2020年9月22日 (火)

室内で確認された羽アリ

おそらくトビイロケアリ 右の写真は、先日兵庫県の物件で発生が確認された羽アリです。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの知り合いの方のお宅で、確認されたとのことから現地に同行させていただき、虫体を採取しました。

確認されたのは、9月に入り2階キッチンのシンク付近で数十匹が確認されたとのことです。事務所に持ち帰り同定を行いましたが、同定がなかなか困難なケアリ属です。羽アリの発生時期を考慮するとヒゲナガケアリが考えられましたが、顎髭が短いため違います。同じ仲間であるカワラケアリも考えられましたが、兵庫県は分布から外れており難しいと考えられました。そうなるとトビイロケアリも考えられますが、羽アリの発生時期から少し外れています。それでも過去にこのような事例もあったことから、トビイロケアリの可能性が高いと考えられました。但し、ケアリ属は同定が非常に難しいため特定は困難ですが、生態は概ね似た傾向があるため対応する場合には同じ対策で対応可能と考えられました。

現場ではケアリ属が生息可能な腐朽箇所はなかったことから、外部で発生した羽アリが室内の燈火に集まったものと考えられました。いずれにしても雨漏れには注意していただくよう連絡させていただきました。

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2020年9月21日 (月)

屋外処理の限界

毒餌剤に見向きをしないトビイロケアリ 昨日ご紹介した現場では、廊下や駐輪場、植え込み部分やごみ置き場などにもアリの徘徊が確認されています。室内側もそうでしたが、あまりにも数が多いので外来種のアルゼンチンアリではないかとも思いましたが、捕獲して簡易の顕微鏡で確認を行いましたがトビイロケアリでした。カタアリ亜科とヤマアリ亜科では腹部末端に明確が差がありますので、同定は容易です。

このトビイロケアリの動きを丹念に調査すると、少し厄介で行列が敷地外にまで続いていました。敷地内での薬剤処理は可能ですが、敷地外については許可なく処理することはできません。室内側での処理では、紫外線や水分の影響を受けにくいところへ処理を実施していますので、半減期と有効成分残存量がある程度読むことができます。しかし屋外では降雨による流出、紫外線による分解があるため、半減期が読めないため残効性はあまり期待できません。そのため処理当日に、どの程度アリに薬剤曝露させることができるのかがポイントになります。

また巣自体は敷地外にあるため、巣の壊滅がどこまでできるかもポイントです。更にトビイロケアリのコロニーが駆除できたとしても、屋外には他のトビイロケアリのコロニーもありますし、違う種類のアリが侵入する可能性もあります。1度の処理で対策が終了という訳ではなく、少し期間を取ってアリの動きも見ていかなければなりません。本来アリは益虫で不要な駆除はすべきではないところなので、対策を実施する立場の人間としては葛藤しかありません。

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2020年9月20日 (日)

徘徊箇所

人の手の触れない箇所への処理が必須 昨日は先日に引き続き、アリ駆除で大阪府内の物件にお伺いしました。マンションの複数の住戸でトビイロケアリが大量に侵入している案件で、先日別の住戸で処理を実施しています。

前回と同様、入居者さまから聞き取り調査を行い、どの辺りでアリが徘徊しているか、壁などの隙間でアリが出入りしていないかなど確認した上で作業を行いました。その箇所の一つがシンクの中で結構な数のアリが徘徊していたとのことです。

このような場合、シンク内の目視可能な範囲に薬剤処理を行うのは愚策です。薬剤処理を実施すれば、殺虫剤分が残留し調理器具や食器などに付着するリスクがあります。薬剤に絶対安全なものはなく、可能な限り薬剤とは付着させてはいけません。

そうなると見えない箇所で徘徊しているアリに対して、薬剤と接触させることが重要です。写真のように配管の隙間があればその隙間から処理するのが効率的ですし、こうした隙間がなければ小径の穿孔を行い処理するのも有効です。いずれにしても人の手が触れる箇所に処理するのは、安全面から見れば推奨できることはありません。プロであれば、現場の状況に応じて安全と効果を両立させる処理を行うのが技術者として使命だと当社では考えています。

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2020年9月17日 (木)

隙間から侵入するので

侵入経路薬剤処理昨日は先日室内でクロアリが発生すると対策の依頼をいただいた、物件にお伺いしました。大阪府内のマンションの複数の住戸で確認されている案件で、いつもお世話になっている住宅管理会社からの依頼です。

今回お伺いした住戸は、大発生が確認されている住戸ではなく中程度の発生で、市販の殺虫スプレーにより随分と徘徊数の減少した住戸です。処理はトビイロケアリが這い出てくる玄関や壁面の隙間に対して処理を行うとともに、ベランダ側や廊下側にも一部薬剤処理を行なっています。トビイロケアリなので腐朽木材に営巣しているものと考えますが、マンションのため木部自体が少なく、腐朽もしていない可能性が高いため屋外側からの侵入と考えられます。

外部についても可能な範囲で調査を行いましたが、巣の場所までの特定はできませんでした。薬剤処理を施しましたが、屋外でもありどこまで効果が得られるかはわかりませんが、次の別の住戸での処理を予定していますので、その際の調査である程度の傾向は得られるかと思います。その結果を元に、次の対策を考えたいと思います。

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2020年9月15日 (火)

刺咬事例が確認されたことがあります

粘着ローラーによるサンプリング 昨日は、兵庫県内の宿泊・レクレーション施設にお伺いしました。継続的にIPMによる害虫管理を行なっている案件で、いつもお世話になっている施設管理会社さんからの依頼です。

IPM管理による統一的な調査として先週トラップを設置していますので、今週回収及び捕獲数確認を実施しています。基本的には対象害虫はゴキブリがメインとなっておりますが、衛生害虫まで範囲を広げて実施しています。対象害虫のうち刺咬性のダニを対象としていますので、粘着ローラーによる捕獲、検定を実施しています。

その背景には以前害虫管理を担当していた害虫防除業者は、施設管理担当者さんから刺咬事例を報告しているにもかかわらず、薬剤処理を実施しているの一点張りだったそうです。刺咬事例が報告されているのであれば、きちんと調査すべきです。ちなみにこれまでに刺咬性のダニの捕獲は確認されていませんが、調査用トラップにはある昆虫の捕獲が確認されたことがあります。やけど虫と呼ばれるアオバアリガタハネカクシで、施設管理担当者さんに刺咬症状を確認したところ、ミミズ腫れであったことから当該昆虫に間違いないと考えられました。これについては、目撃事例を確認次第連絡をもらい、対処することとなっています。

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2020年9月14日 (月)

室内に大量発生したアリ

侵入種はトビイロケアリ 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。マンションの複数の部屋で、クロアリが発生しているとのことで、送付いただいた写真を見ると相当な数のクロアリが侵入しているようです。ちなみにこのマンションでは、昨年もお伺いしており、トビイロケアリ駆除処理を行なっています。今回発生している住戸は、昨年処理を実施した住戸とは違う住戸であり、複数の住戸で発生しているとのことです。

早速現場で現状調査を行なった結果、廊下で無数に活動するクロアリが確認されました。最も侵入していた住戸については、現在一時避難されており確認することができませんでした。侵入が確認されている住戸で確認することができましたが、活動数は僅かでした。市販の殺虫スプレーを相当散布されたようで、忌避作用が働いているものと考えられました。入居者さまが動画を撮影されていたので確認させていただいたところ、重度ではないものの侵入していた模様です。

活動していたクロアリを採取、事務所に持ち帰り同定した結果、トビイロケアリでした。大量発生しているとのことから、特定外来種であるアルゼンチンアリの可能性を当初考えていました。しかし、腹部末端の形状がヤマアリ亜科とカタアリ亜科では明確に異なるため比較的判断しやすいものでした。かなり大きなコロニーを形成しているようですので、工夫して対処していきたいと思います。

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2020年9月13日 (日)

壁内調査

複数年に渡り発生が抑制されています 昨日は、アフリカヒラタキクイムシ対策で大阪府内の物件にお伺いしました。継続的に対策を実施している案件で、2015年に調査を実施して以降対策を実施しています。当初はフローリングを中心に成虫脱出孔と木粉の堆積が確認されており、物理的対策と薬剤処理によりほぼ抑制することができました。その後、モニタリングのためライトトラップを設置し、確認を行った結果、複数の案件で駆除完了を確認しています。しかし、モニタリングによるライトトラップに捕獲された住戸が複数確認されました。

室内側では生息のサインが確認されていないことから、壁内にある合板から発生しているものと考えられました。その後、ある住戸では壁面から成虫脱出孔と木粉の排出が確認されたことから、点検口を設置し確認を行いました。壁内に使用されている合板や支柱に無数の成虫脱出孔と木粉の堆積、アフリカヒラタキクイムシ成虫の死骸が確認されました。当該箇所も、物理的対策と薬剤処理により駆除することができました。それが右の写真にある壁内で、2年以上新たな木粉の堆積や成虫死骸は確認されていません。

ちなみに今回の点検調査では、調査した全住戸でライトトラップにアフリカヒラタキクイムシの捕獲は確認されていません。この案件は小員が対策を実施する以前からアフリカヒラタキクイムシが発生しており、最初の発生から既に10年以上経過しています。一部の資料では、木材中のでんぷん質が変性することでアフリカヒラタキクイムシが食餌することができなくなるとされていますが、10年程度では変性しません。中には8年程度で発生が収まると報告されている方もおられますが、10年以上経過しても発生が続いている事例は多く存在しています。アフリカヒラタキクイムシは初期対応が重要で、誤った対策を実施すると被害が広がるため注意が必要です。発生初年度に正しい対策を実施することが必須で、インターネットに記載されている素人療法は最も危険なのです。

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2020年9月11日 (金)

外部侵入

屋外部薬剤処理 昨日は、以前シロアリ駆除でお世話になったお施主さまからご相談いただきました。2階のキッチン付近でクロアリが徘徊しているとのことからお伺いした次第です。

徘徊しているクロアリを捕獲し同定した結果、室内徘徊種としてよく見られるルリアリでした。タンパク質を好むアリのため、室内に餌を求めて外部から侵入したものと考えられました。キッチンに隣接するベランダを調査した結果、ルリアリの徘徊が確認されました。動きを観察すると、1階から壁を伝わって登ってくる様子が確認されました。

薬剤処理では、これらルリアリの徘徊場所に処理を行いました。ルリアリはタンパク質を好む種類のため、市販のアリ用毒餌剤ではなかなか効果が得られないことが多いようです。これは毒餌剤に含まれる誘引成分の問題で、タンパク質を配合させるのが安定性の問題から困難なようです。そのため、当社でもお問い合わせをいただくアリの中でルリアリは多くなっています。

家屋内にルリアリが侵入するケースでは、壁内に営巣することが多いので注意が必要です。早期に適切な対応をすることが重要です。

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2020年9月 8日 (火)

薬剤処理する場所

重点箇所薬剤処理 昨日は定期害虫管理している、兵庫県内の宿泊レクレーション施設にお伺いしました。いつもお世話になっている施設管理会社さんからの依頼です。

IPM(Integrated Pest Management)の手法で害虫管理を行っており、生息数把握のためトラップ調査を実施しています。トラップ調査結果から、必要に応じて薬剤処理等の対策を実施するシステムとなっています。対策害虫の生息密度の低い場所では半年に1回のトラップ調査を実施しており、過去に対象害虫が確認されたことのある場所では、薬剤の残留噴霧を実施しています。

薬剤残留処理の場所は、外部から資材が持ち込まれることが多い厨房や休憩室などが挙げられます。これら箇所に薬剤処理を行っていますが、薬剤処理だけが害虫対策ではありません。害虫対策で重要なのは環境対策で、害虫の餌や水を如何にコントロールするかが重要です。

そのためには施設管理担当者さんとのコミュニケーションで、環境対策の重要性を説明しています。その結果、対象害虫の目撃事例がない状態を続けていることができています。この状態が継続できるよう、適切な管理を行っていきたいと思います。

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2020年8月31日 (月)

感触

ネジ穴からの薬剤注入処理 右の写真は、先日クロアリ駆除でお伺いした物件で撮影した1枚です。室内に徘徊している種類は事前調査からトビイロケアリであることが判明しています。

トビイロケアリは、腐朽した木材に営巣する種類として知られています。そのため家屋では、浴室周辺での生息が確認されます。これは在来工法の浴室で、浴室内タイルの隙間に割れが生じたため壁内に水が浸入し、壁内木部が腐朽、その腐朽部位にトビイロケアリが営巣するという事例です。

今回の事例では、土台部分が腐朽しその部位にトビイロケアリが営巣したものと判断されました。写真の部位がその腐朽した土台部分の上部にあたる掃き出し窓です。窓枠の螺子を外すと、木部繊維への食い込みが確認されませんでした。薬剤注入を行うと、ノズル先端の感触が明らかに腐朽していました。注入処理を行うと、内部で広がる感触も確認されました。

土台部分は窓枠コーキングの劣化に伴い、雨水が浸入して土台部分にまで到達、腐朽させていました。こうなるとトビイロケアリの駆除も重要ですが、雨水対策も必須です。雨水が浸入する状態であれば、薬剤の流出や分解などで効力が劣化します。短期間で駆除を完了させ、後はハウスビルダーさんに雨水対策を実施していただく予定です。害虫を駆除することも重要ですが、更に重要なのは家を守ることです。そのために何が必要かを考え、お施主さまに提案やアドバイスするにが私たちの仕事であると考えています。

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