2019年7月 8日 (月)

甲虫同定

虫体はチャイロコキノコムシ 右の写真は、いつもお世話になっている住宅管理会社さんから送付いただいた虫体死骸です。

この虫体はチャイロコキノコムシという甲虫で、触角の先端3節が膨大しているため比較的同定し易い種類です。チャイロコキノコムシは、カビを餌としている昆虫です。住宅管理会社さんからの情報では、建物はマンションで雨漏れが確認されているとのことです。どうやら雨漏れに伴って、カビが発生しそのカビを餌としてチャイロコキノコムシが繁殖したものと考えられます。

入居者さまが虫が発生するとクレームがあったとのことですが、チャイロコキノコムシは正の走光性(光に集まる性質)があるため、飛び回り目につくことから大きなクレームになったものと考えられました。

チャイロコキノコムシは殺虫剤で対応可能ですが、カビの発生を抑制することも重要です。腐った木材などを撤去し、雨漏れの修理を行う際に最適な対策を施したいと思います。

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2019年7月 5日 (金)

羽アリの問合せ

トビイロケアリの羽アリ 昨日も前日に引き続き、大阪府内の連棟物件にシロアリ駆除処理でお伺いしました。どの棟も被害が甚大で、一つ一つ丁寧に薬剤注入処理を実施しました。ブログの内容が完全に重複するため、今日は先日いつもお世話になっている建築士の先生からご相談をいただいてお伺いした、大阪府内の物件での事例を紹介したいと思います。

この物件では、今月の上旬に羽アリが発生したため調査のためお伺いしました。その際、まだ羽アリの徘徊が確認されたことから、撮影したのが右の写真です。この羽アリは、クロアリの仲間でトビイロケアリの羽アリです。

トビイロケアリはこの時期に羽アリが発生するため、よくお問い合わせをいただきます。クロアリの羽アリなので特に問題ないと考えるのは早合点で、発生した箇所によっては注意が必要です。クロアリというと土の中に巣をつくると考えるのが一般的ですが、トビイロケアリは朽木などに営巣する種類です。

家屋外で羽アリが発生した場合は、屋外にある朽木から発生したものと考えてよいでしょう。問題は家屋内から発生した場合で、浴室で発生した場合は壁内が腐朽しており、その腐朽部に営巣しています。室内から発生した場合は、雨漏れなどに伴った腐朽がないかどうか点検調査が必須です。腐朽部にはトビイロケアリ以外のクロアリが生息しているケースもありますが、クロアリの種類によってはシロアリと共生する場合もあるため注意が必要です。クロアリだからと安心せず、点検調査を行うことが重要です。点検調査を行った結果、環境改善が必要な事例も多くありますので、専門家に点検調査を依頼されることをお薦めします。

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2019年6月25日 (火)

捕虫数計測

捕虫数計測 右の写真は、アフリカヒラタキクイムシ対策を実施している物件から送付いただいたライトトラップの捕虫紙です。アフリカヒラタキクイムシの発生している物件で、モニタリング(生息数調査)と捕獲を目的にライトトラップを設置しています。

アフリカヒラタキクイムシは光に集まる正の走光性を有していますので、ライトトラップを設置することで捕獲数を調べることができ、家屋内での生息数増減の傾向を確認することができます。薬剤処理や物理的対策を実施した際の、効果確認評価手法として使うことができます。

一般的にアフリカヒラタキクイムシが発生する場所として、合板系フローリングやベニヤやシナなどの合板の壁等ですが、この物件ではフローリングや壁から発生していません。フローリングや壁は針葉樹の無垢が使用されていますので、食性で一致できないアフリカヒラタキクイムシは生育できません。ちなみにこの物件では、土壁の中にある小舞竹にアフリカヒラタキクイムシが生息しています。そのため薬剤処理もできなければ物理的対策もできませんので、捕獲することで交尾個体数を減らすべくライトトラップを設置しています。

当該物件では、発生から満8年、ライトトラップを設置して満6年となりました。設置初年度には年間で500匹を超えるアフリカヒラタキクイムシを捕獲しました。この1年間の捕獲実績は50匹程度とおよそ1/10となりました。この物件は遠方であるためお施主さまにご協力をいただき、捕虫ランプや捕虫紙の交換を行って貰い、捕虫紙を送付いただいています。いまのところ対応できる方法はこの方法しかないため、今後もお施主さまにご協力をいただく予定です。

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2019年6月21日 (金)

リスクとベネフィット

蚊対策で考えるリスクとベネフィット 昨日は一昨年から継続して蚊対策を実施しているマンションにお伺いました。主とした対策は、雨水枡などの水系への幼虫対策です。

この対策を実施するにあたり住民への説明会を実施した際に、薬剤の安全性についての質問をいただきました。薬剤である以上、毒性は必ず有しますが、それは使用量ではなく曝露量の観点から判断すべきであると説明させていただきました。

蚊幼虫対策の場合、止水系もあれば動水系もありますので、使用する薬剤はその環境に合わせて選択していますが当然安全性にも留意しています。それに関わるリスクを考慮した上で、住民への影響を判断しています。

一方、蚊対策を実施しない場合のリスクについても説明させていただいています。蚊媒介感染症としては、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどがあります。その殆どの感染症に根本的な治療法はなく、対処療法が中心となりますので、蚊に刺されないための対策が重要です。

直接刺されないためには、ディートやイカリジンなどを含有する虫よけスプレーが効果的です。但し、長時間に渡って効果を示すものではないため、発生源対策を行うことも非常に効果的である旨などを説明させていただきました。何事にもそうですが、リスクとベネフィットは表裏一体です。リスクを限りなく下げ、最大限のベネフィットを得る工夫をすべきであると私は考えます。

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2019年6月20日 (木)

同定結果

ユスリカが大量に集まった壁右の写真は先日が害虫調査でおお伺いし、撮影した1枚です。いつもお世話になっている住宅管理会社さんの依頼で、調査にお伺いした次第です。

この物件はマンションで、壁面に大量の虫がいて気持ちが悪いとのことです。住宅管理会社さんには常々、害虫対策を実施する場合は必ず発生している害虫の種類を同定し、その生態を考慮して対策を実施する必要があると説明しています。そのため、現地調査依頼をいただき、お伺いしました。現地調査を行いましたが、害虫が見当たらなければ、周辺に死骸らしきものも見当たりません。その旨を住宅管理会社さんに報告し、虫体の採取をお願いしました。

後日、虫体が送付されたことから同定した結果、ユスリカでした。風向きなどで舞い上げられ、この壁に何か誘引原因があり、集まったものと考えられました。

ユスリカは発生源対策となる幼虫対策が効果的です。敷地内に発生源となる汚泥のある水系があればそこが対策ポイントとなるのですが、どうやら発生源は公道に面した水路のようです。これでは対策の立てようがありません。

成虫対策もできるこはありますが、物理的な対策が中心となります。ちなみに薬剤散布はほぼ効果がないのでご注意ください。

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2019年6月18日 (火)

IPMトラップ調査

粘着トラップを用いた生息調査 昨日はいつもお世話になっている施設管理会社さんの案件で、兵庫県内にある宿泊・レクリエーション施設にお伺いしました。害虫管理を実施している物件で、IPMによる害虫管理を行っています。

 IPMとは、Integrated Pest Managementの頭文字の略で、総合的害虫管理と訳されます。事前の調査により害虫の生息場所や生息数などを調べ、対象害虫に有効である様々な防除対策を組み合わせて生息数を管理するという手法です。その主たる調査方法として、粘着トラップを用いた調査が行われます。

調査対象エリアに対して、必要な個数の粘着トラップを設置し、一定期間内に捕獲された害虫数から対策を立案します。1週間前に粘着トラップを設置、今回捕獲状況を確認した結果、いずれも対象となる害虫の捕獲は確認されませんでした。

以前の害虫管理は、対象害虫生息の有無にかかわらず薬剤を散布するのが一般的でした。しかし今では、安全と環境に配慮したIPM管理が主流です。シロアリ分野では、IPM管理の考え方に基づいて対策を実施するところは、残念ながらほとんどありません。当社では、IPM管理の考え方を基本としたシロアリ対策を提案しています。詳細は当該ブログ左サイドの注目リンク『シロアリ駆除・住まいの害虫防除 阪神ターマイトラボ』のホームページをご参照ください。

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2019年6月 9日 (日)

樹脂製敷居レールに確認された虫孔

樹脂製敷居レールに確認された虫孔 昨日は継続的にアフリカヒラタキクイムシ対策を実施している、大阪府内のマンションにお伺いしました。ここ数年、室内側での虫孔やフラス(木粉)の堆積は確認されていませんでしたが、今回和室襖の樹脂製敷居レールに虫孔と木粉の堆積が確認されたとのことです。

この物件ではアフリカヒラタキクイムシが発生して10年近く経過し、小員が調査で入って4年目、具体的な対策を実施して3年目となります。継続的にモニタリングを実施しており、一昨年の実績では年間200匹を超えるアフリカヒラタキクイムシが捕獲されています。室内側に被害がありませんので、発生は壁内と考えられました。

昨年の実績では2桁まで捕獲数を減らすことができていますが、昨年壁内で発生したアフリカヒラタキクイムシが、壁内隙間から襖敷居レール部分へ侵入することも考えられますし、以前から幼虫が生息していて繁殖を繰り返していた可能性も考えられます。いずれにしても敷居レール部分で繁殖していることには間違いありませんので、適切に駆除処理を施しました。

敷居レール部分は樹脂製ですが、アフリカヒラタキクイムシの成虫は簡単に突き破ることができるようです。結構厚みがあるので、あらためてアフリカヒラタキクイムシの能力に関心する次第です。

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2019年5月26日 (日)

壁に小さな穴が

10年以上経過しているのにアフリカヒラタキクイムシは発生しています 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。洗面化粧台の上に木粉の堆積と、その上部の壁に小さな穴が確認されているとのことです。

早速現場で点検調査を実施すると、穴の周辺で徘徊する甲虫が確認されました。携帯型顕微鏡で確認すると、触角の先端2節が膨らみ棍棒状となっていることからヒラタキクイム類であることが判明しました。細かい種類の同定については、生物顕微鏡での同定が必要であるため持ち帰り同定を行いました。同定した結果、外来種のアフリカヒラタキクイムシでした。

この被害に気付かれたのは、昨年末の大掃除とのことでした。木粉に気付かれた段階で、ハウスビルダーさんに連絡し、ハウスビルダーさんから現状のまま保存しておくように現在に至っています。今回この被害部を見た際、小型の甲虫がうごめいていたのでハウスビルダーさんに連絡、小員による点検調査となりました。

家屋内を調査した結果、当該箇所以外に複数の箇所で木粉堆積及び虫孔が確認されました。ちなみにこの物件は、築10年以上経過しています。虫孔の多さは経過年数が経過していることが要因ですが、年数が経過してもアフリカヒラタキクイムシが生息が可能ということに注意が必要です。色々なホームページなどで、年数の経過した物件ではヒラタキクイムシの餌であるでんぷん質が木材中で分解してしまうため、生息できないと記載されているのを見掛けます。しかし、今回の事例や過去の事例にもあるとおり、10年以上経過してもアフリカヒラタキクイムシは継体できるのです。誤った情報を元に対策を考えると、駆除にたどり着けませんので注意が必要です。

ヒラタキクイムシによる被害は、シロアリのように構造材に被害を与える訳ではないので、耐震性に影響を与えることはありませんが、被害が延々と続くため適切な対策を取ることが重要です。安易に被害材へ薬剤を塗布するのは、ヒラタキクイムシ類の生態を考慮していない処理ですのでご注意ください。

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2019年5月24日 (金)

ウッドデッキの蟻道

ウッドデッキに確認されたクロアリの蟻道 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。ウッドデッキに腐朽が確認されるとともに、蟻道が確認されるとのことから点検調査のためお伺いしました。

早速現場で点検調査、その蟻道が右の写真です。この蟻道はシロアリによるものではなく、蟻道が非常に脆いのでクロアリの蟻道です。トビイロケアリやクロクサアリなどが蟻道を作る種として有名です。シロアリの蟻道とは堅さが明らかに違うため、判断は難しくありません。お施主さまからの聞き取り調査では、非常に小さなアリとのことからトビイロケアリの可能性が高いと考えられました。

ちなみにこのウッドデッキは腐朽が進行しているため、交換を予定してます。そのため、この蟻道は放置して構いません。トビイロケアリだとすれば、ウッドデッキに影響を与えるものではありませんので、薬剤処理の必要はないのです。悪質なシロアリ防除業者の中には、クロアリの蟻道を見てシロアリの蟻道なので今すぐ薬剤処理しないといけないと工事を勧める業者がいますのでご注意ください。

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2019年5月23日 (木)

発生初期

蚊対策薬剤処理 まだまだヤマトシロアリの羽アリのお問い合わせのある時期ですが、ヒラタキクイムシやゴキブリ、蚊にクロアリのお問い合わせをいただく時期となりました。昨日は継続的に蚊対策を実施している兵庫県内のマンションにお伺いしました。

このマンションでは対策を実施する以前は、蚊が非常に多く発生していました。丁度、デング熱の問題が起きたため対策の依頼を受け実施し、現在に至っています。対策期間は5月から10月の6箇月間で、蚊の発生源である排水ピットなどを中心に薬剤処理を実施しています。昨年の実績では、蚊を殆ど見かけることがなく、住民の方に喜んでいただいています。

今年も継続することとなり、薬剤処理を実施しました。蚊はデング熱以外に、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどを媒介します。訪日外国人や海外旅行者が増加しており、いつ国内に流入するかわかりません。きっちりと蚊の対策を行うことは非常に重要なのです。

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