2020年3月 5日 (木)

啓蟄のイエシロアリ

啓蟄のイエシロアリ 右の写真は飼育観察中のイエシロアリで、二十四節気の一つである啓蟄である本日撮影しました。年末に餌木を交換していますが、順調に喫食しています。

例年この日のイエシロアリの動きを確認していますが、例年よりも動きは早いのが今年の特徴です。飼育ケースの横に最低最高温度計を設置し、毎年温度とシロアリの動きについて記録していますが、例年よりも最低温度が3度以上高くなっており、暖冬の影響により活性がやや高くなっているものと考えられました。

ちなみに阪神間では記録的な暖冬で、寒いと感じた日はわずかです。このような冬季の影響が活性最盛期にどのような影響を与えるかを確認していきたいと思います。経験上、冬が寒いとヤマトシロアリ羽アリの発生が増加傾向にあります。ちなみに昨年の暖冬傾向で、世間ではやや羽アリが少なかったのではないかと言われています。こちらも整合性を見ていきたいと思います。

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2020年2月29日 (土)

冬季の群飛

飼育ケース内で確認されたアメリカカンザイシロアリ羽アリ死骸 右の写真は、飼育中のアメリカカンザイシロアリ飼育ケース内の様子です。年末に掃除していますので、この2ヶ月で堆積したアメリカカンザイシロアリの糞ということになります。この糞の中を確認すると、数匹の有翅虫(羽アリ)死骸が確認されています。すなわち、年末からこの2ヶ月の間に羽アリが発生したということになります。

一般的にアメリカカンザイシロアリは、初夏から秋にかけて羽アリは発生するとされています。これはアメリカカンザイシロアリが国内で確認された当時のデータをもとにされたものであり、数多くの事例から得られた結果ではないかと思います。兵庫県内のある地域では、羽アリの群飛は5月の中旬に発生します。この地域の保健所で、アメリカカンザイシロアリの羽アリを、ヤマトシロアリの羽アリと誤判断される事例もあるほどです。広島県内のある物件では、2月に対策でお伺いした際、実際に活動するアメリカカンザイシロアリの羽アリを確認しています。当社で飼育しているアメリカカンザイシロアリは、季節に関係なく羽アリは発生します。

シロアリだからと生態を決めつけることは、本当の生態を見誤ります。シロアリの生態は教科書に書いてあることが正解ではなく、現場で見られることが生態なのです。実際の現場での知見を、駆除に活かすべく現場や飼育ケース内の観察を行なって行きたいと思います。

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2020年1月 4日 (土)

イエシロアリ飼育ゲージ

餌木交換時に確認されたイエシロアリ 年明け直後は当然ですが現場作業はありませんので、この時期は飼育中のシロアリの監理を行う時期となっています。今日はその中から、イエシロアリ飼育ゲージからご紹介したいと思います。

飼育ゲージ内では、巣の上に餌木を置いています。活性の高い時期では餌木を食害しているため交換しにくかったのですが、気温の下がる時期では餌木に群がるシロアリが少なくなるため、交換が容易となります。今回餌木を交換し、散水したところ数時間後には写真のようにシロアリが群がっている様子が確認されました。

今年は暖冬で、シロアリの活性も下がりきっていなかったようです。この事例では餌木に寄っているのではなく、散水による影響が大きかったものと考えられました。冬場でもシロアリは活動しており、冬眠していないことを意味します。冬場だからシロアリは活動していないと考えるのは危険で、冬場でもシロアリは活動していることを覚えていただきますと幸いです。

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2020年1月 2日 (木)

アメリカカンザイシロアリ飼育ゲージ

昨年12月末に確認されたアメリカカンザイシロアリ落翅 昨年ほとんどご紹介できなかったアメリカカンザイシロアリ飼育ゲージからご紹介したいと思います。尾屋シロアリ技研の尾屋さんからいただいた個体で、飼育し始めて13年が経過していますが羽アリはコンスタントに発生しています。

今年の羽アリは、1月に発生して以降、4月、5月、8月、9月、10月及び12月に確認されました。アメリカカンザイシロアリの羽アリは一般に6〜9月の日中に発生するとされていますが、これは一般論で実際の現場は異なり季節に関係なく発生します。現場経験のないシロアリ防除業者は、教科書に書かれたとおりの情報を記載します。アメリカカンザイシロアリの生態を理解できていないシロアリ防除業者に駆除依頼を行うと、不十分な駆除処理内容となるため注意が必要です。

シロアリ防除業者さんに、シロアリを飼育されていますかと問いかけて見てください。愛情を持ってシロアリ駆除にあたっているシロアリ防除業者であれば、シロアリを飼育していますのでご参考にしてください。

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2019年1月 4日 (金)

気温が下がっても活動中

冬季でも活動しているイエシロアリ 右の写真は飼育中のイエシロアリです。気温の下がったこの時期でも、活動しています。

イエシロアリは温暖な地域に生息するシロアリで、昨日ご紹介したヤマトシロアリよりも寒さに弱いとされています。私の事務所は安普請なため、冬季は温度が下がります。最高最低温度計を置いており、今シーズンの最適温度は5℃です。ちなみに昨シーズンは2℃でした。

イエシロアリは暖かい地域に生息するシロアリで、阪神間では海岸線沿いに生息が確認されています。しかしこれまでの生息実績では、大阪市内はもとより、内陸部でも確認されています。兵庫県内では、かなり標高のある山中に生息が確認されています。海岸線沿いにしか生息しないという思い込みは、非常に危険です。

以前にも経験がありましたが、イエシロアリが活動しているにもかかわらず、先に調査したシロアリ防除業者はヤマトシロアリと判断しました。テレビなどのメディアでCMしているシロアリ防除業者もあれば、老舗と呼ばれるシロアリ防除業者ですら見間違えました。如何にシロアリのことを勉強していないかがよくわかります。これらシロアリ防除業者にしてみれば、薬剤を撒くことが仕事であって、シロアリの種類や見分けること、生態など必要ないのでしょう。

シロアリを飼育観察すれば、いろいろな生態が見えてきます。その生態の中には、シロアリ駆除につながるヒントがあります。シロアリを飼育していないシロアリ防除業者は、このことに気付いていないのでしょうね。

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2019年1月 3日 (木)

ニンフの活動

集まっているニンフ 右の写真は、京都市内の物件から採取したヤマトシロアリの様子です。冬季になっても、活動が確認されています。

写真をよく見るとわかるのですが、圧倒的にニンフの数が優勢です。ニンフは羽アリになるため早めに行動しているのかと勘ぐってしまいますが、実際のところわかりません。人はついつい生物に法則を求めがちです。しかし生物には傾向や法則性はあっても、法則はありません。別の飼育ケースでは、このようなニンフの集まる現象は確認されていません。

法則があると思い込むことは危険で、ヤマトシロアリは光を嫌うや水を運ぶというのもその実例の一つです。法則に捉われていると、シロアリ動きを勝手な判断をしてしまいがちです。シロアリがどのように動いているかは、シロアリ調査によって判断されるものであり、シロアリだからこのように侵入すると思い込むことほど危険なものはありません。

シロアリの生態は教科書で勉強するものでなく、飼育観察や現場での現象から学ぶものです。これからも飼育観察、現場での精度の高い調査をしたいと思います。

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2018年12月28日 (金)

初冬の発生

初冬に発生したアメリカカンザイシロアリ羽アリ 年末が近づくと大掃除のシーズンとなり、恒例のアメリカカンザイシロアリ飼育ケース内の掃除を行います。

今回、アメリカカンザイシロアリの有翅虫(羽アリ)の死骸や落翅が確認されました。前回の10月末の清掃してますので、それ以降に羽アリが発生したものと考えられました。

文献やホームページなどを見るとアメリカカンザイシロアリの羽アリの発生時期は、6~9月の日中とされていますが、実際は違います。飼育すればわかりますが、ほぼ1年中発生します。実際の現場で2月に小屋裏での発生を実際に確認していますので、季節を限定し発生すると考えるのは間違いです。

シロアリを飼育すると、いろいろなことがわかります。シロアリを飼育したことがないシロアリ防除業者は多数いますが、シロアリのことを知ろうとしないのでしょう。薬剤を撒くだけであれば、シロアリの生態は不必要なのでしょうね。

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2018年12月17日 (月)

光を嫌うシロアリ

シロアリは光を嫌いません 今日は飼育中のヤマトシロアリについて、ご紹介したいと思います。ヤマトシロアリは光を嫌うと記載された書籍や記事、ホームページでの記載をよく見かけます。これは飼育するとわかりますが、密閉された透明容器で飼育すると、光を嫌う様子なく活動します。

シロアリの眼は未発達と言われていますので、光を嫌うというのはナンセンスです。シロアリは光を嫌うのではなく、空気の動きを嫌います。未発達な外骨格(体表面を覆うクチクラ質)は乾燥に弱いため、空気の動きがある場所を嫌います。それに対応するため、蟻道を構築します。シロアリ対策は乾燥することで対応すると主張される方は、残念ながらシロアリの生態をご存じないようです。シロアリは環境に対応する術を知っています。

写真は常に室内に置いてある飼育容器で、常に蛍光灯に晒されていますし、時間帯によっては太陽光もあたります。それでもシロアリは木材の中へ逃げ込むことなく、表面で活動しています。光を嫌うというのは昔の話しであり、それを未だに鵜呑みにしてホームページなどで紹介しているのは、シロアリを飼育観察していない残念なシロアリ防除業者です。このようなシロアリ防除業者にシロアリ調査や対策を依頼するのは、いかがなものでしょうか。それとシロアリ対策として乾燥を挙げているのも、シロアリを知らない証拠なのでご注意ください。

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2018年9月20日 (木)

死滅

死滅したアメリカカンザイシロアリ 右の写真は小型の飼育ケースで飼育しているアメリカカンザイシロアリですが、気がつくと死滅していました。雄雌の1ペアから飼育を始め、丸12年が経過しましたが残念です。

考えられる死因ですが、ダニの発生、薬剤の混入、近親交配による虚弱化、水不足が考えられます。

ダニの発生ですが、死骸等を顕微鏡観察を行いましたが、ダニは確認されませんでした。薬剤ですが、完全に分離させて飼育しているので薬剤が混入することはないと考えられます。近親交配による虚弱化は十分考えられるところですが、個体差間で致死までに至る過程で差が見られると考えられますので、一気に死滅することは考えにくいと考えます。

そうなると給水不足の可能性が高いでしょう。この夏は暑かった上に、業務多忙で飼育観察がやや疎かになったことが原因と考えられます。アメリカカンザイシロアリは木材中の水分で生息するとされていますが、飼育すると一目瞭然、水を与えると飲みにきます。木材中の水分だけで生息するのは、実は困難であると考えます。実際の現場でもアメリカカンザイシロアリ被害箇所の多くは、雨のかかる場所が多いのです。生物である以上、水は必要不可欠なものなのです。

アメリカカンザイシロアリは飼育すればするほど、教科書やインターネットで書かれていること以外の実例をよく見かけます。ちなみにシロアリ技術者と言われている方が、必ずシロアリを飼育しています。逆にシロアリを飼育していないシロアリ防除業者は、薬剤撒き屋と考えて支障はないのではないでしょうか。

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2018年8月23日 (木)

継代飼育

Kanzai236 右の写真は、先日羽アリの発生が確認されたアメリカカンザイシロアリ飼育ケース内の様子です。

この飼育ケースは、12年前に地元西宮市内の被害物件から採取した羽アリのペアから継代飼育しています。今月には、羽アリの発生も確認されました。

写真をよく見て頂くとわかるのですが、右下に若齢幼虫が見えます。順調に、交尾産卵が行われている証拠です。

アメリカカンザイシロアリは、飼育するとよくわかるのですが飼育は非常に簡単で、定期的に水を与えるだけでよいのです。アメリカカンザイシロアリは水が不要と考える方が多いようですが、昆虫が生息していくのには、水は必要不可欠です。通常は木材中の水分を利用していますが、少しでも含水率の高い木材を上手く活用します。雨のよくかかる垂木などはその代表的な食害箇所で、被害の比較的多い場所です。

アメリカカンザイシロアリ駆除の経験が浅いシロアリ防除業者は、室内の被害部ばかりに見がいきがちですが、アメリカカンザイシロアリの生態を考慮すれば調査ポイントは広範囲となるのです。しかも糞(フラス)の堆積ばかり気にしていると、本当のシロアリ被害部を見逃すことが多くなります。

シロアリ調査は、シロアリ被害を見つけるだけではありません。シロアリの生態を考慮し、シロアリがどのように動くのかを想定して、生息範囲を特定することが重要です。生息範囲を特定することで、コロニーの駆除が可能となるのです。当社では、シロアリの飼育観察を通じて生態研究を行い、シロアリを用いた弊社独自の試験方法により薬剤の特性を調べ、シロアリ駆除に活用しています。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参考ください。

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