2019年1月15日 (火)

虫体同定

掃除機で採取した虫体死骸頭部 右の写真は、先日シバンムシアリガタバチの発生が確認された物件で採取した虫体死骸の一部です。掃除機にフィルターを取り付け、ゴミを採取、そのゴミを液中に分散させて確認しました。

これは虫体頭部の写真で、触覚の形状からタバコシバンムシと判断しました。よく似た種としてジンサンジバンムシがありますが、触覚に特徴がありますので、判定は容易です。

ちなみにこの死骸頭部は和室畳の隙間から採取されました。タバコシバンムシの生息場所として畳の可能性が高いものと考えられました。対策として畳を中心に組み立てたいと思います。

薬剤を撒くことを前提にすると、処理箇所を絞り込みことはできませんが、対象害虫の同定を行うと処理箇所が絞り込むことができます。そうすれば、無駄な薬剤を撒くことはありませんし、無駄な費用もかかりません。IPM管理で行えば、虫体採取、同定から始まるのです。

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2019年1月12日 (土)

虫体採取

虫体採取 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。昨年末に虫体死骸を送付いただき、シバンムシアリガタバチであることが判明しています。

シバンムシアリガタバチは人を刺し、刺されるとアレルギー反応により、腫れと痛みを生じるため防除対象となる家屋害虫です。シバンムシアリガタバチは、シバンムシ類の幼虫に寄生しますので、その宿主から対策が必要です。今回はその宿主の種類の特定と、生息場所の特定のためお伺いした次第です。

サンプリングには捕集フィルターを取り付けた掃除機で、吸引捕集を行いました。虫体の採取は困難かもしれませんが、触覚など一部でも採取できれば種別が判定可能です。種類が特定できれば、対策が可能となります。害虫だから薬剤を撒くというのではなく、対象害虫の種類と生息場所を特定した上で対処するのが、プロの仕事だと私は思います。

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2018年12月29日 (土)

放置木材の下で

土中巣系から発生するサクラアリの羽アリ 右の写真は、先日シロアリ調査のためお伺いした物件で撮影した1枚です。少し小さく見えにくいのですが、写っているのはサクラアリとその羽アリです。

サクラアリは非常に小型のアリで、よくトビイロケアリやキイロシリアゲアリなどと間違えられますが、特徴としては晩秋に羽アリが発生させる種類のクロアリです。

シロアリ調査では床下のシロアリ被害などを調査しますが、その際床下土壌表面に放置された木材も調査します。シロアリからすれば、コロニーから調節到達可能な餌場として好都合です。そのためシロアリ調査では放置木材も調査しますが、今回はその木材の下でサクラアリの活動が確認されました。

今回のケースでは地中に営巣しており、このようなケースでは特に問題はありません。問題となるのは、壁内に営巣するケースです。サクラアリの発生が確認されたケースでは、発生源を調査しその結果を元に対策を立てることが重要です。

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2018年12月25日 (火)

困難な同定

セロハンテープに貼りつけられた虫体の同定は困難です 右の写真は、いつもヒラタキクイムシ対策を実施いている物件のお施主さまから、先日送付いただいた虫体です。

昨年の夏頃に室内で大量発生したようで、セロハンテープにつけて送付いただきました。見た目にクロアリであることはわかりますが、細かい同定はできません。セロハンテープで貼りつけられていると、腹柄節や腹部腹面など同定のキーとなる箇所に確認が困難であることが理由です。

セロハンテープを溶かしてクロアリの取り出しを試みましたが、残念ながら分解してしまい同定不可能となりました。同定可能な範囲での判定では、トビイロケアリではないかと考えられました。

トビイロケアリであれば、壁内に営巣している可能性があるため、今後のクロアリの動きをお施主さまに確認調査をお願いし、必要の応じて対策を講じたいと思います。

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2018年12月24日 (月)

しぶとく

ライトトラップ捕虫紙検定 右の写真は、今シーズンのライトトラップモニタリングが終了した捕虫紙で、先日お施主さまから送付いただきました。外来種であるアフリカヒラタキクイムシの発生が確認されている物件で、ライトトラップを設置してモニタリングを実施しています。

設置期間は春からの半年間で、対策初年度は数十匹のアフリカヒラタキクイムシ成虫が捕獲されましたが、ここ数年で減少傾向となり、昨年は1匹の捕獲でした。今季は捕獲数0を期待したのですが、残念ながら昨年同様捕獲数1でした。室内側での被害や成虫目撃事例はありませんが、まだ壁内等見えない箇所でも発生が考えられます。

この物件では、お施主さまとハウスビルダーさんの相談された結果、被害部の撤去及び交換が実施されました。しかしながら、室内側で複数の成虫が確認されたため、当社にご相談をいただいた次第です。ポイントとしては、被害部にはダイレクトに薬剤処理を行い、その他の場所へは薬剤曝露リスクを考慮して行っていません。お施主さまのご希望もあり、必要最小限の薬剤対策に組み合わせてライトトップによるモニタリングを実施しています。なおライトトップには、モニタリングと併せて捕獲という対策を兼ねています。

本年度の結果から、ライトトラップによるモニタリングが次年度も継続する必要があります。室内側で成虫や成虫脱出孔が確認されなくなったから駆除が完了したと判断するのは危険で、適切なモニタリングが必要です。室内側での被害がなくても、成虫が確認される事例は多くあります。安易な部材交換や薬剤処理は対策として不適で、無駄な費用が重なるばかりです。アフリカヒラタキクイムシ対策はモニタリング結果から、生態と生息域を考慮した上で対策を立てることが必須です。アフリカヒラタキクイムシ対策は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参照ください。

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2018年12月14日 (金)

想定活動域薬剤処理

螺子穴を利用した壁内注入処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、サクラアリ駆除のため大阪府内の物件にお伺いしました。先日調査を実施した物件で、駆除依頼を頂いたことからお伺いしました。

サクラアリは壁の隙間から徘徊しており、想定活動域及び営巣場所は壁内と判断し、壁内に対して薬剤処理を行いました。

壁内については穿孔して薬剤処理を行いますが、躯体への影響や見栄えも考慮して可能な限り小径の穿孔を行うとともに、見栄えで問題とならない箇所に穿孔を行います。写真のように螺子穴を活用するのも手段の一つです。

薬剤の効果が発揮できるようサクラアリの活動域に処理できれば、駆除はできますがポイントは薬剤の選択と工夫です。結果が得られるまでには少し時間を要しますが、駆除は完了できるものと考えられました。但し、駆除処理に完璧というのはあり得ませんので、今後の状況を見て必要に応じて追加の対策を行いたいと思います。

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2018年12月11日 (火)

トラップ調査

粘着トラップによる生息調査 昨日は、害虫対策をIPM管理で実施している兵庫県内の宿泊・レクレーション施設にお伺いしました。

IPM管理では、基本的にトラップ調査を実施し、その調査結果に基づき発生防止のための必要な措置を講ずることにしています。当該施設では清掃の行き届き状態や立地環境から、ゴキブリ等衛生害虫の捕獲は確認されていません。

これまでに捕獲されていないことから、管理は指針に従って6ヶ月毎にトラップ調査を実施しています。当社で対応する以前は、他の害虫防除業者が薬剤処理による管理が行われていたそうです。薬剤処理後の臭いの問題や濡れの問題など、管理担当者はかなり不満を持たれていたとのことでした。

IPM管理になってからはこのような問題もなく、大変喜ばれています。既に害虫防除分野ではIPM管理が標準となっていますが、シロアリ分野では未だに薬剤の大量散布が当たり前となっています。当社では害虫防除でもシロアリ防除でも、IPM管理を原則に対策を実施しています。詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参考ください。

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2018年12月10日 (月)

虫体同定

シバンムシアリガタバチ 右の写真はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの送付いただいた虫体です。夏によく見かけるとのことから、同定依頼をいただきました。

この虫体は体長2mm程度と小型で、一見するとクロアリの仲間のように見えますが、触角がクロアリとは異なります。腹部には産卵管もあり、この虫体はアリによく似たハチでアリガタバチ科のシバンムシアリガタバチであると判断されます。

乾燥食品や畳などの害虫であるシバンムシ類の幼虫に寄生する天敵ですが、人を刺すため家屋内では害虫となります。特に刺されると痒みは強烈で、腫れや痒みが1週間以上続くこともあります。

対策としてはシバンムシアリガタバチの幼虫対策とともに、シバンムシ類幼虫の対策を行う必要があります。小型のアリによく似ているため、初夏にかけてサクラアリの羽アリと勘違いされる方も多いので、間違えないよう注意が必要です。なかなか素人で対策は困難ですから、技術の確かな害虫駆除業者さんに依頼されることをお薦めします。

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2018年11月28日 (水)

想定生息域処理

想定生息域処理 昨日は、先日サクラアリ調査でお伺いした兵庫県内の物件にお伺いしました。この案件は、以前シロアリや害虫対策でお世話になったマンションのオーナーさまからの依頼で、サクラアリ駆除が目的ですが、調査から少し日を置いての施工としています。

入居者さまにサクラアリがどの範囲で活動しているかの確認のため、数日間調査頂きました。薬剤処理については、その活動範囲から想定される室内活動域に対して、薬剤処理を施しました。

わざわざ調査から1週間時間を置いたのは、入居者さまがサクラアリの徘徊箇所に市販の殺虫スプレーを噴霧したためです。これら殺虫スプレーの有効成分の多くは、合成ピレスロイド系殺虫剤であり、強い忌避性を有しています。殺虫に至らない極めて微量の薬剤量であっても忌避性は発揮されるため、活動域に変化をもたらすのではないかと考えたためです。

多少影響はあったようですが、小員の実施した殺虫処理は効果を示してくれるものと考えます。薬剤はその特性を生かした使い方をしなければ、折角の効果が台無しです。プロと呼ばれる害虫駆除業者の中には、マニュアルに従った処理を行い薬剤の特性を生かしていない処理を行う場合がありますのでご注意ください。

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2018年11月25日 (日)

処理箇所では発生が確認されていません

発生の収まった壁内 昨日は住宅管理会社さんからの依頼で、大阪府内のマンションにアフリカヒラタキクイムシ対策でお伺いしました。継続的に点検調査及び対策を実施している案件です。

相談頂いたのは数年前で、その時点でかなり被害が広がっており、一部の部屋ではフローリングなどの被害部が何度となく交換されていたようです。

アフリカヒラタキクイムシ対策として化学的対策と物理的対策を組み合わせ、フローリングからの発生を抑制することができました。しかし、天井裏に設置したモニタリング用ライトトラップには未だアフリカヒラタキクイムシの捕獲が確認され、壁内等見えない箇所で発生しているものと考えられました。

そこで発生想定箇所である壁内に点検口を新設し内部を点検調査した結果、大量のフラス(木粉)の堆積と死骸が確認されました。今シーズン中盤にはこの壁内について、化学的対策と物理的対策を組み合わせて処理を行いました。その結果、ほぼフラスや死骸は確認されなくなりました。但し、ライトトップには前年度よりも捕獲数は大きく減少したものの、まだ捕獲は確認されていることから他に生息箇所があるものと考えられました。

アフリカヒラタキクイムシは目視範囲で発生が収まったからと言って、駆除が完了したと判断するのは危険です。必ず、モニタリング調査結果を元に判断することが重要です。これはシロアリやクロアリなど室内で発生する害虫にも言えることですのでご注意ください。

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