2023年12月 4日 (月)

再発しやすい種類

侵入経路薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。先々月に調査を実施した物件で、室内にサクラアリが侵入している案件です。

サクラアリは小型のアリで、晩秋から初冬にかけて羽アリの発生するのが特徴です。小型のアリのためトビイロケアリなどとよく間違えられますが、トビイロケアリは初夏に羽アリが発生するため明確な違いとなっています。

この物件では屋外側から侵入が確認されており、テラス部分から掃き出し窓の隙間から侵入していました。薬剤処理は侵入経路を中心に処理を実施しました。

サクラアリは経験上、再発しやすい種類のアリとなっています。元々生息数の多いアリであり、再発ではなく、別のコロニーが侵入するケースもあります。

羽アリ時期が晩秋以降のため、活性が低くなる時期となるため、薬剤が効率的に効きにくいことも理由の一つです。特に来春の状況を確認しながら、再処理が必要かどうか判断したいと思います。

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2023年11月21日 (火)

壁内注入処理

壁内注入処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。この物件では先月羽アリの発生が確認されたことから、前回調査を実施しています。

発生した羽アリは、晩秋から初冬にかけて羽アリの発生するサクラアリです。室内側で調査を行うと、室内側でも徘徊が確認されました。小型のアリで徘徊場所が比較的濃い色の場所だったことから、徘徊に気付き難かったようです。

薬剤処理はサクラアリの活動域に対して実施しており、写真はその1つです。壁内で徘徊し壁面隙間から室内側に侵入していることから、壁内に対して薬剤処理を施しました。無駄な穿孔処理跡を残さないため、手摺の螺子穴などを使用して壁内に対して拡散処理を行いました。

これら以外にも薬剤処理を実施していますが、サクラアリの活動範囲に応じて最適な薬剤を選択、効果的な処理濃度と処理量で処理を行っています。サクラアリは1度の処理で収まらない場合もありますので、注意深く経過観察したいと思います。

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2023年11月 8日 (水)

連日

侵入経路薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。室内にトビイロケアリの徘徊が確認された案件での駆除処理です。ここのところ連日クロアリの案件が続いています。

この物件では前回点検調査を実施しており、床下側ではトビイロケアリの活動は確認されませんでした。調査結果から屋外側から、掃き出し窓隙間から家屋内に侵入したものと考えられました。

薬剤処理は屋外を中心に処理を行うとともに、一部床下側でも処理を行いました。当該事例では床下の換気状態も良好、雨漏れなども確認されなかったことからこの処理範囲となりました。

トビイロケアリは腐った木材に営巣する生態を持つクロアリで、室内側で在来の浴室土台など腐朽の進行した箇所で見られます。よくセミナーでの質疑応答で、防除業者から『どの薬剤が有効か』と聞かれます。これは撒けばよいという単純な発想で、当社とはそもそものコンセプトが違います。

クロアリの種類を特定し、その生態と照らし合わせどのように活動しているかを把握、建物の状況を加味します。そこからどの薬剤が良いか、濃度と処理量を最適化して処理を行うのが当社のスタイルです。最初から薬剤を決めて処理をするのは、ナンセンスとしか言いようがありません。

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2023年11月 7日 (火)

クロアリの羽アリ

床下で徘徊するサクラアリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。室内でクロアリの羽アリが発生していることから、同行しました。

室内で発生した羽アリは、お施主さまが保管いただいていたので同定しました。羽アリはこの時期に発生するサクラアリの羽アリでした。小型のアリで、11月~12月に発生するのが特徴です。

床下側から点検調査を実施した結果、布基礎と土間コンクリートの接合部の隙間から発生している様子が確認されました。お施主さまは床下がコンクリートなので、サクラアリが発生するなどと思ってもみなかったとのこと。

サクラアリは石の下や地中に営巣する生態のアリですので、土間コンクリートの下は格好の営巣場所です。餌と水をどこかで確保できれば、外敵もなく快適な営巣場所と言えるでしょう。

適切な駆除処理で十分対応可能ですが、お施主さまにはサクラアリの餌となるものの整理整頓清潔清掃をお願いしました。食べ物は放置しないのが原則で、粉末状の調味料や菓子類なども密閉容器に保存することが重要です。

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2023年10月28日 (土)

室内で確認された甲虫

ジンサンシバンムシ 昨日はいつもお世話になっている建築士の先生と打ち合わせでした。新築物件でシロアリ対策をどうするのかといった内容の打ち合わせでした。

打ち合わせ終了後、建築士の先生の知り合いの方から虫を預かったので見て欲しいとのこと。打ち合わせ用鞄には簡易顕微鏡が入っていることから、その場で同定を行いました。

所持されていた虫体はジンサンシバンムシで、家屋内でよく見つかる甲虫です。シバンムシ類は今回確認されたジンサンシバンムシ以外に、タバコシバンムシも確認されます。いずれも貯蔵食品害虫としてよく知られる種類の甲虫で、この2種の同定のポイントは背面と触覚とです。タバコシバンムシは背面に光沢があり、鋸歯状の触角となっています。ジンサンシバンムシは背面は短毛で覆われ細かい縦線があり、触角の先端3節が大きくなっています。

穀類や粉類、菓子類など乾燥した植物質を食害することから、これらの管理が重要となります。密閉できるポリ袋などは食い破るため、密閉できるプラスチック容器に保存することが重要です。薬剤による対策は、あくまで対処療法ですので過剰な期待は禁物です。基本は整理整頓清潔清掃が必須です。

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2023年10月25日 (水)

床下点検調査が必須

発生したのはオオハリアリ羽アリ 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。室内で羽アリの発生が確認された物件での案件です。

現場で羽アリ死骸を採取し簡易顕微鏡で確認した結果、オオハリアリの羽アリと判明しました。オオハリアリは肉食性のアリで、シロアリの天敵とされています。そのため、オオハリアリの羽アリが確認された場合、床下点検調査は必須であると説明させていただいています。

問題はこの物件の床下構造で、布基礎+土間コンクリート構造となっています。この構造では布基礎と土間コンクリートの接合部にクラックが発生、その部分がシロアリの侵入経路となるケースが殆どです。

但しこの物件では更なる問題がありました。それは床下の高さが非常に低く、床下から大引までの高さが15㎝以下のため床下に侵入することはできません。こうなると複数の場所に床下点検口を設置するしかないようです。

床下の高さがなくなった理由として、建築士の先生が安易なシロアリ対策として土間コンクリートを採用したことに起因します。土間コンクリートを打設したいのであれば、打設する土間コンクリートの厚み部分の土を撤去した上で打設しなければならなったのです。土を撤去せずそのまま配筋し土間コンクリートを打設したため、侵入経路が出来上がったのです。

シロアリの天敵であるオオハリアリが生息していれば、シロアリは駆逐されるのではと考えられる方がおられるようです。しかし、オオハリアリも駆逐してしまうと餌(シロアリ)がなくなると困りますので、適度に捕食するだけでシロアリは駆逐されませんのでご注意ください。

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2023年10月24日 (火)

今季最終処理

幼虫生息域対策 昨日は兵庫県内のマンションにお伺いしました。継続的に蚊対策を実施している案件で5月スタート、月に1回の処理で年間6回の実施、今月が最終月となっています。

当社の蚊対策の基本は予防を主とし、幼虫生息域対策のため排水経路を中心とした水系に対して薬剤処理を実施しています。10月上旬は25度を超える気温が夏日もありましたが、ここにきて最低気温が15度近くまで下がりひんやりしてきました。そのため温度に対して敏感なヒトスジシマカの活性は、大きく低下し目撃事例も少なくなりました。温帯域に生息するチカイエカやアカイエカはまだまだ活動中で、処理中にも飛来が確認されました。他の敷地と隣接する部分で蚊の目撃事例が多く、敷地外で多く繁殖しておりそれらから飛来してくるものと考えられました。建物中心部では目撃事例がほぼ無い状態であることから、住民の往来の多い箇所では蚊は確認されておらず、一定の効果が得られているものと考えられました。

当該マンションでは当社の蚊対策は高い評価をいただいており、次年度の対策も継続となりました。次年度も蚊の抑制が継続できるよう、きちんと対応したいと思います。

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2023年10月23日 (月)

困難

ガの同定は困難 右の写真は先日は、いつもお世話になっているハウスビルダーさんから預かった虫体の写真です。大工さんの家で確認されたとのことです。

この虫体はガであることはわかりましたが、細かい種類の同定は非常に困難です。ガを同定するには翅の斑紋、部の鱗毛の状態と下唇鬚、交尾器などで行いますが、まとめて図示したものがなく専門書の入手が必要です。おそらく、イガなどのヒロズコガ類ではないかと考えられました。これら種類のガは羊毛などの動物質繊維を食害するため、これら対策が必要となります。

ちなみにガもチョウも分類の上では同じ鱗翅目(りんしもく)という種類に該当します。あえて違いを言うならば、ガは一般に走光性が強く夜行性で、休むときは翅を重ねて屋根型にしたり、開いて広げるものが多く、チョウのように重ね合わせて垂直に立てることは少ないようです。また、触角は羽毛状、櫛歯状、糸状などいろいろあって、糸状の先がふくらんで棍棒状をしたチョウとは違いがあるそうです。

世界の昆虫類は高等植物より3倍以上の75万種類もあり、そのうちガの仲間が20万種とも言われ、チョウの2万と比べ10倍以上の多さとなっています。ちなみに、日本で確かめられているチョウは200種程度、ガはその50倍の1万種が確認されているそうです。この数の多さが同定を困難にしている理由の一つです。

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2023年10月15日 (日)

室内侵入種

室内侵入種はサクラアリ 昨日は室内にクロアリが侵入するという、大阪府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、勝手口からキッチンにかけて徘徊しているとのことです。

早速現場を確認すると、小型のアリが徘徊していました。アリを捕獲し、小型顕微鏡で同定した結果、サクラアリでした。アブラムシが出す甘露を好みますが、基本的には雑食性です。

市販のクロアリ用毒餌剤の多くはサイズが大きいため、運ぶのが困難なようです。アリメツのような液状の毒餌剤が効果的な場合もありますが、他に餌があればわざわざ毒餌剤を食べることはありません。毒餌剤を設置する際のポイントはここで、徹底的な餌の排除が必須です。

一旦これらの話しをお施主さまにさせていただきましたので、当面お施主さま自身で対策されるとのこと。但し、毒餌剤を喫食しないケースもありますので、その場合は当社で対策を実施することとなりました。

この時期にサクラアリの徘徊がある場合、近いうちに羽アリが発生する可能性が高いものと考えられます。サクラアリの特徴の一つが羽アリに発生時期で、10~12月に発生します。その他の時期であれば、他の種類のクロアリですので間違えないようご注意ください。

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2023年10月13日 (金)

想定侵入経路処理

ゴキブリ想定侵入経路処理 昨日は兵庫県内の物件に、ゴキブリ対策でお伺いしました。継続的にゴキブリ対策を実施している物件で、以前お住いされていた家屋から引き続いて対策を実施しています。

この物件で確認されているゴキブリは、大型種のクロゴキブリです。室内側で繁殖している訳ではなく、屋外側から侵入しているものと判断しています。対策としては屋外側での薬剤処理を基本としており、想定侵入経路に対しては適切な薬剤処理濃度と処理量で処理を行いました。

クロゴキブリは屋外で生息しているケースが多く、都市部では下水経路に多く生息しています。こられ箇所から家屋へ侵入しますが、どこに処理すれば効率的なのかを考えて処理することが重要です。ゴキブリ対策を実施する上で環境対策は必須で、この物件ではお施主さまに4S(整理整頓清潔清掃)のご協力をいただいています。

そのため屋外での薬剤処理は効果的で、屋外ではこれまでに複数のゴキブリ死骸を確認されているとのこと。ちなみに室内側ではゴキブリの死骸は確認されていないとのことから、対策として十分な効果が得られているようです。

 

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