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2024年7月31日 (水)

壁内

壁内で確認されたアメリカカンザイシロアリの糞 右の写真は、昨日ご紹介した物件で室内側から撮影した1枚です。コンセントカバーを外すと、内部にアメリカカンザイシロアリの糞の堆積が確認されています。

この場所は、屋外側の糞の堆積場所とはずれています。面白いことに、非破壊シロアリ探知機による調査で活動場所は更にずれています。

壁を撤去すれば、細かいところまで薬剤注入処理が可能です。しかし当該地区では古くからアメリカカンザイシロアリの生息が確認されており、羽アリの飛来は避けることができません。

この物件ではベランダに置いてあったすのこにアメリカカンザイシロアリが繁殖し、羽アリが発生したことがあるとのこと。

アメリカカンザイシロアリ被害は人に例えると、生活習慣病のようなものです。シロアリ被害は狭い範囲でゆっくりと進行します。きちんとコントロールすれば、被害を抑制することが可能です。

完全駆除を目指そうとすると、過剰な薬剤処理をしなければなりません。しかし完全駆除することは無理であり、どこまで抑制できるかがポイントとなります。室内側でも処理が中心となりますので、最小限の薬剤処理することはお住いのかたを考えると必須条件となります。

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2024年7月30日 (火)

玄関屋外で確認された虫糞

玄関屋外で確認された虫糞 昨日はアメリカカンザイシロアリ対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。継続的に対策を実施している物件です。

これまでは室内側で糞の堆積が確認され、小屋裏点検調査でも糞の堆積が確認されています。

アメリカカンザイシロアリのコロニーを精査し、薬剤注入処理を施しています。そのため、注入した周囲では概ね発生を抑制できています。

今回は初めて玄関の屋外側で糞の堆積が確認されました。外壁の僅かな隙間から、糞の排出があるものと考えられました。

このケースでは、本来では壁を撤去しての処理となります。しかしアメリカカンザイシロアリの場合、外部侵入するため処理の限界があります。

そのため室内側からのブラインド処理を行いました。壁を壊さず処理するため、正確な活動範囲を特定する必要があります。

非破壊シロアリ探知機を用いて活動範囲を特定し、薬剤注入処理を行いました。処理後には駆除完了を非破壊探知機で確認しています。

ちなみに屋外側で確認された糞の位置と、室内側の活動域には差がありました。これがアメリカカンザイシロアリの駆除が難しいところです。

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2024年7月29日 (月)

シロアリ監視ステーション定期点検調査

シロアリ監視ステーション定期点検調査 昨日は定期点検調査のため、兵庫県内にある基礎外断熱構造の物件にお伺いしました。

継続的に点検調査を実施している案件で、16年前に屋外基礎面からヤマトシロアリ羽アリが発生した物件です。

部分的な駆除処理を実施しましたが、予防処理についてはお施主さまの希望もあり実施していません。

その代替の対策として建物外周の主要な箇所にシロアリ監視ステーションを設置、建物に近づくシロアリの早期発見を目的としています。

今回のシロアリ監視ステーション点検調査では、新たなシロアリの侵入は確認されませんでした。これまでに数度シロアリの侵入は確認されており、写真の監視ステーションも過去にシロアリが侵入されています。

シロアリ監視ステーションにシロアリの侵入は確認されていますが、基礎外断熱面や建物への侵入はありません。これは一般的に見られる『庭にシロアリが生息しているが、建物に被害がない』という典型的なケースです。

屋外で生息するヤマトシロアリが家屋内に被害を与えるケースは極めて限定的で、殆どが大人しく屋外で活動しているだけです。無理矢理駆除するのはシロアリ防除業者のエゴとしか思えません。建物に被害がないのに、庭で大人しくしているシロアリが生息しているからと言って床下に薬剤を撒くのは悪質と思うのは私だけでしょうか。

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2024年7月28日 (日)

配管

玄関三和土の配管 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

新築中の物件での、防腐防蟻処理がこの日の案件です。

新築防腐防蟻処理については、建築基準法に従うと処理はほぼ必須です。

処理は公益財団法人日本しろあり対策協会策定の防除施工標準仕様書に従う必要があります。

薬剤の大量散布のため不本意ですが、処理を粛々と実施しました。

今回の物件では不思議なところに配管が確認されました。

ここは玄関の三和土部分にあたる箇所で何故ここに配管があるかは不明でしたが、配管周辺は隙間ができやすいため入念に処理を行いました。

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2024年7月27日 (土)

ベタ基礎

床下点検調査 右の写真は先日、シロアリ駆除処理でお伺いした物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、大阪府内に物件となっています。

この物件では、屋外外構部にシロアリ被害及び生息が確認されました。そこで、当該箇所について薬剤注入処理によるシロアリ駆除処理を実施しました。

このようなケースで、床下側に薬剤処理を推奨するのが一般的なシロアリ防除業者です。部分駆除処理では、利益が少なくなりますので床下に薬剤を撒きたがります。

この物件はベタ基礎構造となっており有料シロアリ調査を実施した結果、シロアリ被害や侵入はなく、侵入する形跡すら確認されません。

シロアリが侵入する形跡が確認されれば、その箇所に対して侵入防止処理を施せばよいのです。ましてや侵入する形跡がなければ、薬剤処理は不要です。但し、侵入するリスクはゼロではありませんので、定期的な点検調査を行えばよいのです。

床下全面に薬剤処理すると高額な費用となりますが、有料点検調査では僅かな費用で安心が得られます。シロアリだけでなく配管からの水漏れなど床下の健康状態を点検調査を行いますので、より安心が得られます。勿論薬剤を使用しませんので、安全も確保することができます。

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2024年7月26日 (金)

対策立案

難構造物件 右の写真は昨日ご紹介した岡山県内の案件終了後に、建築士の先生と同行した物件で撮影した1枚です。

この物件は築60年を超える事務所で、耐震補強を検討されている物件です。耐震補強と合わせてシロアリ対策を考えたいとのことから同行しました。

外壁側では至るところで、クラックが確認されています。雨漏れ跡も確認されており、条件としては最悪です。

室内側の1階は倉庫となっていますが、床があります。但し、外周の換気口から見る限り、床下の高さは20㎝もなく侵入は不可能なようです。

取れる対策としては、耐震補強工事に併せて薬剤処理を実施することしかないようです。結構広さもありますので費用が嵩みそうなので、予算を横に見ながらとなりそうです。

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2024年7月25日 (木)

断熱配管周辺

断熱配管周辺 昨日はシロアリ対策のため、岡山県内にある新築中の物件にお伺いしました。いつもお世話になっている建築士の先生の案件です。

この物件では、捨コン打設前に薬剤処理を実施しています。今回は建築士の先生から、断熱配管周辺についてシロアリ対策を実施したいと相談がありお伺いした次第です。

断熱配管は地中から断熱材に侵入したシロアリが、断熱材を齧り室内に侵入するリスクがあります。今回はこの配管周辺に対して、物理的な対策を実施しました。

少し過剰な対策ではないかとも思いましたが、室内側では薬剤処理をしていませんのでこの対策は正解かもしれません。

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2024年7月24日 (水)

外部侵入

外壁の枯れた茎内で確認された蟻道 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中にシロアリ被害が確認されたとのことから、お伺いした次第です。

シロアリ被害は洋室隅の通し柱で確認されましたが、基礎面に蟻道はありません。屋外側から確認すると外壁につる性植物、おそらくツタが這った状態でした。

その枯れた部分の茎を剥がすと、内部に蟻道が確認されました。シロアリはその枯れた茎をとおって、外壁にあった穴から室内に侵入したものと考えられました。

これまでに床下で生えた笹などの枯れた部分から侵入した事例もありますので、屋外側ではこうした事例があるのも当然の結果です。

ちなみにこの物件では工期の関係もあり、当日駆除及び侵入防止処理を実施しました。

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2024年7月23日 (火)

被害部注入処理

被害部注入処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件でのシロアリ対策が、この日の案件です。

この物件では、解体中にシロアリ被害が確認されたとのことです。このハウスビルダーさんでは、シロアリ被害が確認された場合、必ずシロアリ対策を実施すると決められています。

現場で確認しながら薬剤処理を実施しました。被害部に対しては注入処理を、その他の部分については侵入防止処理を施しました。

被害部には、駆除処理用を用いて処理を行いました。既にシロアリの姿はありませんが、今後侵入した場合に巣系駆除ができるよう、駆除処理用薬剤を使用しています。侵入防止処理は全体的に処理するのではなく、必要な箇所により処理を行いました。

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2024年7月22日 (月)

簡単そうに見えるそうです

屋外側薬剤処理 右の写真は先日、クロアリ対策でお伺いした物件で撮影した1枚です。屋外の活動範囲について薬剤処理を実施している様子です。

これは一般的に行われる方法ですが、薬剤は単に撒けばよいというものではありません。クロアリの種類に応じて薬剤の種類や濃度、処理量を調整する必要があります。

当社ではクロアリへの取り込み量を向上させるため、添加剤を配合させています。これはクロアリの種類によって変えているため、クロアリの同定は必須なのです。

クロアリ対策の場合、屋外側だけでなく室内側も処理を行います。屋外側は簡単に処理をしていますが、室内側ではかなり工夫が必要です。

屋外側の処理を見た現場監督さんからは、簡単な処理と思われることが多いようです。しかし、細かいことを考えて処理をしていますし、室内側ではかなり難しい処理を実施しています。

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2024年7月21日 (日)

頸動脈エコー検査

頸動脈エコー検査 昨日は午前中に現場での打ち合わせの後、かかりつけ医のクリニックに行ってきました。頸動脈エコー検査を行ってきました。

頸動脈エコー検査とは、首の血管の様子を超音波を使って簡単に画像で確認する検査です。動脈硬化の早期発見や進行具合がこの検査によってわかるとのことです。

エコー検査で計測するのが、動脈硬化の指標のひとつである『内膜中膜複合体肥厚度』です。動脈壁の内膜と中膜を併せた三層の厚さのことが、内膜中膜複合体肥厚度です。

内膜中膜複合体肥厚度が1.1mmを超えると、動脈硬化と診断されます。この結果を踏まえると、同様に全身の動脈硬化の進行も進んでいると考えられるそうです。

検査では頸動脈の血管壁に限局性の肥厚(プラーク)が確認される場合があります。高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満などがあると、血管壁が厚くなって脳血管障害や虚血性心疾患のリスクが高くなります。ですので、頸動脈エコー検査は非常に有効な検査とされています。

3年振りの頸動脈エコー検査でしたが、前回と変わりなく年齢なりの良好な状態でした。健康に留意して、よい仕事ができるようにしたいと思います。

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2024年7月20日 (土)

怪しい被害ではあるが

浴室入口柱の腐朽被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、解体した浴室でシロアリ被害が確認されたとのことから現調のためお伺いしました。

既に浴室は撤去されており、被害材の確認はできませんでした。浴室入口柱にも被害が確認されましたが、現場監督さんの認識とおり腐朽による被害です。

現場監督さんはこれまでに幾つもの現場を同行しており、腐朽の被害とシロアリ被害の区別に間違いはないと思います。ですので壁面にあったバラ板や土台の被害はシロアリで間違いないと思います。

ちなみに脱衣場側の基礎面には、蟻道の構築は確認されていません。ですので、浴室基礎内側からの侵入で間違いありません。

ちなみに被害を確認されたお施主さまから、建物全体の対策を依頼いただきました。安全性に留意し、シロアリ対策を実施したいと思います。

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2024年7月19日 (金)

梅雨明け直前

排水桝への薬剤処理 昨日は蚊対策を、年間計画に従い実施している兵庫県内のマンションにお伺いしました。5月を初月、月1回の処理を予定しています。年6回の対策を実施予定です。

蚊対策は幼虫であるボウフラを中心に実施しています。特にボウフラの生息場所である排水桝などの水系に対して薬剤処理を実施しています。

薬剤には、他の生物に害が少ないと言われる昆虫成長阻害剤(IGR剤)を使用しています。

成虫対策として合成ピレスロイド系薬剤を使用、環境への流出に最善の注意は払い成虫の潜伏箇所に処理しています。

今年は既にヒトスジシマカの飛来があると、管理人さんから報告がありました。日程調整を行い、梅雨明け直前のこの日に処理を行った次第です。

今年はニュースでも、デング熱の流行が紹介されています。ヒトスジシマカはデング熱媒介種ですので、対策を行うことは重要です。

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2024年7月18日 (木)

駆除完了ながら

駆除完了したブリングボックス内に侵入したオオハリアリ 昨日はイエシロアリ対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、4月下旬にブリングボックスを設置しブリングベイトを施薬しています。

ブリングシステムを設置してから、この日で12週目となりました。既にイエシロアリの姿はなく、ボックス内にはクロアリが侵入していました。

このクロアリはオオハリアリで、シロアリを好んで捕食します。ボックス内を確認すると、オオハリアリの卵や蛹も確認されました。

その他ボックス内ですが、イエシロアリの頭部だけが残った状態でした。イエシロアリ駆除は完了し、駆除が進む中でオオハリアリが侵入したものと考えられました。

オオハリアリからすると、瀕死状態のシロアリや死骸があれば好都合です。オオハリアリが生息していれば、このような状態になるのは必然かもしれません。

いずれにしてもイエシロアリの駆除は完了したことから、ブリングボックスの撤去及びオオハリアリ用の処理をさせて完了となりました。

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2024年7月17日 (水)

徘徊種

徘徊種はトビイロシワアリ 右の写真は兵庫県内の物件で採取したクロアリです。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件です。

兵庫県内にある物件で、リビングの広範囲にクロアリの活動が確認されているとのことでした。クロアリを採取し同定した結果、トビイロシワアリでした。

トビイロシワアリの頭部表面は、皺が平行に縦走していることが特徴です。また、前伸腹節刺が歯状で短いことも同定のポイントです。

営巣場所は石の下や草の根本などですが、都市部ではコンクリートの隙間から這い出る様子がよく確認されます。

多雌性のトビイロシワアリは複数の女王が共同でコロニーを形成することから、虫体数が多いことが特徴です。ですので室内に侵入された場合、徘徊数が多いため特に不快感が増します。

室内側への対策を行うとともに、屋外側の対策も必要です。範囲を広げた処理が必要となります。

それにしても、今年はクロアリに関する案件が多くなっています。多雨なのか、猛暑なのか理由はわかりませんが、クロアリにとって屋外が快適ではないのかもしれませんね。

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2024年7月16日 (火)

防湿シートの効果

防湿シートに過信は禁物 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。建築士の先生の知人の物件で、シロアリ調査がこの日の案件です。

この物件は大手ハウスビルダーの物件で、現時点で特に気になる部分はないとのことです。ポイントはこの大手ハウスビルダーが、シロアリ予防処理を頻繁に勧めてくるとのこと。

特に気になるところがないため、ハウスビルダーの勧誘を断っていたとのこと。しかし色々な資料を持って説得しにくるため、段々不安になってきたとのことです。

そこでお施主さまが知人に相談したところ、建築士の先生を紹介、その伝手で小員にシロアリ調査依頼がありました。

床下点検調査の結果ですが、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。床下構造は布基礎に土の床下となっています。

但し、土壌表面には防湿シートが敷き込まれた上で、土が被せてあります。比較的床下は乾燥されているものと考えられがちですが、作業服にはカビ臭が確認されました。個人的な意見ですが防湿シートはカビや湿気、シロアリに対してあまり過信しないほうがよいと思います。

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2024年7月15日 (月)

捕虫紙検定

捕虫紙検定 少し前になりますがアフリカヒラタキクイムシ対策を実施している物件から、ライトトラップの捕虫紙を送付いただきました。


2012年に現地調査を実施した案件で、好意にしている同業者さんからご紹介いただいています。


この物件は、室内でアフリカヒラタキクイムシ成虫の飛翔が確認されました。室内側を調査したものの、虫孔や木粉の堆積が確認されませんでした。


設計図面を確認すると壁に土壁が使用されていたことから、ハウスビルダーさんに小舞竹の使用を確認すると使用されているとのことでした。


室内側に被害等が確認されていないのに、アフリカヒラタキクイムシ成虫の飛翔が確認される事例では小舞竹が発生源であると判断しました。


この物件は小屋裏がない構造のため、小屋裏から壁内を確認することができませんでした。こうなると物理的処理や薬剤処理はできません。


1階浴室天井裏のみ空間があったことから、ライトトラップを設置しモニタリングを行いました。設置初年度には年間で500匹近いアフリカヒラタキクイムシの捕虫を確認しました。


薬剤処理等に対処ができないことから、自然淘汰を待つことも選択肢の一つでした。しかし自然淘汰では、室内側に侵入した成虫が家具などに産卵するリスクがあります。


そのためライトトラップでモニタリングを継続し捕虫することで、交尾数を減らして結果的に生息数を減らすという対策を選択しました。この物件は遠方であることから、お施主さまに交換していただき捕虫紙を送付いただいています。


今回の捕虫結果ですが、昨年やっと年間捕虫数が一桁となったものの、今年は再び二桁となりました。これは昨年、捕虫期間が少し短かったことが影響している可能性があります。


この物件では、アフリカヒラタキクイムシが発生してから15年が経過しています。幸いにも室内側では被害が確認されていません。自然淘汰を待っていれば、当然リスクがあったはずでしょう。近親交配や木材中でんぷん質の分解により自然淘汰される説がありますが、実際の現場を見るとこの説は信用しないほうがよいと思います。

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2024年7月14日 (日)

徘徊種

ヒメアリ 右の写真は先日シロアリ対策でお伺いした際、ご相談いただきました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件です。

キッチンで小さなクロアリが徘徊しているとのことから、調査を実施しました。徘徊種は、小型種としてメジャーなヒメアリでした。

体色が黄褐色ですが腹部が黒褐色のため、小型のツートンであればほぼ間違いなくヒメアリです。

ヒメアリは屋外では、石の下や植物の隙間に営巣します。家屋の壁内も植物の隙間に見立てて営巣することがあるため、壁内に営巣される前に駆除することが重要です。

現時点で屋外側でも活動が確認されていますので、室内側での侵入経路と屋外側の対策を中心に考えて行きたいと思います。

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2024年7月13日 (土)

薬剤の動き

薬剤の回った土台 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。5月に洗面で羽アリが確認された物件で、シロアリ駆除処理のためお伺いした次第です。


この物件では浴室の前にある洗面で、ヤマトシロアリの羽アリを確認しています。前回のシロアリ調査では、基礎面に蟻道はなく浴室土台で僅かな蟻道を確認しています。


このケースではシロアリは地中から浴室基礎内側に侵入、壁内などの木部を食害しながら生息しているものと考えられます。


薬剤処理はこれらシロアリの侵入経路や活動範囲に対して、どのように行うかがポイントです。当該ケースでは、浴室壁面や入口枠から薬剤処理を施しました。


床下側から浴室土台へ薬剤処理をするため潜った際に撮影したのが、右の写真です。浴室入口枠から処理した薬剤が土台に上手く回っています。これで十分処理は完了ですが、念のため土台の隙間から薬剤処理を行いました。


当該物件で使用した薬剤の合計量は数リットルで、これでシロアリ駆除は完了です。薬剤は多く使えばよいというものではなく、どこに処理するか、薬剤の動きを想定すること非常に重要なのです。

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2024年7月12日 (金)

外部侵入

アミメアリ 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。マンションの1階で、室内にクロアリが侵入して徘徊しているとのことです。

現場でクロアリを採取し簡易顕微鏡で同定した結果、アミメアリでした。アミメアリは梅雨時期に、室内へよく侵入する種として知られています。

雑食性ですが、甘露や花蜜を好みます。しかしお施主さまが市販のアリ用毒餌剤を置いても見向きもしなかったとのことです。他に餌となるものがある場合、食性が一致していても毒餌剤を食べることはありません。

アミメアリは女王アリがおらず、働きアリが産卵する産雌性単為生殖による共同繁殖社会を形成する種類のアリです。コロニー内の数も多いので、駆除するためには一工夫が必要です。

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2024年7月11日 (木)

発生した羽アリ

ルリアリの羽アリ 昨日は京都府内にある、建築士の先生の自宅兼事務所にお伺いしました。室内側で羽アリが固まったいるのを見かけたとのことです。

羽アリの死骸を確認したところ、当該ブログで家屋侵入種として多数ご紹介しているルリアリでした。類似種としてトビイロケアリが挙げられますが、腹部腹面で区別が可能です。

ルリアリは枯れ枝や朽木を巣としているため、家屋内では壁内によく営巣します。厄介なことに電子機器類が好きなようで、機器内へ侵入してトラブルとなります。

今回の事例では、室内側に働きアリの徘徊が確認されていません。外部侵入にしては、羽アリの数が多いため恐らく違うものと考えられます。

ちなみに床下はベタ基礎なので、床下側からの侵入ではありません。可能性として屋外側から壁内に侵入して、営巣しているのではないかと考えられました。

ルリアリは比較的小さなコロニーとなっていることから、室内側での目的事例が少ないのかもしれません。とりあえず薬剤処理を施しましたので、結果が来年となります。

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2024年7月10日 (水)

蟻害ではなく腐朽

柱の腐朽箇所 昨日はいつもお世話になっている設計事務所さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。


建築士の先生が予定しているリフォーム準備のため床下の点検調査を実施したところ、被害が確認されたことから確認して欲しいとのことから同行しました。


床下側から点検調査した結果、被害は右の写真のとおりです。この被害はシロアリによるもの(蟻害)ではなく、腐れ(腐朽)によるものです。


建物は古民家のため伝統工法となっています。この日の点検調査では、床下は乾燥状態にありましたが、カビ臭が強いため結構水の侵入があるようです。


腐朽は結構進行していますので、部材の強度としてはかなり劣化しています。そのため、補修は必須と判断されます。


腐朽が確認された場合、防腐剤で対応できるケースもあります。しかし殆どの場合、腐朽が進行していますので、補修が必要であるケースが多くなっています。


補修後に防腐剤の処理は有効ですが、腐朽した木材に防腐剤処理はあまりお薦めできません。きちんと専門家に判断を仰ぎ、必要な対策を実施すべきと考えます。

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2024年7月 9日 (火)

基礎のクラック

基礎で確認されたクラック 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。キッチンの床がブカブカしているとのことから、シロアリ調査で同行しました。

床下側から点検調査した結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。キッチンの床がブカブカしている原因ですが、床に使用されている合板の劣化によるものでした。

基本的には問題の無い床下ですが、基礎の1箇所でクラックが確認されました。クラックの広い所で1㎜を優に超えています。

クラックは幅0.5㎜を超えると、内部鉄筋の腐食が進行するため対処が必要です。この内容をお施主さまと建築士の先生にご説明させていただきました。

シロアリ対策としては薬剤処理の必要はなく、定期的な点検調査で十分対応可能です。薬剤処理にかかる費用は、是非クラック補修に使っていただきたいと思います。

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2024年7月 8日 (月)

畳の隙間

オオハリアリ薬剤処理 昨日はクロアリ対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。先日調査を実施している案件で、オーナーさまからご用命をいただきましたので処理にお伺いしました。

この物件で確認されているクロアリは、オオハリアリです。和室畳の隙間から這い出てきているのを確認しています。

オオハリアリは肉食性で、シロアリを好んで捕獲する種類のクロアリです。しかしこの物件はマンションの3階部分で、シロアリの侵入は確認されていません。

恐らく他に餌となるものがあることから、オオハリアリが侵入・定着したものと考えられます。畳寄せや敷居、土間に濡れた跡が確認されていることから、雨水の侵入があるかもしれません。

それらは複合し、オオハリアリが定着したものと考えられました。これらオオハリアリの活動場所を中心に薬剤処理を施しました。

室内側での薬剤処理ですので、安全性には特に配慮が必要です。処理濃度もできるだけ希薄溶液での処理が望ましいことから、工夫して処理を実施しました。

薬剤は撒けばよいというものではなく、何故ここの処理するのか、どうしてこの薬剤なのか、何故この濃度と処理量なのかを考慮する必要があります。規定濃度で規定量撒くというのは、本当のプロの仕事ではないと考えています。

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2024年7月 7日 (日)

修復後

点検口からの薬剤処理 昨日はシロアリ対策のため、大阪府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件です。

この物件では収納スペースの柱部分で、シロアリ被害が確認されました。被害は天井付近にまで確認されていました。

その原因は床下側からの侵入ではなく、隣接する浴室側からの侵入です。特に雨漏れなどないにもかかわらず、天井付近にまで被害が広がっていた原因については不明です。

今回この被害の確認された収納スペースの修復作業が実施されました。修復作業はいつもお世話になっているハウスビルダーさんではなく別のハウスビルダーさんによって実施されたため、修復時の薬剤処理は不可でした。

そのため、修復作業が完了した今回お伺いした次第です。薬剤処理については、収納スペースの天井に新設された点検口から実施させていただきました。

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2024年7月 6日 (土)

流出したシロアリ

蟻道から流出したシロアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。5月に羽アリが発生した物件で、シロアリ調査は実施済です。

シロアリの蟻道はコンクリート基礎の隙間にあり、上部の床上部分で羽アリが発生しました。

今回シロアリ駆除処理として、この隙間部分に薬剤注入処理を実施しました。

すると蟻道内部からヤマトシロアリ職蟻の流出が確認されました。薬剤は必要量注入できているので、シロアリ駆除処理はこれで十分で、ちなみに使用量は数リットルです。

シロアリ駆除を行うのに大量の薬剤は必要ありません。僅か数リットルでも、きちんと処理ができればシロアリは駆除することができます。

薬剤の特性、シロアリの生態を理解していれば難しいことではありません。しかし、少量の薬剤で駆除できないシロアリ防除業者が殆どです。もう少しきちんとシロアリに対峙して欲しいものです。

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2024年7月 5日 (金)

高リスク構造

高リスク構造 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、シロアリ対策の打ち合わせのためお伺いしました。

建物自体、現時点でシロアリ被害や侵入等は確認されませんでした。但し、写真のような問題のある箇所が数箇所確認されました。

写真は人通口(床下通気孔)付近の様子ですが、型枠が埋まった状態です。地中に生息するシロアリにとって、地面と接した木材は恰好な餌でしかありません。

シロアリが安全に餌である木材に到達する場合、外敵に襲われずに木材へ到達できる地面と接した木材は一番の餌です。本来であれば、絶対に避けるべき状況です。

このような木材は撤去して貰うよう、ハウスビルダーさんにお願いをしました。お施主さまの要望から、この物件では薬剤処理を施すことになりました。安全性と効果を両立した対策を実施させていただく予定です。

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2024年7月 4日 (木)

クラック部分の群飛孔

クラック部分の群飛孔 昨日はシロアリ調査のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっている設計事務所さんの案件で、一度シロアリ調査にお伺いしています。

この物件ではダイニングに床下点検口があり、床下に侵入したものの隣のリビングには行けませんでした。人通口(床下通気孔)が狭く、その隣にある洋室や洗面などにも侵入はできません。

そこで各部屋ごとに床下点検口を新設いただいたことから、再度シロアリ調査にお伺いした次第です。

この物件では、リビング掃き出し窓付近でヤマトシロアリ羽アリの発生が確認されています。今回その掃き出し窓付近床下で空中蟻道(群飛孔)を確認しました。

これが結構厄介な場所で、この掃き出し窓は増築された箇所となっています。元々あったコンクリートのクラック部分から群飛孔が立ち上がっていました。

このクラックに上手く薬剤を入れることができるかどうかは、やってみないとわかりません。狭い場所なので、工夫をしながら対処しなければいけないようです。

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2024年7月 3日 (水)

掘り込みガレージ内の蟻道

掘り込みガレージ内の蟻道 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。掘り込みガレージ内で蟻道が確認された案件で、前回シロアリ調査を実施しています。

今回、当該箇所のシロアリ駆除処理を実施するとともに床下点検調査を実施しました。

蟻道構築部から薬剤注入処理を行うとともに、土間に穿孔を行い薬剤をフォーム状にして注入処理を実施しました。

土間と土の間には僅か隙間があり、そこでシロアリは活動しています。液状薬剤で注入する方法もありますが、液状では水平方向への広がりが弱いという欠点があります。

フォーム状薬剤では隙間を充満させると当時にフォームをフォームで押して行きますので、隙間を充満させやすいという特徴があります。上手くフォームができれば、効率のよい処理が可能となります。

床下については床下点検口がありませんでしたので、ハウスビルダーさんに新設いただきました。床下点検調査を実施した結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでしたので薬剤処理は不要と判断しました。

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2024年7月 2日 (火)

群飛は植え込みから

非破壊シロアリ探知機調査 右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。この物件は大阪府内になる店舗で、いつもお世話になっている建築士の先生の案件です。

この物件では、過去にカウンター部分でシロアリ被害が確認されたとのこと。そのシロアリ防除業者によって部分処理されたそうです。

以降入口枠や勝手口枠にも被害が確認されており、今回はクローゼットで被害が確認されたとのことです。

テナントさまがシロアリを確認したところ、イエシロアリではないかとのこと。テナントさまが撮影した写真を確認すると、イエシロアリ落翅虫でした。

店舗のため床下がないことから、非破壊シロアリ探知機で調査しました。その結果、クローゼット壁内で僅かに活動を確認しました。

ちなみにこの近所にある市管轄の植え込みでは、大量のイエシロアリ羽アリの群飛が確認されたとのこと。おそらく、この近所に巣があるものと考えられました。この物件へのイエシロアリの侵入は僅かですので、今後どのような対応できるか考えていきたいと思います。

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2024年7月 1日 (月)

2024年7月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボ2407トップページ画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は、昨年兵庫県内の物件で確認されたアメリカカンザイシロアリの羽アリ(有翅虫)です。

アメリカカンザイシロアリの羽アリは、教科書や文献では6~9月の日中に発生すると記載されています。

概ねその傾向にあるかと思いますが、写真の事例は5月のはじめに発生しました。アメリカカンザイシロアリを知らない方からすると、ヤマトシロアリの羽アリと間違えてしまう可能性もあります。

ちなみに小員の地域では5月中旬に羽アリが発生する物件もあれば、7月に発生した物件もあります。その対岸の地域では教科書とおり9月に発生します。

過去にお伺いした広島県内の物件では2月に羽アリを確認しましたが、概ね6月に大量発生するようです。ちなみに飼育中のアメリカカンザイシロアリは、ほぼ年中ちょこちょこ発生します。

アメリカカンザイシロアリの駆除方法は確立されていません。大きなコロニーを形成するのではなく、小さなコロニーを多数形成します。そのため、そのコロニー一つ一つを丁寧に処理するのが現状の方法です。

木材中では縦横無尽に坑道を形成しながら食害しますので、如何に効率よくこの坑道に薬剤を入れるかがポイントとなります。同時にどこに生息しているかを適切に調査できるかも重要なポイントです。

アメリカカンザイシロアリの駆除は、知識と経験が必須です。これらを有していないシロアリ防除業者に駆除を依頼すると、意味のない穿孔注入処理されるだけで、被害が拡大するのみとなりますのでご注意ください。アメリカカンザイシロアリに関する情報、お問い合わせは阪神ターマイトラボのホームページにあるアメリカカンザイシロアリのページをご参照ください。

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