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2024年12月31日 (火)

2024年総括

生息域が広がるイエシロアリ 2024年もいよいよ今日1日を残すこととなりましたので、この1年を振り返ってみたいと思います。

ここ数年続いたコロナ禍も落ち着きを見せました。コロナ禍から始まった薬剤や機材などの原材料が高騰しました。

皆さんにはできるだけ安価にシロアリ対策を提供できるよう、今後も継続できればと考えています。

地球温暖化なのかどうかはわかりませんが、イエシロアリの活動域が広がっています。これまで確認されなかった地域からの問い合わせもあり、生息域の広がりを実感しました。

SDGsも少しづつ広がっていると思います。当社での取り組みとしては、以前から実施している薬剤大量散布からの脱却、それが住み続けられるまちづくり、環境保全につながるものと考えています。

これは今年だけでなく、今後も続けなければならない課題だと考えています。より安全で安心なシロアリ対策を提供できるよう、これからも精進したいと思います。

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2024年12月30日 (月)

群飛回数

アメリカカンザイシロアリ飼育ケース 年度末を迎えて大掃除をするなか、アメリカカンザイシロアリの飼育ケース内の掃除も行っています。

今年の傾向ですが羽アリ発生現象である群飛は小発で、季節を問わず発生しました。

ちなみに偶数月の月末に糞の撤去を行っており、今回有翅虫(羽アリ)の死骸や落翅、擬職蟻や兵蟻の死骸が確認されました。

おそらく11月に発生したものと考えられました。文献やウェブサイトなどを見るとアメリカカンザイシロアリの羽アリは、6月から9月の日中に発生すると記載されていることが多いようです。

飼育するとわかりますが羽アリは年中発生しますし、実際の現場でも同傾向にあります。現場で対峙されている業者は年中発生する内容を記載していますが、対峙したことのない業者は相変わらずの群飛時期が記載されています。

アメリカカンザイシロアリを長年飼育観察していますが、いまだに新しい発見があります。薬効試験をすると更に顕著で、思ってもみない結果となります。

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2024年12月29日 (日)

事務仕事

研修資料作成 年末になると大変なのが、大量に残された事務仕事です。

12月末は決算月であること、報告書の類、セミナー資料作成等山積しています。

セミナーは毎年依頼をいただいているものですが、必ずモディファイしています。

毎年聴講いただいているかたもおられますので、できるだけ新しい情報を提供するように心がけています。

今年の現場で興味深い事例としては、当該ブログでも紹介したイエシロアリの事例です。

大工さんがECサイトで購入した防蟻剤を被害の確認された床板の散布したところ、死骸が多数確認されました。

しかし床下では活発に活動するイエシロアリが確認されました。これには二つの重要な要素があります。

一つは薬剤を撒いただけでは、シロアリを駆除することができないということ。もう一つがドミノ(薬剤伝播)効果を謳っている薬剤ですが、十分なドミノ(薬剤伝播)効果が得られていないことです。

薬剤は特性を理解し、その性能を生かした使いかたをすべきですが、シロアリの生態も考慮する必要があることなどを説明できたらと考えています。

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2024年12月28日 (土)

ホウ酸製剤処理

ホウ酸製剤処理 昨日は、新築中の奈良県内にある物件にお伺いしました。

いつもお世話になっているハウスビルダーさんの案件で、新築防腐防蟻処理のためお伺いした次第です。

この物件は床下を室内と同じ扱いとした構造であることから、通常の薬剤処理で対応していません。

薬剤の揮散がない、ホウ酸製剤による処理となっています。

安全性が高く揮散のないホウ酸製剤は、こうした構造の物件に最適です。

ホウ酸製剤に対して否定的な意見を持たれる業者もいれば、積極的な業者もいます。

当社も否定的と見られるようですが、新築場面では好意的に使用しています。薬剤の特性を考慮した場合予防には適していますが、駆除では不適です。

薬剤特性を理解していればおのずとからわかることで、ホウ酸製剤が完璧ではないのです。その話しをすると、当社がホウ酸製剤に否定的ととられるようです。

この日の処理で、年内の現場作業は無事終了しました。積み残した残務に対応したいと思います。

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2024年12月27日 (金)

選択

イエシロアリの活動を探知する非破壊シロアリ探知機 今年、判断の難しかった物件があります。ブリングシステムで越年となった案件です。

この物件では8月下旬にシロアリ被害及び蟻道があるとご相談をいただきました。

被害はイエシロアリによるもので、被害が比較的限定的でした。

母屋や被害の確認された増築部の床下には一切被害はありません。

被害は広縁部分で確認されており、非破壊シロアリ探知機による調査でも活動を探知しています。

この物件では過去に離れや納屋などでイエシロアリ被害が確認されており、ブリングシステムで駆除を実施しています。

母屋では有機塩素系薬剤の残臭が確認されたため、被害を受けていないものと判断しました。

お施主さまの話しから、増築部分は増築時に薬剤処理をしているとのこと。薬剤処理を実施した床下側に被害がなく、広縁側に被害があるということは残効が消失したか、処理忘れが考えられました。

いずれにしても敷地内に巣系の兆候が見られないため、ブリングシステムを選択しました。残念ながら喫食速度が季節の進行に負けたため越年となりました。喫食自体は順調なので、来春以降には駆除完了まで持って行きたいと思います。

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2024年12月26日 (木)

サクラアリの死骸

死骸はサクラアリ 右の写真は、いつもお世話になっているハウスビルダーさんから送付いただいた虫体です。

以前リフォームした物件で、大掃除をした際に部屋の隅で大量に確認されたとのことです。

顕微鏡で同定した結果、サクラアリの死骸でした。

死骸の状態が比較的新しいことから、最近発生したものと考えられました。

おそらく羽アリの発生に伴い出てきた個体ではないかと考えられました。

お施主さまに電話で聞き取り調査をした結果、先月の上旬に小さな翅のある虫を確認したとのことでした。

サクラアリは、羽アリの発生時に働きアリや兵隊アリが連れて出てきます。その際に死骸となった虫体が今回発見されたものと考えられました。

既にサクラアリの活動期ではありませんので、薬剤処理は得策ではありません。ですのでサクラアリの活動が確認された時点で、対策実施されることを説明させていただきました。

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2024年12月25日 (水)

住宅医スクール2025告知

住宅医スクール2025告知 先日、住宅医スクール2024の講師依頼をいただきました。

いつもお世話になっている一般社団法人住宅医協会事務局さんからの依頼です。

2013年から住宅医スクールの講師をさせていただいており、2025年度も快諾させていただきました。

住宅医スクールは、一般社団法人住宅医協会が主催する既存住宅の調査診断・改修設計・施工・維持管理等の基礎から実践までを学ぶ実務者向けスクールです。

英国の建築病理学を参考に、2006年に岐阜県立森林文化アカデミーで開講した木造建築病理学講座の内容をベースとして2009年に名古屋で開講されました。

その後、大阪や東京など毎年各地で開催していましたが、2021年から新型コロナウイルスによりオンライン形式となっています。

既存住宅の調査・診断から性能向上改修・維持管理まで1年間で体系的に学べる実務者向けスクールで、地域の住まいのドクターとなる『住宅医』を育成・認定されています。

講義内容は構造・温熱・省エネ・高齢者・防火・耐久性等全11回22講義で構成されており、小員が担当する演題は前年に引き続き木材劣化の基礎と対策②『シロアリの生態と蟻害の事例、防蟻対策』で3月15日(土)の予定です。

住宅医スクール2025は今季で16期、開催は2月から11月まで、オンラインにて年1回通年制で合計11日間 22講義が開催予定となっています。詳細は一般社団法人住宅医協会の住宅医スクール2025をご参考ください。

オンライン講義のためオンデマンド受講も可能で、1日(2講義)から受講可能でスポット受講は10,000円/2講義となっています。ちなみに小員の講義の同日は、昨年同様京大大学院簗瀬准教授による木材劣化の基礎と対策①『木材腐朽菌・害虫の生態と対策』となっています。

当社ではビルダーさん向けの講演、ビルダーさん主催の一般向け勉強会の講師などもさせていただいておりますので、詳細は阪神ターマイトラボのウェブサイトをご参考ください。

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2024年12月24日 (火)

リスク

注意すべき玄関周辺 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

新築中の物件で、防腐防蟻処理がこの日の案件です。

新築家屋は建築基準法施行令で、一部を除いて薬剤処理が義務づけられています。

そのため、公益社団法人日本しろあり対策協会策定の防除施工標準仕様書に基づいて処理を行いました。

近年の家屋はベタ基礎構造ですので、シロアリが侵入するのは極めて稀です。

しかし侵入事例報告があり、その殆どが玄関周辺となっています。

ですので標準仕様書に戻づいて処理を行いますが、玄関周辺は特に念入りの処理が必要です。

かなり以前の話しとなりますが、新築から5年経過した物件で羽アリが確認されたことがあります。玄関壁面にはシロアリ被害跡があり、かなり以前から侵入していたようです。新築時に薬剤施工を行ったシロアリ防除業者は、施工から5年が経過していたので保証外で施工は有料になるとのことでした。

薬剤は適切に処理すれば最低でも5年間残効性はあり、実質的には7~8年は効果が期待できるはずです。それなのに侵入しているということは、明らかに施工ミスと言えるでしょう。シロアリを理解せず、薬剤を撒くからこのようになるのです。シロアリ技術者から見れば、このシロアリ防除業者は、薬剤撒き屋でしかないのです。

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2024年12月23日 (月)

建物が原因ではありません

腐葉土が原因考えられました 右の写真は、先日いつもお世話になっている設計事務所さんから送付いただいた虫体です。

新築から3箇月が経過した物件で、室内に羽アリのようなものが飛んでいると相談をいただきました。

お施主さまは建物から発生しているのではと、不安をお持ちとのことです。

とりあえず虫体を確認しないとのことから、建築士の先生に捕獲いただき送付して貰いました。

腹部や触角、翅が取れた状態で、同定が困難な状態でした。おそらくクロバネキノコバエと考えらえます。

この時期、クロバネキノコバエのお問い合わせをよくいただきます。その原因ですが、観葉植物がポイントです。

クロバネキノコバエの幼虫は腐葉土中に生息しています。この時期シクラメンやポインセチアなど、室内に置かれるケースがよくあります。

知らない間にこの観葉植物から発生するケースが非常に多いのです。ですので一旦屋外に出して、様子を見てもらうよう指示しました。

その結果ですが、撤去後クロバネキノコバエを見ることはなく、観葉植物を室内に戻すとまた見られるとのことでした。設計事務所さんは、建物に原因がなかったことで安堵されていました。

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2024年12月22日 (日)

捕虫紙検定

捕虫紙検定 年末も近づきデスクワークの対応が多くなってきました。

その中で報告書と提案書など山のようにたまっているのでが現状です。

右の写真は先日アフリカヒラタキクイムシの対策を実施している物件から回収した、ライトトラップ捕虫紙です。

速報的にアフリカヒラタキクイムシの捕獲が確認されなかったことを報告しています。

報告書作成のために写真撮影を行った他、捕虫紙の検定を行っています。

天井裏や小屋裏に設置したライトトラップには、いろいろな昆虫類が捕獲されます。

多いのはジンサンシバンムシやなどのシバンムシ類、クロアリの羽アリ、ガ類などが多く捕獲されます。

ガ類の場合、幼虫が肉食性であればネズミの死骸などに注意が必要です。シバンムシ類であれば種類の特定とその種類の生息箇所に注意を向けることが必要です。

クロアリの羽アリの場合、外部侵入なのか内部発生なのかに注意を払う必要があります。外部侵入であれば注意を払えばよいだけですが、内部発生であれば適切な対応が必要があります。

対象害虫だけでなく、折角モニタリングしているのですから、当社ではこうした対応をさせれいただいております。

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2024年12月21日 (土)

冬支度

スタッドレスタイヤ交換 昨日は前日ご紹介したスタッドレスタイヤの装着のため、タイヤ持込取付専門店の西宮市産所町 にある西宮ベースさんにお伺いしました。

ここはECサイトで購入したタイヤを持ち込みことで、取り付けして貰えます。

ECサイトで取り付け費用込みでできる場合もありますが、ここは何度も取り付けをお願いしており実績があります。

ちなみに現在履いていたタイヤを廃棄して貰い、そのスチールホイルにスタッドレスタイヤを装着して貰いました。

いままで履いていた夏用タイヤは中古で購入した際のもので、製造は2020年でした。こちらも履き替え時期なので今回廃棄した次第です。

西宮ベースさんは交換費用も安価ですが、廃棄タイヤの引き取り料も安価です。これまで使用していたタイヤホイルセットも廃棄をお願いしました。

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2024年12月20日 (金)

スタッドレスタイヤ

硬くなったスタッドレスタイヤ 今年も雪の便りを聞く季節となりました。そうなると準備するのは、業務車のスタッドレスタイヤです。

ちなみに昨年まで使用していたタイヤは2014年9月製造で、硬度計で測ると60を超えていました。

溝はまだまだありますが、既にグリップ力はなさそうです。

今回購入したのは前回と同じダンロップウィンターマックス SV01というスタッドレスタイヤですが、こちらは2024年月製造で硬度計で測ると45でした。

やはり新品のタイヤはグリップ力がしっかりとあります。

カーショップで取り付け費用込みで購入する手段もありますが、今回も前回に引き続きECサイトでタイヤのみ購入、取り付けはタイヤ持込取付専門店で行います。その方が安価に取り付けすることができますので、毎回利用しています。

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2024年12月19日 (木)

蟻道構築

新たに構築された蟻道 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

この物件は11年前にシロアリ調査を実施しています。

その背景は、シロアリ調査を実施する5年以上前にシロアリ駆除予防を他社で行われたようです。

再施工をその会社から勧められた際、ハウスビルダーさんに相談、当社にシロアリ調査を依頼いただいた次第です。

11年前のシロアリ調査ではシロアリ被害跡はあるものの、シロアリの生息及び活動は確認されませんでした。

その際、当社でシロアリ駆除を実施していないので、2年後を目途に定期点調査されることをお薦めしました。

今回のシロアリ調査では、前回確認されなった箇所に新しい蟻道の構築が3箇所確認されました。定期点検調査されなかった期間に、蟻道が構築されたものと考えられました。

今回シロアリ調査を実施するに至った経緯ですが、耐震診断及び計画を実施するにあたり床下の状況を確認するためです。本来であれば、定期的に点検調査をしていれば、早期発見できたものと考えられました。

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2024年12月18日 (水)

ダメージ

シバンムシ被害 右の写真は、先日いつもお世話になっている建築士の先生から送付いただきました。

改修予定の古民家で確認された被害に関するお問い合わせです。

建築士の先生はこの被害はシロアリによるものではないかと心配されたそうですが、この被害はシロアリによるものではありません。

シロアリによる被害では、被害部に土が付着します。シロアリの通路は蟻道と呼ばれ、被害部を覆うものは蟻土や蟻覆と呼びます。

この被害部にはそうした土は一切見られません。おそらくシバンムシによる被害です。

シバンムシは乾燥植物質を好む甲虫ですが、種類によっては木材に被害を与えます。代表的なケブカシバンムシは、古材を好むため当該事例のように古民家でよく見られます。

シバンムシに抜本的な対策はなく、交換可能なところは交換が最適でしょう。薬剤塗布もある程度は有効ですが、抜本的な対策でないことをご理解いただいておくと幸いです。

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2024年12月17日 (火)

リフォーム後半

リフォーム後半薬剤処理 昨日はいつもお世話になっているハウスビルダーさんからの依頼で、大阪府内の物件にお伺いしました。

この物件はリフォーム中の物件で、前回土間コンクリート打設前に薬剤処理でお伺いしています。

広範囲にシロアリ被害が確認されているものの、調査時点でシロアリの活動は確認されていません。

そのため、地中にはまだコロニー(巣系集団)があると想定し、土間コンクリート下に薬剤処理を実施しています。

今回床組工事がある程度進行したことから、薬剤処理でお伺いした次第です。

当該事例のようにシロアリ侵入リスクが高い物件については、部分的に薬剤処理されることをお薦めしています。ちなみに薬剤使用量は仕様書に比べて少なくなっていますので、安全にも配慮した施工となっています。

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2024年12月16日 (月)

欠損

欠損したサクラアリ死骸 右の写真は先日、いつもお世話になっている建築士の先生から送付された虫体です。

10月ごろに室内で大量に確認されたとお施主さまから相談を受けたとのことです。

この虫体は、サクラアリ羽アリの死骸です。

腹部は欠損していますが、翅脈や触角の形状から同定できます。

お施主さまに確認したところ、現在室内側で小型のクロアリの徘徊は確認されていないとのこと。

来年の春以降、室内で徘徊の可能性があることをご説明させていただきました。そして徘徊が確認された段階で、市販の殺虫スプレーを噴霧しないこと、速やかに連絡をいただくようお願いしました。

今回は潰れないよう容器に入れて送付いただきましたが、これはいつもお付き合いのある設計事務所さんやハウスビルダーさんにお願いしています。

セロハンテープに付けて送付いただくケースがありますが、これでは同定が非常に困難です。セロハンテープに貼り付けるのであれば、今回の事例のように欠損した状態のほうが同定し易いケースがほとんどです。

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2024年12月15日 (日)

ゼロ維持

捕獲は未確認 昨日はゴキブリ対策のため、大阪府内の施設にお伺いしました。

この物件は昨年ヤマトシロアリの羽アリが発生、部分駆除処理を実施した施設です。

今年羽アリが再発がなかったことから、無事駆除は完了したものと判断しています。

今年の初夏に厨房でゴキブリの発生が確認されているとご相談いただき、現地調査を実施しました。

発生していたのはチャバネゴキブリで、荷物と一緒に持ち込まれたものと考えられました。

前回の処理及びトラップ確認では、チャバネゴキブリの捕獲が確認されました。初回調査時にかなりの活動が確認されていたので、薬剤効果発現前に捕獲されたのではと判断していました。

今回のトラップ確認では、設置したトラップ全てでチャバネゴキブリの捕獲は確認されませんでした。

施設管理者からの聞き取り調査でも、水洗時に埃にまみれた死骸は確認されたものの活動しているチャバネゴキブリはここ数箇月確認されていないとのこと。この状態が継続できるよう、きちんと管理していきたいと思います。

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2024年12月14日 (土)

増築部分の問題

侵入できなかった増築部分の床下 昨日はシロアリ調査のため、京都府内の物件にお伺いしました。

いつもお世話になっている建築士の先生のご自宅で、1年以上前から床下点検調査依頼をいただいていたのですが、やっとお伺いできた次第です。

床下側からの点検調査結果ですが、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。

ただし、構造的に問題のある箇所が確認されました。それが右の写真で、繋がっている床下側から床下換気口越しに撮影した様子です。

ここは増築部分で、床下点検口が作られていません。基本的にはベタ基礎ですが、問題点があります。

建物接合部は既存の基礎と繋げていますので、厳密にはベタ基礎ではないのです。

当然、基礎と土間コンクリートの接合部にはクラックが発生する可能性があります。クラックが発生すると、シロアリの侵入リスクが上がるのです。

ですので、建築士の先生には増築部分に床下点検口を新設お願いしました。床下は必ず侵入して確認できる構造にすることが必須です。

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2024年12月13日 (金)

床下のない場所

隙間部薬剤注入処理 右の写真は、昨日ご紹介した物件で撮影した1枚です。

この物件は古い建物を改修した商業施設で、過去にヤマトシロアリの羽アリが発生し駆除処理を実施しています。

今回イエシロアリ羽アリの飛来及び近隣でイエシロアリの生息が確認されたことから、シロアリ対策を実施することとなりました。

床下のある部分では、床下側から侵入防止として薬剤処理を実施しました。

しかし床下のない場所もあるため、このような場所については隙間から薬剤処理を実施しています。

写真の場所はトイレ壁面で、過去にヤマトシロアリの羽アリが発生した場所です。ちなみに薬剤濃度は、処理する薬剤量を考慮して調整しています。

処理量が規定量処理できない場所では濃度調整が必要なのですが、規定濃度でしか使用しないシロアリ防除業者があるようです。これでは濃度不足となり侵入防止にならないのですが、それでよいと考えているのでしょうか。必要なところに濃度不足、不必要なところに大量散布とはいかがなものでしょうか。

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2024年12月12日 (木)

シロアリ侵入防止処理

シロアリ侵入防止処理 昨日はシロアリ対策のため、大阪府内の物件にお伺いしました。

いつもお世話になっている不動産管理さんからの依頼です。

この物件は古い建物を改修した商業施設で、過去に何度かシロアリ駆除を実施しています。

15年前からのお付き合いですが最初は他社でシロアリ駆除を実施したものの、翌年羽アリが発生したことからお問い合わせをいただきました。

ちなみにこの際確認されたシロアリは、全国各地で一般的に生息しているヤマトシロアリです。

ピンポイントの部分駆除でシロアリ駆除が完了したことから、お付き合いが継続しており部分回収時などのシロアリ対策やその他の家屋害虫など対応させていただいています。

今回本格的にシロアリ対策として、侵入防止処理を実施することとなりました。その背景には2つの理由があります。

この建物が歴史のある建造物であることと、近隣にイエシロアリの生息が確認されていることが理由です。ここ数年、梅雨の半ば頃にイエシロアリが必ず飛来します。数メートルのところでもイエシロアリの生息が確認されていますので、侵入するリスクがあります。

ですので、今回侵入防止処理を実施することとなりました。商業施設であることから、薬剤の選定に配慮するとともにイエシロアリに対する効力も考慮しました。

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2024年12月11日 (水)

複合処理

建物外周部薬剤処理 右の写真は、いつもお世話になっている設計事務所さんからの依頼でお伺いした物件です。

この物件は、古民家を改修した宿泊施設となっています。

宿泊者の方から、ゴキブリやクモが室内で確認されるとのことです。

そもそも自然豊かなところにある古民家を改修した施設ですので、昆虫が生息しているのは当たり前です。

小屋裏や床下を確認しましたが、ゴキブリの死骸は確認されません。

数年前に改修工事が行われた際シロアリ対策を実施しているとのことで、使用されたであろう薬剤を考慮するとゴキブリの死骸が確認されるはずです。

しかし床下で死骸が確認されていないことを考慮すると、ゴキブリではなく他の甲虫である可能性もあると思われました。

いずれにしても対策をして欲しいとのことから、写真のとおり外周部に対して薬剤処理を施すとともに、小屋裏などにも薬剤処理を施しました。

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2024年12月10日 (火)

活動範囲

活動範囲薬剤処理 昨日はいつもお世話になっている住宅管理会社さんからの依頼で、兵庫県内の物件にお伺いしました。

この物件はマンションの1階部分で、サクラアリの羽アリが発生するとともにサクラアリの徘徊が確認されています。

この日もサクラアリの徘徊が確認されましたが、戸建てに比べて室内が暖かいマンションでは長期に渡って活動が確認されているようです。

サクラアリは洗面の天井付近で活動する様子が確認されたことから、天井の隙間から薬剤処理を行いました。

サクラアリは10月後半から12月上旬にかけて羽アリが確認されます。羽アリの合わせてサクラアリも室内側で徘徊します。

しかし羽アリの発生が終焉を迎えるころには、サクラアリの活動もおさまります。薬剤処理のポイントはサクラアリの活動です。

サクラアリが活動することで、効率的に薬剤を取り込ませることでコロニーの駆除を行います。即ち活動がおさまってしまうと、効率的な駆除が難しくなります。

ただし夏前は秋の始めごろ室内で徘徊するケースがありますので、このタイミングも駆除に適した時期となります。ただしサクラアリであると虫体をきちんと同定することが必須です。

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2024年12月 9日 (月)

薬剤処理は不要

細部まで点検調査を行います 昨日は、住宅医セミナーを聴講いただいた三重県内の建築士の先生のお宅にお伺いしました。

リフォームを予定されており、その前にシロアリ調査をお願いしたいとのことからお伺いした次第です。

床下側から点検調査した結果、現時点でシロアリ被害、侵入及び生息は確認されませんでした。

床下側から点検調査できない箇所については、非破壊シロアリ探知機を用いて点検調査を行いました。こちらもシロアリの活動は確認されませんでした。

この物件では新築以降、5年毎に薬剤処理を実施しているとのこと。小員の講義を聴講され、薬剤処理だけがシロアリ対策ではなく、定期的な点検調査もシロアリ対策であることを驚きと共感されたようです。

今回の点検調査の結果、シロアリ侵入の兆候もなく特にややこし構造でもないことから、薬剤処理は不要と判断、定期的な点検調査で対応可能である旨をご説明させていただきました。

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2024年12月 8日 (日)

気配

気配のない小屋裏 昨日はいつもお世話になっている設計事務所さんからの依頼で、奈良県内の物件にお伺いしました。

この物件は古民家をリフォームした宿泊施設で小屋裏で小動物の音がするとのこと。

また室内でゴキブリやクモの徘徊も確認されているとのことから、現地調査と同時に対策を行うためお伺いした次第です。

早速小屋裏を確認しましたが、小動物の気配がありません。

小動物が侵入した場合、断熱材がぐちゃぐちゃになるケースが殆どです。また、糞尿による臭いもあるのが一般的ですが、獣臭が全くありません。

屋根瓦も確認しましたが、小動物の足跡も確認されませんでした。とりあえず隙間は確認できましたので、隙間閉塞作業を建築士の先生にお願いしました。

一方、ゴキブリやクモですが床下を確認したものの、死骸など確認されませんでした。リフォーム時にシロアリ防除業者や薬剤処理をしており、未だ3~4年程度ですので、薬剤の残効性もある筈です。知っている業者でしたので、使用薬剤もおそらくゴキブリへの副次効果ができるものを使用している筈です。

おかしいと思いながらも、ゴキブリ用医薬品を用いて処理をさせていただきました。今後の状態に注視していただくよう、施設管理者のかたにお願いしました。

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2024年12月 7日 (土)

ライトトラップ回収

小屋裏に設置したライトトラップ 昨日はアフリカヒラタキクイムシ対策のため、大阪府内の物件にお伺いしました。

いつもお世話になっている設計事務所の先生の案件で、一昨年から対策を実施しています。

この物件では2階洋室の押入壁面で、木粉の堆積が確認されました。

虫体を採取し同定した結果、外来種のアフリカヒラタキクイムシでした。

中古物件を購入し、リフォームから半年未満であったことから、被害は幸いも狭い範囲でした。

被害部及び生息可能な周辺の材料の撤去を指示、部分的に薬剤処理で対応しました。

一般的にはこれで対応が終了と思われるところですが、既に家屋内で繁殖している可能性があります。

その不安を払拭するため、天井裏や小屋裏にライトトラップを設置しました。これはアフリカヒラタキクイムシの正の走光性(光に集まる性質)を利用したもので、繁殖していればライトトラップに捕虫されます。

室内側での繁殖では、虫孔や木粉の堆積といった目視可能な被害でわかります。しかし天井裏や小屋裏、壁内で繁殖していると発見が遅れ、室内で被害が確認された際にはかなり被害が進行した状態となり駆除対策を実施するのに時間と費用を要します。

幸いにもこの物件では捕獲数が2年続けてゼロでしたので、ライトトラップの回収を行いました。初期の対応をきちんと行った結果であり、初期対応を間違えると大変なこととなります。他の物件ですが、他社で初期対応したものの対策内容が貧弱であったため、大繁殖しそのご当社で対策を請け負っていますが、10年以上対策を継続している物件があります。それだけに、初期対応がどれだけ重要なのかをご理解いただけますと幸いです。

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2024年12月 6日 (金)

12カ月定期点検整備

12カ月定期点検整備 昨日は業務車の12ヶ月点検を受けるため、スズキアリーナ阪神にお伺いしました。

中古車で購入したスズキのエブリイですが、購入店は少し遠いためメンテナンスをお願いするのは手間がかかります。

スズキの販売網であるアリーナが、安心してメンテナンスがお願いできることから近所にあるこのお店で受けることとなりました。

法定点検と名前がついていますが、受けなくても罰則はありません。だからといってメンテナンスを怠ると、自分にしっぺ返しがきます。

故障して困るのは私であり、迷惑をかけるのはお施主さまです。ですので、法定点検はきちんと受けるようにしています。

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2024年12月 5日 (木)

駆除処理以降

部分処理でのシロアリ駆除事例 昨日ご紹介した物件では、過去にシロアリ駆除処理を実施しています。

特殊な事例であることから、ご紹介したいと思います。

この物件では15年前に、浴室でヤマトシロアリの羽アリが発生しました。

建築士の先生が対応にあたり、前任者の方がホウ酸製剤を使って処理を行われたそうです。

その背景には、お施主さまが化学物質に対して敏感な体質であったことが理由です。

しかし翌年、羽アリの再発があったとのことから、建築士の先生が小員に相談をいただいた次第です。

床下側からのシロアリ調査の結果ですが、広範囲に蟻道の構築及び被害が確認されました。

ホウ酸製剤は予防には向きますが、駆除には知識と経験がないと再発します。そのため可能性を探るため、色々な薬剤を準備してお施主さまに薬剤の匂いを嗅いでもらいました。

その中で、最も反応が薄かった薬剤を用いて薬剤処理を実施しました。使用したのは250mlの薬剤を入れた洗瓶のみです。

1箇所あたり僅かな量で処理を行いました。蟻道が構築されている箇所は、蟻道と地面の接合部を中心に行いました。なるべく気中に薬剤が揮散しないように配慮しました。

しかしこの物件では人通口が非常に狭く、蟻道の確認されている空間に侵入できない箇所がありました。その部分については反対側の空間から処理を実施しましたが、所謂ブラインド処理です。

翌年以降の結果ですが、無事に羽アリの発生も収まりお施主さまにも喜んでいただいています。シロアリ駆除に大量の薬剤が必要と考える方が多いようですが、シロアリの生態と薬剤の特性を理解していればこのような薬剤量でも駆除は可能です。だからシロアリの生態や薬剤の勉強が必須ですが、大量散布しかできないのは勉強を怠けているとしか思えてなりません。

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2024年12月 4日 (水)

瓦の上の足跡

瓦の上の足跡 昨日は天井裏に何か生物が動く音がすると、ご相談をいただいた物件にお伺いしました。

この物件は大阪府内にあり、10年以上前にシロアリ駆除でお世話になっている物件です。

いつもお世話になっている設計事務所の先生の案件です。

音がするのは玄関の天井付近と、対角上にある母屋と隣接する便所の天井付近とのこと。

室内側からは特に変化はなく、屋外側から点検調査を行いました。すると瓦に隙間がある箇所が数箇所確認され、その瓦には足跡がありました。

大きさ及び形状から、イタチの足跡ではないかと考えられました。

ここ数日は音が聞こえていないとのことから、この隙間について閉塞作業を行いました。これで様子を見て貰い、侵入が収まれば対策完了です。

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2024年12月 3日 (火)

理解しがたい事案

点検調査することが大前提 右の写真は先日、シロアリ駆除でお伺いした物件で撮影した1枚です。

この物件では床下点検口がなかったことから、いつもお世話になっているハウスビルダーさんをご紹介し点検口を新設いただきました。

すると想像とおり、蟻道の構築が広範囲に確認されました。

この物件ではお施主さまが弊社に相談される前、別のリフォーム業者にシロアリ対策を相談されていました。

そのリフォーム業者が連れてきたシロアリ防除業者は、床下が見えるシロアリ被害部から薬剤を飛ばして散布すると駆除できますと説明したとのことです。

問題は基礎構造で当社の点検調査時の際にも、基礎に人通口がなく部屋毎に仕切られている構造でした。

このような構造で薬剤を飛ばして散布したところで、写真の被害部に到達する訳はありません。駆除ができる訳がないことは言うまでもありません。

侵入経路と生息範囲に対して丁寧に処理をすることで、駆除完了に近づきます。薬剤を撒き散らかすのは、シロアリ駆除ではないのです。

再発率が2割を超えるシロアリ防除業者があると聞きます。シロアリ賠償保険があるからと、高を括っているのでしょうか。再発させることは恥であるという認識を持って欲しいと思うのは、私だけでしょうか。

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2024年12月 2日 (月)

マンションの床下

床下に設置したライトトラップ 昨日は大阪府内にあるマンションにお伺いしました。

いつもお世話になっている建築士の先生のご紹介で、ヒラタキクイムシ案件です。

この物件はリフォーム後、2年目あたりで小さい虫が確認されるとのことから大手害虫防除業者さんに相談されたそうです。

その業者によると発生しているのはヒラタキクイムシで、全ての材料を交換する必要があるとの判断だったそうです。

その後、建築士の先生に相談し小員が対応することとなりました。

発生していたのはキッチンの壁面で、発生種は外来種のアフリカヒラタキクイムシです。

化学的防除に加え物理的防除により、駆除処理を実施しました。処理以降、この1年間で新たな虫孔や木粉の堆積はないとのことです。

これで駆除が完了と判断するのは危険で、発生していない証明をすることが重要です。この物件は床下がある構造ですので、その床下に小型のライトトラップを設置しています。

ちなみに今回の点検調査では、天井裏のライトトラップを含めアフリカヒラタキクイムシの捕獲は確認されませんでした。お施主さまの希望により、次年度も継続することとなりました。

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2024年12月 1日 (日)

2024年12月度ウェブサイト更新

阪神ターマイトラボ2412トップページ画像 今月も阪神ターマイトラボのウェブサイトを更新しました。

今回のトップページ画像は、大阪府内の物件で確認されたイエシロアリです。

イエシロアリは和歌山県沿岸部に生息していますが、最近では大阪湾沿岸部でもよく確認されています。

ちなみにこの物件は大阪市内に近くで沿岸から少し離れており、イエシロアリではないと思い込まずきちんと調査することが必須です。

実際に老舗と呼ばれる業者であってもイエシロアリをヤマトシロアリと判断する事例があり、残念ながら勉強不足としか言いようがありません。

この物件では和室に被害が確認されており、大工さんが床板に薬剤散布をしています。

ECサイトで購入したネオニコチノイド系薬剤で、床板には多くのイエシロアリの死骸が確認されました。

多くのネオニコチノイド系薬剤は、ドミノ効果により薬剤と接触していないシロアリまで致死すると謳われています。

しかしこの床下では写真のとおり、活発に活動するイエシロアリが確認されました。すなわちネオニコチノイド系薬剤のドミノ効果に、過度な期待をすべきではないということです。

ネオニコチノイド系薬剤も使い方によっては、ドミノ効果が得られる場合があります。残念ながら現在の使用濃度では、ドミノ効果は得られないのです。

これは当社の実験及び現場試験により確認しており、薬剤には特性に合わせた使い方をすべきであることを表しています。

当社では自社試験を現場にフィードバックし、シロアリ駆除技術の向上に努めています。詳細は阪神ターマイトラボのホームページをご参照ください。

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