2017年8月17日 (木)

今年前半は小発でした

5月に小発した和歌山南部系統 体調不良により、急遽訪問をお断りさせて頂きました皆様にはご迷惑をお掛けしました。恐縮ではございますが、お詫び申し上げます。

という訳で現場での出来事はありませんので、久しぶりに飼育中のシロアリについてご紹介したいと思います。

インターネットなどで記載されている生態とは全く異なる生態を見せてくれるのが、アメリカカンザイシロアリです。

オヤシロアリ技研の尾屋さんから頂いた和歌山県南部の系統、小員が採取した西宮系統、尼崎系統、神戸系統と飼育していますが、羽アリの出方に特徴があります。集団で発生する時期にいずれも違いがあります。和歌山南部では秋発生が多く、西宮系統と神戸系統は5月中旬、尼崎系統は6月中旬です。但し、単発での発生は年中で、いずれの系統も真冬の1月や2月でも発生しています。実際の現場では、広島や神戸で2月に羽アリを見ていますので間違いないと思います。

アメリカカンザイシロアリの羽アリは6月から9月の日中に発生すると記載されているのは、明らかに現場を知らない証拠です。現場を知っていれば、このような内容にはなりません。生態すら知らないのに堂々と駆除しますと記載されているホームページを見ると、不安でしかありません。シロアリ防除業者のレベルを自ら下げている認識はないのでしょうか。

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2017年3月13日 (月)

季節に関係なく

Kanzai214 先日二十四節気の啓蟄の日を迎え、飼育中のイエシロアリの様子ご紹介しました。今回は飼育中のアメリカカンザイシロアリの様子です。

このコロニーは、普段から木材表面で活動しています。当然ですが、光など全く気にしません。振動を与えるとすぐに隠れますが、直に表に出てきて活動します。

ちなみにこのコロニーは冬場など全く関係なく、普通に活動しています。気温の低い時間帯には少し動きが鈍くなる程度ですが、振動を与えると素早く隠れます。

どちらかと言えば温暖な地域のシロアリというイメージがありましたが、相当寒さには強いようです。シロアリは飼ってみると、いろいろなことがわかります。シロアリと付き合って30年程になりますが、まだまだ新しい発見があります。まだまだ勉強していかないこといけませんね。

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2017年3月 6日 (月)

啓蟄

Copt021 昨日は二十四節気の一つである、『啓蟄』でした。啓蟄とは、虫が冬眠から目覚め活動を始める頃という意味です。

ちなみにシロアリは冬眠しませんが、大きく活性が落ちるため夏場と比べると食害は広がりにくくなります。

右の写真は、当社で飼育中のイエシロアリです。先月は動きも緩慢で、徘徊する虫数も少なかったのですが、今は随分とその数も増え動きも活発になってきました。

シロアリの活動は見えない場所で起こりますので、対策を考えることが重要です。薬剤を撒くことだけが対策ではなく、早期発見に努めることもシロアリ対策です。

当社では、シロアリ調査による早期発見をシロアリ対策の基本としています。薬剤に絶対安全なものはありません。天然物由来であっても、大量散布にはリスクはあるのです。そのため当社では、薬剤を使わない選択肢もあるのです。

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2017年1月24日 (火)

膨らむ腹部

Kanmonensis14 右の写真は、先日群飛したカンモンシロアリ落翅虫の連結徘徊してたペアを、飼育容器も移して飼育している様子です。

飼育容器に移しておよそ2週間が経過し、ようやく変化が現れました。腹部に膨らみが見られ始めました。今回飼育容器を3セット準備をしましたが、全ての容器で同様の現象が確認されました。

シェルター内へ入ることもありますが、まだまだ徘徊しています。できるだけ触りたくないので、シェルター内を確認していませんが、産卵している可能性は高いものと考えられました。

今後順調に産卵、繁殖を期待するとともに、随時観察していきたいと思います。

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2017年1月 6日 (金)

小さな世界

Kanzai211 ハウスビルダーさんもそろそろ仕事始めとなり、今後の日程に関する打ち合わせが始まりましたが、現場作業はまでですので、飼育中のシロアリからご紹介します。

右の写真は、飼育中のアメリカカンザイシロアリです。この飼育ケースは非常に小型で、11年前に落翅虫を数匹入れてから、定期的に水を与えているだけで、特に何もしていません。随分と生息数は増えましたが、50頭も生息していません。

写真に多く写っているのが擬職蟻で、所謂働きアリです。写真中央下部に色の異なっているのが羽アリが翅を落とした状態の落翅虫です。この落翅虫が女王や王となり、繁殖します。ちなみに写真中央上部で頭部の色が異なるのは、兵蟻です。

小さな飼育容器で飼育している影響もありますが、この10年以上かかっても現時点での生息数は50頭にも至りません。アメリカカンザイシロアリは急速に繁殖するのではなく、非常にゆっくりと繁殖して行きます。これがアメリカカンザイシロアリであり、アメリカカンザイシロアリの被害が急速に広がらない原因です。

それだけにアメリカカンザイシロアリの駆除は、生息場所を徹底的に調査し、適切な薬剤で処理する必要があります。きちんと処理をしていけば、繁殖速度よりも駆除速度が上回るため、時間はかかりますが被害を抑制することができます。但し、被害や生息場所は目視可能な範囲だけでなく、目視不可な部分にもあります。そのため、完全駆除は困難ですが、問題ないレベルまで抑えることを意識して駆除にあたる必要があります。

アメリカカンザイシロアリだから恐ろしいと思うのではなく、きちんと対峙して行くことが重要です。生態を考慮せずアメリカカンザイシロアリ対策を行うかたは、すぐにマニュアル化したがる傾向にあります。アメリカカンザイシロアリを飼育すれば、マニュアル化が如何に意味がないかがわかります。それと薬効試験を色々な方法で実施すると、薬剤は種類ではなく、使い方です。処理すれば被害を抑制できるという謳い文句の薬剤であっても、実際の現場では効果が不十分であり、実験室での再現も可能です。

駆除は現場で行うものであり、現場から得られる経験と情報が重要です。今後も実験結果を現場へフィードバックし、より確実な駆除方法を模索して行きたいと思います。

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2017年1月 3日 (火)

活性低下

Copt113 シロアリは、冬眠するのかとよくお問合せを頂きます。答えはNoで、活性は大きく低下しますが、冬眠する訳ではありません。

右の写真は、飼育観察中イエシロアリです。巣では水取場へのブリッジが設置してあるため、シロアリが移動する様子を観察することが可能です。

夏場では多くのシロアリが水取場へ移動する様子が確認されましたが、この冬場では移動する職蟻は僅かです。シロアリも生きて行くために必要なエネルギーをとる必要があり、活性の大きく劣る冬場でも活動はしているのです。

冬場にシロアリ駆除処理を行う場合は、これら活性が大きく低下することを考慮する必要があります。シロアリ駆除処理は、年中同じ処理方法でよい訳ではなく、時期によっても処理方法が異なります。それでも原則は同じで、必要最小限の薬剤量で対処するのが当社のスタイルです。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参照下さい。

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2017年1月 2日 (月)

落翅虫

Kanmonensis13 当社では、シロアリフォーラムメンバーであるサトーシロアリ技研の佐藤さんから頂いたカンモンシロアリを飼育しています。カンモンシロアリは、名前の通り福岡県と山口県に跨る関門海峡周辺に生息しています。

カンモンシロアリはヤマトシロアリの亜種とされていますが、生態は大きく異なります。ヤマトシロアリの羽アリの発生時期は4~5月ですが、カンモンシロアリの羽アリの発生時期は1~2月となっています。

先々月から羽アリの徘徊が確認されていましたが、群飛までにもう少し時間を要すると判断していました。ところが昨日確認すると、既に落翅虫(翅を落とした羽アリ)が徘徊していました。また産卵の前段階である連結徘徊も確認されました。

サトーシロアリ技研さんから送付頂いた際のストレスや水分管理が最適でない等により、群飛時期がずれたものと考えられました。落翅虫からの営巣させる準備をすることを考えていたため、急いで準備を行いました。

阪神間でカンモンシロアリの生息は確認されていませんが、シロアリの生態はまだまだ不明な点が多いのが現状です。シロアリ駆除はマニュアルで行うのではなく、生態を考慮した対策が必要です。だから、生態をよく知った上で対策することが重要なのです。

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2016年12月22日 (木)

飼育しないと見えてこないこと

Kanzai210 昨日ご紹介したアメリカカンザイシロアリは、一般的に記載されている生態と異なることが多くあります。

昨日も記載しましたが、羽アリは一年中発生します。特定の時期に発生するものではなく年中発生し、高い確率で新たなコロニーを創出します。

水を必要とせず、木材中の水分だけで生息するとされていますが、飼育中のアメリカカンザイシロアリに水を与えると積極的に飲みに来ます。実際の現場を見ると、屋外部分に露出した垂木などよく被害を受けています。これら箇所は雨が掛かる部分であり、木材の含水率は高い状態となります。アメリカカンザイシロアリも生きて行くためには水分は必須なので、これら箇所から水分を取るのです。

あと現場で何度も見ていますが、意外と木材の外に出て徘徊しています。理由はわかりませんが、被害を与えている木材が小さい野縁や野縁受けで見かけます。飼育中のアメリカカンザイシロアリも、大きな木材よりも小さな木材ほど表面を徘徊します。外敵が少ないことも、徘徊する要因かもしれません。

飼育して観察すると、新しい発見があります。薬剤試験を行うと、効果をアピールされている薬剤に効果が期待できないことがわかります。真剣にシロアリ対峙している業者は、シロアリを飼っています。あなたがシロアリ対策をお願いした業者に、シロアリは飼っていますかと聞いてみて下さい。

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2016年12月21日 (水)

今年度のアメリカカンザイシロアリの羽アリ

Kanzai209 年末へ近づくにつれて、大掃除も始めなければならない時期となりました。例年実施している、アメリカカンザイシロアリ飼育ケース内の掃除を今年も行いました。今年度は現場での事例が多く、飼育日記をご紹介することが殆どできませんでした。実際には、アメリカカンザイシロアリの羽アリが発生した記録を取っています。

今年度は、1月、3月、5月、9月、11月に羽アリの発生が確認されました。いずれも小発ですが、5月は10数匹の羽アリが確認されました。羽アリが纏めて発生し群飛と判断するのであれば、5月となります。しかしアメリカカンザイシロアリの場合、羽アリが脱翅するとかなりの確率で生き延び、新たなコロニーを創出します。小発であっても、生息数と被害が大きくなるのでは、群飛の発送は不要です。

アメリカカンザイシロアリの羽アリは、一般的に6~9月の日中に発生するとされています。当社の飼育記録からすると年中発生しており、一般的な事例とは異なります。しかし、実際の現場では真冬でも羽アリの発生を確認していますので、この一般的な群飛時期は参考程度と考えるべきです。

アメリカカンザイシロアリの生態はまだまだ不明で、各種資料に記載されていることが正しいとは限らないのです。当社ではアメリカカンザイシロアリの飼育を通じて生態研究を行うとともに、独自の薬剤試験等行い、アメリカカンザイシロアリの駆除方法の研究を行っています。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参照下さい。

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2016年11月12日 (土)

羽アリ活動中

Kanmonensis12 右の写真は、シロアリフォーラムメンバーでもあるサトーシロアリ技研の佐藤さんから送付頂いたシロアリです。有翅虫(羽アリ)を見るとヤマトシロアリに似ていますが、このシロアリはカンモンシロアリです。

カンモンシロアリはその名の通り山口県と福岡県の関門海峡周辺に生息するシロアリで、ヤマトシロアリの亜種です。写真で見て頂いている通り、外観からはヤマトシロアリの有翅虫と区別することはできません。

カンモンシロアリの群飛は1月下旬から2月下旬にかけて見られるそうです。しかし巣内ではもう既に有翅虫となって活動しており、タイミングを見計らって群飛します。

ヤマトシロアリの場合、このような早い時期から有翅虫になる訳ではありません。見た目は非常に似ているカンモンシロアリですが、生態はかなり違います。対象となるシロアリの生態を知ることが、シロアリ対策の第一歩です。ですので当社では、飼育観察を通じてシロアリの生態研究を行っています。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参照下さい。

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