リビング窓枠付近から発生した羽アリ
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。リビングの窓枠付近から羽アリが発生したとのことから、現場監督さんと同行しました。
現場で調査を実施した結果、窓枠コーナー部分に羽アリの出口である群飛孔が確認されました。群飛孔付近を非破壊シロアリ探知機で調査しましたが、シロアリの活動は捉えれませんでした。
その原因はお施主さまが噴霧した、市販の殺虫スプレーが原因です。市販の殺虫スプレーの多くは、合成ピレスロイド系化合物を殺虫成分に使用しています。
合成ピレスロイド系化合物には致死効果がありますが、それ以上に忌避効果が特徴となっています。そのためシロアリの活動域にこれら殺虫剤を噴霧すると、忌避効果により当該箇所から逃亡します。場合によっては生息範囲を広げてしまう可能性があるため、市販の殺虫スプレーの噴霧はお薦めしていません。
問題はこの物件の構造で、図面で見る限りベタ基礎構造です。シロアリが侵入し難いとされているベタ基礎ですが、場合によっては侵入するケースもあるため注意が必要です。
また床下点検口もなく、図面で見る限り人通口(床下通気孔)も無いようです。設計事務所による設計で、もう少し床下メンテナンスに配慮いただきたいところですね。
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