立ち上がる蟻道
右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっている設計事務所さんの案件で、知人が今年の春に羽アリが発生したとのことから建築士の先生に相談されたそうです。
床下側から点検調査した結果、広範囲に蟻道の構築やシロアリ被害が確認されました。その一つが右の写真で、典型的な蟻道の構築事例です。シロアリは乾燥と外敵から身を守るために、蟻道を構築します。蟻道の内皮は防水構造となっていますので、水分が逃げません。
シロアリは硬い外骨格を持たないため、体表面から水分が失われやすいため乾燥に弱い昆虫です。しかし蟻道を構築してしまえば、乾燥した床下など何の役にも立たないのです。シロアリは基礎面に蟻道を構築し、土台などの木部に到達して加害します。
重要なのは早期発見で、今回の事例でも何気ない会話から床下点検調査を実施することとなりました。お施主さまは羽アリが発生したものの、市販の殺虫スプレーを噴霧、その後羽アリが収まったことから駆除できたと勘違いされていたようです。よく聞く事例で、シロアリが生息し被害を与えていても、羽アリが必ず発生するとは限りませんのでご注意ください。
| 固定リンク
コメント