捕虫紙検定
少し前になりますがアフリカヒラタキクイムシ対策を実施している物件から、ライトトラップの捕虫紙を送付いただきました。
2012年に現地調査を実施した案件で、好意にしている同業者さんからご紹介いただいています。
この物件は、室内でアフリカヒラタキクイムシ成虫の飛翔が確認されました。室内側を調査したものの、虫孔や木粉の堆積が確認されませんでした。
設計図面を確認すると壁に土壁が使用されていたことから、ハウスビルダーさんに小舞竹の使用を確認すると使用されているとのことでした。
室内側に被害等が確認されていないのに、アフリカヒラタキクイムシ成虫の飛翔が確認される事例では小舞竹が発生源であると判断しました。
この物件は小屋裏がない構造のため、小屋裏から壁内を確認することができませんでした。こうなると物理的処理や薬剤処理はできません。
1階浴室天井裏のみ空間があったことから、ライトトラップを設置しモニタリングを行いました。設置初年度には年間で500匹近いアフリカヒラタキクイムシの捕虫を確認しました。
薬剤処理等に対処ができないことから、自然淘汰を待つことも選択肢の一つでした。しかし自然淘汰では、室内側に侵入した成虫が家具などに産卵するリスクがあります。
そのためライトトラップでモニタリングを継続し捕虫することで、交尾数を減らして結果的に生息数を減らすという対策を選択しました。この物件は遠方であることから、お施主さまに交換していただき捕虫紙を送付いただいています。
今回の捕虫結果ですが、昨年やっと年間捕虫数が一桁となったものの、今年は再び二桁となりました。これは昨年、捕虫期間が少し短かったことが影響している可能性があります。
この物件では、アフリカヒラタキクイムシが発生してから15年が経過しています。幸いにも室内側では被害が確認されていません。自然淘汰を待っていれば、当然リスクがあったはずでしょう。近親交配や木材中でんぷん質の分解により自然淘汰される説がありますが、実際の現場を見るとこの説は信用しないほうがよいと思います。
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