2023年10月31日 (火)
2023年10月30日 (月)
床板補強
右の写真は、先日シロアリ駆除でお伺いした現場で撮影した1枚です。この物件では、増築部分に床下点検口がなかったことから、いつもお世話になっているハウスビルダーさんにお願いをして床下点検口を新設いただきました。
増築部分はつくりがいい加減で、基礎にはコンクリートブロックが使用されておりシロアリ侵入リスクの高い構造でした。案の定シロアリが侵入しており、基礎面に蟻道を構築している事例もあれば、コンクリートブロック接合部の隙間から侵入している事例もありました。
増築部分はフローリングとなっており、床下点検口の設置場所は動線の近い場所にしかありませんでした。そのため、このハウスビルダーさんは動線からわずかに外して設置していただきました。そうなると、床下点検口設置個所と動線が極めて近いため、動線上は少したわんでしまう状態でした。
そのためこのハウスビルダーさんでは、当該動線の床下部分から補強材を入れてくださったのです。きちんと家のことを考慮しているからできることであり、お施主さまにご紹介してよかったと思っています。
フローリングに床下点検口を設置する際、殆どの大工さんは元々あるフローリングを点検口として設置いただきます。しかし一部の大工さんでは作業がややこしくなるため、新しい板を持ってきて床下点検口にするケースもあります。技量があれば元々あるフローリングが活用できるはずですが、新しい板を持ってくるのは簡単なのが理由でしょう。小員はきちんと前者のように、きちんとした仕事を見習いたいと思います。
2023年10月29日 (日)
屋外蟻道
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。今年のゴールデンウィーク前に羽アリの発生が確認された物件での、シロアリ駆除処理が今回の案件です。
この物件では羽アリの発生が確認された後に、シロアリ調査を実施しています。建物自体は殆どがベタ基礎となっていますが、羽アリの発生が確認された箇所は増築部分となっています。元々テラスだったところに床組を組んだ状態で、床下点検口がなかったため新設して貰っています。
その床下部分は一部土の部分もありましたが、テラスとなっているため床下空間が非常に狭くなっています。そこで少し工夫を行い、薬剤処理を実施しています。
これだけでは床下側が侵入経路と考えがちですが、実際には異なります。シロアリの侵入経路は屋外側で、屋外側に打設されたコンクリートと基礎の僅かな隙間から蟻道を立ち上げて侵入していました。
当該箇所には屋根があるため、雨水がかかることはなく比較的乾燥した条件です。蟻道さえ立ち上げていまえば、シロアリにとって乾燥など何の役にも立ちません。シロアリ調査の際には、外周部の点検調査も必須です。
2023年10月28日 (土)
室内で確認された甲虫
昨日はいつもお世話になっている建築士の先生と打ち合わせでした。新築物件でシロアリ対策をどうするのかといった内容の打ち合わせでした。
打ち合わせ終了後、建築士の先生の知り合いの方から虫を預かったので見て欲しいとのこと。打ち合わせ用鞄には簡易顕微鏡が入っていることから、その場で同定を行いました。
所持されていた虫体はジンサンシバンムシで、家屋内でよく見つかる甲虫です。シバンムシ類は今回確認されたジンサンシバンムシ以外に、タバコシバンムシも確認されます。いずれも貯蔵食品害虫としてよく知られる種類の甲虫で、この2種の同定のポイントは背面と触覚とです。タバコシバンムシは背面に光沢があり、鋸歯状の触角となっています。ジンサンシバンムシは背面は短毛で覆われ細かい縦線があり、触角の先端3節が大きくなっています。
穀類や粉類、菓子類など乾燥した植物質を食害することから、これらの管理が重要となります。密閉できるポリ袋などは食い破るため、密閉できるプラスチック容器に保存することが重要です。薬剤による対策は、あくまで対処療法ですので過剰な期待は禁物です。基本は整理整頓清潔清掃が必須です。
2023年10月27日 (金)
増築部
右の写真は先日、シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。この箇所は増築部分で、写真に見えている段差は、元々あった勝手口の段差です。この段差の交差部分に蟻道の構築が確認されています。蟻道は上部にまで伸び、土台まで到達しています。
元々屋外だった際に構築されたのではなく、床下になったため蟻道が構築されました。お施主さまからの聞き取り調査では、屋外だった頃シロアリの気配はなかったとのことです。シロアリは地中に活動する昆虫で、健康な土壌であればどこにでも生息しています。餌となる木を求めて活動していますが、通常は地中にある枯死した木を餌としています。それ以外では足りない部分について餌を求めて結果、家屋内に侵入するのです。
床下の湿気が高いからシロアリが侵入すると考えておられる方がおられますが、これは少し違うのではないかと小員は考えています。極端に湿度の高い床下でも、シロアリは蟻道を構築して侵入します。勿論、外敵から身を守ることの理由の一つですが、蟻道を構築すれば蟻道内部が安定した湿度が得られるのです。
湿度が低くても同様で、蟻道さえ構築すればシロアリは木部に到達して被害を与えます。ベタ基礎構造の床下でも被害事例はありますし、空気循環型で乾燥した空気を床下に取り込むしシステムでも被害事例はあります。必ず覚えておいて欲しいのは、床下の乾燥はシロアリ対策でないことです。現場と対峙していない連中がいい加減なことを言うので、ご注意ください。
2023年10月26日 (木)
シロアリ監視ステーション点検
昨日は兵庫県内のマンションに、シロアリ対策でお伺いしました。継続的にシロアリ対策を実施して案件で、シロアリ監視ステーションの点検調査管理を実施しています。
この物件でシロアリ監視ステーション管理を実施するに至った経緯ですが、植え込み部分でヤマトシロアリの生息及び羽アリの発生が確認されたことが理由です。管理組合さんから相談があり、シロアリ監視ステーション設置を提案、定期的な点検調査を実施しています。
建物内へ侵入しようというシロアリの動きを早期に捉えるため、建物外周部の要所に監視ステーションを設置しています。構造を加味し、シロアリの侵入リスクの高い場所に設置しており、必ずしも建物近くという訳ではありません。
過去に建物から少し離れた監視ステーション内へシロアリの侵入が確認されています。しかし、建物の近くに設置した監視ステーションでは侵入は確認されていません。建物から少し離れた場所ではコンスタントに侵入が確認されていますが、建物近くにまで近づいてはいないようです。
これがシロアリの特徴的な動きで、庭にシロアリが生息していても建物に侵入していない典型的な事例です。シロアリはその環境に馴染んでいれば、その場所から動きません。変にストレスを与えると、それまでの活動範囲と異なる動きをします。庭にシロアリが確認された場合、侵入リスクがあるかどうかを判断することが重要なのです。
シロアリ監視ステーションとベイト工法ではコンセプトが異なり、監視ステーションはあくまでシロアリの動きを捉えるものです。ステーション内に侵入したからといって、毒餌剤をする必要はありません。ヤマトシロアリはコロニーの分散と融合を繰り返しますでの、ステーション内へ頻繁に侵入と離脱を繰り返します。何度も毒餌剤を投入するのは、ヤマトシロアリの生態を考慮しておらず的外れな対策です。高額な設置費用、点検及び毒餌施工費用となり、ヤマトシロアリでは明らかに過剰なシロアリ対策なので当社ではお薦めしていません。
2023年10月25日 (水)
床下点検調査が必須
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。室内で羽アリの発生が確認された物件での案件です。
現場で羽アリ死骸を採取し簡易顕微鏡で確認した結果、オオハリアリの羽アリと判明しました。オオハリアリは肉食性のアリで、シロアリの天敵とされています。そのため、オオハリアリの羽アリが確認された場合、床下点検調査は必須であると説明させていただいています。
問題はこの物件の床下構造で、布基礎+土間コンクリート構造となっています。この構造では布基礎と土間コンクリートの接合部にクラックが発生、その部分がシロアリの侵入経路となるケースが殆どです。
但しこの物件では更なる問題がありました。それは床下の高さが非常に低く、床下から大引までの高さが15㎝以下のため床下に侵入することはできません。こうなると複数の場所に床下点検口を設置するしかないようです。
床下の高さがなくなった理由として、建築士の先生が安易なシロアリ対策として土間コンクリートを採用したことに起因します。土間コンクリートを打設したいのであれば、打設する土間コンクリートの厚み部分の土を撤去した上で打設しなければならなったのです。土を撤去せずそのまま配筋し土間コンクリートを打設したため、侵入経路が出来上がったのです。
シロアリの天敵であるオオハリアリが生息していれば、シロアリは駆逐されるのではと考えられる方がおられるようです。しかし、オオハリアリも駆逐してしまうと餌(シロアリ)がなくなると困りますので、適度に捕食するだけでシロアリは駆逐されませんのでご注意ください。
2023年10月24日 (火)
今季最終処理
昨日は兵庫県内のマンションにお伺いしました。継続的に蚊対策を実施している案件で5月スタート、月に1回の処理で年間6回の実施、今月が最終月となっています。
当社の蚊対策の基本は予防を主とし、幼虫生息域対策のため排水経路を中心とした水系に対して薬剤処理を実施しています。10月上旬は25度を超える気温が夏日もありましたが、ここにきて最低気温が15度近くまで下がりひんやりしてきました。そのため温度に対して敏感なヒトスジシマカの活性は、大きく低下し目撃事例も少なくなりました。温帯域に生息するチカイエカやアカイエカはまだまだ活動中で、処理中にも飛来が確認されました。他の敷地と隣接する部分で蚊の目撃事例が多く、敷地外で多く繁殖しておりそれらから飛来してくるものと考えられました。建物中心部では目撃事例がほぼ無い状態であることから、住民の往来の多い箇所では蚊は確認されておらず、一定の効果が得られているものと考えられました。
当該マンションでは当社の蚊対策は高い評価をいただいており、次年度の対策も継続となりました。次年度も蚊の抑制が継続できるよう、きちんと対応したいと思います。
2023年10月23日 (月)
困難
右の写真は先日は、いつもお世話になっているハウスビルダーさんから預かった虫体の写真です。大工さんの家で確認されたとのことです。
この虫体はガであることはわかりましたが、細かい種類の同定は非常に困難です。ガを同定するには翅の斑紋、部の鱗毛の状態と下唇鬚、交尾器などで行いますが、まとめて図示したものがなく専門書の入手が必要です。おそらく、イガなどのヒロズコガ類ではないかと考えられました。これら種類のガは羊毛などの動物質繊維を食害するため、これら対策が必要となります。
ちなみにガもチョウも分類の上では同じ鱗翅目(りんしもく)という種類に該当します。あえて違いを言うならば、ガは一般に走光性が強く夜行性で、休むときは翅を重ねて屋根型にしたり、開いて広げるものが多く、チョウのように重ね合わせて垂直に立てることは少ないようです。また、触角は羽毛状、櫛歯状、糸状などいろいろあって、糸状の先がふくらんで棍棒状をしたチョウとは違いがあるそうです。
世界の昆虫類は高等植物より3倍以上の75万種類もあり、そのうちガの仲間が20万種とも言われ、チョウの2万と比べ10倍以上の多さとなっています。ちなみに、日本で確かめられているチョウは200種程度、ガはその50倍の1万種が確認されているそうです。この数の多さが同定を困難にしている理由の一つです。
2023年10月22日 (日)
リフォーム案件
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件での、シロアリ対策です。
この物件ではリフォーム工事のため既存部分の解体撤去中に、シロアリ被害が確認されました。前回のシロアリ調査では、軽微ながらも複数の箇所でシロアリ被害が確認されています。
今回概ね床組が組み上がったことから、薬剤処理のためお伺いした次第です。築年数が古い物件で、新たに土間コンクリートが打設されています。以前有名なリフォームのテレビ番組で、布基礎の物件にコンクリートを流し込んでベタ基礎という表現をされていました。これは明らかな間違いです。
ベタ基礎は一体化されたコンクリートですので、シロアリの侵入リスクは非常に低くなります。しかし布基礎の内側にコンクリートを流し込んだ構造は土間コンクリートであり、これは布基礎と土間コンクリートの接合部に隙間が発生するため、シロアリが侵入し易いのです。
布基礎と土間コンクリートは密着しているように見えますが、化学反応で接合してはいませんので隙間が発生する可能性が極めて高いのです。ですので、必要なシロアリ対策を施す必要があります。当然侵入想定経路は限定的ですので、これら箇所に薬剤処理を施しました。
2023年10月21日 (土)
水漏れ原因
昨日はシロアリ対策のため、奈良県内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっている設計事務所さんの案件です。
浴室と洗面の境界部から羽アリの発生した物件で、前回侵入することのできなかった洗面の床を撤去したところ、床下で水溜まりが確認されました。ちなみに床下構造はベタ基礎で、シロアリ駆除処理は部分的に処理を実施しています。
水溜まりは浴室側からと考えられたことから、既存の浴室を撤去することとなりました。既存浴室の解体が始まったことから、駆除確認と併せて撤去浴室部への薬剤処理のためお伺いした次第です。
当初配管のどこかで亀裂があるものと想定、水道屋さんが給水系の水圧を確認、水の流れる音の調査を実施、排水経路に墨汁を流したりなどいろいろを原因追及されました。しかし亀裂箇所は見つからず、原因不明の状態で工務店さんもどうするのか困っておられました。ちなみにシロアリ駆除は完了したいましたので、水漏れの原因が解明して浴室復旧工事に併せて薬剤処理を実施する予定です。
2023年10月20日 (金)
コンクリートブロック
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、シロアリ被害が確認されたとのことから現場監督さんと同行しました。
早速現場で確認すると被害が壁面木部で確認されました。それが右の写真ですが、基礎面には蟻道がありません。土間はコンクリートで一見するとシロアリが侵入し難い構造に見えますが、ここの落とし穴があります。基礎はコンクリートブロックですので、隙間が多くあります。土間コンクリートも接合部がありますので、表面に蟻道が見えなくても侵入可能です。
建築費用として安価なため、コンクリートブロックはよく使われます。しかしコンクリートブロックはシロアリ侵入リスクが極めて高いため、シロアリ技術者からみれば絶対にお薦めできない方法です。
実際に対策を施す際には、色々と工夫が必要です。きちんと対応していきたいと思います。
2023年10月19日 (木)
被害部薬剤注入処理
昨日はシロアリ対策のため、京都府内の物件にお伺いしました。この物件は8年前にシロアリ調査でお伺いしています。
8年前にシロアリ調査をいただいた経緯ですが、あるシロアリ防除業者が床下点検調査を実施、シロアリが生息していると言われたそうです。それがあまり信用できないとのことから、当社にシロアリ調査依頼がありました。
8年前の点検調査ではシロアリ被害があるののの、防除処理跡も確認されました。ちなみにシロアリの侵入及び生息はありませんでした。お施主さまに調査結果を報告すると、この物件では15年前にシロアリ防除処理を実施したとのこと。保証期間が切れてすぐにシロアリが侵入するのはおかしいとのことから、セカンドオピニオンとして当社にシロアリ調査依頼があったのが経緯です。
前回の点検調査時に、シロアリ侵入リスクの高い床下ですので2年を目途に点検調査の実施をお薦めしていました。数年前から相談はいただいていたのですが、コロナ禍もあり点検調査を実施するタイミングがありませんでした。コロナ禍も落ち着きを見せた、本年5月に点検調査を実施を実施するに至りました。
すると4箇所で、新たなシロアリの侵入及び被害が確認されました。そこで今回シロアリ対策のため、お伺いしました。被害部を中心に、薬剤注入処理を行いました。右の写真はその被害部の一つですが、1箇所からの薬剤注入に対して広範囲に薬剤が流出しています。一見すると甚大な被害のように見えますが、注入量は僅かですので被害部空隙も多い訳ではありません。木材の軟らかい部分を食害するため、実際の被害程度を大したものではありません。
それよりも問題なのが、最初に実施された防除施工です。コロニーの位置を考慮せず、協会仕様書に従い薬剤大量散布した結果がこれです。薬剤の残効性の消失に伴い、再侵入しています。きちんとコロニーを駆除できていない処理が招いた、悲劇としか言いようがありません。
2023年10月18日 (水)
増築部で確認されたシロアリ被害
昨日ご紹介した物件では増築部分の床下に侵入することができなかったことから、ハウスビルダーさんにお願いして床下点検口を新設いただきました。施工前に床下の点検調査を行いました。
隣の床下から換気口を通して確認した際、蟻道の構築が確認されました。今回、この床下を点検調査すると、狭い空間ながら広範囲に蟻道の構築が確認されました。
おそらく増築時に、シロアリ対策を実施しなかったのでしょう。そのため東西南北及び中央部の大引にも蟻道及び被害が確認されました。そもそもこの物件では過去に、地元のシロアリ防除業者によってシロアリ防除処理が行われています。小員がよく無駄と指摘する穿孔注入処理跡が確認されています。
この薬剤処理は、協会仕様書と呼ばれるマニュアルに従って処理されています。このマニュアルはシロアリを駆除するマニュアルではなく、大量に薬剤を撒くためのマニュアルです。ですので地中にあるコロニーは駆除されることなく、薬剤の残効性の消失に伴い再侵入します。
この再侵入はシロアリ防除業者にとって好都合で、保証期間が切れた後の再処理を勧める材料となります。地中にあるシロアリのコロニーを駆除できれば、そうそうシロアリが侵入することはないことが当社の駆除処理+定期点検調査で証明されています。
この増築部もきちんと地中のコロニーが駆除されていれば、このような被害にはならなかったでしょう。薬剤未処理なので、地中から侵入するのは当然と言えるのです。
2023年10月17日 (火)
被害部薬剤注入処理
昨日はシロアリ対策のため、京都府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっている害虫防除業者さんの案件で、先月シロアリ調査でお伺いしています。
シロアリ被害は広範囲に確認されおり、シロアリ駆除処理に併せて侵入防止処理を構造的に必要な場所に実施しました。シロアリ駆除処理については、被害部に小孔の穿孔を行い薬剤注入処理を実施しました。
ゆっくりと低圧で処理することで、被害材内部へ効率よく薬剤が行き渡ります。木材外部へ噴出する程注入処理される方がおられますが、これは薬剤の無駄使いです。必要以上の薬剤を使うのは費用に反映されるため、必要最小限量で対応するのは自然の流れです。
ちなみにこの物件では、一度他のシロアリ防除業者によってシロアリ調査が行われています。提示された見積書には、床下換気扇が見積されたため高額な金額でした。床下は築年数の関係もあり、カビ臭はありましたが、床下が以上に湿気ている訳ではありません。この環境で床下換気扇の設置を勧めるのは、悪質業者といっても過言ではないでしょうか。
2023年10月16日 (月)
定期点検調査
昨日は定期床下点検及びシロアリ調査のため、大阪府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、7年前に玄関壁面でシロアリ被害が確認された物件です。
7年前に床下側から点検調査を実施、上り框周辺及び勝手口でシロアリ被害が確認されました。その他の箇所ではシロアリの侵入及び被害が確認されませんでしたので、部分駆除処理のみ実施しました。
5年前に床下点検及びシロアリ調査を実施、新たな侵入及び被害がないことを確認しています。コロナ禍ということもあり、少し期間が空きましたが今回床下点検及びシロアリ調査を実施しました。
床下側から点検調査では、今回も新たな侵入及び被害は確認されませんでした。床下側から点検調査できない箇所や過去にシロアリ被害の確認された玄関壁面等が非破壊シロアリ探知機を用いて調査を実施、シロアリの侵入がないことを確認しました。
床下全面に薬剤を撒かなくても、きちんとシロアリ駆除ができていればシロアリの侵入はありません。ここでいうシロアリ駆除とは、シロアリのコロニーを駆除することであり、むやみやたらに穴をあけて薬剤注入をすることではないのです。シロアリのコロニーの駆除には経験と知識が必要で、マニュアルでは駆除できないのでご注意ください。
2023年10月15日 (日)
室内侵入種
昨日は室内にクロアリが侵入するという、大阪府内の物件にお伺いしました。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、勝手口からキッチンにかけて徘徊しているとのことです。
早速現場を確認すると、小型のアリが徘徊していました。アリを捕獲し、小型顕微鏡で同定した結果、サクラアリでした。アブラムシが出す甘露を好みますが、基本的には雑食性です。
市販のクロアリ用毒餌剤の多くはサイズが大きいため、運ぶのが困難なようです。アリメツのような液状の毒餌剤が効果的な場合もありますが、他に餌があればわざわざ毒餌剤を食べることはありません。毒餌剤を設置する際のポイントはここで、徹底的な餌の排除が必須です。
一旦これらの話しをお施主さまにさせていただきましたので、当面お施主さま自身で対策されるとのこと。但し、毒餌剤を喫食しないケースもありますので、その場合は当社で対策を実施することとなりました。
この時期にサクラアリの徘徊がある場合、近いうちに羽アリが発生する可能性が高いものと考えられます。サクラアリの特徴の一つが羽アリに発生時期で、10~12月に発生します。その他の時期であれば、他の種類のクロアリですので間違えないようご注意ください。
2023年10月14日 (土)
玄関壁面のシロアリ被害
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件でシロアリ被害が確認されていることから、シロアリ調査及び対策立案のためお伺いした次第です。
シロアリ被害は広範囲に確認されましたが、特徴的なのは玄関周辺で確認された被害です。それが右の写真で、基礎面に蟻道は確認されていません。ハウスビルダーさんは、何故このような被害になるのか疑問だったそうです。
玄関はコンクリートが幾重にも重なった構造で、そのコンクリート同士の隙間がシロアリの侵入経路となります。コンクリート同士が重なる部分は、一体化されていると考えておられる方が多いようです。一旦硬化したコンクリート上に生コンクリートを流し込んでも一体化はしません。コンクリートが固まるのは化学反応ですので、硬化したコンクリートと流し込んだ生コンクリートは化学反応しないのです。ですので隙間が発生しても当然の結果です。
コンクリートだからシロアリが侵入できないと考えるのは非常に危険です。そのため玄関のような複雑な構造の箇所では、如何に隙間部分に薬剤を投下できるかがポイントになるのです。
2023年10月13日 (金)
想定侵入経路処理
昨日は兵庫県内の物件に、ゴキブリ対策でお伺いしました。継続的にゴキブリ対策を実施している物件で、以前お住いされていた家屋から引き続いて対策を実施しています。
この物件で確認されているゴキブリは、大型種のクロゴキブリです。室内側で繁殖している訳ではなく、屋外側から侵入しているものと判断しています。対策としては屋外側での薬剤処理を基本としており、想定侵入経路に対しては適切な薬剤処理濃度と処理量で処理を行いました。
クロゴキブリは屋外で生息しているケースが多く、都市部では下水経路に多く生息しています。こられ箇所から家屋へ侵入しますが、どこに処理すれば効率的なのかを考えて処理することが重要です。ゴキブリ対策を実施する上で環境対策は必須で、この物件ではお施主さまに4S(整理整頓清潔清掃)のご協力をいただいています。
そのため屋外での薬剤処理は効果的で、屋外ではこれまでに複数のゴキブリ死骸を確認されているとのこと。ちなみに室内側ではゴキブリの死骸は確認されていないとのことから、対策として十分な効果が得られているようです。
2023年10月12日 (木)
在来構造浴室土台
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。浴室リフォーム予定の物件で、シロアリ調査依頼をいただきました。
床下側から点検調査した結果、浴室土台でシロアリが構築した蟻道及び被害が確認されました。浴室基礎面に及びその周辺に地面からの蟻道構築は確認されていませんので、浴室内側からの侵入と判断されました。
ここでポイントはハウスビルダーさんは在来構造の浴室を撤去した際、薬剤処理を薦められたそうです。しかしお施主さまはこれまでに浴室周辺で羽アリの発生を見たことが無く、シロアリ対策は必要ないのではと考えられていたようです。
今回の結果を説明報告すると、お施主さまもご納得をいただきました。シロアリの侵入及び被害がある場合、必ず羽アリが発生するものと考えられていたようです。シロアリが生息していていも、羽アリが発生しない事例は多くあります。羽アリの発生有無だけで判断するのは非常に危険です。
だからといって、全面薬剤処理が必須と当社では考えていません。今回の事例では、浴室以外に被害や侵入はなく、侵入する雰囲気もありませんので、浴室撤去時に必要な部分処理だけで十分対応可能です。そうすれば高額なシロアリ対策費用は不必要で、部分処理費用と定期的な点検調査費用だけで十分対応可能と判断しています。
2023年10月11日 (水)
発生源
右の写真は、先日お伺いした物件から持ち帰った虫体の写真です。いつもお世話になっている建築士の先生からの依頼いただいた案件です。
新築から1年未満の物件で、室内で羽アリのような小さな虫が飛んでいるとのことから建築士の先生に相談があったとのこと。お伺いした日は僅かに飛んでいる程度で、お施主さまからの聞き取り調査では数日前まで結構な数が飛んでいたとのことです。
流石に飛んでいる虫体を捕獲することが困難なため、叩いて捕獲しました。虫体が潰れてしまい同定が困難となるリスクがあります。捕獲した虫体の写真が右のとおりで、捕獲した虫体はクロバネキノコバエです。翅の模様である翅脈をみれば、同定は難しくありません。
クロバネキノコバエの幼虫は、土壌中の腐植物を餌としているため水分を適度に含んだ腐葉土が主たる発生源です。築年数の古い家屋では雨漏れがある箇所が発生源となることもあれば、浴室などの腐朽した土台から発生する事例があります。新築では観葉植物が発生源となる場合があるため、お施主さまには観葉植物を一旦屋外に移動させて様子を見てもらうこととしました。
クロバネキノコバエは小さな虫ですので、網戸も僅かな隙間からも侵入します。ですので網戸の開け方にも注意が必要で、網戸用防虫スプレーも有効となります。正の走光性(光に集まる習性)がありますので、室内に大量発生する場合にはライトトラップなども有効になります。クロバネキノコバエは家屋が原因でないことを説明させていただき、今後対応する可能性のあるこれら内容をお施主さまに説明させていただきました。
2023年10月10日 (火)
徘徊するサクラアリ
昨日はサクラアリ対策で、愛知県内の物件にお伺いしました。この物件では昨年の晩秋、室内でサクラアリの徘徊が確認されたと相談をいただきました。
本年の4月にお伺いし、床下側の調査を実施、床下で巣穴が確認されたことから薬剤処理を実施しました。しかし、今回再び室内でアリが徘徊したとのことからお伺いした次第です。
室内ではアリの徘徊が確認され、捕獲及び同定した結果前回同様サクラアリでした。お施主さまからの聞き取り調査では、屋外基礎面にも同様のアリが確認されているとのこと。
前回処理した薬剤の残効性を考慮すると、薬効が消失しているものと考えられました。サクラアリは年間でコンスタントに活動するため、薬剤処理された薬剤と接触することで効果発現します。今回効果は発現されなかったはケースは、残効性不足とした否めません。
この物件では残効性が期待できた春から初夏にかけて薬剤処理を実施したものの、薬剤の残効性が消失したため再侵入していたものと考えれます。やはり活動期に処理しなければならない、原理原則を間違えた小員の判断ミスです。このアリはもうすぐ活動するだろうという見込みの甘さが招いたミスですので、今後このようなことがないよう反省したいと思います。
2023年10月 9日 (月)
ノミ駆除処理
右の写真は、先日ノミ駆除でお伺いした物件で撮影した1枚です。ハウスビルダーさんのお宅で発生したノミ駆除でお伺いしています。
室内側ではノミ駆除処理として、有効成分フェノトリンを含有するアルコール製剤を使用しました。ノミはほ乳類や鳥類に寄生して吸血する昆虫で、伝染病を媒介する衛生害虫の該当します。衛生害虫の駆除を行うには、医薬品又は医薬部外品を使用することが薬機法で定められています。勿論、用法用量も定められていますので、規定量処理させていただきました。
原因がおそらくイタチと考えられるため、床下や天井裏、小屋裏などが活動範囲です。当該物件は床下がないため、天井裏及び小屋裏に対して処理も行っています。
ノミの成虫は1~2カ月吸血しなくても飢餓状態に耐えることができるため、ハウスビルダーさんには捕獲器を継続的に設置して貰うようお願いしています。捕獲状況及び吸血状況に応じて、追加処理で対応したいと思います。
2023年10月 8日 (日)
リフォーム中物件
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。リフォーム中の物件で、シロアリ対策策定のため同行しました。
シロアリ被害は広範囲に確認されており、酷い箇所では胴差まで確認されています。その様子が右の写真で、これは雨漏れが原因です。場所によっては古い被害もあれば、比較的新しい被害も確認されています。
このようなケースでは、やはり地中に複数のコロニーがあると考えるべきでです。そのためにどこに薬剤を処理するのかを考える必要があり、同時にどの薬剤を選択するかも重要です。
協会は防除施工標準仕様書を策定していますが、これは誰が処理しても一定の効果が得られる方法です。そのため、極めて高濃度の薬剤を大量処理します。安全性を謳っていますが、それが本当に安全なのかは疑問で、現時点で安全性が高いとされていても未来永劫安全性が高いとは言い切れません。
過去使用されていた薬剤も、その当時は安全性が高いとされていたのです。しかし安全性の評価が変わったり、新たな知見が見つかるとその評価が変わるのです。大量散布に頼らなくても、シロアリ対策は可能です。建物構造とシロアリの生態、薬剤の特性を理解して使用すれば
2023年10月 7日 (土)
増築部
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。洗面の床がブカブカするとのことから、専門家にシロアリ調査をしてもらうよう提案されたことからお伺いする運びとなりました。
床下側から点検調査を実施した結果、問題となった洗面の床下は浴室側からの水漏れにより床組が腐朽したため床がブカブカした状態となっていました。それ以外の箇所ですが浴室及び洗面から離れた玄関床組でシロアリが構築した蟻道及び被害が確認されました。
それ以外ですが、増築部の床組に蟻道の構築が確認されました。この増築部は元々の床下換気口はありましたが、人通口(床下通気孔)がありません。元々の床下換気口には金属製の格子があるため、侵入することができません。その格子から内部を確認した様子が右の写真で、蟻道の構築が確認されています。おそらく増築時のリフォーム業者がシロアリ対策を行わず、増築したのでしょう。
いずれにしても床下点検口を新設した上で再度点検調査を実施し、最適なシロアリ対策を提案したいと思います。浴室からの水漏れを修理する必要があり、費用が嵩むためシロアリ対策費用はできるだけ抑えたいとのことですので、部分駆除処理を定期的な点検調査で対応できればと考えています。
2023年10月 6日 (金)
大量発生
右の写真は、先日ノミ案件でお伺いした物件で撮影した1枚です。ノミが大量発生しており、対策は可能でしょうかとご相談をいただいたハウスビルダーさんのお宅です。
写真はハウスビルダーさんが設置されていた、アース・ペット株式会社さんから販売されている薬剤を使わないノミ取り器『電子ノミとりホイホイ』です。光に誘引されるノミの生態を利用し青色LEDと粘着シートにより捕獲しますが、結構捕獲されています。しかし生息数が多いと、捕獲しきれなノミが吸血して被害を与えます。
当該家屋ではペットは飼われていませんので、外部から侵入した動物が持ち込んだものと考えられます。聞き取り調査では天井裏で走り回る音がするとのことから、恐らくイタチではないかと考えられます。室内ではネズミの糞が確認されたことから、ネズミを追いかけてイタチが入ったものと考えられました。
殺虫処理を予定していますが、イタチの侵入防止も同時進行が必須です、ハウスビルダーさんには、小さな隙間を見逃さないようお願いしました。
2023年10月 5日 (木)
クロゴキブリ
右の写真は、先日シロアリ調査でお伺いした物件で撮影した1枚です。いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件です。
お施主さまからの聞き取り調査では、10数年前にリフォームを実施したがその際にはシロアリ対策を実施していないとのこと。知人宅で羽アリが発生したことを聞き不安になり、シロアリ調査を実施することになったのが経緯です。
床下側から点検調査を実施した結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。但し、床下ではクロゴキブリの死骸が多数確認されました。点検調査後、お施主さまからの聞き取り調査では、室内側でも結構目撃事例があるとのことです。
クロゴキブリの多くは外部侵入で、屋外では普通に生息しています。屋内に侵入、定着するのには理由があります。クロゴキブリにとって快適か否かで、餌と水があれば定着します。それだけにゴキブリ対策の基本は4S(整理整頓清潔清掃)です。
ゴキブリ用毒餌剤を室内で大量に設置される方がおらえますが、これは大きな間違いです。大量に設置することで誘引してしまい、他に餌があれば毒餌剤は食べません。それだけに4Sができていなければ、ゴキブリが増えて当然なのです。
2023年10月 4日 (水)
2023年度しろあり防除施工講習会受講
昨日しろあり防除施工講習会を、新大阪にあるCIVI研修センター新大阪東で受講しました。しろあり防除施工士の登録更新のための指定講習となっています。リモート受講も選択肢にありましたが、繁忙期にリモートので長時間受講は無理なため会場受講としました。
内容は防除薬剤等の現状、仕様書及び防除施工、防除管理が主たる内容です。住宅ストック活用型社会促進に向けてという演題で大阪府建築士会の方が、生物劣化と木造の残存性能という講演で広島大大学院の森准教授が講義されましたが、前回(3年前)と同じ内容でした。
講演内容に新規のものはなく、高額な費用を払っていにも関わらず残念な内容でした。小員も講師をよくさせていただきますが、費用を出した甲斐があると言われる内容になるよういつも考えています。いつまでも古い実験データと使うなど、防除薬剤等の現状とは乖離が酷すぎる内容です。
恩師からしろあり防除士だけは失効するなと遺言をいただいているので、毎回更新しています。公益社団法人であるならば、その役目を全うして欲しいものです。同じような内容の更新講習が行われる公益社団法人日本しろあり対策協会の講演とは段違いで、白対協には見習っていただきたいところです。
2023年10月 3日 (火)
家屋侵入種
昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件に同行しました。室内で小型のクロアリが徘徊しているとのことです。
早速現場でクロアリを捕獲、同定した結果トビイロシワアリでした。トビイロシワアリは、頭部表面の並行した縦皺と胸部の網目状のし皺、前伸腹節後背部の1対の棘状の突起が特徴です。屋外でよく見かける種類のクロアリですが、室内での侵入事例もあり当該ブログでも何度かご紹介しています。トビイロシワアリは雑食性のため、家屋内には様々な餌となるものが存在することから侵入してもおかしくはありません。
人に危害を与える種類のクロアリではありませんので、大量発生して気持ちが悪いという精神的な被害が多いようです。食べ物に混入するケースもありますので、できるだけ駆除処理されることをお薦めしたいと思います。
ちなみにお施主さまは市販のクロアリ用毒餌剤を設置されたそうですが、見向きもしなかったとのこと。毒性の誘引成分にはトビイロシワアリの好むものの含まれているはずですが、喫食がなかったのは単一誘引成分では難しいのでしょう。生態を考慮するのであれば、誘引成分は複合的に考える必要があると思います。
2023年10月 2日 (月)
チャタテムシではありません
先日、いつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で同行させていただきました。新築から数年以内の新築マンションの1室で、小さな虫が徘徊しているとのことから、捕獲及び調査のためお伺いした次第です。
現場で虫体を発見、粘着カーペットクリーナーで採取、それが右の写真です。虫に詳しい専門家ならおわかりだと思いますが、この虫はヒメマキムシです。お施主さまは当初管理会社と話しをしており、その際チャタテムシと判断されていたようです。
ヒメマキムシは食菌性の昆虫で、家屋内ではカビなどを餌として生活しています。人に危害を与えることはありませんが、大量発生することで精神的苦痛を覚える場合があります。屋外でも普通に生活しているため、侵入経路の特定は困難です。
対策としては、ヒメマキムシに対する直接的な対策と、原因となっているカビに対する対策を施す必要があります。新築直後のマンションでは、コンクリートの水分が完全に抜けていないため高湿度状態になり易いため注意が必要です。
よく室内にカビはないと主張される方がおられますが、目に見えるカビは胞子です。目に見えない菌糸もカビであり、ヒメマキムシの餌となることをご理解いただけますと幸いです。いずれにしても対策は簡単ではありませんので、工夫して対応したいと思います。
ちなみにこのハウスビルダーさんとはシロアリ対策でのお付き合いはなく、難しい家屋害虫の案件ばかりです。どうやらシロアリ対策を実施している防除業者はその害虫はやっていない(実際には対応できる能力がない)と言われているようで、少しは勉強して欲しいところです。
2023年10月 1日 (日)
2023年10月度ウェブサイト更新
今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。今回のトップページ画像は先日シロアリ調査でお伺いした、京都市内の物件で撮影した1枚です。基礎面のコーナー部と平面部に2本の蟻道が確認されています。
この物件の床上側は、玄関の付け框に被害が確認されています。これ以外にも、浴室入口枠にもシロアリ被害が確認されました。シロアリは蟻道を構築して木材に到達しますが、これには二つの理由があります。蟻道は内壁が防水構造であるため、シロアリを乾燥から守ることができます。またオオハリアリやクモ、ゴキブリなどの外敵から守ることができます。
シロアリが乾燥に弱い理由としては、シロアリの体表面にあります。他の昆虫のように硬い甲羅を有しておらず、薄い外皮のため体表面から水分が失われるため乾燥に弱いとされています。それに対応するため、蟻道を構築して環境に対応するのです。乾燥をシロアリ対策とされる設計者の方がおられるようですがこれは間違いです。シロアリの生態をうわべだけで捉えるから、乾燥がシロアリ対策になると捉えられるのです。
シロアリ防除業者の中にはシロアリ対策として、床下換気扇や床下調湿材(竹炭や備長炭を含む)を勧める場合があります。これはシロアリ対策とは無縁で、どちらかというと湿気対策です。カビや木材腐朽菌対策と捉えるケースが多いようですが、残念ながらこれも効果は期待できません。これらを勧める業者は、効果よりも営利優先なのでご注意ください。
シロアリ対策の基本は如何にシロアリの生態を考慮するかであり、シロアリ調査結果を元により最適なシロアリ対策を提案するのが、当社のコンセプトです。詳細につきましては阪神ターマイトラボのホームページをご参照ください。
最近のコメント