« 2022年度確定申告完了 | トップページ | 再開 »

2023年3月15日 (水)

対策開始14年目

ライトトラップによるモニタリング 昨日はアフリカヒラタキクイムシ対策のため、愛知県内の物件にお伺いしました。昨年は諸般の事情によりハウスビルダーさんの手から離れて対応しましたが、今年から再度ハウスビルダーさんの案件となりました。

この物件では対策開始から14年目となりますが、元々はお施主さまからご相談をいただいた案件です。聞き取り調査及び現地調査のためお伺いした際には、フローリングに虫孔及び木粉(虫糞)が確認され、ハウスビルダーさんによってフローリングの交換が行われたとのことです。しかし室内での飛翔等が収まらず、家庭用燻蒸剤(バルサンやアースレッド等)で対応されたようですが一向に収まる気配がないとのことからご相談をいただいた次第です。

現地で虫体を同定した結果、在来種にヒラタキクイムシではなく外来種のアフリカヒラタキクイムシでした。お施主さまからご相談をいただいてから既に数年が経過したいましたので、実際にはアフリカヒラタキクイムシが発生してから17年以上経過していることとなります。

問題となる発生源ですが、恐らく新築時から確認されていたフローリングと考えられます。しかし、現在ではフローリングからの発生は確認されていません。モニタリング用としてライトトラップを設置しており、対策初年から数年間は2桁前半の捕獲数でした。対策から5年から急増し、年間で500匹を超える捕獲数となりました。ちなみに室内側での発生、虫孔やフラス(木粉)の堆積は確認されていません。この物件で急増した原因は建物構造にあり、土壁に小舞竹が大壁内部にあったことです。築年経過に伴い土壁にクラックが発生して小舞竹が露出、そこにアフリカヒラタキクイムシが産卵、繁殖したものと考えられました。

室内側にフローリングや合板であれば、化学的対策と物理的対策を組み合わせることでかなりの確率で抑え込むことができます。しかし大壁構造内の土壁にある小舞竹は直接的な対策は不可能です。ライトトラップでモニタリングしながら、薬剤処理で現状は対応しています。これまでに薬剤の種類や処理方法など何度かアップデートしてきており、昨年の処理評価であるモニタリング結果では比較的良好な結果となりました。今年も継続して実施していますので、来年の結果が少し楽しみです。

|

« 2022年度確定申告完了 | トップページ | 再開 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2022年度確定申告完了 | トップページ | 再開 »