ここにも蟻道が
昨日ご紹介した物件では、北側基礎面に蟻道が確認去れただけではありません。同じ北側ですが昨日ご紹介したのは北西側でしたが、北東側にある浴室でも蟻道が確認されました。そして厄介なのが、右の写真のとおりその浴室入口にあたる床下通気口で確認された空中蟻道です。
浴室の床下には土間コンクリートが打設されており、布基礎と土間コンクリートの接点部分の2箇所で蟻道の構築が確認されました。これは前回同様、土間コンクリートの過信による被害です。問題は写真の空中蟻道で浴室床下土間コンクリートの切れ目部分に確認されており、これは羽アリの出口である群飛孔です。何本も形成されていることから、数年前から毎年発生しているものと考えられます。
この物件では部分的に土間コンクリートが打設されていることと、換気口がしっかりと取られていることもあり通気性は非常に良好です。通気性がよく乾燥していれば、シロアリ対策にあると誤った考え方があります。先日のセミナーでもご紹介させていただきましたが、床下換気扇の横に伸びる蟻道、床下調湿材そのものを蟻道に使用している事例、床下調湿のために敷き込まれた不織布に入った竹炭や備長炭マットの表面に形成された蟻道などシロアリ対策にならない商材が販売されているのが現状です。
シロアリは蟻道を構築さえすれば、乾燥など取るに足りません。蟻道は内皮構造により湿気が逃げない構造で、乾燥から身を守ることができます。幾ら乾燥した床下を作っても、蟻道を構築されてしまえば、床下の乾燥は全く役に立たないことをご承知おきいただけましたら幸いです。
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