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2023年5月31日 (水)

窓際で徘徊するクロアリ

徘徊するトビイロケアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。新築物件で1階窓際でクロアリが徘徊しているとのことから、現地調査でお伺いさせていただきました。

クロアリは1階窓際だけでなく、2階窓際でも確認されました。徘徊するクロアリを捕獲、携帯型顕微鏡で確認した結果、トビイロケアリでした。トビイロケアリは腐朽した木材に営巣することが多い種類のクロアリです。

新築直後の物件ですので腐朽した木材は家屋内はなく、可能性としては外部侵入が考えられます。ハウスビルダーさんの情報によると元々畑とのことから、やはり外部侵入で間違いないでしょう。

ポイントは庭で、建物外周部には防草シートの上に砕石が敷き込まれています。庭そのものは何もない状態ですので、雑食性とはいえトビイロケアリの餌も少ないのでしょう。餌を求めて家屋内へ侵入した可能性も考えられます。構造的に簡単な構造ではありませんので、工夫して対策を考えたいと思います。

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2023年5月30日 (火)

被害部注入処理

被害部注入処理 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。昨年の夏、シロアリ調査を実施した古民家です。

この物件では一部床組がかなりシロアリ被害を受けており、リフォームによって撤去交換が行われました。しかし構造的に石場建構造であることから、撤去交換されていない箇所もあります。敷地内にある納屋や蔵にはかなりのシロアリ被害があり、前回の調査でも生息が確認されています。

納屋や蔵はそのままのため、母屋にはシロアリ侵入のリスクがあります。そのため、母屋について被害箇所及び想定侵入箇所について薬剤処理を施しました。

今回のリフォームで、一部通気性が悪くなった箇所が散見されました。新たな通気口の新設を推奨させていただきました。

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2023年5月29日 (月)

大発生

侵入経路薬剤処理 昨日は、昨年トビムシ対策でお伺いした物件にお伺いしました。一昨年、室内で大量のトビムシが発生した案件で、調査結果から庭の芝生が発生源であったことを確認しています。

昨年の早春に発生源であった庭の芝生を撤去、それに合わせて薬剤処理を実施しています。その結果、昨年1年間はトビムシの侵入は極めて僅かだったとのことでした。しかし今年に入りトビムシの侵入が確認され始めたとのことです。

現場で調査すると巾木に貼られたマスキングテープ5㎝程度に対して、50匹近いトビムシの捕獲が確認されており大発生状態にあります。一昨年も調査していますが、壁内などに餌となる腐敗植物や菌類などは確認されていません。発生源はやはり庭と考えられ、隣地などから侵入、繁殖したものと考えられました。

対策としては発生源対策と侵入経路対策ですので、それら箇所に薬剤処理を実施しました。何とか収まって欲しいところですが、今後の動向を見守りたいと思います。

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2023年5月28日 (日)

壁内注入処理

壁内注入処理 昨日はシロアリ駆除処理のため、大阪府内の物件にお伺いしました。先日シロアリ調査を実施した物件で、浴室から羽アリの発生した案件です。

羽アリは浴室壁面で発生したとのことですが、いつもお世話になっている設計士さんが20年前にも浴室の部分駆除処理をホウ酸製剤で実施しているとのこと。床下側から点検調査した結果、浴室周辺では侵入経路は確認されませんでした。その結果を元に浴室内側からの侵入と判断、浴室壁内から薬剤注入処理を実施しました。

シロアリ駆除処理というと大量の薬剤を使用しなければならないと考えておられるようですが、シロアリのコロニーを駆除するためには大量の薬剤は必要ありません。当該物件でもシロアリ駆除処理のため使用した薬剤量は数リットルです。薬剤の特性を理解し、シロアリの生態を考慮した上で適切な処理を実施すれば数リットルの薬剤量で十分駆除は可能です。

床下側では床組等に被害が確認されていませんので、薬剤処理ではなく定期的な点検調査を実施することとなりました。ちなみに20年前設計士の先生が浴室で部分処理を実施した際も床下には薬剤処理をしていませんので、20年間侵入していなかったことになります。これがシロアリというもので、早期発見早期対応することが効果的と当社では考えています。

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2023年5月27日 (土)

羽アリの発生が確認された玄関

羽アリの発生が確認された玄関 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。玄関で羽アリが発生したとのことから、シロアリ調査で同行しました。

羽アリは5月中旬に発生したとのことで、ヤマトシロアリ羽アリの死骸が確認されました。床下側から点検調査した結果、上框の一部にシロアリ被害が確認されましたが、侵入経路となる蟻道は確認されませんでした。

玄関の被害部位を中心に非破壊シロアリ探知機を用いて調査した結果、式台で最も活発な活動が確認されました。土間と式台の接合部から侵入し、被害を与えているものと判断しました。

このケースでは部分的なシロアリ駆除処理で対応可能で、使用する薬剤量は数リットルで対応可能です。この数リットルは原液ではなく施工液を指しており、施工に占める薬剤費の割合を考慮すると施工費用を低く抑えることができます。

もし薬剤を床下全面に散布すると数十万という高額な費用となりますが、部分駆除と点検調査を組み合わせた場合、比べものにならない程施工費用を抑えることができます。費用だけでなく、薬剤使用量を抑制するのは薬剤曝露リスクを低減させるメリットもあります。ですので当社では全面施工はお薦めしていないのです。

 

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2023年5月26日 (金)

玄関から発生した羽アリ

玄関で確認された羽アリ死骸 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。玄関で羽アリの発生した物件でのシロアリ調査が、この日の案件です。

羽アリの発生した玄関ですが、下駄箱の裏にある柱の一部に被害が確認されました。外壁にはクラックがあることから、当該箇所周辺が生息ポイントと考えられました。

床下側から点検調査したところ基礎構造に問題があり、人通口(床下通気孔)が狭く隣の部屋の床下に行くことはできません。最低でも床下点検口を2箇所新設する必要があり、いずれにしても再調査は必須です。

可能性としては玄関のみの発生と考えらますが、いずれにしても点検調査を実施し対策が必要かどうかを判断する必要があります。一般的なシロアリ防除業者ですと、床下全体に薬剤大量散布します。しかし当社では必要な場所のみ処理を行い、必要のない場所では薬剤処理は行いません。

お施主さまもハウスビルダーさんも、共に薬剤のリスクを気にされておられます。安全性の高い薬剤はありますが、安全な薬剤は存在しません。ですので使用量をどこまで減らせるか、最小限の薬剤で処理できる知識と技術があるかがポイントとなるのです。

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2023年5月25日 (木)

壁面の小孔

壁面の小孔 昨日はいつもお世話になっている設計事務所の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム後トラブルになっている案件で、お施主さまが設計事務所の先生に相談されたことから現地調査にお伺いした次第です。

相談内容は壁面に小径の孔が沢山空いており、きな粉のような粉が散乱しているとのことです。所謂、典型的な木材穿孔性昆虫による被害です。周辺に虫体死骸は確認されていないため、木材内部から虫体死骸を採取する必要があります。

虫孔から加圧しその反動で内部から虫体を採取、同定を行いました。当該物件で確認された木材穿孔性昆虫は、外来種のアフリカヒラタキクイムシでした。アフリカヒラタキクイムシは一般的に生息している昆虫ではないため、屋外から侵入しての繁殖はあり得ません。近所にアフリカヒラタキクイムシの生息が確認されている木材を置いている場所があれば話しは別ですが、周辺にそのような条件はありません。

今後はリフォームを実施した業者とお施主さまとの話し合いになりますが、とりあえず今回の案件は同定までで、今後話し合いによって対策を実施する場合は具体的に立案していきたいと思います。

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2023年5月24日 (水)

窓枠で確認された羽アリとシロアリ被害

窓枠で確認されたシロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。窓枠付近に羽アリが発生するとともに、シロアリ被害が確認されているとのことからシロアリ調査でお伺いした次第です。

早速現場で調査すると、結構なシロアリ被害です。床下点検口がなかったことから新設していただき、床下側からの点検調査した結果、当該箇所の基礎面に蟻道の構築が確認されました。この蟻道がシロアリの侵入経路と考えられましたが、この窓枠の高さは地上から1.5メートルを優に超えています。

この物件ではリフォームが行われた際、新しい大引や根太などに対して市販の薬剤が塗布されています。そのため古い土台の一部にはシロアリ被害が確認されましたが、大引や根太などには一切被害はありません。それは、薬剤処理箇所を忌避したものと考えられました。

市販の薬剤の多くは忌避剤であるため、処理された木材を齧ることはありません。薬剤処理木材と触れることがありませんので、シロアリは致死しません。そのため処理されていない木材部分を食害するのですが、今回の事例はその典型的な事例です。

とりあえず薬剤処理しておけば良いという考え方間違いで、シロアリの侵入リスクを考慮した上でシロアリ対策を考える必要があります。ですので必要な場所に薬剤を処理することが重要で、大量の薬剤を撒くことだけがシロアリ対策ではないことをご理解いただきますと幸いです。

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2023年5月23日 (火)

勝手口から発生した羽アリ

勝手口屋外側に構築された蟻道 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。5月上旬に勝手口枠付近から羽アリが発生したとのことから、シロアリ調査で同行しました。

羽アリの発生した勝手口付近ですが、大きな被害は見当たりませんでした。床下側から点検調査を実施しましたが、僅かに土台表面で蟻道及び被害が確認されたものの、基礎面には蟻道の構築は確認されませんでした。

屋外側からの点検調査で、勝手口枠付近に蟻道の構築を確認しました。それが右の写真で、犬走のコンクリートと基礎面の接点にあるクラックから蟻道が立ち上がっていました。基礎面の上端部分から床下側に侵入しており、土台で確認された蟻道や被害と繋がっているものと考えられました。

このケースでは地中にシロアリのコロニーがあり、そのコロニーを駆除することが必須です。薬剤の種類を選定、最適な処理濃度と処理量で処理する必要があります。決して大量の薬剤は必要なく、薬剤の特徴を生かすような処理を行うことが重要です。そうすれば、薬剤使用量を減らすことができ、薬剤曝露リスクを低減させるとともに処理コストを大きく抑えることが可能となるのです。

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2023年5月22日 (月)

半期クリア

小屋裏に設置したライトトラップ 右の写真は先日、アフリカヒラタキクイムシ対策でお伺いした物件で撮影した1枚です。昨年、中古物件を購入されたお施主さまが、押入壁面に小孔と押入内に木粉の堆積を確認されたそうです。その異変をいつもお世話になっている設計事務所の先生に相談されたところ、小員に現地調査及び虫体同定、対策立案の依頼をいただきお伺いしました。

発生種は外来種のアフリカヒラタキクイムシ、押入壁面には数百を超える小径の虫孔が確認されました。対策としては押入壁面の全撤去、構造上未撤去となった箇所への薬剤処理、防虫合板による修復を行なっています。

これだけすれば対策は大丈夫と考えていると、墓穴を掘ります。既に他の材料に産卵、孵化及び生息している可能性があるためです。それを調べるために、小屋裏などにライトトラップを設置しています。

ライトトラップは捕虫紙と紫外線ランプを有する機器で、正の走光性(光に集まる性質)を利用して木材中から羽化した成虫を捕獲するものです。ですのでライトトラップを設置すると、アフリカヒラタキクイムシの繁殖状況の目安となります。

設置から半年が経過し、捕虫紙と紫外線ランプの交換を実施しました。この半年間で、アフリカヒラタキクイムシの捕獲は確認されず。なんとかクリアできました。このまま捕獲数ゼロでこのシーズンを無事に乗り切って欲しいところですね。

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2023年5月21日 (日)

新築防腐防蟻処理

本来何もしなくてもシロアリは発生しません 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。新築中の物件での、防腐防蟻処理がこの日の案件です。

新築時の防腐防蟻処理については、建築基準法及びその施行令から木造建築物防腐・防蟻・防虫処理対策技術指針・同解説を参考として、環境汚染の防止、作業上の安全確保等に配慮した施工工法を採用することとなっています。一般的には公益社団法人日本しろあり対策協会が策定した防除施工標準仕様書にある新築建築物しろあり予防処理標準仕様書に準じて処理が行われています。

これは兎に角、薬剤を撒かせようとする方法です。本来は必要のないところまで薬剤を撒きたくないのですが、その足枷となるのがシロアリ保険で、この保証を受けるには仕様書に準じた処理が必要となるのです。本来、今の住宅では薬剤処理をしなくても、設計、構造及び施工がしっかりしていればシロアリは発生しませんし、以降も発生しないのです。

シロアリ保険には500万円や1,000万円までの保証が特約されていますが、シロアリの被害を受けたからといってこの金額が保証される訳ではありません。あくまでシロアリの被害を受けた部位のみの保証であり、部分的な補修費用しか保証されないのです。

薬剤処理を実施し、新築時から5年以内にシロアリが発生するのは皆無です。但し発生する事例もありますが、シロアリ防除業者が手を抜いたか、薬剤使用量をケチったか、構造を理解せず撒いたかのいずれかです。こんなシロアリ防除業者にシロアリ対策を任せること自体に問題があり、以降の対策をこのシロアリ防除業者に任せることはお薦めできません。

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2023年5月20日 (土)

浴室から発生した羽アリ

羽アリの発生した浴室 昨日はいつもお世話になっている設計事務所の先生からの依頼で、奈良県内の物件にお伺いしました。4月中旬に浴室から羽アリが発生したとのことから、シロアリ調査のため同行しました。

ヤマトシロアリの羽アリが発生した浴室は在来工法の浴室ですが、設計図面ではベタ基礎の上に造られています。屋外側は高基礎、室内側は高基礎よりも低い基礎となっています。シロアリの侵入経路ですが、配管周辺隙間や屋外側と考えられたことから周辺を調査、屋外側で蟻道の構築を確認しました。

本線の侵入経路はこの屋外の蟻道を考えられますが、配管周辺の侵入経路も消してはいけません。幸いこの物件では浴室壁面の断熱工事を予定しており、外壁を一旦撤去する予定です。そのため、外壁側からも対策することができるため、施工は容易で費用も抑えることができます。

ちなみに建物そのものはベタ基礎であるため、床下に薬剤処理する必要はありません。必要に応じて定期的な点検調査を行うことで十分対応は可能です。定期的な点検調査ではシロアリの侵入、被害及び生息の確認を行うとともに、配管経路からの水漏れなど床下の健康診断にもなり、相対的な費用を抑制することが可能ですのでお薦めです。

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2023年5月19日 (金)

浴室解体

解体された浴室 昨日はシロアリ対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。この物件はこれまでにクロアリ対策及びシロアリ対策でお伺いした物件です。浴室の水漏れや排水の悪さなどトラブルが多発していることの相談を受け、信頼できるハウスビルダーさんをご紹介させていただきました。

配管洗浄等対応されたそうですが、設計の問題を含めて根本的に問題があることから浴室リフォームを実施することとなりました。建物はツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)のため、壁を壊すことができません。そのため既存の壁を残したままユニットバスを入れる方法が採用されました。

当該物件の床下は土間コンクリートが打設されていますが、浴室は在来工法となっているためシロアリ侵入のリスクはあります。浴室をリフォームする場合、部分的な薬剤処理を必ずお薦めしています。これは浴室の構造そのものがシロアリが侵入し易いことが理由です。薬剤使用量は僅かですが、高い防除効果が得られ、処理する方法によっては薬剤曝露リスクを最小限にすることができます。

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2023年5月18日 (木)

監視ステーション定期点検

監視ステーション定期点検 右の写真は継続的にシロアリ対策を実施している兵庫県内のマンションで撮影した1枚です。定期点検調査を実施しているシロアリ監視ステーションです。このマンションでは植え込み部分にヤマトシロアリの生息が確認されており、1階の住戸でシロアリ侵入の形跡が確認されました。そこでシロアリ対策の依頼をいただき、植え込み部分にシロアリ監視ステーションを設置し対策を実施しています。

ベイト工法で使用されるステーションを利用していますが、当社ではその目的が異なります。ステーションはベイト(毒餌剤)を入れるための容器ではなく、建物周辺のシロアリの動きを捉えることが目的です。建物にシロアリが近づいているのか、それとも影響のない場所で生息及び活動しているのかを把握するものです。

当該物件での過去の事例では、シロアリ監視ステーション内へのシロアリの侵入が確認されています。但し、建物から離れた監視ステーションでの確認であり、建物近くのステーションでは侵入は確認されていません。建物に近づくシロアリは駆除対象としていますが、建物から離れた箇所に生息するシロアリは建物に影響を与えることはありませんので駆除対象としていません。シロアリは枯死木材の分解者であり、自然界では益虫です。建物に影響を与えることのないシロアリは、駆除しないのが当社のコンセプトです。無差別にシロアリ駆除を行うベイト方法は、益虫としてのシロアリまで駆除しているためお薦めできません。

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2023年5月17日 (水)

年間定期防除

雨水桝薬剤処理 昨日は蚊対策のため兵庫県内のマンションのお伺いしました。この案件は5年前から実施しており、年間計画で対応している案件です。毎年5月を開始月、月1回の防除、10月終了月の年間6回の計画です。

処理の中心は幼虫対策が主で、蚊の幼虫であるボウフラの生息域である雨水桝などの水系に対して薬剤処理を施しています。今回の処理で排水桝から飛び出す蚊を確認しましたが、見かけたの一瞬で種類の特定はできませんでした。恐らくアカイエカやチカイエカなどのイエカ属ではないかと考えられました。これら種は吸血時にフィラリア症や日本脳炎、ウエストナイル熱などを媒介する事例が報告されているため注意が必要です。

これから気温が上がると、ヤブカと呼ばれるヒトスジシマカが発生します。この案件を実施することとなった背景にデング熱の流行があり、それを媒介するのがヒトスジシマカです。調査を実施した6年前は、地下ピットや立体駐車場内にあるピット、排水桝から多くのヒトスジシマカが確認されていました。対策を始めてから刺咬事例は殆どなく、良好な状態を保てています。今年も継続実施が決まり、きちんと抑制できるよう対応していきたいと思います。

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2023年5月16日 (火)

オーバーハング部分で確認された蟻道及び被害

蟻道及び被害部注入処理 昨日はシロアリ駆除処理のため、大阪府内の物件にお伺いしました。4月中旬に羽アリの発生が2階にある浴室及び洋室で確認された案件です。

この物件で羽アリの発生した2階の浴室及び洋室は、オーバーハング構造になっている箇所でした。当該オーバーハング部分に点検口を新設して貰い、このオーバーハングになった部分の床下を調査した結果、いずれの箇所も蟻道の構築が確認されるとともに群飛孔やヤマトシロアリ羽アリの翅が確認されました。

ポイントはこれら2箇所の関係性で、少し離れた箇所にあります。単一の巣系(コロニー)の可能性も考えられましたが、コロニーが2箇所あるイメージで処理する必要があります。それはヤマトシロアリの生態によるもので、ヤマトシロアリの巣系は簡単に分離と融合をするためです。

ヤマトシロアリ駆除は簡単ではなく、薬剤処理によってコロニーが分断されるケースがあります。ヤマトシロアリ駆除を実施したにもかかわらず、翌年羽アリが発生する再発が多いのがこれに当たります。根本的に技術と知識の欠落しているシロアリ防除業者では侵入経路や生息範囲を見極めれずに的は外れな処理をしてしまうため、数年に渡って羽アリが発生する再発が繰り返し起こります。

このようなシロアリ防除業者の多くは、シロアリの生態や薬剤の特性を考慮せず薬剤の大量散布に頼った結果です。残念ながら協会の策定した仕様書には、シロアリ駆除技術の記載はありません。技術者がどれだけ真剣に現場と対峙して勉強しているかが重要で、薬剤大量散布しながら技術を謳う間抜けな業者がいるのこの業界の特徴です。

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2023年5月15日 (月)

和室から発生した羽アリ

空中蟻道から発生した羽アリが和室で確認 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。5月初めに和室で羽アリが発生したとのことから、シロアリ調査でお伺いした次第です。

和室なので畳を上げて確認した結果、床板に被害等は確認されませんでした。床下側から点検調査した結果、床下土壌表面に空中蟻道が確認されました。この空中蟻道は羽アリの出口である群飛孔であり、この群飛孔から発生した羽アリが床板や畳の隙間から這い出てきたものと考えられました。

ちなみに床下の床組には、侵入及び被害は確認されませんでした。地中にコロニーがある状態で、今後侵入する可能性が考えられます。対策としては、当該コロニーに対して駆除処理はできれば実施したいところです。当該以外の箇所については、定期的な点検調査を実施するか部分的に侵入防止のための薬剤処理を行うかというところです。最終的にはお施主さまとハウスビルダーさんの協議によって決定されることとなりました。

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2023年5月14日 (日)

羽アリの発生した浴室

羽アリの発生した浴室 昨日は浴室で羽アリの発生があったとご連絡をいただいた、大阪府内の物件にシロアリ調査でお伺いしました。いつもお世話になっている設計士さんが、20年程前に同じ浴室でシロアリ駆除を処理した案件とのことです。

浴室側ではタイルに複数のクラックがあり、当該箇所から羽アリが発生したものと考えられました。屋外側からの点検調査で、浴室側基礎面にわずかながらの水漏れ跡もあったことから壁内ではかなり被害が進行しているものと判断しました。

以前設計士さんが実施したシロアリ駆除処理の内容ですが、浴室入口枠付近から羽アリが発生したとのことから、当該付近に対しホウ酸製剤による注入処理を実施したとのことです。床下側からの点検調査で、当該箇所付近の床下側では穿孔処理跡は確認されませんでした。

ホウ酸製剤はシロアリから木材の食害を防ぐシロアリ予防能力はありますが、シロアリ駆除能力は大きく劣り、シロアリ駆除技術がないと十分な効果が発揮できない薬剤です。ホウ酸製剤を処理することで、シロアリが生態的忌避により一時的に逃亡したものと考えられます。その結果、今回の調査で床下側では広範囲にシロアリ被害が確認されました。

ホウ酸製剤はその特性を理解して使用する必要がありますが、当該事例のような浴室ではホウ酸製剤の特性からシロアリに対する効果は劇的に低下します。20年前はお施主さまの健康上の理由からホウ酸製剤を使わざるを得なかったようですが、現在では合成系薬剤の安全性も飛躍的に向上しており、処理に工夫をすれば問題ないレベルに抑えながら確実にシロアリを駆除できることが可能です。但し、安全性が高くなったとは言え、薬剤を大量散布すると影響が出るケースが多いようですので、仕様書に基づいた処理はお薦めしません。

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2023年5月13日 (土)

納屋入口天井付近から発生した羽アリ

納屋入口天井付近から発生した羽アリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。納屋入口の天井付近から羽アリが発生したとのことから、現地調査と併せて駆除処理を実施しました。

この物件は10年以上前、浴室から羽アリが発生し駆除処理を実施しています。お施主さまは自身で対応すべく数年間努力されたそうですが、結果的に毎年羽アリが発生しハウスビルダーさんに相談、小員がシロアリ駆除させていただきました。

その際、納屋も点検調査し注意する必要がある旨を指摘しておりましたが、今回羽アリが発生したとのことです。2.5メートルを超えた高さとなっていますが、羽アリの発生と併せて被害も確認されました。特に雨漏れも確認されておらず、雨掛りだけで上部にまで被害を広げたようです。

納屋の床にはシロアリ被害が確認されており、ハウスビルダーさんによって床の数箇所を切って貰いました。床下の高さは15㎝程しかなく、床下に侵入することはできません。最初に切った箇所から点検調査しながら生息範囲と侵入経路を精査、それら箇所に薬剤注入処理を実施しました。これで羽アリの発生は収まると思います。

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2023年5月12日 (金)

玄関扉から発生したと考えられる羽アリ

玄関扉で確認された群飛孔 昨日ご紹介した物件では、結論的にシロアリ対策を施した方が良いと判断しました。その理由ですが、玄関屋外側扉部分で蟻道の構築が確認されました。

建築士の先生からの聞き取り調査では、数箇月前に当該物件を訪問した際にはなかったとのこと。この蟻道はここ数箇月以内に構築されたものと考えられました。蟻道は強度の高いものではなく、木材表面を舐めた程度となっています。また蟻道の所々に穴が確認されたことから、羽アリの出口である群飛孔と判断しました。玄関の隅には、羽アリが落とした翅も確認されました。

羽アリは地中にあるコロニーから発生したものと判断されます。羽アリはコロニーが成熟しないと発生しませんが、コロニーの成熟には数~数十年要します。成熟したコロニーではコロニー内のシロアリ生息数も多く、これだけ建物に近いところではシロアリ侵入リスクは高くなります。

この物件は歴史的価値のある建物であり、木材保存の観点から対策は必須と判断しました。建築士の先生も同意見で、オーナーさまに報告書を提出するとともに提案書を提出する予定です。

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2023年5月11日 (木)

被害はあるが

浴室土台周辺調査 昨日はいつもお世話になっている設計事務所の先生からの依頼で、岡山県内の物件にシロアリ調査で同行しました。調査物件は古民家で、当初岡山県内でシロアリ調査に信頼のできるシロアリ防除業者さんを紹介して欲しいとのことでしたが、残念ながら岡山にはシロアリ技術者と呼べる方がおられなくなったため、小員がお伺いした次第です。

文化的価値のある古民家で、設計事務所の先生がリフォームを計画されているとのこと。床下側から点検調査した結果、広範囲にシロアリ被害が確認されたものの、薬剤注入処理跡もあり現時点でシロアリの侵入及び生息は確認されませんでした。特に先生が懸念されていた浴室周辺が右の写真のとおり、特に問題ありませんでした。

床下側だけの結果から、急いで薬剤処理を行う必要はありません。但し、当該物件では他の要因からシロアリ対策が必要と判断しました。それはまた後日ご紹介したいと思います。

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2023年5月10日 (水)

建物構造を考慮して

薬剤注入処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、シロアリ駆除処理のため大阪府内の物件にお伺いしました。先日シロアリ調査を実施した物件で、施設入口で羽アリが発生しました。

シロアリ駆除を行う場合、どこでシロアリが生息及び活動しているかを羽アリの発生箇所から推定する必要があります。そのために重要なのは建物の構造がどのようになっているかを把握することです。その構造からどのような処理が有効か、そのためにどの薬剤を使うかがポイントです。

薬剤の特性を生かす処理を行うことで、地中にあるコロニーを駆除することが可能です。適当に薬剤を撒いても、その場からシロアリは見えなくなりますが決して駆除できた訳ではありません。環境への負荷を考慮し、必要最小限の薬剤処理を行うことがSDGsの一つである陸の豊かさも守ろうに繋がると小員は考えています。

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2023年5月 9日 (火)

2階から発生した羽アリ

オーバーハング部分の蟻道 昨日はシロアリ調査のため、大阪府内の物件にお伺いしました。。4月中旬に羽アリが2階の洋室及び浴室で確認された物件です。いずれの場所も、2階部分が飛び出たオーバーハング構造であるため1階の無い箇所に当たります。今回屋外側から2階の床下に当たるオーバーハング部分に点検口を新設いただいたことから、再度シロアリ調査にお伺いしました。

点検口は、洋室側及び浴室側のそれぞれ2箇所に新設いただきました。いずれも2階床下に当たる部分で、蟻道が確認されました。蟻道及び被害はコーナー部分に集中しており、広がっている様子は確認されませんでした。可能性として、玄関ポーチ柱内部からの侵入が考えられましたがその可能性は無くなりました。

前日が大雨で蟻道の一部がかなり濡れた状態であったことから、雨漏れの可能性が考えられました。洋室については屋根のコーナー部分、浴室については屋根のL時交差部分からの水漏れが考えられたことから専門業者に点検調査してもらうことをお薦めしました。

ちなみにこの物件の床下構造はベタ基礎構造で、床下への薬剤処理は無意味です。当該事例でのシロアリ駆除処理では、薬剤を大量に処理するとオーバーハング部分から垂れ流し状態となります。そのため必要最小限の薬剤処理が必須ですが、必要最小限の薬剤処理は普段から実施していないと難しいのでシロアリ防除業者の質が問われます。技術の未熟なシロアリ防除業者では、翌年も羽アリが発生(再発)しますのでご注意ください。

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2023年5月 8日 (月)

2階天窓から発生した羽アリ

2階天窓から発生した羽アリ 昨日は羽アリが2階天窓付近から発生したとご連絡をいただいた物件にお伺いしました。兵庫県内の物件で、2年前にアメリカカンザイシロアリ駆除でお伺いしている案件です。

この地域で最もアメリカカンザイシロアリの群飛(羽アリの発生)が確認されるのは、5月中旬以降です。6月に入ってから発生した事例もありますが、多くは5月後半までに羽アリが発生しています。

5月上旬の羽アリと言えばヤマトシロアリの羽アリが一般的ですが、この物件で確認された羽アリはアメリカカンザイシロアリの羽アリでした。右はその写真の様子で、食器棚の上で数十頭のアメリカカンザイシロアリの羽アリが確認されています。

発生したのは天窓付近の壁面で、壁に穴が開きそこから出てきた模様です。ちなみに2年前に確認されたのは別の場所の梁で、今回とは離れた場所となっています。発生箇所は天井が非常に高く、吹き抜けのため5メートルのはしごを使ってぎりぎり届く高さです。とりあえずできるだけの処理を行い、様子を見ることとしました。

アメリカカンザイシロアリとヤマトシロアリが同時発生するケースはこれまでに何度も見ていますが、羽アリ発生時期が重複するのは初めてです。アメリカカンザイシロアリの羽アリ発生時期について、6~9月と記載されている書籍や文献、各シロアリ防除業者のホームページにありますが、それは現場をよく知らない方が書いたものと思われます。アメリカカンザイシロアリを飼育すると一目瞭然、群飛らしきものは確認されますが年中チョロチョロと発生するのがアメリカカンザイシロアリです。飼育観察もしないで、アメリカカンザイシロアリ駆除を謳ういい加減なシロアリ防除業者にはご注意ください。

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2023年5月 7日 (日)

非破壊シロアリ点検調査

非破壊シロアリ点検調査 昨日はシロアリ点検調査のため、兵庫県内にある基礎外断熱構造の物件にお伺いしました。15年前に基礎の屋外側で大量の羽アリが発生したことから駆除処理を実施、その後継続的に定期点検調査でお伺いしている案件です。

羽アリ発生時、羽アリの発生した基礎外断熱の化粧モルタル側をハウスビルダーさんによって一部を剥がされました。その化粧モルタルを剥がしたタイミングでシロアリ調査を実施、断熱材内部では縦横無尽に蟻道の構築と被害が確認されました。またシロアリ被害は、胴縁を垂直方向に侵入している様子が確認されました。

シロアリ駆除は地中にあるコロニーを意識し、必要最小限の薬剤量で処理を行いました。基礎外断熱の予防処理としては、建物外周部の土壌に薬剤処理を行うトレンチング処理が一般的です。しかしお施主さまの予防としてトレンチング処理は実施しないこととなりました。その背景は敷地内で家庭菜園をされており、薬剤の流出リスクがあるとのことが理由です。小員も建物外周部への薬剤処理は、地下水への影響や環境への配慮から処理すべきではないと考えています。

基礎外断熱の欠点は、シロアリの生態の誤った知識を元に設計されたことが要因です。乾燥していればシロアリは生息できない、ベタ基礎ではシロアリは侵入できないなど誤ったシロアリ生態の認識が原因です。シロアリは環境に対応可能で、乾燥条件であっても水を運んで湿度コントロールが可能な昆虫であることを理解していなかったということです。

この物件ではお施主さまの希望からトレンチング処理による予防対策は実施せず、シロアリ監視ステーションの設置及び点検管理、非破壊シロアリ探知機を用いた点検調査を定期的に実施しています。監視ステーション内及び基礎外断熱内部へのシロアリの侵入等、今回の点検調査で確認はされませんでした。過去にシロアリ監視ステーション内へシロアリの侵入が確認されたことがありましたが、基礎外断熱面及び家屋には侵入しておらず適切と管理できています。点検調査は早期発見早期対策を目的としており、きちんと対策を実施すれば問題ありません。

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2023年5月 6日 (土)

窓枠羽アリ発生箇所薬剤処理

窓枠羽アリ発生箇所薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。4月中旬に羽アリの発生した物件で、前回シロアリ調査のためお伺いしています。シロアリの発生した窓枠側の床下にはシロアリ被害や侵入など確認されませんでした。

写真の窓枠の外側は増築のサンルームになっており、床下点検口がなかったため新設いただきました。増築のサンルームは元々土間コンクリートのところに増築されたため、侵入可能な床下の高さとなっていません。目視可能な範囲に蟻道が確認され、恐らくこの侵入経路で侵入及び群飛したものと考えられました。

シロアリ駆除処理としては窓枠の羽アリ発生部から処理を行うとともに、サンルーム床下の蟻道構築部、土間コンクリートと基礎の接合部などシロアリの侵入経路に対して薬剤処理を施しました。いずれにしても、コロニーは地中ですので適切な薬剤の使用が必須です。

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2023年5月 5日 (金)

浴室周辺から発生した羽アリ

浴室壁面クラック薬剤処理 昨日はシロアリ駆除処理のため、大阪府内の物件にお伺いしました。ゴールデンウイーク中の大阪市内は渋滞がないので、快適に移動が可能です。ちなみにこの物件は、いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件です。

羽アリは先月の中旬に、浴室周辺から発生したとのことです。建物自体は狭く、ハウスビルダーさんが事前に点検調査を実施した結果、シロアリ被害は確認されていないとのこと。この結果から浴室周辺に対する駆除処理と、床下側で侵入リスクの高い箇所のみ処理を実施しました。

この物件の浴室は玄関の横にあり、玄関側から見るとクラックが多く確認されています。そのクラックを詳しく調査すると、群飛孔が確認されました。浴室下の地中から侵入したシロアリが、洋室壁内で食害しながら生息した結果、今回羽アリが発生したものと考えられました。

薬剤処理はこの羽アリ発生箇所、想定活動範囲について薬剤処理を実施しました。羽アリ発生箇所とコロニーの位置は離れているため、きちんとコロニーまで駆除できる処理が必要です。だからといって大量の薬剤は必要なく、薬剤の特性を生かし必要最小限の薬剤量で十分処理は可能です。

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2023年5月 4日 (木)

デッキ部分から発生した羽アリ

デッキ部分から発生した羽アリ 昨日はシロアリ駆除処理のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。ゴールデンウイークも本格日程となり、渋滞を避ける意味で近所でのシロアリ対策です。

この物件は施設で、階段とデッキ接合部から4月中旬に羽アリが発生しました。デッキの一部に被害が確認されていますが、侵入経路は階段とデッキの接合部で地中にあるコロニーから発生したものと考えられました。

この日も駆除処理を実施しながら被害部を確認すると、被害部から這い出てこようとするヤマトシロアリの羽アリが確認されました。施設責任者の方からの聞き取り調査では、数日前も羽アリが発生したとのことです。

ウッドデッキは東西方法に7~8メートルあり、4月中旬に発生した箇所は西端にあたります。ちなみにこの日羽アリが発生した箇所は東端にあたります。これは同一コロニーからの発生ではなく、西と東ではコロニーが異なっていると考えるべきです。そこで、それぞれのコロニーが駆除できるよう、工夫をして駆除処理を行いました。

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2023年5月 3日 (水)

被害部薬剤処理

被害部薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、シロアリ被害や腐朽が確認されていることから前回シロアリ調査を実施しています。

シロアリ調査時点ではシロアリの姿は確認されませんでしたが、大工さんからの聞き取り調査では解体時にシロアリを確認したとのことです。非常に臆病なヤマトシロアリは、解体時に発生する振動などのストレスですぐに地中にあるコロニーに逃亡します。そのため、解体後から時間が経過するとシロアリの姿を見なくなるのは当然と言えます。

シロアリの姿が見えなくなると何もしなくて良いかというと、それは違います。一旦地中のコロニーに逃亡したシロアリは、リフォームが完了して落ちつたころに再侵入する事例がよく見られます。シロアリが見えなくなったからとシロアリ対策をせずにリフォームを完了した結果、数年後新しい木材にシロアリ被害が発生する事例を何度も見てきています。

リフォーム時、特に解体時には床下側から点検調査したケースよりも、いろいろな場所を見ることができます。見ることができるということは、床下側から薬剤処理を実施した場合よりも、事細かく処理することができます。床下に潜るという大変な作業を伴いませんので、作業費を抑制することができます。併せて処理箇所を絞り込むことができれば、薬剤費も抑制できますのでトータルでコストダウンすることが可能です。ただし、処理箇所を絞り込むことができるシロアリ防除業者は僅かですので、ご注意ください。

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2023年5月 2日 (火)

増築部分で確認された羽アリ

増築部分で確認された羽アリ 右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、洋室掃き出し窓枠付近から羽アリが発生したとのことです。

羽アリは掃き出し窓の隙間から這い出てきたとのことですが、問題はこの部分で増築部分となっています。ちなみに既存床下側の点検調査を実施しましたが、シロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。そして増築部分ですが、既存床下側から人通口(床下通気孔)がありません。そのため、この増築部分に床下点検口を新設する必要があります。

ちなみにこの増築を請け負ったリフォーム業者は、既に廃業されているとのこと。お施主さまからの聞き取り調査では、床下はコンクリートとのこと。それで羽アリが出る条件として土間コンクリートと基礎の隙間から発生したものと考えられます。最悪のケースとしては、基礎がコンクリートブロックで造られ、屋外側をモルタルで仕上げているケースです。

いずれにしても床下点検口を新設後、シロアリ調査を実施して侵入経路を特定することが必須です。ただ心配なのが床下の高さ確保されているかで、床下に侵入できなければ的確な判断が難しくなり処理も工夫が必要となります。

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2023年5月 1日 (月)

2023年5月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボHP2305TP画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、数年前に兵庫県内の物件で確認された、ヤマトシロアリの羽アリです。床下換気口から群飛する様子が確認されています。

羽アリが多く確認されるのは、浴室や洗面、玄関などが挙げられます。これらはその周辺の土台や地中などにあるコロニーが発生源となり、室内側に群飛します。そのため大量の翅が玄関や浴室などに落ちていることで、羽アリの発生に気付きます。

床下で羽アリが発生した場合、畳の隙間や壁の隙間から羽アリが這い出てくるケースがあります。しかし多くは、床下換気口から羽アリが群飛するケースが殆どです。羽アリは正の走光性(光に集まる性質)により、暗い床下から明るい屋外に出ていくのです。飛び出した羽アリは地上に降りた後、体を震わせて翅を落とします。この翅を落とした状態を落翅虫と呼ばれ、落翅虫になると負の走光性(光を嫌う性質)により暗い隙間へ潜り込みます。

羽アリが発生すると新たなコロニーができると心配される方もおられるようですが、羽アリはほぼ致死します。そのまま息絶えるケースもあれば、クモやゴキブリ、ヤモリやスズメなどに捕食されるため、生き残れる確率は極めて僅かです。羽アリが発生すると、殆どの方が殺虫スプレーを噴霧します。殺虫スプレーを浴びた羽アリは致死しますが、シロアリの本隊であるコロニーには何の影響もありません。コロニー内の生息数からすれば、羽アリの数は僅かでしかありません。問題なのは羽アリが収まったので問題ないと判断することで、周辺にはシロアリのコロニーがあり依然として木部を食害しているのです。

ですのでシロアリ調査が重要で侵入経路や生息及び被害範囲を精査し、その結果を元にシロアリ駆除の方法を提案します。被害状況等から侵入防止処理をお薦めする場合もあります。いずれにしても最大限のシロアリ駆除効果を発揮させながら、コストを抑えたシロアリ対策を提案するのが当社のスタイルです。詳細は阪神ターマイトラボのホームページをご参考いただきますようお願いいたします。

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