2023年12月 2日 (土)

食いついた場面を見たことがありません

食いついた場面を見たことがありません 右の写真は先日、シロアリ対策でお伺いした大阪府内の物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっている設計事務所の先生の案件で、ウッドデッキにシロアリ被害の確認されています。

調査段階で確認されたのは、ウッドデッキの束付近で確認されたのはシロアリハンターという商品です。脱皮阻害剤を配合した毒餌剤で、シロアリが毒餌に食いつけば、巣まで駆除可能な薬剤として市販されています。

問題は毒餌剤に食いつくか否かで、これまで現場で十数例見てきています。しかしながら、1例も食い付いた事例は見たことがありません。いずれも被害の確認された近くに設置していますが、食いつきはありません。

シロアリからすれば巣での餌場までの経路が確立されているのに、わざわざ新しい餌場まで行くのはないに等しいと考えています。食いつかなければ何の効果もない商品で、一度くらいは食いついている場面にあってみたいと思います。

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2023年11月30日 (木)

在来工法

浴室周辺シロアリ被害 昨日はシロアリ調査のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。今年の初夏からご相談をいただいていた案件で、やっと点検調査を実施する運びとなりました。

元々シロアリ被害は浴室入口枠で確認されています。床下側から点検調査した結果、浴室土台を中心に被害が確認されました。比較的被害が大きく、かなり以前からの被害であると判断されました。浴室は在来工法ですので、浴室基礎内側からシロアリが侵入、被害を与えたものと考えられました、

その他の箇所でも蟻道の構築やシロアリ被害が確認されましたが、比較的軽微でシロアリ被害の中心は浴室周辺と判断しました。築年数が比較的古いため理想は浴室の更新で、ユニットバス化がベストな選択です。しかし浴室の形状の問題から、ユニットバス化は困難なようです。

リフォームするのであれば、再度在来工法の浴室への改修です。こうなるとメリットの幅が狭くなるため、得策ではありません。実施しないよりも実施した方が良いことは間違いアありませんが、非常に難しいところです。浴室下地中にはシロアリのコロニーがあるため、適切なシロアリ駆除処理は必須です。シロアリ侵入防止処理については、イエシロアリの生息が確認されている地域ですのでできるだけ実施して欲しいところです。

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2023年11月29日 (水)

生息地域

侵入防止処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。かなり前になりますがシロアリ調査を実施した物件で、シロアリ被害や侵入などは確認されていない案件です。

現時点でシロアリの生息は確認されていませんが、お施主さまの要望でシロアリ侵入防止処理を実施することとなりました。お施主さまからの聞き取り調査では、以前お住いの家屋の浴室から羽アリが発生したことがありシロアリ対策を実施したいとのことです。

羽アリに関するトラウマをお持ちの方は多く、大量の羽アリを目にされた方はかなり恐怖を覚えられるようです。薬剤の安全性リスクの説明を行い、当社が推奨するシロアリ侵入防止対策について説明、ご納得いただいた上で今回の処理となりました。

薬剤の種類と処理箇所を抑えることで薬剤処理量を大幅に抑制しながら、かつ確実に効果を発揮させることが可能です。当該事例では使用する薬剤を限定すること、処理箇所を考慮することで副次的にゴキブリに対して効果も期待できる点もお施主さまにご評価いただきました。

それ以外の要素として、当該地域もあります。それはこの地域にはイエシロアリの生息も確認されていますので、侵入防止処理は積極的にお薦めした次第です。

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2023年11月28日 (火)

侵入防止処理

シロアリ侵入防止処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にシロアリ対策でお伺いしました。リフォーム中の物件で、先日シロアリ駆除処理を先行して実施しています。今回は侵入防止処理でお伺いしました。

シロアリ侵入防止処理は、構造的にシロアリの侵入する可能性の高い場所に対して実施しました。現場監督さんからシロアリ駆除処理で使用した薬剤と、侵入防止処理で使用する薬剤が異なっていると指摘を受けました。

当社では、使用場面に応じて使用する薬剤を使い分けています。建物の構造や材料、薬剤の特性を考慮して使用しています。駆除場面ではその傾向が顕著で、使用濃度などは規定濃度では使用せず特性を生かせる濃度で使用します。これは自社での試験結果に基づいて実施しています。

薬剤の特性は規定濃度で発揮されるものではなく、5年間という保証期間を付与するために決められた濃度です。ですのでこの処理濃度は、薬剤の特性を最大限に発揮させることではないのです。

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2023年11月27日 (月)

勉強会質疑

築数年でシロアリ被害を受けた玄関 今日は先日講師をさせていただきました勉強会で、多くの方が疑問に思われた事項についてご紹介したいと思います。設計や建築される方からすると、ベタ基礎構造なのになぜシロアリ被害が発生するかという事項です。

ベタ基礎構造でシロアリ被害が発生する場合の多くは玄関周辺で、これは在来工法でも理由は同じです。コンクリートの接合部から、シロアリが侵入するというのが結論です。玄関は設計される方や建築される方によって、構造は千差万別です。しかし共通して言えることは、コンクリート同士の接合面が必ずあるということです。

一度固化したコンクリート同士は一体化しません。コンクリートは乾燥して固まるのではなく化学反応によって固化するため、コンクリート同士が一体化することはないのです。そのためコンクリート同士にはわずかな隙間があり、その隙間が一定の大きさになるとシロアリは侵入します。その隙間が出来やすい条件というのが必ずあります。

玄関もポーチと一体化して打設できれば侵入リスクは大幅に低下しますが、玄関とポーチをべつbするとその接合部に侵入リスクは高くなります。平面で打設したコンクリートの上からモルタルやタイルを貼ると、その接合部も侵入経路となります。この場合、コンクリート表面の仕上げやジャンカ処理が重要となります。

もちろんベタ基礎構造では基礎面と化粧モルタル接合部からの侵入もありますので注意は必要です、これらは床下側からの点検調査で早期発見が可能です。いずれにしてもシロアリの生態と建物の構造を考慮し、構造的な対策をどう考えるのか、それを補完するため薬剤をどう使うかがポイントです。

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2023年11月26日 (日)

活動中

活動中のシロアリ 昨日はいつもお世話になっている設計事務所の先生からの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。10年ほど前に、他のシロアリ防除業者で予防処理を実施した物件でのシロアリ調査案件です。

現時点で床上で気になる箇所はないとのことですが、床下側からの点検調査で床組に蟻道の構築とシロアリの活動が確認されました。但し、シロアリの侵入はこの1箇所だけであり、最近侵入したものと考えられました。日によって寒暖差のある季節ですが、地中では温度が安定しているのであまり関係ありません。

対策としてはこの1箇所のみ部分的に駆除処理を行い、後は定期的な点検調査を行う方法で十分対応可能です。勿論、予防処理も対策の一つですが、費用が高額になること及び薬剤曝露リスクが向上することからお薦めできません。

ちなみに10年ほど前に処理された薬剤は、ネオニコチノイド系防蟻剤です。メーカーさんの謳い文句ではドミノ効果によりコロニーの駆除ができるということですが、当該事例では駆除できていません。

保証期間が5年なので残効性が消失しているのではという意見がありますが、規定量散布されているのであれば10年近く残効性はあると思います。メーカーさんが主張するドミノ効果に過剰な期待をされるのは、あまりお薦めできません。

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2023年11月25日 (土)

広範囲

上部にまで広がったシロアリ被害 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォームの際の解体中にシロアリ被害が確認された案件で、前回シロアリ調査を実施しています。今回リフォームの進行状況と小員の都合から、昨日シロアリ駆除を実施することとなりました。

現場監督や大工さんは既にシロアリはいないと思われていたようですが、解体撤去時の梁や間柱などにはシロアリの活動が確認されていたようです。小員がシロアリ調査でお伺いした際、撤去の段階でシロアリの姿が確認できると思いますと言っていました。監督さんや大工さんからは、本当にシロアリが確認できたので小員の言うことに納得いただけたようです。

シロアリ駆除処理では、シロアリの侵入経路を中心に念のため被害部にも薬剤処理を施しました。シロアリのコロニーを駆除するためには、シロアリの侵入経路が重要です。そのためには建物の構造を加味しなければなりませんが、リフォーム時には侵入経路が明確になるため処理が非常にし易い状態です。

ここで重要なのはシロアリがどのような侵入経路であるかを、よく観察することです。建物の構造を上手く使いながらシロアリは侵入してきますが、床下側からシロアリ駆除処理を行う際には、この経験が生きてくるのです。

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2023年11月24日 (金)

床下被害

床上被害よりも軽微な床下被害 今日ご紹介するのは、昨日ご紹介した現場の床下側です。昨日の床上被害では、畳や畳寄せでシロアリ被害及びイエシロアリの活動が確認されました。

床下側の被害状況ですが、当該物件では広範囲に確認されました。但し被害そのものはイエシロアリ被害で見られる甚大なものではなく、想像よりも軽微な被害でした。床下よりも床上での被害が大きい現象はよく見られ、その理由として薬剤処理が挙げられます。

恐らく過去に薬剤処理が実施され、僅かな残臭から有機リン剤ではなく、合成ピレスロイド剤ではないかと考えられました。合成ピレスロイド剤の殺虫力は他剤に比べて劣っていますが、極めて低濃度でも忌避性が発揮されます。それにより長期に渡って侵入防止ができる算段ですが、実際には上手くいきません。それが処理ムラです。

処理ムラがあると、忌避性を含めた残効性は早く消失します。そのため、処理ムラ部分からシロアリが侵入するのです。木材部分は土壌に比べて分解消失ややや遅いため、僅かながらも忌避性が残り、それが木材での被害が少なくなる理由です。そして薬剤が処理されていない、畳や畳寄せに被害が大きくなるのです。

薬剤は特性を生かした使い方をしなければ意味はなく、大量散布の愚の骨頂です。薬剤にはその特徴を生かした使い方をしてこそ、意味があるのです。大量散布したいのは高額な費用を生むための理由の一つですので、ご理解いただけますと幸いです。

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2023年11月23日 (木)

改修工事案件

活動中のイエシロアリ 昨日はいつもお世話になっている設計事務所の先生からの依頼で、高知県内の物件に同行しました。改修工事を予定している寺社でシロアリ被害らしきものがあるとのことから、シロアリ調査が今回の案件です。


早速被害箇所を調査すると、シロアリ被害は一目瞭然でした。畳を上げて調査を行うと、イエシロアリの活動が確認されました。床下側からの点検調査した結果、想像とおり複数の侵入経路で侵入及び生息が確認されました。冬季には活性が大きく落ちるイエシロアリですが、今年は暖かい日が多くこの数日は特に暖かったことから活発に活動していたものと考えられました。


春先などシーズン当初であれば毒餌剤を用いてシロアリ駆除を行うのが得策ですが、これからのシーズンには不適です。毒餌剤で駆除を行うのであれば来春から駆除を開始するのが一般的ですが、改修工事計画から施工までの時間的制約、訪問頻度等を考慮すると毒餌剤による対策は不適と判断しました。


薬剤処理によるシロアリ駆除処理が有効ですが、地元でお薦めできるシロアリ防除業者をご紹介することは困難です。小員が対応する場合、どこまでコストを抑制できるかがポイントになります。

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2023年11月20日 (月)

木製コンポスト

シロアリ被害を受けて木製コンポスト 右の写真は、先日点検調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。庭に設置された木製コンポストに、シロアリの生息が確認されたとのことです。

コンポストとは堆肥や堆肥をつくる容器のことで、家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を微生物の働きを活用して発酵分解させて堆肥として利用します。このコンポストは木製容器のため、シロアリが侵入して食害しているとのことです。

地面に直置きされた木材は、シロアリのとって恰好な餌です。地中に生息するシロアリにとって、外敵と接触することなく木材に到達できるため好都合です。

今回お施主さまのご希望で、薬剤処理を実施しています。薬剤伝播効果を発揮させるため、通常よりもかなり薄い濃度で土壌灌注処理を実施しています。残効性を求める場合、薬剤濃度が濃くなるため薬剤伝播効果は確実に落ちます。多くの薬剤は濃度が高くなると、致死時間が短くなるため伝播性が落ちるのです。

薬剤は沢山撒けばよいというものではなく、より効果的に効力を発揮させるのは最適な濃度と処理量が重要です。ちなみに市販されている殺虫スプレーは百害あって一利なしです。見えているシロアリだけ駆除されるのみで、コロニーまで駆除できる訳ではありません。かえって生息範囲を広げてしまい、結果的に被害範囲を広げるケースがあるので注意が必要です。

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