2025年5月20日 (火)

侵入し難い構造

シロアリ被害のない床下 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。

築10年が経過した物件で、お施主さまからシロアリ対策についてご相談をいただいたことからシロアリ調査でお伺いした次第です。

床下側から点検調査した結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。

ベタ基礎構造であり配管も基礎立上りから出されているので、構造面から見てもシロアリが極めて侵入し難い構造と言えます。

点検調査結果をお施主さまに報告、薬剤処理ではなく定期的な点検調査で対応可能な旨を報告させていただきました。

お施主さまからの聞き取り調査で、知人から新築から10年経過したのだから薬剤処理しなきゃ駄目と言われたそうです。おそらく知人の方は、シロアリ防除業者の説明で薬剤処理しないと大変なことになると言われたのでしょう。

保証期間が切れたからといって、薬剤処理は必須ではありません。シロアリ技術者であれば床下点検調査結果から、薬剤処理が必須なのか点検調査で対応可能なのかの判断を適切に行います。

薬剤処理ありきで話しをするのは、シロアリ防除業者の都合です。床下に潜っての点検調査を無料で実施するため、こうした費用を回収するため薬剤処理を勧めるのは一般的なシロアリ防除業者としては当然であるシロアリ被害などは関係ないのでしょうね。

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2025年5月19日 (月)

ライトトラップ再設置

ライトトラップ再設置 昨日は大阪府内の物件に、アフリカヒラタキクイムシ対策でお伺いしました。

いつもお世話になっている設計事務所の先生の案件で、数年前にアフリカヒラタキクイムシが発生し、相談をいただいて以降対策を実施しています。

木粉の堆積は2階押入壁面で発生し、虫体が外来種のアフリカヒラタキクイムシであることを確認しました。

中古物件をリフォームし、おそらくその使用された材料に生息していたものと考えられました。

被害範囲は狭かったものの、被害部及び生息可能な周辺の材料の撤去を指示しました。復旧時には部分的に薬剤処理を実施しています。

壁内等見えない場所で繁殖している可能性が考えられることから、天井裏や小屋裏にライトトラップを設置しました。

これはアフリカヒラタキクイムシの正の走光性(光に集まる性質)を利用したもので、繁殖していればライトトラップに捕虫され、生息判定が可能となります。昨年の晩秋に一旦ライトトラップを回収しています。その際の捕虫状況としては、捕獲数ゼロとなっています。捕獲数が2年続けてゼロでしたので問題ないと判断はできますが、お施主さまが念には念を入れたいとのことから今回の設置となりました。

昨年ある物件でのアフリカヒラタキクイムシ対策を担当させていただきましたが、ハウスビルダーさんにライトトラップの設置を推奨したものの梨の礫です。持ち家のお施主さまは念には念を入れるのに対して、ハウスビルダーさんは費用が嵩むのが嫌なのかして対応しない、これが現状なのです。

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2025年5月18日 (日)

赤い虫

カベアナタカラダニ 右の写真は羽アリの発生に伴い、先日シロアリ調査でお伺いした現場で撮影した1枚です。

壁に赤い虫が這いまわっており、羽アリの発生と併せて調査して欲しいとのことです。

この赤い虫は、カベアナタカラダニです。春に卵から孵化し、5月になると成ダニが出現するため、この時期によく見かけます。

屋上や壁面の隙間や割れ目に産卵しますが、成ダニは産卵後に死亡します。そのため7月以降はほとんど見られなくなります。

ダニで体色が赤のため、吸血していると思われがちですが、花粉や昆虫を摂食する雑食性です。

そのため人を刺したり噛んだりすることはありませんが、潰すと赤い体液が皮膚に付着します。洗濯物にも徘徊するため、誤って潰してしまうと赤い体液がつきすぐに洗濯しないと赤色が消えなくなるため注意が必要です。

ダニ用殺虫剤は効果がありますが、殺虫剤に共通する『直ぐには死なない』という特性から大量に使用しがちになりますので注意が必要です。ちなみに、長期にわたってタカラダニに効果が期待できる薬剤はありません。それよりも大量発生した場合は、水で洗い流すほうが安全で簡単です。これら事項を、お施主さまとハウスビルダーさんに説明させていただきました。

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2025年5月17日 (土)

玄関で発生した羽アリ

玄関羽アリ発生箇所 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

玄関周辺で羽アリが発生したことから、シロアリ調査でお伺いした次第です。

お施主さまからの聞き取り調査では、羽アリは玄関から上がった部屋にある窓のカーテンに群がっていたとのことです。

これはヤマトシロアリ羽アリの正の走光性(光に集まる性質)によるものです。

這い出てきた箇所については、右の写真にある玄関壁面の隙間とのことです。

床下側から点検調査した結果、侵入可能範囲についてシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。

問題はこの玄関周辺が侵入できない構造になっていることです。元々駐車場であったところに部屋を増設し、一番手前に玄関を新設しています。

床下側から確認すると部屋となった旧駐車場部分は、換気口から確認はできます。しかしこのゾーンには被害が確認されていません。この玄関横の部屋は完全に点検ができない構造です。

点検口を新設する方法もありますが、スペースは2帖程しかないためこの状態で処理は可能です。少し工夫が必要ですが、費用を抑制して対策を実施したいと思います。

 

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2025年5月16日 (金)

年間定期防除

排水桝への薬剤処理 昨日は蚊対策のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。

この物件はマンションで、7年前から実施しています。

毎年5月を開始月、月1回の防除、10月終了月の年間6回の計画定期防除となっています。

対策のベースは幼虫対策で、蚊の幼虫であるボウフラの生息域である排水桝などの水系に対して薬剤処理を実施しています。

今年は気温の高い日があるものの、比較的低温の日もあることから、まだ蚊は確認されていないようです。

しかし対策を実施しないと、大量の蚊の生息場所となるため対策を実施するに越したことはありません。

この地域では過去にデング熱が流行したこともあり、対策実施に至った経緯があります。デング熱を媒介するのはヒトスジシマカで、発生時期はもう少し季節が進んだ時期になると見られます。ですので早めの対策が非常に有効です。

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2025年5月15日 (木)

定期点検調査

有料床下点検・シロアリ調査 昨日は床下点検及びシロアリ調査のため、兵庫県内の物件にお伺いしました。

この物件は10年前に点検調査を実施した物件で、その際シロアリ被害、侵入及び生息は確認されていません。

今回10年振りの点検調査でしたが、今回も前回同様シロアリの侵入等は確認されませんでした。

床下はコンクリートとなっていますが、基礎が一体化されたベタ基礎ではありません。

布基礎の内側に土間コンクリートを流し込んだ構造のため、布基礎と土間コンクリートの接合部に隙間があるため、シロアリの侵入リスクはあります。

隙間があれば必ず侵入するという訳ではなく、当該事例のように侵入していないケースもあります。重要なのは点検調査により、早期発見に努めることが重要です。

薬剤を大量散布すればシロアリの侵入リスクは低減できるかもしれませんが、薬剤曝露リスクは確実にあがります。費用も薬剤処理では十数万円になるケースが多く、点検調査では数万円で済みます。点検調査のサイクルについて当社では決めておらず、お施主さまの要望に対応しています。

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2025年5月14日 (水)

新築防腐防蟻処理

新築建築中物件の玄関周辺 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

新築中の物件で、防腐防蟻処理でお伺いした次第です。

新築防腐防蟻処理ですので、原則として協会仕様書に準じた処理となります。

これは建築基準法施行令で規定されているため、施工を行うことが前提となります。

しかし近年の家屋はベタ基礎ですので、シロアリは極めて侵入し難い構造となっています。

実際にベタ基礎構造でシロアリが侵入している事例の多くは、玄関周辺での侵入となっています。

その多くがコンクリート接合部となっています。コンクリートは一体化しないと、防蟻構造とは言えません。

一旦固化したコンクリートに、コンクリートを接着させようとしても一体化しません。セメントに砂や水を加えてモルタルを作りますが、固まるのは化学反応であり乾燥して固まる訳ではありません。

固化したコンクリートにモルタルを接着させても、物理的に接着しているだけにしか過ぎません。シロアリはこの物理的接着部の隙間から侵入します。この物件では、ベタ基礎の屋外側には化粧モルタルが施工されます。可能な限り丁寧な処理をして欲しいところです。

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2025年5月13日 (火)

和室で確認された羽アリ

床下放置木材に確認された被害及び群飛孔 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

和室で羽アリが確認されたとのことから、シロアリ調査でお伺いした次第です。

発生した羽アリはヤマトシロアリで、発生した和室内にシロアリ被害は確認されませんでした。

床下側から点検調査を実施した結果、床組にシロアリ被害や侵入は確認されませんでした。

しかし床下に放置された木材にシロアリ被害が確認されるとともに、被害部に群飛孔(羽アリの出口)が確認されました。

おそらくこの群飛孔から発生した羽アリが、床板の隙間などから室内側へ出てきたのではないかと考えられました。

当該事例の現象は、薬剤大量散布後でよく見られます。薬剤大量散布すると、シロアリが駆除できると考えているケースが多く見られます。これが間違いで直接薬剤と接触したシロアリは致死しますが、多くの薬剤は忌避のよって逃亡します。

薬剤が分解消失すると、地中にあるコロニーから再侵入する事例があるのです。シロアリ駆除を理解しておらず、薬剤大量散布に頼る業者が多すぎます。業者によっては保証期間が過ぎて以降にシロアリが再侵入するのを歓迎することもあり、一体何を考えているのかと思うこちが多々あります。

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2025年5月12日 (月)

非破壊シロアリ探知機点検調査

非破壊シロアリ探知機点検調査 昨日は基礎外断熱構造物件での、シロアリ点検調査でした。

この物件は17年前、基礎外断熱部分から大量の羽アリが発生した物件です。

壁面サイジング下を部分的に撤去、シロアリ被害は壁内木部の一部にまで広がっている様子が確認されました。

基礎外断熱の上端をカッティング、薬剤処理をカッティング面と壁面の両面から対応しています。

基礎外断熱構造ですので、室内や床下側への薬剤処理は厳禁です。揮散した薬剤や有機溶剤が室内側へ流入し、お住いの方が長期にわたって曝露することが理由です。

予防処理として基礎際に対して土壌灌注処理を行う方法もありますが、家庭菜園されていることもあり点検調査を主体とした対策を実施しています。

点検調査として建物外周部にシロアリ監視ステーションを設置し、点検調査を実施しています。また非破壊シロアリ探知機を用いて、基礎面の点検調査を実施しました。

特に侵入リスクが考えられる、基礎外断熱面のカッティング未実施部分については入念に点検調査を実施しています。敷地内にはシロアリの生息は確認されていますが、基礎外断熱内への侵入は確認されておらず良好な状態を継続できています。

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2025年5月11日 (日)

ムース状薬剤注入処理

Extermination1014 連日、ヤマトシロアリの羽アリが発生した物件での調査が続いています。

その合間を縫ってシロアリ駆除処理も同時進行しています。

右の写真は、玄関で羽アリの発生した物件でのシロアリ駆除処理の様子です。

この物件は建物半分が逆ベタ基礎(土間床)構造で、残り半分がベタ基礎転ばし床構造です。

ですので家屋側に薬剤処理は不要です。玄関の地中にあるシロアリのコロニーを適切に駆除することが重要です。

今回採用した方法は、薬剤をムース状にして玄関石板下の土壌に対して処理する方法です。

この方法では玄関石板と土壌との僅かな隙間に対して、ムース状薬剤が充満させます。液状薬剤では水平方向への拡散が弱く、薬剤の流入方向に偏りが見られます。

ですので当社では、薬剤をムース状にして注入する方法を採用しています。薬剤はその特性を生かせるものを選択すればよいのですが、隙間の体積を考慮する必要があります。殺虫成分をどれだけの量を処理するかがポイントであり、決められた量しか撒けない業者には使えない代物です。

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