2022年1月 7日 (金)

給水

水を飲むアメリカカンザイシロアリ擬職蟻 今日はまだまだ現場が本格的に動いていないため、アメリカカンザイシロアリ飼育ケースから紹介したいと思います。前回ご紹介した飼育ケースと同様に、シロアリフォーラムメンバーである尾屋シロアリ技研の尾屋さんからいただいた個体です。薬剤評価試験用として13年前にいただいた丸太で、虫体採取後そのまま飼育ケース内に放置していました。

試験のため虫体を採取した後の丸太は、その後10年以上殆ど糞の堆積は確認されませんでした。もしかしたら虫体を使い切ってしまい、絶滅したかと思われましたが、昨年から再び糞の堆積が確認され始めました。どうやら復活したようで、非破壊シロアリ探知機ターマトラックを使い確認すると、結構な動きも確認されました。

こうしたアメリカカンザイシロアリの生息する丸太に対して、定期的に給水しています。アメリカカンザイシロアリは木材中の水分で生息するとされていますが、実際に飼育するといろいろなことが見えてきます。

今回、給水の間隔が少し空いたことから、給水したところ内部からアメリカカンザイシロアリ擬職蟻が這い出てきました。給水した箇所に集まり、水を飲んでいます。木材が乾燥すると、木材中の水分だけでは厳しいようです。実際の現場でも雨水の当たる垂木屋外側などでよく被害が確認され、水の取り易さを考えると頷ける内容です。教科書に書かれていることを信じると、痛い目に合うので注意が必要です。

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2022年1月 3日 (月)

アメリカカンザイシロアリ飼育ケース

11月に確認されたアメリカカンザイシロアリ羽アリ死骸 昨年ほとんどご紹介できなかった、アメリカカンザイシロアリ飼育ケースの様子をご紹介したいと思います。シロアリフォーラムメンバーである尾屋シロアリ技研の尾屋さんからいただいた個体で、飼育し始めて14年が経過しています。

昨年の羽アリは、2月に発生して以降、4月、6月、10月及び11月に確認されました。文献や資料などによるとアメリカカンザイシロアリの羽アリは、6〜9月の日中に発生するとされています。これは一般論でしかなく、実際の現場では季節に関係なく発生することをこの目で確認しており、2月の小屋裏で羽アリを確認したことがあります。6~9月の日中に羽アリが発生するというシロアリ防除業者がいれば、それはアメリカカンザイシロアリの現場経験がない又は経験が浅いことを表しています。当然ですが経験がない又は経験が浅いシロアリ防除業者に駆除を依頼すると、結果がどうなるかはご察しのとおりです。

シロアリ駆除を行うのに必要なのは、薬剤を大量に使用することではありません。シロアリの生態を考慮し、適切に薬剤を使用することが重要です。薬剤使用量はお住いの方の安全に配慮すると、必要最小限の薬剤量で処理することが重要です。薬剤の大量散布では対処できないシロアリであることは言うまでもありませんので、ご注意ください。

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2021年7月30日 (金)

確認された落翅

確認された落翅 昨日新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンを接種した関係で、予定していた現場作業は延期とさせていただきました。発熱や腕の痛みのリスクが想定されたためで、実際には微熱程度で治まり腕の痛みもほとんどありませんでした。現場作業を延期した関係で、今日はシロアリ飼育ゲージをご紹介したいと思います。

写真は兵庫県神戸市内の物件からいただいた、アメリカカンザイシロアリの被害を受けた木材です。持ち帰って1年ほどになりますが、順調に糞の排出が続いています。水やりのため久しぶりに確認したところ、糞に混じって落翅が確認されました。落翅虫の死骸が確認されなかったことから、無事に木材中へ潜り込めたものと考えられることから今後の繁殖に期待したいと思います。

ちなみに、の地域での羽アリ発生事例で最も多い時期は5月中旬です。5月下旬の時点では確認されていないことから、それ以降に発生したものと考えられます。そもそもアメリカカンザイシロアリの羽アリが年中発生しますので、あまり時期を気にする必要はないと思います。

ちなみに当社で飼育しているアメリカカンザイシロアリは、オヤシロアリ技研の尾屋さんからいただいた紀伊半島南部の系統、兵庫県西宮市内、今回の兵庫県神戸市内の3地域です。ちなみに地域差は見られず、年中羽アリが発生します。

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2021年4月19日 (月)

動きが早くなってきました

活性が上がってきたイエシロアリ 右の写真は、飼育観察中のイエシロアリ飼育水槽の様子です。先月の啓蟄の頃にはまだまだ動きが緩慢でしたが、今月に入ると動きが早くなってきました。

ここのところ案件が多いため飼育水槽内に管理が滞っており、若干水管理ができていませんでした。巣内は少し乾燥気味に寄っていたようで、水を供給すると一斉に水の採取に職蟻が集まりました。現在の水供給用のタワーは、使用開始直後は問題ありませんでした。しかしシロアリが蟻土を積み上げることで、水供給に不具合が生じました。そのためでモディファイする予定ですが、まだできていません。

水不足状態のコロニーを水を与えると、面白いように水の採取にくる様子が確認されます。動画を取りたいのですが、驚くスピードで採取するためなかなか難しいところです。観察しなければわからないことはまだまだありますので、しっかりと観察して行きたいと思います。

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2021年3月 5日 (金)

2021年啓蟄のイエシロアリ

2021年啓蟄のイエシロアリ 右の写真は飼育観察中のイエシロアリで、啓蟄である本日撮影しました。啓蟄とは二十四節気の一つで、冬籠りの虫が這い出るという意味があります。

例年、啓蟄の日のイエシロアリの動きを確認しています。昨年は例年よりも動きは早かったのですが、今年は例年とおりの動きでした。飼育ケースの横には最低最高温度計があり、毎年温度とシロアリの動きについて記録しています。昨年は例年よりも最低温度が3度以上高くなっていましたが、今年は昨年よりも寒かったようでその分活性が低くなったものと考えられました。

今年の傾向として寒い日と暖かい日の差が激しく、トータルとしては暖冬傾向にありました。冬季の影響がシロアリの活性最盛期にどのような影響を与えるかを確認しするとともに、羽アリ発生の整合性を見ていきたいと思います。

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2021年2月25日 (木)

徘徊する擬職蟻

徘徊するアメリカカンザイシロアリ擬職蟻 昨日ご紹介したアメリカカンザイシロアリ飼育容器内で、徘徊するアメリカカンザイシロアリ擬職蟻が確認されました。他のシロアリではあまり見られない現象ですが、アメリカカンザイシロアリではよく見られます。

外骨格が薄い皮膚でできているシロアリは、体表面から水分が蒸発するため湿気のある場所で生息すると言われています。その皮膚が薄いため、体表面が乳白色になっていると言われていますが、アメリカカンザイシロアリは少し違うようです。木材中の水分で生息すると言われますが、飼育するとわかります。アメリカカンザイシロアリの擬職蟻は結構水分を欲するため、水分を与えると勢いよく水を飲みにきます。

実際の現場でも、雨掛りとなる垂木に被害が多く見られたりします。生物である以上、水は必須成分です。飼育観察をしていると、水分が少なくなったので水を欲するかのように擬職蟻が徘徊するように見えて仕方ありません。実際のところはわかりませんが、観察する度に新しいことを教えてくれるようです。

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2021年2月24日 (水)

冬季に確認された羽アリ

冬季に確認されたアメリカカンザイシロアリ羽アリ死骸 右の写真はアメリカカンザイシロアリ飼育容器内で観察された、アメリカカンザイシロアリ有翅虫(羽アリ)の死骸です。

この飼育容器は昨年末に生息を行い、糞の撤去を行っています。糞が溜まっているのは、年明けからの排出されたものです。その糞の中に混じってアメリカカンザイシロアリの有翅虫の死骸が確認されています。

死骸だけであれば木材の食害によってできた空隙内に放置された死骸が排出されたと考えられますが、死骸に混じって落翅も確認されています。これは羽アリが発生したのち、落翅後に致死したためと考えられます。すなわち、この1月2月で羽アリが発生したということになります。

アメリカカンザイシロアリの羽アリは書籍やインターネットで、6~9月に発生するとなっているのが殆どです。しかし実際には年中羽アリは発生可能で、広島や兵庫の物件で2月に羽アリを現認していますので年中発生するのは間違いありません。この6~9月に発生するという記述は、お偉い先生が唱えたため、右に倣え状態になったものと考えられます。多くの現場を経験していれば、年中発生することは知っていても当たり前です。このような記載をするシロアリ防除業者に、アメリカカンザイシロアリの駆除を依頼するのはお薦めできるものではありません。

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2020年12月30日 (水)

床下に転がっていた床束

Reti104 右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。木材中にシロアリが確認されていますが、これは劣化によって地面に転がっていた床束です。お施主さまに許可をいただいて、飼育観察用として事務所に持ち帰りました。

イエシロアリはラフに扱っても、水管理さえ間違わなければ飼育は比較的簡単です。一方、ヤマトシロアリの飼育は簡単ではありません。飼育中にやってはいけないのは、飼育ケースを頻繁に開けることです。ヤマトシロアリはストレスで簡単に死滅するため、できるだけストレスを与えない飼育がポイントとなります。逆にいうと、ヤマトシロアリの飼育観察観察するには不適なのです。

ヤマトシロアリの生態を知るには、やはり現場での観察が重要です。そのため、ついついシロアリ調査に要する時間が長くなってしまいます。それでも現場から教えて貰うことこそが非常に重要で、教科書には載っていないことが多くあるのです。

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2020年11月27日 (金)

今年度の羽アリ傾向

飼育中のアメリカカンザイシロアリ羽アリ傾向 一昨日、現場が終わり帰社途中で業務車から異音がするため、慌てて路肩の停めて確認。アイドリングでは問題ないものの、ドライブレンジに入れると異音がするとともに全く動かず。停まったのはいつもお世話になっている甲子園小型モータースさんの近所であったことから、牽引と修理を依頼。どうやらドライブシャフトが経年劣化で全交換する必要があるとのこと。代車が間に合わないとのことから、26日に予定していた仕事はお願いして延期して貰いました。少しの間、業務車はドック入りとなっています。

そこで今日は飼育観察中のアメリカカンザイシロアリ、今年の羽アリ傾向をご紹介したいと思います。今年最初の羽アリは、2月に確認されました。その次は3月、そして最も多く羽アリが発生したのは5月の中旬でした。その後9月後半、11月の上旬にも羽アリが発生しています。群飛と呼べる纏まった羽アリの発生は5月中旬で、兵庫県内にある集落の発生時期と同じです。同じく兵庫県内の2つの集落の羽アリ群飛時期は6月上旬と9月中旬ですが、こちらは文献に見られる季節となっています。

文献に書かれているのは書かれた方が確認された季節によるもので、実際の現場を多く経験するとアメリカカンザイシロアリは年中羽化し羽アリになることができるのは事実です。文献に書かれたことを鵜呑みにすると、生き物の柔軟性に対応できなくなります。生態には法則傾向はありますが、法則はありませんのでマニュアル駆除は役に立ちませんのでご注意ください。

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2020年3月 5日 (木)

啓蟄のイエシロアリ

啓蟄のイエシロアリ 右の写真は飼育観察中のイエシロアリで、二十四節気の一つである啓蟄である本日撮影しました。年末に餌木を交換していますが、順調に喫食しています。

例年この日のイエシロアリの動きを確認していますが、例年よりも動きは早いのが今年の特徴です。飼育ケースの横に最低最高温度計を設置し、毎年温度とシロアリの動きについて記録していますが、例年よりも最低温度が3度以上高くなっており、暖冬の影響により活性がやや高くなっているものと考えられました。

ちなみに阪神間では記録的な暖冬で、寒いと感じた日はわずかです。このような冬季の影響が活性最盛期にどのような影響を与えるかを確認していきたいと思います。経験上、冬が寒いとヤマトシロアリ羽アリの発生が増加傾向にあります。ちなみに昨年の暖冬傾向で、世間ではやや羽アリが少なかったのではないかと言われています。こちらも整合性を見ていきたいと思います。

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