピンポイント処理を繰り返しての処理が必要ですので、お施主さまのご理解とご協力が重要です。

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2023年2月 6日 (月)

小屋裏点検調査

小屋裏で確認されたアメリカカンザイシロアリ羽アリ死骸 昨日はアメリカカンザイシロアリ対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。この物件では昨年糞の堆積が確認されたことから、ご相談をいただきました。室内側では数箇所で糞の堆積が確認されたころから、駆除処理を実施しています。

この地区では古くからアメリカカンザイシロアリの生息が確認されており、外部で発生した羽アリが家屋に侵入し繁殖します。そのため多くは窓枠や玄関など、隙間のある箇所から家屋内に侵入します。その他の経路として屋根の隙間が挙げられるため、小屋裏の点検調査は必須です。

小屋裏は太陽熱によって温度が上がるため、夏場の点検調査は熱中症のリスクがあります。そのため、小屋裏の点検調査は冬場に実施しています。今回は室内側の駆除処理と併せて、小屋裏の点検調査を実施しました。

想定とおり小屋裏では、アメリカカンザイシロアリの羽アリ死骸が確認されました。糞の堆積が確認されたのが1箇所、木材への侵入を表す木粉の堆積が2箇所で確認されました。それぞれ駆除処理を実施しました。

 

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2023年2月 5日 (日)

対策打ち合わせ

前回被害箇所 昨日はシロアリ対策のため、大阪府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、10年前にヤマトシロアリの羽アリが発生し、シロアリ駆除処理及び侵入防止処理を実施しています。

施工から10年が経過し、最近室内でゴキブリを見かけるようになったとのことから相談をいただいた次第です。この物件では、羽アリは浴室及び2階ベランダ付近から発生するとともに、掘り込み車庫の上にある和室の掃き出し窓枠でも蟻道の構築が確認されました。今回点検調査を実施しましたが、新たなシロアリの被害や侵入は確認されませんでした。ちなみに右の写真は被害の確認された部位で、段ボールを置かれていましたので最も被害が甚大となっていました。もちろん、当該箇所にシロアリの生息や再侵入はありません。

前回厄介だったのが掘り込み車庫の上にあたる部屋で、和室以外に便所や浴室なども掘り込み車庫の上にありました。当然床下はありませんので、床上からの処理となりましたが、きちんと駆除は完了しています。ゴキブリについては床下での薬剤消失に伴い、屋外からの侵入増加に伴い室内目撃事例が増えたものと考えられました。

お施主さまはゴキブリに対する副次的効果に評価いただき、シロアリ対策実施をご希望されているとのことでした。前回から10年が経過し、薬剤も変わってきていますので、よい提案ができるよう提案書を纏めたいと思います。

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2023年2月 4日 (土)

リフォーム物件

見分けにくい蟻害と腐朽 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、現場監督さんからシロアリ被害なのか腐れなのかわからないので見て欲しいとのことです。

現場で被害箇所を確認調査した結果、既に削り取られた部分はあったもののシロアリ被害ではなく腐朽であることを確認しました。当該物件の基礎構造は、床下土壌が露出した箇所もあれば布基礎の内側に土間コンクリートを打設した箇所の混在でした。ちなみに腐朽が確認された箇所は、土間コンクリートが打設された箇所でした。これら以外にも、土壌露出箇所及び土間コンクリート箇所の複数で腐朽が確認されました。

原因については明確にはわかりませんが床下側からの湿気によるものではなく、床上側に何か原因があるものと考えられました。お施主さまとハウスビルダーさんの意向では、折角床を全面撤去しているのでシロアリ対策を考えたいとのことです。薬剤を必要最小限の使用で対応する処理をお薦めしたいと思います。ちなみに現場監督さんは、蟻害と腐朽は見分けにくいとお話しされていました。

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2023年2月 3日 (金)

屋外で確認されたシロアリ被害

屋外で確認されたシロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼でd、兵庫県内の物件にお伺いしました。建物屋外に置いてあった物入に、シロアリ被害らしきものが確認されているとご相談をいただきお伺いした次第です。

早速現場調査を実施した結果シロアリ被害であることが確認され、それが右の写真です。ただしシロアリの姿は確認できず、季節的要因によるものと判断しました。今回確認された被害は建物に隣接する部分であるため、建物に対する注意は必要です。

問題は建物の構造で、床下の高さがなく侵入することができない高さとなっています。これでベタ基礎ならばまだマシなのですが、土が露出した状態です。床下側へシロアリが侵入している可能性は、極めて高いものと考えれます。

床下が低い原因ですが、お施主さまからの聞き取り調査ではリフォーム時に天井までの高さを確保する目的で当時のリフォーム業者が床の高さを下げたとのことです。こうなるともう一度、床をやり直すのが最も確実な対策です。しかし費用も高額になり難しいと考えられることから、各部屋に床下点検口を新設するのが現実的だと考えられます。ハウスビルダーさんに床下点検口を新設していただいた時点で、目視できる範囲での再調査を実施する予定です。

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2023年2月 2日 (木)

非接触温度計

非接触温度計による棟木表面温度測定 右の写真は、先日アメリカカンザイシロアリ対策を実施した現場で撮影した1枚です。A&D社の赤外線放射温度計を用いて小屋裏の棟木の表面温度を測定しました。

測定は午前9時過ぎに実施し、この棟木の表面温度は8度でした。ちなみに数年前にも測定していますが、その時は15度でした。この差は天気によるもので、前回は気温は低いものの前日から晴天でした。今回は前日から曇りで、当日の朝には曇天から降雪が確認される状況でした。日照があると小屋裏の温度が上がる、これが前回の結果に反映されたものと考えられました。

アメリカカンザイシロアリが日本国内で発見された当時、南方系のアメリカカンザイシロアリは日本の冬季の気温では繁殖できないと考えられていたようです。しかし昆虫は人間が考える以上に適応能力があり、これだけ外来種が国内で猛威を振るうことが何よりも証拠と言えます。

アメリカカンザイシロアリにとっては小屋裏は隙間が多く、外部からの侵入が可能です。侵入してしまえば繁殖可能な温度ですので、繁殖するのは至極当然です。小屋裏の調査しない業者はアメリカカンザイシロアリの生態を全く知らないと言っても過言ではないので、相談すら無駄だと思いますのでご注意ください。

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2023年2月 1日 (水)

2023年2月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボWebsite2302TP画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、アメリカカンザイシロアリ駆除でお伺いした物件で撮影した1枚です。

アメリカカンザイシロアリが生息している地域では、発生した羽アリ(有翅虫)が建物の隙間から侵入します。そのため多くは窓枠や玄関付近で、糞の体積や被害が確認されます。他の侵入経路としては屋根と壁の隙間から侵入するルートで、被害等は小屋裏で確認されます。

室内で糞の堆積が確認された場合、早期の段階で発見されるため早期の対応が可能です。しかし小屋裏には侵入することがありませんので、被害の発見が遅れます。そのため当社では、冬場に小屋裏の点検調査と駆除処理を同時に実施しています。

シロアリ防除業者の中にはアメリカカンザイシロアリ被害の確認されている家屋で、小屋裏の点検調査を実施しないケースがあります。これはアメリカカンザイシロアリの生態が全く知らないことを意味していますので、このような業者に対策を依頼されるのは辞めることをお薦めします。

アメリカカンザイシロアリの糞の堆積は、色々な情報を与えてくれます。点検調査の段階でどのように発生しているかを精査し、アメリカカンザイシロアリ駆除に生かすことが重要です。当社ではアメリカカンザイシロアリ飼育を通じて生態研究を、薬効試験により薬剤処理方法の研究を行っています。その結果を元に現場でフィードバックし、それを糧として次の現場に生かしています。当社のアメリカカンザイシロアリ駆除及び対策については、阪神ターマイトラボのホームページをご参考ください。

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